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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

No Long Talk - Drake (feat. Giggs) 【和訳・解説】

Artist: Drake (feat. Giggs)

Album: More Life

Song Title: No Long Talk

概要

『More Life』(2017年)に収録された「No Long Talk」は、DrakeがUKドリルおよびグライム・シーンへの深い傾倒を本格的に開花させた、攻撃的で冷酷な「Mob Boss」アンセムである。サウスロンドンの伝説的ラッパーであるGiggsを客演に迎え、カナダのトロントとUKのストリートカルチャーをスワップさせた歴史的な一曲だ。Murda Beatzが手掛けた不穏なトラップビートの上で、DrakeはOVOの側近であるBaka Not NiceやChubbs、Fifといったストリートの「フィクサー」たちの名前を並べ立て、敵対者に対する容赦ない暴力と報復を仄めかす。パトワ語やトロント・スラング、さらにはUK特有の言い回しが入り乱れており、メロウな「Sad Boy」の面影は一切なく、邪魔者を完全に排除しようとする業界の頂点に立つ者の冷徹な威圧感に満ちている。

和訳

[Intro: Drake & Baka Not Nice]

(Wheel it!)
(もう一回かけろ!)
※DJが曲の頭出しをする際のUK特有のレゲエ/グライム・スラング。

Yeah (Six!)

Yeah

Murda on tha beat so it's not nice
マーダがビートを手掛けてる、だからこいつはヤバい(Not Nice)ぜ
※プロデューサーMurda Beatzのプロデューサータグ。同時にOVOの側近である「Baka Not Nice」の名前と掛けている。

[Verse 1: Drake]

That’s Baka, he's a no-long-talker
あいつはバカだ、長話なんてしない男さ
※「Baka」はDrakeの用心棒的側近Baka Not Nice。「No long talk」はパトワ語由来のスラングで、口先だけでなく即座に行動(暴力)に移すこと。

Quick to let the motherfuckin' TEC slam
躊躇なくマザーファッキンなTECをぶっ放す
※TEC-9(半自動拳銃)のこと。

We don’t need to hear about a next man
他の野郎のことなんて聞く必要はねえ

Yutes talk down, then they get ran
ガキどもが舐めた口を利けば、車で轢き潰されるだけだ
※「Yutes」はYouth(若者、ガキ)のパトワ語発音。

Left them, get dipped from the whole ends
奴らを置き去りにし、フッド全体から消し去る
※「Ends」はUKやトロントのスラングで「地元、フッド」のこと。「Dip」は立ち去る、逃げる。

If Gilla call shots, no questions
ジラが命令を下せば、質問は一切許されない
※「Gilla」はトロントのラップグループRep Upのメンバー。

G-Way til I'm restin'
俺が死んで眠りにつくまでG-Wayをレペゼンする
※「G-Way」はトロントのスカーボローにある地区Galloway Roadのこと。

But we still got love for the West End
だが、ウェスト・エンドへの愛も忘れてないぜ

If it's a chit-chat ting, better talk nice
もしそれがただの雑談なら、言葉には気をつけた方がいい
※「Ting」はパトワ語由来のThing。

Murda on the beat so it's not nice
マーダがビートを手掛けてる、だから容赦はしない(Not Nice)ぜ

Skull gets hot, then I'm not nice
頭に血が上ったら、俺は優しくなんてなれない(Not Nice)ぜ
※Baka Not Niceの元々の異名が「Baka」であったことと関連している。キレたら手がつけられないという警告。

You tryna date her and she been let me wop twice
お前があの娘とデートしようと必死な間に、彼女はもう俺と2回はヤッてるぜ
※「Wop」は性行為を指すスラング。敵のプライドをへし折るマウント。

Now you man are on a diss ting
それで今度はお前らがディスを仕掛けてきてるわけだ

Just know man like Chubbs
チャブスみたいな男がいることを忘れるな
※ChubbsはDrakeの長年の親友であり、OVOの実質的な用心棒(フィクサー)。

He's a fixer if I ever gotta fix tings
もし俺が問題を片付けなきゃならない時、あいつがフィクサーになる

Just know man like Fif, he's a sickaz
フィフみたいな男がいることを忘れるな、あいつはイカれてるぜ
※Fif(フィフ)はOVOのメンバー。数年後に銃殺された悲劇の人物だが、当時は恐れられる存在だった。「Sickaz」はパトワ語で狂人、危険人物。

You get tanned, he don’t miss things
お前は撃ち抜かれる、あいつは絶対に的を外さないからな
※「Tan」は銃で撃つことを意味するUK/トロントのスラング。

Just know man like me, I’m a Sixer
俺みたいな男がいることを忘れるな、俺はシクサーだ
※「Sixer」はThe 6(トロント)を体現する者のこと。

And I oversee the whole thing
そして俺がこのすべてを監視しているんだ

Yeah, I pree the whole thing (SN1)
ああ、俺がすべてに目を光らせてるのさ(SN1)
※「Pree」はパトワ語で「監視する、観察する」。SN1は客演のGiggsが率いるUKのクルー(Spare No 1)。

