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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

6PM in New York - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: If You’re Reading This It’s Too Late

Song Title: 6PM in New York

概要

「6PM in New York」は、『If You’re Reading This It’s Too Late』(2015年)の締めくくりを飾る、Drakeの代名詞とも言える「タイムスタンプ・シリーズ」の一つである。Boi-1daプロデュースによるソウルフルで内省的なビートに乗せ、彼は約4分間、フックなしの1バースで業界への怒りや皮肉、そして現在の自身の立ち位置をマシンガンのように吐き出し続ける。特筆すべきは、TygaやKanye Westへの強烈なサブリミナル・ディスである。当時、若手女優Kylie Jenner(当時17歳)と交際し、インタビューでDrakeを「フェイク」と批判したTygaに対し、「自分の年齢に合った振る舞いをしろ、彼女の年齢じゃなくてな」という痛烈なパンチラインを放ち、シーンを震撼させた。さらに「王座(The Throne)はお前ら3人のものみたいにラップしてるな」と、J. Coleの楽曲「Fire Squad」におけるJ. Cole、Kendrick Lamar、そしてDrake自身のトップ3議論、あるいはKanye WestとJAY-Zの『Watch The Throne』への挑戦状とも取れるラインを展開する。Mob Bossとしての冷酷さと、孤独を抱えるSad Boyのペルソナが、最高峰のスキルで融合したリリカルな傑作だ。

和訳

[Intro]

Yeah

Yeah

[Verse]

Oh, you gotta love it, oh, you got—oh, you gotta love it
ああ、最高だろ、ああ、愛さずにはいられないはずだ

I heard what circulated, let's get to the bottom of it
どんな噂が出回ってるか聞いたぜ、真相を突き止めようか

I told 1da send me somethin' and I got it covered
ワンダ(Boi-1da)にビートを送れって言って、俺がすべて完璧に仕上げた

Somehow I always rise above it
なぜか俺は、いつだってその騒動(噂)の上に立ち上がるんだ

Why you think I got my head in the clouds on my last album cover?
俺の前のアルバムのジャケ写で、俺の頭が雲の中にあったのはなぜだと思う?
※3rdアルバム『Nothing Was the Same』のカバーアート。空に浮かぶ横顔は、自分がいかに高い次元(天上)にいて、下界の騒音を意に介さないかを表している。

The game is all mine and I'm mighty possessive
このゲーム(ヒップホップ業界)は俺のものだ、俺は独占欲が強いんだよ

Lil Wayne could not have found him a better successor
リル・ウェインだって、俺以上に最高の後継者は見つけられなかっただろうさ

Every shot you see 'em take at me, they all contested
奴らが俺に向けて放つショット(ディス)は、すべて俺の激しいブロックに阻まれる

Allen Iverson shoe deal, these niggas all in question
アレン・アイバーソンの靴の契約みたいに、こいつらは全員「クエスチョン(疑問符)」がつくんだ
※NBAのレジェンド、アレン・アイバーソンのReebokのシグネチャーシューズ「The Question」と、実力に「疑問符(Question)」がつくラッパーたちを掛けた巧みなダブルミーニング。

Last night I went to sleep wantin' more
昨夜、俺はもっと多くのものを求めながら眠りについた

Tryna decide what direction I should go towards
自分がどの方向へ進むべきか、決めようとしながらな

Some nights I wish I could go back in life
時々、過去に戻りたいと願う夜がある

Not to change shit, just to feel a couple things twice
何かを変えたいわけじゃない、ただあの時の感覚をもう一度味わいたいだけだ

28 at midnight, wonder what's next for me
真夜中の28歳、俺の次は一体何が待ってるんだろうな

Longevity, wonder how long they'll check for me
寿命(キャリアの長さ)、奴らはいつまで俺に注目し続けるだろうか

Prolly forever if I stay in my zone
俺が自分のゾーン(領域)に居続ける限り、きっと永遠だろうな

I speak on this generation, but can't change it alone
俺はこの世代について語るが、俺一人じゃ変えられない

I heard a lil', lil' homie talkin' reckless in Vibe
ちっぽけな後輩(Tyga)が、Vibe誌で無責任な口を叩いてるのを聞いたぜ

