Artist: A$AP Rocky (feat. SpaceGhostPurrp & Chace Infinite)
Album: LIVE.LOVE.A$AP
Song Title: Keep It G
概要
2011年のミックステープ『LIVE.LOVE.A$AP』に収録された本作は、2010年代のアンダーグラウンド・ヒップホップにおける最も重要かつ短命に終わった同盟、A$AP MobとRaider Klanの蜜月を象徴する歴史的なトラックである。フロリダを拠点とするSpaceGhostPurrp(SGP)が手掛けた、メンフィス・ラップ由来の不気味でスクリューされた重低音ビートの上で、RockyとSGPがストリートの掟(Gの精神)を説いている。イントロでは西海岸のベテランであるChace Infiniteが、ハイエナのような音楽業界(Devils)に搾取されず、自分たちでムーブメントをコントロールしろと熱弁を振るう。当時のクラウド・ラップ・シーンにおいて、NYの洗練されたハスラー美学と、サウスや西海岸のGファンクの退廃的な空気が完璧に融合したマスターピースであるが、後に両者が修復不可能な激しいビーフへと発展した歴史的背景を踏まえて聴くと、楽曲内で誓い合った「G」としての連帯が極めて皮肉かつ感傷的に響く一曲である。
和訳
[Intro: Chace Infinite]
Shit, nigga
クソが
Fuck the bullshit, my nigga (Uh)
くだらねえ戯言は無視しろ、兄弟
Y'all niggas started this shit, A$AP started it, y'all finish it (Uh-huh)
お前らがこのムーブメントを始めたんだ、A$APが始めたんだから、お前らがやり遂げろ
Don't let these motherfuckin' devils come in between y'all (Uh-huh)
あのクソみたいな悪魔どもをお前らの間に立ち入らせるな
※「devils(悪魔)」は、ストリートで生まれたカルチャーを金儲けのために搾取しようとする音楽業界の大人たち(エグゼクティブやA&R)を指す隠語。
And start tryna separate shit
お前らを引き裂こうと企んでる奴らをな
Make this shit they shit or something that it's not (Uh-huh)
このカルチャーを奴らのモノにしたり、本来の姿と違うモノに変えようとしてくる
Y'all niggas got the motherfuckin' plan (Yeah)
お前らには確固たる計画があるはずだ
Build the motherfuckin' plan
その計画を組み立てろ
Keep the team straight and keep that shit G (Yeah)
チームの結束を固く保ち、Gのスタイルを貫け
※「G」はGangstaの略だが、ここでは「ストリートのリアルさ、信念、ブレない姿勢」を意味する。
Don't let these motherfuckers come in between y'all
あのクソ野郎どもをお前らの間に割り込ませるな
Y'all got the power, keep the power in y'all motherfuckin' hands
お前らには力があるんだ、その力をお前ら自身の手の中で握りしめておけ
Fuck these niggas man, go get it (A$AP, niggas)
あんな奴らクソくらえだ、取りに行け
Ya feel me? (Uh) Keep it G
言ってることわかるか?Gを貫け
※A$AP Mobの初期の活動を支援していたChace Infiniteによる、インディペンデントな姿勢を保てという強力なシャウトアウト。
[Verse 1: A$AP Rocky]
This is music for the villains, sophisticated children
これぞ悪党どものための音楽、洗練された子供たちのためさ
※ストリートの冷酷なハスラー(villains)でありながら、ハイエンドなファッションや美学を愛するA$AP Mobの二面性(sophisticated)を表現している。
A$AP in the house, now we're finna run the building
A$APがここに来た、今からこのビルを仕切ってやる
※「run the building」は、音楽業界やレコード会社という巨大な組織(ビル)を自分たちが支配するという覇権宣言。
Working never chilling 'til I get a million
100万ドル稼ぐまで休まず働く
To the ceiling, now my niggas gunning for a billion
天井までな、今じゃ俺の仲間たちは10億ドルを狙ってる
They ask me how I'm living, I say I'm gold grilling
どうやって生きてるか聞かれたら、俺はゴールドのグリルズをつけてると答える
※自分の生き様(生活水準やアティチュード)を、口元で輝くゴールドの金歯(サウスのハスラーの象徴)の一言で要約する見事なライン。
Niggas acting different, mothafuck' a friendship
奴らの態度が変わってきた、友情なんてクソくらえだ
※名声を手に入れ始めたことで、周囲の人間が嫉妬や金目的ですり寄ってくる現状への苛立ち。
These bitches is persistent, talking 'bout I'm distant
ビッチどもはしつこく、俺が冷たくなったって文句を言ってくる
Lost my mind a long time ago to find it, need forensics
ずっと昔に正気を失った、見つけるには鑑識が必要だぜ
※ストリートの過酷な環境とドラッグによって精神が崩壊している様を、「犯罪現場の鑑識(forensics)」という言葉を用いてブラックジョークにしている。
For instance, I get-get my dick licked
例えば、俺はフェラされてる
Red bone, complexion like a piglet, kiss-kiss
レッドボーン、子豚みたいな肌の色の女に、キス・キス
※「Red bone」は明るい肌のトーン(ライトスキン)の黒人女性を指すスラング。「piglet(子豚)」はその肌のピンクがかったトーンを比喩している。
Fuck Ace, we sip Cris, afford it cause I'm getting it
エースなんてクソだ、俺たちはクリスタルを飲む、稼いでるから余裕で買えるぜ
※「Ace」はJay-Zがプロモートし、当時のシーンで大流行していた高級シャンパン「Ace of Spades(アルマン・ド・ブリニャック)」。「Cris」は90年代からヒップホップの成功の象徴とされてきた「ルイ・ロデレール・クリスタル」。あえて最新の流行を否定し、クラシックな成功の象徴を選ぶことでオールドスクールなGの美学を示している。
Drip-drip, the thought of it is ignorant, isn't it? (Hahahah)
滴るように着飾る、そんな考えは無知で馬鹿げてるだろ?