Yeah, I pree the whole thing
ああ、俺がすべてを監視している

Preme got the err tucked, can't see the whole thing
プリームが銃を隠し持ってる、その全貌を見ることはできないぜ
※「Preme(元P. Reign)」はOVOと親しいラッパー。「Err」は銃(バーナー)の擬音やスラング。

Niggas wanna talk splits, now we need the whole thing
奴らは利益の分割について話したがるが、今や俺たちはそのすべてを奪うつもりだ
※Mob Bossとしての強欲さと完全な支配欲。

[Verse 2: Giggs]

Man gets duppied when we touch a button (Touch a button)
俺たちがボタンを押せば、野郎どもは死体に変わる(ボタンを押せばな)
※「Duppy」はパトワ語で幽霊、死体。「Touch a button」はヒットマンに指示を出す、あるいは引き金を引くこと。

Man catch suckers, then we’re touchin' somethin' (Yeah)
腑抜け共を捕まえて、何かに手を下してやる

Man get stuck in, yeah, we're stuck in somethin’ (Yeah)
問題に首を突っ込む、ああ、俺たちは厄介事に巻き込まれてる

Man gets wrappin' when we're suckin' somethin' (Straight)
獲物を吸い尽くす時、奴らを袋叩きにしてやる(間違いない)

Man gets battered with the crutch or somethin' (Battered)
松葉杖か何かで、野郎をボコボコに打ちのめしてやる(ボコボコにな)

Man bat bat it, then we buck or somethin' (Buck-bucker)
銃をぶっ放して、そのまま突撃してやるよ(突撃だ)
※「Bat bat」は銃声の擬音。「Buck」は出くわす、衝突する。

If man child play it, then we Chucky somethin' (Straight)
もしガキのお遊びをするなら、俺たちはチャッキーみたいに切り裂いてやる(間違いない)
※映画『チャイルド・プレイ』の殺人人形チャッキー(Chucky)と掛けた残虐なワードプレイ。

If man start throwin', then we're chuckin' somethin' (Hmm)
もし奴らが何かを投げつけてくるなら、俺たちも弾丸を投げ返してやる

I'm on the best side, got the TEC lined
俺は最高の陣営にいる、TEC-9も準備済みだ

In the whip, on the left side, on a death ride (Switch it)
車の中、左側のシートで、死のドライブに出かけるぜ(切り替えろ)
※UKは左側通行・右ハンドルであるため「左側のシート」は助手席(銃を撃つ側)を意味する。

MAC-10 and the spesh flies, and the TEC slide
MAC-10と特注の弾丸が飛び交い、TECが火を噴く

Nutty shit like somethin' just climbed out the X-Files (Ooh)
Xファイルから何かが這い出してきたような、イカれた狂気の沙汰さ(ウー)

Textbook, like it's old school, like in textiles
教科書通りだ、まるでオールドスクールな織物みたいにな
※古風で伝統的なストリートの手法(ギャングの報復)をなぞっていること。

Lighty lookin' healthy and she gets smiles
肌の明るい女は健康そうで、よく笑う

Home time, grab a quick drink and she gets wild
家に帰る時間だ、軽く一杯飲めば彼女は野獣に変わる

Sexy, and I rate that and her sex style (Switch it)
セクシーだ、俺はその女とセックスのスタイルを高く評価してるぜ(切り替えろ)

Fuckin' somethin', yeah nigga, fuckin' somethin' (Fuckin' somethin')
ヤッてるのさ、ああ、誰かとヤッてるんだ(ヤッてるんだよ)

Back bent, pussy, I'll fuck her somethin' (Yeah)
背中を反らせて、あの女をメチャクチャに抱いてやる

Cognac, better grab a cup of somethin' (Cup of somethin')
コニャックだ、何か一杯飲んだ方がいい(一杯な)

Glue pussy like a nigga stuck or somethin' (Nah)
アソコが接着剤みたいにきつくて、抜けなくなっちまったみたいだ(いや)

Stuck or somethin', like a nigga stuck or somethin' (Stuck or somethin')
抜けなくなった、まるで身動きが取れなくなったみたいに(抜けなくなった)

Saw the monster, it's like a truck or somethin' (Jheeze)
モンスターを見たぜ、まるでトラックか何かみたいにデカいケツだ(ジーザス)

Spread the pussy out, I'm 'bout to butter somethin' (Yeah)
足を開かせろ、今からバターを塗るみたいに滑り込んでやる

Man gone Hollywood, it's like I'm Buck or somethin' (Buck)
俺はハリウッド級のスターになっちまった、まるでアンクル・バックみたいにな(バック)
※ジョン・キャンディ主演のコメディ映画『おじさんに気をつけろ! (Uncle Buck)』からの引用。

[Outro: Giggs]

You dun know, it's Hollowman Giggs
分かってるだろ、ホロウマン・ギグスだ
※Giggsの異名「Hollowman」。

Right now, just here with the big man Drizzy, you get me?
今、ビッグマンのドレイク(Drizzy)と一緒にここにいる、分かるか?

More Life flex, you dun know
『More Life』のフレックスだ、分かってるだろ

OVO and SN1 to the world, brap
OVOとSN1から世界へ、ブラップ!
※「Brap」はUKストリートやジャマイカで使われる銃声の擬音であり、最大限の賛辞・気合いの表現。