UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

1488 - JPEGMAFIA 【和訳・解説】

Artist: JPEGMAFIA

Album: Veteran

Song Title: 1488

概要

JPEGMAFIAの2018年の出世作『Veteran』に収録された本作は、彼のキャリアの中でも最も過激でミリタント(戦闘的)な政治的ステートメントが込められた楽曲だ。タイトルの「1488」とは、白人至上主義者やネオナチが用いるヘイトシンボル(14の言葉からなるスローガン「14 Words」と、「Heil Hitler」を意味する「88」の組み合わせ)である。Peggyはこの忌まわしい数字を曲名に冠し、不穏なベースラインと変則的なビートの上で、ネット右翼、横暴な警察権力、トランプ支持者、そして彼らに媚びる黒人(Coon)に対して物理的な報復を宣告する。特筆すべきは、無実の罪で投獄され自殺に追い込まれた黒人青年カリーフ・ブラウダーの名前を挙げ、平和的なデモではなく「敵の家族を泣かせる」という暴力的な解決策を提示している点だ。SNS上のトローリングとストリートの生々しい怒りが完全に同期した、極めて危険でパンクなヒップホップ・アンセムである。

和訳

[Intro]

One, two
ワン、ツー

Huh, mhm

Sh–, shit
クソ、クソが

Mhm, show 'em, yeah
んん、奴らに見せてやれ

Damn, Peggy


※JPEGMAFIAのプロデューサータグ。

[Verse 1]

Oh, you ain't got your flag now, nigga, what? (Damn)
お前、今はあの旗を持ってないのかよ、どうした?
※「flag」は南部連合国旗(南軍旗)やナチスの旗などのヘイトシンボルを指す。集会やネット上では威勢が良いが、ストリートで一人になった途端に旗も持てず縮み上がる白人至上主義者を嘲笑している。

No badge, no gun, you is not tough (Nah)
バッジも銃もなけりゃ、お前はちっともタフじゃねえな
※警察のバッジと銃という権力に守られて黒人を弾圧する悪徳警官や、それに憧れるレイシストの弱さを指摘している。

Got the Benilli M4 with the big nuts (Yeah)
デカい金玉がついたベネリM4を持ってるぜ
※Benelli M4は殺傷能力の高い軍用ショットガン。圧倒的な武力での威嚇。

Toucan Sam whip it like big ****, pay homage
トゥーカン・サムみたいに振り回す、ビッグな〇〇みたいにな、敬意を払え
※Toucan Samはケロッグのシリアル「フルーツループ」の鳥のキャラクター。

You are not a guest, you're a hostage
お前は客じゃねえ、人質だ

Rap game thirsty, piss same color as Logic (God damn)
ラップゲームは喉が渇いてる、しょんべんがロジックと同じ色をしてるぜ
※ラッパーのLogicは、自身が白人と黒人のミックス(バイレイシャル)であることを頻繁にアピールすることで知られる。水分不足の濃い黄色い尿を、Logicの「薄い肌の色(ライトスキン)」と彼のアイデンティティに掛けた痛烈なブラックジョーク。

White boys act tough, I don't give no fucks
白人のガキどもがタフぶってるが、俺には全く関係ねえ

Heard he acting like Dex, beat his ass 'til he Russ (Skrrt)
あいつはデックスみたいに振る舞ってるらしいな、ラスみたいになるまでボコボコにしてやるよ
※ラッパーのFamous Dexが過去に女性に暴力を振るった事件を非難。さらに、ヘイトを集めやすいラッパーのRussが別のラッパーの取り巻きに集団で暴行されたネットミームを引用し、「女性を殴るような奴はRussのようにボコボコにする」と宣言している。

[Chorus 1]