That's quite a platform you chose, you should've kept it inside
随分と立派なプラットフォームを選んだもんだ、心の中に留めておくべきだったな
※Young Moneyの後輩であるTygaが、Vibe誌のインタビューで「Drakeのことは好きじゃない、彼はフェイクだ」と発言したことへの直接的な反撃。

Oh, you tried? It's so childish callin' my name on the world stage
おや、やってみたのか? 世界の舞台で俺の名前を出すなんて、本当にガキっぽいぜ

You need to act your age and not your girl's age
お前は自分の年齢に合った振る舞いをするべきだ、お前の彼女の年齢じゃなくてな
※当時25歳だったTygaが、まだ17歳だった未成年のKylie Jennerと交際していた事実を揶揄した、キャリア屈指の破壊力を持つパンチライン。

It gets worse by the annual
年々状況は悪くなっている

My career's like a how-to manual, so I guess it's understandable, man
俺のキャリアは成功の「ハウツー・マニュアル」みたいだからな、だから嫉妬されるのも理解できるよ

Oh, you gotta love it, you gotta love it, yeah
ああ、最高だろ、愛さずにはいられないはずだ

I know rappers that call paparazzi to come and get 'em
自分でパパラッチを呼んで、写真を撮らせるラッパーたちを知ってるぜ

To show they outfits off, guess they need the attention
自分の服を見せびらかすためにね、よっぽど注目されたいんだろうな
※話題作りに必死なラッパー(これもTygaやKanye Westを示唆しているとされる)への冷笑。

I remember when it used to be music that did it
昔は、音楽そのものが注目を集めていた頃のことを覚えてるよ

But then again times have changed, man, who are we kiddin'?
でも時代は変わったんだ、なあ、誰をごまかそうとしてるんだ?

I'm managed by my friends that I grew up with
俺は、一緒に育ったダチ(OVOファミリー)にマネジメントされてる

I'd rather give that 15 percent to people I fuck with
どうせなら、俺が信頼してる奴らに(マネジメント料の)15パーセントを払いたいんだ

If me and Future hadn't made it with this rappin'
もし俺とフューチャー(Future the Prince)が、このラップビジネスで成功していなかったら
※ここでの「Future」はラッパーのFutureではなく、Drakeの長年のDJであり親友であるFuture the Prince(Adel Nur)のこと。

We'd prolly be out in Silicon tryna get our billions on
きっとシリコンバレーにでも行って、何十億ドルも稼ごうとしてただろうな

But here we are, yeah
でも、俺たちは今ここにいる

Lately, I feel the haters eatin' away at my confidence
最近、ヘイターどもが俺の自信を食い潰しているように感じる

They scream out my failures and whisper my accomplishments
奴らは俺の失敗を大声で叫び、俺の成功については小声で囁くんだ

Bitches alter my messages like we had words
ビッチどもは俺のメッセージを改ざんして、まるで口論でもしたかのように見せかける

And stories 'bout my life hit the net like a bad serve
そして俺の人生のゴシップが、バッド・サーブみたいにネットの網(Net)に引っかかるんだ
※テニスやバレーボールの失敗したサーブ(Bad serve)がネット(Net)に掛かることと、インターネット(Net)にゴシップが流出することを掛けた言葉遊び。

Bitter women I'm overtextin' are PMSin' crazy this year
俺がメールを送りすぎた恨みを持つ女たちが、今年はPMS(月経前症候群)みたいに狂ってる

Fuckin' with my image
俺のイメージを台無しにしようとしてやがる

I was tryna reach the youth so I can save 'em this year
今年は若者たちに手を差し伸べて、彼らを救おうとしてたのにな

Fuck it, I guess I gotta wait 'til next year
クソ、来年まで待たなきゃならないみたいだ

And I heard someone say somethin' that stuck with me a lot
誰かが言った言葉で、すごく心に残っているものがある

'Bout how we need protection from those protectin' the block
「俺たちには、このブロック(街)を守っているはずの奴らから身を守る必要がある」ってな
※アメリカで相次いでいた警察(Protecting the block)による黒人への不当な暴力・殺害事件に対する、Drakeなりの社会的なメッセージ。

