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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Can’t Take a Joke - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: Scorpion

Song Title: Can’t Take a Joke

概要

2018年の2枚組メガアルバム『Scorpion』のA面(ラップ・サイド)に収録された「Can’t Take a Joke」は、トロントとロサンゼルスを行き来するトップスターの優雅な生活と、その裏で渦巻く冷酷なストリートの掟を対比させたスリリングな一曲である。タイトルの「冗談が通じない」とは、相手がユーモアを理解できないという意味ではなく、Drakeが敵対者に対して「本気で(冗談抜きで)報復する」ため、相手にとって笑い事ではないという「Mob Boss」的な脅しである。同時に、LAの超高級住宅街ヒドゥン・ヒルズでご近所トラブルを抱えていたKanye Westへのサブリミナルな牽制や、SNSのアンチコメントに本気で心を痛めてしまう「Sad Boy」としての脆さも吐露されており、Drakeというアーティストが抱える二面性が絶妙なバランスで描かれている。UKドリル由来のスラングを取り入れたUKシーンへの目配せも光るバンガーだ。

和訳

[Intro]

Ayo, blast that shit, Maxx
おいマックス、その曲を爆音で流してくれ
※プロデューサーであるModMaxxへのシャウトアウト。

Blast that shit back if you blastin'
お前がブチかますなら、撃ち返してやれよ

Ayy

[Verse 1]

UberX to Hidden Hills
UberXでヒドゥン・ヒルズへ向かう
※ロサンゼルス郊外の超高級ゲートコミュニティ。Kardashian一家やKanye Westが住み、Drake自身も「The YOLO Estate」と呼ばれる広大な邸宅を所有していた。

Give me somethin' I can feel
俺に何か実感できるものをくれ

If they come to Hidden Hills
もし奴らがヒドゥン・ヒルズまでやって来るなら

Then I know they know the deal
奴らも事の重大さを分かってるはずだ

We just right there up the road
俺たちはこの道をちょっと上がったところにいる

You could hit it with a stone
石を投げれば届くくらいの距離さ
※ヒドゥン・ヒルズでご近所同士であったKanye Westとの確執(Pusha Tへの情報リーク疑惑など)を示唆しているとファンの間で考察されている。すぐ近くに住むライバルへのMob Boss的な威嚇。

I be out here on my own
俺はここで一人でやっている

I'm just tryna set the tone
ただ俺なりのやり方(トーン)を確立しようとしてるだけだ

I've been kicked when I was down
俺はどん底の時に蹴りつけられたこともある

None of that shit matter now
だが今となっては、そんなことどうでもいい

Niggas think they run the town
野郎どもは自分たちがこの街を仕切ってると勘違いしてる

'Til we run 'em out of town
俺たちが奴らをこの街から追い出すまではな

And they gotta relocate
そして奴らは引っ越さなきゃならなくなる

Gotta dip from where they stay
自分の居場所から逃げ出さなきゃならなくなるんだ

Everything will be okay
すべて上手くいくさ

Man, just stay up out my way
なあ、ただ俺の邪魔だけはするなよ

[Chorus]

Skid around ends with the bros and I'm kitted to the toes
兄弟たちと地元を乗り回す、頭の先からつま先までバッチリキメてな
※「Ends(地元、フッド)」「Kitted(服で着飾る)」というUKドリルやグライム由来のロンドンスラングを使用し、UKカルチャーへの敬意と親和性を示している。

If I touch studio then we got one
俺がスタジオに入れば、確実にヒット曲(一丁上がり)さ

I be tryna laugh with the bros 'bout the opps that we know
俺は兄弟たちと、お馴染みの敵(オップス)について笑い飛ばそうとしてるんだ

But they can't take a joke, 'cause it's not one
でも奴らは冗談が通じない、だってこれは冗談なんかじゃないからな
※「冗談が通じない(Can't take a joke)」のは、相手のノリが悪いからではなく、Drake陣営が裏で「ガチの報復」を目論んでいるため、相手にとって全く笑えない状況であるという冷酷なダブルミーニング。