Keep it on the hush
内緒にしておけよ

I heard that yo' mama, sister, auntie, gettin' touched
お前のママ、妹、おばさんがヤラれてるって聞いたぜ

Gat in my lap, catch me surfin' Stormfront
膝の上にチャカを置いて、ストームフロントを波乗りしてる俺を見つけな
※「Stormfront」は世界最大級の白人至上主義・ネオナチのインターネット掲示板。Peggyが銃を構えながら、あえて敵の陣地である差別主義者のサイトを閲覧(監視・トローリング)しているという極めて挑発的で特異なライン。

[Verse 2]

Wax, beach
ワックス、ビーチ

I put the judge in the seat (Beat), I send that bitch to the bank
裁判官をその席に座らせて、あのビッチを銀行へ送ってやる

I heard she pray to Allah ('Lah), nah bitch, you prayin' to me
あいつはアラーに祈ってるらしいが、いやビッチ、お前は俺に祈るんだよ

I do this shit for Kalief (Yeah), these coppers beggin' for war
俺はカリーフのためにこれをやってるんだ、このサツどもは戦争を望んでやがる
※Kalief Browder(カリーフ・ブラウダー)のこと。16歳で無実の窃盗罪を着せられ、悪名高いライカーズ島刑務所で約3年間(その大半を独房で)未決拘置され、釈放後にトラウマから自殺した黒人青年。不当な警察と腐敗した司法システムに対する底知れぬ怒りと復讐心。

You niggas marchin' for peace, I make they family weep
お前らは平和のために行進してるが、俺は奴らの家族を泣かせてやる
※平和的なデモ行進では何も変わらないと考え、白人至上主義者や悪徳警官に対して物理的な報復(家族を泣かせる=殺害)を加えるというアンチ・ピースフルなスタンス。

Kill 'em or give 'em the beats, we point the gun at your seed, nigga
殺すか、叩きのめすかだ、俺たちはお前の子供に銃を向けるんだよ
※「seed」は種=子供や子孫。報復は血筋にまで及ぶという冷酷さ。

Huh

[Chorus 2]

And I’m ridin' in that Bentley coupe, bitch (Huh, bitch)
俺はあのベントレーのクーペに乗ってるぜ、ビッチ

Fuck a Trump, and a fucking coon, bitch (Yeah)
トランプなんてクソくらえだ、それにクソみたいな白人に媚びる黒人もな、ビッチ
※「coon」は白人社会や権力に同化し、同胞を裏切る黒人を指す蔑称。ドナルド・トランプとその取り巻きへの明確な敵意。

This is not for no interviews, bitch (Nah, bitch)
これはインタビュー用の綺麗事じゃねえんだよ、ビッチ

Or the evening news, bitch (Brrah!)
夕方のニュース用でもねえよ、ビッチ

[Outro]

Huh, huh, eh
ハァ、ハァ、ええ

Yee, yeah
イェー、あぁ

Fucking dry, I'm out of weed, I'm irritable
マジでシラフだ、ハッパが切れちまって、イライラしてる

I'm fucking nauseous, I'm all crazy
吐き気がする、俺は完全にイカれちまってる

(I don't know what the fuck is wrong with me, man, I feel like killing somebody)
俺がどうしちまったのか分からねえよ、なぁ、誰かを殺してやりたい気分なんだ
※社会の不条理に対する怒りが、自身のメンタルヘルスを蝕み、狂気的な暴力衝動に変わっていく生々しい独白。

...Off my plans, fuck all my bands
俺の計画を外れろ、俺の金なんて全部クソくらえだ

I got the weed, I got the stems
ハッパはある、茎もある

Fuck you, I'm paid, baby, I'm–
クソくらえ、俺は稼いでるんだ、ベイビー、俺は…

I got these bills (Bills, bills, bills)
俺には払わなきゃいけない請求書がある

Fuck, I got these bills (Bills, bills, bills)
クソ、俺には請求書があるんだ

I got these bills (Bills, bills, bills)
俺には請求書がある
※暴力衝動や政治的な大義を抱えながらも、最終的には「日々の請求書(Bills)の支払い」という資本主義のリアルな現実に引き戻される虚無感。

You overthi–
お前は考えすぎ…