Nobody lookin' out for nobody
誰も、誰かのことなんて気にかけちゃいない

Maybe we should try and help somebody or be somebody
俺たちは誰かを助けようとするか、あるいは価値ある人間になるべきなのかもしれない

Instead of bein' somebody that makes the news, so everybody can Tweet about it
みんながツイートできるように、ニュースになるような(馬鹿なことをする)人間になるんじゃなくてな

And then they start to "R.I.P." about it
そしたら奴らは「R.I.P.(安らかに眠れ)」って呟き始める

And four weeks later nobody even speaks about it
そして4週間後には、誰もそのことについて話さなくなるんだ
※SNS上の薄っぺらい追悼や、すぐに消費されて忘れ去られる悲劇への強烈な皮肉。

Damn, I just had to say my piece about it
クソ、これについては自分の意見を言っておきたかったんだ

Oh, you gotta love it—
ああ、最高だろ

But they scared of the truth so back to me showin' out in public, that's a hotter subject
でも奴らは真実を恐れてる、だから俺が公の場で目立ってる話に戻そう、そっちの方が話題になるからな

I been whippin' Mercedes and nigga try to budget
俺はずっとベンツを乗り回してるが、あいつらは予算をケチろうとしてやがる

I gotta make it back to Memphis to check on my cousins
いとこたちの様子を見に、メンフィスに帰らなきゃならないな

Shout out to Ashley, Tasha, Bianca, Julia, Ericka, Southern America
アシュリー、ターシャ、ビアンカ、ジュリア、エリカ、アメリカ南部にシャウトアウト
※南部(メンフィス)にいる親戚やルーツへの敬意。

Part of my heritage, pardon my arrogance
俺の遺産(ルーツ)の一部さ、俺の傲慢さを許してくれ

Part in my hair again, that's that comeback flow
髪の分け目(Part)をまた入れたぜ、これがカムバック・フロウだ
※デビュー当時の特徴的なヘアスタイル(髪に入れたライン)を復活させたことへの言及。

Comeback flow, once I start it's apparent
カムバック・フロウ、俺が一度始めたら、もう明白だろ

I'm with a girl who ass is so big that's partly embarrassin'
俺はケツがデカすぎる女と一緒にいる、デカすぎてちょっと恥ずかしくなるくらいにな

But fuck all the blushin' and fuck your discussions and fuck all the judgement
でも顔を赤らめるなんてクソくらえだ、お前らの議論も、お前らの評価もクソくらえだ

Your content's so aggressive lately, what's irkin' you?
「最近のあなたの曲は攻撃的すぎるわ、何があなたを苛立たせているの?」ってか?

Shit is gettin' so personal in your verses too
「あなたのバース、すごく個人的(生々しい)なものになってきてるわね」

I wanna prove that I'm number one over all these niggas
俺は、このクソ野郎どもの中で俺がナンバーワンだってことを証明したいんだ

Bein' number two is just bein' the first to lose
ナンバーツーになるってことは、一番最初に負けるってことだからな

My city dictated music, nobody seein' us
俺の街(トロント)が音楽を支配した、誰も俺たちに追いつけない

Winter here already, but somehow I'm heatin' up
ここはもう冬(OVOの季節)だ、なのになぜか俺は熱くなってるぜ

Been observin' the game and feel like I've seen enough
このゲーム(業界)を観察してきたが、もう十分見た気がする

Let's drop a tape on these niggas, then we'll see wassup
こいつらにミックステープ(本作)を落としてやろうぜ、それからどうなるか見てみよう

Yeah, boy, you rappin' like you seen it all
ああ、坊や、お前はすべてを見てきたかのようにラップしてるな

You rappin' like the throne should be the three of y'all
お前はまるで、王座(The Throne)がお前ら3人のものになるべきだ、みたいにラップしてるな
※J. Coleの楽曲「Fire Squad」で、Kendrick Lamar、Drake、そしてJ. Cole自身の3人がシーンのトップ(王)であると宣言したことに対するアンサー。Drakeは「王座は俺一人のものだ」と一蹴している。また、Kanye WestとJAY-Zのアルバム『Watch The Throne』への挑戦状でもある。

"Best I Ever Had" seems like a decade ago
「Best I Ever Had」の頃が、まるで10年前のように感じるよ
※2009年の大ブレイク曲。そこからどれほど遠くまで到達したかという実感。

Decadent flow and I still got a decade to go
退廃的な(デカダンな)フロウ、そして俺にはまだ10年(ディケイド)先がある
※Decade(10年)とDecadent(退廃的)を掛けた言葉遊び。

Oh please, take it ease, where's the love and the peace?
おい頼むよ、落ち着けよ、愛と平和はどこに行ったんだ?

