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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Mob Ties - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: Scorpion

Song Title: Mob Ties

概要

2018年の2枚組アルバム『Scorpion』のA面(ラップ・サイド)に収録された「Mob Ties」は、Drakeが内に秘めた「Mob Boss(マフィアの首領)」としてのペルソナを極限まで解放した冷酷なバンガーである。Boi-1daとAllen Ritterが手掛けたダークなトラップ・ビートに乗せ、彼はYoung Thugを彷彿とさせる特異なフロウを採用し、自身を取り巻く「偽物の愛」や業界の政治に対する嫌悪感を叩きつけている。2018年夏はPusha TやKanye Westとの熾烈なビーフが勃発した時期であり、背後から自分を刺した同業者たちが後になって「俺たち兄弟だろ」とすり寄ってくることへの完全な拒絶が歌われている。ヒットマン(助っ人)を雇う、死体袋を買うといったギャングスタ映画さながらの物騒なリリックは、孤高の王者として君臨し続けるための徹底した防衛本能とパラノイアの表れであり、彼のキャリアでも屈指のハードコアな名曲としてファンに支持されている。

和訳

[Verse 1]

Ayy, sick of these niggas (Sick)
ああ、こいつらにはもうウンザリだ

Sick of these niggas (Sick, sick)
この野郎どもには吐き気がするぜ

Hire some help (Help), get rid of these niggas (Skrr)
助っ人(ヒットマン)を雇って、こいつらを消し去ってやる
※邪魔なヘイターやフェイクな同業者たちを自らの手を汚さずに排除するという、マフィアのボス(Mob Boss)的な冷酷なフレックス。

Sick of this shit, move to the Ritz
こんなクソみたいな状況にはウンザリだ、リッツ・カールトンに引っ越すぜ

Turned out the bitch (Ayy)
あのビッチは追い出してやった

It is what it is, yeah
しょうがないことさ、ああ

GLE, 'cause that Lambo movin' fast (Skrr)
ベンツのGLEだ、ランボルギーニは速すぎるからな
※スピード狂のスーパーカーではなく、重厚で防弾仕様にもなる高級SUV(Mercedes-Benz GLE)を選ぶというボスの余裕。

S Class, G Class, lotta class (Sss, sss)
Sクラス、Gクラス、気品(クラス)に溢れてる

In a rocket and that bitch ain't got no tags (Skrr, skrr)
ロケットみたいな車に乗る、ナンバープレートなんて付いちゃいない
※追跡を逃れるための違法な(またはディーラーから出たばかりの)車両。

Louis bags in exchange for body bags, yeah
ルイ・ヴィトンのバッグと引き換えに、ボディバッグ(死体袋)を手に入れるのさ
※現金が詰まったルイ・ヴィトンのバッグをヒットマンに渡し、敵の死体(ボディバッグ)を要求するという恐ろしい暗喩。

[Pre-Chorus]

Sick of these niggas (Sick)
こいつらにはもうウンザリだ

Sick of these niggas (Sick, sick)
この野郎どもには吐き気がするぜ

Hire some help (Help), get rid of these niggas (Grr)
助っ人を雇って、こいつらを消し去ってやる

Fuck what it was, it is what it is (What)
過去がどうだったかなんて知るか、現実は現実だ

Whatever you did, it is what it is
お前が何をしたにせよ、結果は変わらない

[Chorus]

And I'm so tired (tired)
俺はもう疲れ果てた

I fuck with the mob and I got ties (Lotta ties, lotta ties)
俺はマフィアとつるんでる、太いパイプ(タイ)があるんだ
※タイトルの回収。地元トロントやアメリカ各地の裏社会と強固なコネクションを持っていることの証明。

Knock you off to pay their tithes (Do doo)
奴らへの上納金代わりに、お前を消し去ってやる
※「Tithe(十分の一税)」は教会への寄付を指すが、ここではマフィアへの忠誠を示すための血の生贄(ターゲットの殺害)を意味している。

They want me gone but don't know why
奴らは俺の排除を望んでいるが、自分でもその理由を分かっちゃいない

It's too late for all that lovey-dovey shit
今さら愛想よく擦り寄ってきても遅すぎるんだよ
※裏でDrakeを攻撃したり情報をリークしておきながら、表向きはSNSで和解をアピールしようとしたKanye Westらに対する完全なる拒絶。

I'm your brother shit, all that other shit
「俺たち兄弟だろ」だとか、そういうくだらない戯言もな

It's too late for all that
今さらそんなことを言っても遅すぎる

It's too late for all that, ayy
もう手遅れなんだよ

It's too late for all that lovey-dovey shit
今さら愛想よく擦り寄ってきても遅すぎる

I'm your brother shit, all that other shit
「俺たち兄弟だろ」だとか、そういうくだらない戯言もな

It's too late for all that, ayy
今さらそんなことを言っても遅すぎる

It's too late for all that
もう手遅れなんだ

[Post-Chorus]

Ayy, sick of these niggas
ああ、こいつらにはもうウンザリだ

I'm sick of these niggas
この野郎どもには吐き気がするぜ

Hire some help, get rid of these niggas
助っ人を雇って、こいつらを消し去ってやる

I'm not with the ra-ra
ギャーギャー騒ぐようなくだらない真似はしない

I am a Dada
俺はダダ(父親)だ
※自身が隠し子(Adonis)の父親であるという事実の宣言と同時に、シーンを支配する「首領(ドン)」であるというダブルミーニング。