Think it's 'cause we live by the code, reputation to uphold
俺たちがストリートの掟に従って生き、名声を守らなきゃならないからだろうな

Makin' me the one they gotta take the spot from
だからこそ、俺は奴らがトップの座を奪い取るべきターゲットになるんだ

I be tryna laugh with the bros but they can't take a joke
兄弟たちと笑い飛ばそうとするが、奴らに冗談は通じない

[Interlude]

Ayo, blast that shit, Maxx
おいマックス、その曲を爆音で流してくれ

Blast that shit back if you blastin'
お前がブチかますなら、撃ち返してやれよ

Yeah, yeah

[Verse 2]

Back and forth to Italy
イタリアへ行ったり来たりだ

My comment section killin' me
インスタのコメント欄が、俺を殺しにかかっている
※世界的トップスターでありながら、SNSのアンチコメントを気にして本気で傷ついているSad Boy的な一面の露呈。Pusha Tの暴露による大炎上の真っ只中にいたリアルな苦悩。

I swear I get so passionate
誓って言うが、俺はものすごく感情的になっちまうんだ

Y'all do not know the half of it
お前らはその半分も分かっちゃいない

I grew up with the Reps Up boys, we crashin' it and splashin' in
俺はレップス・アップの連中と育った、俺たちは乗り込んで派手に暴れ回る
※「Reps Up」は、トロントのラッパーPreme(旧P. Reign)やBaka Not Niceらが率いる、Drakeのバックボーンとなる地元のストリート・クルー。

And when I say they crashin' it, I do not mean a accident
俺が「クラッシュする」と言う時、それは交通事故のことじゃないぜ
※「Crash」はストリート・スラングで暴力的な襲撃や報復を意味する。俺のバックには危険な連中がいるという威嚇。

I'm– I'm still in the studio at 6:45
俺は、朝の6時45分になってもまだスタジオにいる

And my haters either on they way to work or they arrived
その頃、俺のヘイターどもは仕事に向かっている途中か、職場に着いたところだろうな
※夜通し音楽で何億も稼ぎ出す自分と、朝早くから満員電車で通勤しながらネットでアンチコメントを書き込む一般人との、残酷な格差マウント。

And I gotta own the things I rap about just for my pride
そして俺は、自分のプライドのためだけに、ラップで歌ったものをすべて実際に所有しなきゃならない

You know when it comes to pride, I can't put that shit aside
プライドに関わることなら、俺は絶対に妥協できないって知ってるだろ

I've been kicked when I was down
俺はどん底の時に蹴りつけられたこともある

None of that shit matter now
だが今となっては、そんなことどうでもいい

They be throwin' in the towel
奴らはタオルを投げ入れている(降参している)

I do yellowtail at TAO
俺はTAOでイエローテール(ハマチ)を食っている
※「TAO」はLAやNYにある超高級アジアン・レストラン。敵が白旗を上げて降参している間、自分は優雅に高級寿司を嗜んでいるというフレックス。

They be watchin' what they say
奴らは自分の発言に気をつけている

Especially when it's to my face
特に、俺の目の前で話す時はな

Everything will be okay
すべて上手くいくさ

Man, just stay up out my way
なあ、ただ俺の邪魔だけはするなよ

[Chorus]

Skid around ends with the bros and I'm kitted to the toes
兄弟たちと地元を乗り回す、頭の先からつま先までバッチリキメてな

If I touch studio then we got one
俺がスタジオに入れば、確実にヒット曲(一丁上がり)さ

I be tryna laugh with the bros 'bout the opps that we know
俺は兄弟たちと、お馴染みの敵(オップス)について笑い飛ばそうとしてるんだ

But they can't take a joke, 'cause it's not one
でも奴らは冗談が通じない、だってこれは冗談なんかじゃないからな

Think it's 'cause we live by the code, reputation to uphold
俺たちがストリートの掟に従って生き、名声を守らなきゃならないからだろうな

Makin' me the one they gotta take the spot from
だからこそ、俺は奴らがトップの座を奪い取るべきターゲットになるんだ

I be tryna laugh with the bros but they can't take a joke
兄弟たちと笑い飛ばそうとするが、奴らに冗談は通じない