Why you rappin' like you come from the streets?
なんでお前は、ストリート出身みたいにラップしてるんだ?
※フェイクなギャングスタ・ラッパーたちへの皮肉。

I got a backyard where money seems to come from the trees
俺の家の裏庭には、木からお金が生えてくるような場所がある

And I'm never ever scared to get some blood on my leaves
そして俺は、自分の葉っぱ(Leaves)に血(Blood)がつくことなんて全く恐れちゃいないぜ
※Kanye Westの楽曲「Blood on the Leaves」(ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」のサンプリング)を引用し、Kanyeに対する宣戦布告、あるいは自分がトップに立つためなら手を汚す(血を流す)ことも辞さないというMob Bossとしての決意。

Phantom slidin' like the shit just hit a puddle of grease
ファントム(ロールス・ロイス)が滑るように走る、まるで油の溜まりに突っ込んだみたいにな

I cook the beef well-done on the double with cheese
俺はビーフ(揉め事)をウェルダンで、チーズを乗せたダブル(バーガー)で調理してやる
※「Beef」をハンバーガーのパティに見立て、どんな敵との揉め事も完璧に処理(調理)するという余裕のパンチライン。

Special order for anybody that's comin' for me
俺に向かってくる奴なら誰にでも、特別注文で作ってやるよ

Shit, you probably flinch if somebody sneeze
クソ、お前なんか誰かがくしゃみしただけでもビビる(フリンチ)だろ

You see they got me back talkin' like it's just 40, Oli, and me
見ろよ、奴らのせいで、俺はまるで40(プロデューサー)とオリ(OVOのマネージャー)と俺の3人しかいない頃みたいに、言いたい放題言っちまってる

Cuttin' all loose ends, I be the barber for free
すべてのルーズエンド(未解決の問題/伸びた髪の毛)を切り落とす、俺は無料で床屋になってやるよ

I'm almost at four minutes goin' off on the beat
もうすぐ4分間、このビートの上で暴れ続けてるな

Feel like I'm in the Malibu that had the cloth on the seats
まるで、布張りのシートだったあのシボレー・マリブに乗ってた頃の気分だ
※大ブレイク前、布張りの安っぽい車で仲間たちと野心を語り合っていたハングリーな頃に戻ったような感覚。

Man, oh, you gotta love it, yeah
なあ、最高だろ

And on top of that it's gettin' harder to eat
それに加えて、この業界でメシを食っていくのはどんどん難しくなってる

Rappers downgradin' houses, puttin' cars on the lease
ラッパーたちは家のランクを下げて、車をリースにしてるからな

To think labels said they'd have a problem marketin' me
昔はレーベルの奴らが、「俺を売り出すのは難しい」なんて言ってたのにな

And now it's everybody else that's gettin' hard to believe
今じゃ、他の奴らの成功の方がよっぽど信じがたいぜ

But, man, oh, you gotta love it (Oh)
でもな、ああ、愛さずにはいられないだろ

Yeah

And head to toe, I'm Prada covered (Woo)
頭からつま先まで、俺はプラダで身を包んでる

I know your girl well, just not in public
お前の彼女のことはよく知ってるよ、公の場じゃないところでな

Blame the city, I'm a product of it
この街(トロント)を責めてくれ、俺はその産物なんだから

Young nigga from the city
この街から来た、若きハスラー

You gotta love it
最高だろ

[Outro]

Yeah, gotta love it
ああ、最高だぜ

Ha-ha-ha-ha
ハハハハ

Yeah

Tsk-tsk-tsk-tsk
チッチッチッチッ