My bitch in Chanel now
俺の女はシャネルを着ているが

Your bitch in Escada (Sick, sick, sick, sick)
お前の女はエスカーダだ
※高級ブランドの格付けマウント。Escadaは立派なブランドだが、ストリートやヒップホップの文脈ではChanelに比べると一昔前の時代遅れな印象を持たれることを利用した皮肉。

[Verse 2]

Yeah, and they shook
ああ、奴らは震え上がっている

Please don't let them fool ya, I don't care how they look (Nah)
奴らに騙されるなよ、奴らがどう見えようと俺の知ったことじゃない

Heard all of the talkin', now it's quiet, now it's shush (Shh)
散々吠え面をかいてたのも聞こえてたが、今じゃすっかりお静かだな、シーッ

Twenty-nine is comin', they on edge when I cook (Cook)
29日がやって来る、俺が調理(制作)し始めると奴らはピリピリするんだ
※アルバム『Scorpion』のリリース日である「6月29日」のこと。自分がアルバムをドロップすればシーンがひっくり返るため、他アーティストが恐れおののいている状況。

Lead the league in scorin', man, but look at my assists (Shh)
リーグ得点王の俺だが、このアシスト数も見てみろよ
※自身の圧倒的なセールス(得点王)を誇示しつつ、フィーチャリングで多くの若手ラッパーをブレイクさせてきた(アシストした)ヒップホップ界における絶大な影響力の証明。

Yes I be with Future but I like to reminisce (Yeah)
ああ、俺はフューチャー(未来)と一緒にいるが、過去を振り返るのも好きなんだ
※長年のコラボレーターであるFutureの名前と「未来」を掛け、彼と共に前進しつつも、過去の恨み(裏切り)は絶対に忘れないという執念深さ(Sad Boy的要素)。

I do not forget a thing, I'm patient, it's a gift (yeah)
俺はどんなことも絶対に忘れない、忍耐強いんだ、これは才能さ

Try to tell 'em they ain't got to do it, they insist (they insist)
やらなくていいと止めたのに、あいつら(ヒットマン)はやるって言い張るんだ
※自分が直接手を下さなくても、忠誠を誓う狂信的な仲間たちが勝手に敵を排除しようとする、恐るべきカリスマ性。

Yeah, I can tell
ああ、見ての通りさ

I just gave 'em two for forty million like Chappelle (Two)
シャペルみたいに、2本で4000万ドルを叩きつけてやったよ
※人気コメディアンのDave ChappelleがNetflixと交わした巨額契約(スタンドアップ特別番組3本で6000万ドル、1本あたり2000万ドル換算で2本なら4000万ドル)の引用。Drake自身がApple Musicと結んだ巨額契約や、2枚組アルバムをリリースした事実を重ねている。

Standin' over coffin with a hammer and a nail (Two)
棺桶の上に立ち、ハンマーと釘を構えている
※敵のキャリアの棺桶に最後の釘を打ち込む(The final nail in the coffin)という、完全なトドメを刺す冷酷な宣告。

Heard you hit up so and so, that name don't ring a bell, nah
誰それに連絡したって聞いたが、そんな名前にはピンと来ないね
※敵が誰に助けを求めようと、俺の力の前では無名に等しいという圧倒的なマウント。

[Pre-Chorus]

Sick of these niggas (Sick)
こいつらにはもうウンザリだ

Hire some help, get rid of these niggas
助っ人を雇って、こいつらを消し去ってやる

I'm sick of this shit (Sick, sick)
こんなクソみたいな状況にはウンザリだ

I'm runnin' a blitz (Ayy)
奇襲攻撃(ブリッツ)を仕掛けるぜ
※アメフトで守備側が一斉にクォーターバックに襲い掛かる戦術。総攻撃の合図。

Whatever you did (Ayy), it is what it is
お前が何をしたにせよ、結果は変わらない

[Chorus]

And I'm so tired (Tired)
俺はもう疲れ果てた

I fuck with the mob and I got ties (Lotta ties, lotta ties)
俺はマフィアとつるんでる、太いパイプ(タイ)があるんだ

Knock you off to pay their tithes (Do doo)
奴らへの上納金代わりに、お前を消し去ってやる

They want me gone but don't know why
奴らは俺の排除を望んでいるが、自分でもその理由を分かっちゃいない

It's too late for all that lovey-dovey shit
今さら愛想よく擦り寄ってきても遅すぎるんだよ

I'm your brother shit, all that other shit
「俺たち兄弟だろ」だとか、そういうくだらない戯言もな

It's too late for all that
今さらそんなことを言っても遅すぎる

It's too late for all that, ayy
もう手遅れなんだよ

It's too late for all that lovey-dovey shit
今さら愛想よく擦り寄ってきても遅すぎる

I'm your brother shit, all that other shit
「俺たち兄弟だろ」だとか、そういうくだらない戯言もな

It's too late for all that, ayy
今さらそんなことを言っても遅すぎる

It's too late for all that
もう手遅れなんだ