I'm ticklish, stunting is my business
俺はくすぐったがりだ、見せびらかすのが俺のビジネスさ
Swagging on you hoes and I'm shitting on you niglets
お前らビッチにスワッグを見せつけ、ガキどもを見下してやる
※「niglets」は「nigga」と「piglet(子豚)」などを合わせた侮蔑的な造語で、未熟で取るに足らない若手ラッパーたちを嘲笑している。
So little homie, peep game
だから小さな相棒よ、ゲームをよく観察しろ
Cause these other rappers lame and don't care to do the same
他のラッパーはダサいし、俺たちと同じようにはなれないからな
Young blood
若え血潮よ
[Chorus: SpaceGhostPurrp & A$AP Rocky]
(Ay, young blood) Stay true to the game
(おい、若いの)ゲームに忠実でいろ
Fuck them lames, keep it motherfuckin' G
ダサい奴らなんてクソくらえだ、本物のGを貫け
(Ay, young blood) Nigga I'ma tell you
(おい、若いの)俺が教えてやる
Like a mothafuckin' G told me
かつて本物のGが俺に教えてくれたようにな
(Ay, young blood) Stay true to yourself
(おい、若いの)自分自身に忠実でいろ
Every day, low-motherfuckin'-key
毎日、ひっそりと目立たずにな
※「low-key」は目立たずに秘密裏に行動すること。口先だけで騒ぎ立てるフェイクな連中とは違い、本物のハスラーは影で静かに動くというストリートの鉄則。
(Ay, young blood) Cause at the end of the day
(おい、若いの)だって一日の終わりには
Fuck what you say, nigga I'ma keep it G (Uh, uh, uh)
お前が何て言おうが知ったこっちゃない、俺はGを貫くぜ
[Verse 2: SpaceGhostPurrp]
Well, let me tell you 'bout a nigga like me
さて、俺みたいな奴について話してやろう
I be smoking, choking, black locing with the OE
俺は吸い込み、むせ返り、ブラック・ロークのサングラスをかけてOEを飲んでる
※「black locing」は西海岸のギャングたちが好んだ真っ黒なLocsのサングラスをかけること。「OE」は安価で度数の高いモルトリカー「Olde English 800」の略。SGPが90年代のGファンクやギャングスタ・ラップの美学を自身のスタイルに憑依させている。
She wanna take a dick ride, we slide
彼女は俺の上を乗りこなしたがってる、俺たちは滑り込む
Straight to the telly, shaking her jelly with my dick inside
まっすぐホテルへ向かい、俺のモノを入れたまま彼女のケツを揺らす
※「telly」はホテルのスラング。「jelly」は女性の豊かなお尻のこと。
Hit it in motion, in slow motion, hit it
動きの中でヤる、スローモーションでな
※リーン(咳止めシロップ)や大麻の影響下にある、スローダウンした時間の感覚をラップのフロウで表現している。
Nigga she open, nigga I'm poking, split it
あいつは股を開いてる、俺が突いて、切り裂いてやる
With it, get it right there in the bed
ベッドのど真ん中でヤるんだ
Open up your legs, let me beat that pussy red
脚を開きな、そのプッシーが赤くなるまで激しくヤらせてくれ
Fuck what you said, I'ma still do me
お前が何て言おうが知ったことか、俺は俺のやり方を貫く
Groupies, be sucking and fucking, porno movie
グルーピーどもはしゃぶってヤッてる、まるでポルノ映画だな
Do we have a problem in here?
ここに何か問題でもあんのか?
Look a nigga in the eye as I notice the fear
怯えに気づきながら、奴の目を直視してやる
I am severe, my style is hella sharp like a spear
俺は冷酷だ、俺のスタイルは槍のように超鋭いぜ
All I do is sit back and think with the 40 beer
俺はただ腰を下ろして、40オンスのビールを片手に考えるだけだ
※「40 beer」は40オンスの巨大な瓶ビール(モルトリカー)。ストリートの若者の日常的なアルコール。
And you gotta feel the funk
そしてお前はこのファンクを感じなきゃならない
While the bass plays loud, booming all in your damn trunk
ベースが激しく鳴り響き、お前の車のトランクで轟音を立ててる間にな
※ヒューストンやマイアミのカーカルチャーにおける、トランクに積んだ巨大なサブウーファーから重低音を響かせるスタイルのこと。SGPのビートメイクの特徴である、腹に響くようなローエンド(低音)の強調を自己言及的に示している。
[Chorus: SpaceGhostPurrp & A$AP Rocky]
(Ay, young blood) Stay true to the game
(おい、若いの)ゲームに忠実でいろ
Fuck them lames, keep it motherfuckin' G
ダサい奴らなんてクソくらえだ、本物のGを貫け
(Ay, young blood) Nigga I'ma tell you
(おい、若いの)俺が教えてやる
Like a mothafuckin' G told me
かつて本物のGが俺に教えてくれたようにな
(Ay, young blood) Stay true to yourself
(おい、若いの)自分自身に忠実でいろ
Every day, low-motherfuckin'-key
毎日、ひっそりと目立たずにな
(Ay, young blood) Cause at the end of the day
(おい、若いの)だって一日の終わりには
Fuck what you say, nigga I'ma keep it G (Uh, uh, uh)
お前が何て言おうが知ったこっちゃない、俺はGを貫くぜ
