Artist: Kanye West (feat. Playboi Carti & Fivio Foreign)
Album: Donda (Deluxe)
Song Title: Off The Grid
概要
本作「Off The Grid」は、アルバム『Donda』において最も凶暴で破壊的なエネルギーを放つ、ブルックリン・ドリルとゴスペルが奇跡的な融合を果たしたバンガーだ。タイトルが示す通り「グリッド(監視社会やハリウッドのシステム)から外れる」ことをテーマに、Kanyeがワイオミングの牧場やアトランタのスタジアムに引きこもって制作に没頭した背景が色濃く反映されている。Playboi Cartiのパンク・ロック的なシャウトから始まり、特筆すべきは中盤のFivio Foreignによるキャリア史上最高と絶賛された伝説的なヴァースだ。Kanyeの執拗なディレクションにより何度も書き直されたというFivioのラップは、ストリートの罪と神への信仰の狭間を完璧に描き出している。メディアの洗脳から逃れ、自らの家族と魂を守り抜くというKanyeの決意が、怒涛のビートチェンジと共にリスナーを圧倒するヒップホップ史に残る傑作である。
和訳
[Intro: Kanye West & Playboi Carti]
What? Yeah
なんだって? Yeah
Boy (What?)
なぁ(What?)
[Chorus: Kanye West]
We off the grid, grid, grid
俺たちはグリッド(監視網)から外れたんだ
※off the gridは、電力網などのインフラに頼らない自給自足の生活や、ネット社会やシステムの監視下から完全に姿を消すことを意味する。
This for my kid, kid, kid
これは俺の子供たちのためのものだ
For when my kid kid kids have kids
俺の子供の子供たちが、さらに子供を持った時のためにな
※一過性の名声ではなく、何世代にもわたって受け継がれる「真の遺産(レガシー)」を遺すという家長としての決意。
Everything we did for the crib
俺たちがやってきたこと、すべては家族(家)のためなんだ
※cribは「家」「地元」を指すスラング。
[Verse 1: Kanye West & Playboi Carti]
Everything we did, how we live (What?)
俺たちがやってきたこと、俺たちの生きざま
All this smoke got a scent
このすべての煙には匂いがある
※smokeは「銃撃戦」「ビーフ(確執)」のスラング。敵対者との間に立ち込める火薬の匂いを指す。
All that smoke heaven-sent (What?)
そのすべての煙は、天から送られたものなんだ
※前行のストリートの「smoke(ビーフ)」を、教会で焚かれる「神聖な香の煙」へとダブルミーニングで昇華させている。すべての試練は神からの贈り物だという解釈。
Everything I spoke, what I meant (Ah)
俺が語ったすべてのこと、それが俺の本意だ
Never disguise my intent, lines outside the event
自分の意図を隠したことなんてない、イベント会場の外には長蛇の列だ
※Dondaのリスニング・パーティー(アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアム等)に集まった熱狂的なファンたちのこと。
Brought my life out the trench
塹壕(どん底)から、俺の人生を引き上げてやったのさ
※trench(塹壕)はストリートの過酷な環境や人生のどん底を指す。
God, thank God, look what He did, did, did, did, did, did
神よ、神に感謝する。主が成し遂げたことを見てみろ
We off the grid, grid, grid, grid, grid (Ayy)
俺たちはシステム(監視網)から外れたんだ
What?
なんだって?
We off the grid, grid, grid, grid
俺たちはシステム(監視網)から外れたんだ
[Verse 2: Playboi Carti]
I'm off the grid (Homixide, Homixide, what?)
俺はグリッドから外れたぜ(ホミサイド、ホミサイド、What?)
※HomixideはCartiが率いるレーベル/クルー「Opium」周辺のギャングスタ的なアフィリエイトであり、殺人(Homicide)をもじったスラング。
Got tats on my ribs (Ah), tattoos on my ribs (What?)
あばらにタトゥーが入ってる、あばら骨のタトゥーだ
※Cartiのパンク・ロック的な美学。アウトロでのKanyeの「アダムとイブのあばら骨」のジョークへの伏線にもなっている。
I just tatted my kid, Onyx (Slatt, slatt)
子供のタトゥーも入れたばかりだ、オニキスのな(Slatt, slatt)
※OnyxはCartiとIggy Azaleaの間に生まれた息子の名前。Slattは「Slime Love All The Time」の略で、アトランタの血盟を示すスラング。
I just thrеw 20K on these , we was at Onyx (Ah, what?)
女どもに2万ドル(約200万円)をバラ撒いてやった、俺たちはオニキスにいたんだ
※アトランタにある有名なストリップクラブ「Onyx」のこと。息子の名前とクラブの名前を掛けた秀逸なワードプレイ。
I just bought mе some brand-new clothes, Dover Street Market (Givenchy)
新しい服を山ほど買ったぜ、ドーバーストリートマーケットでな(ジバンシィ)
※KanyeやCartiとも親交が深いMatthew M. Williamsがクリエイティブ・ディレクターを務めるGivenchyへのシャウトアウト。ハイファッションとストリートの融合。
Ayy, we just took a route to Charlotte (Dig, woo, woo, ah)
Ayy、シャーロットへのルートを通ってきたぜ
I'm in the Rolls-Royce **** on whatcha-call-it (You dig? Bitch)
俺はロールスロイスに乗ってる、「なんとか」って呼ばれてるドラッグをキメてな(分かるか? Bitch)
I light an opp blunt and let your **** try it (Ah)
敵(オップ)を巻いたブラントに火をつけて、お前の女にも吸わせてやるよ
※opp bluntは、殺した敵対者を大麻(ブラント)に見立てて吸うという、シカゴ発祥の強烈なディス表現(Smoking on opps)。
Uh, , I'm off the grid, I'm on a **** diet (What?)
Uh、クソッ、俺はグリッドから外れてる、コデインのダイエット中なんだよ(What?)
※コデイン(咳止めシロップ、リーンの成分)への依存。食事も取らずにドラッグばかり摂取している不健康なロックスターのライフスタイル。
[Chorus: Kanye West]
We off the grid, grid, grid, grid
俺たちはシステム(監視網)から外れたんだ
This for my kid, kid, kid, kid
これは俺の子供たちのためのものだ
Everything we did for the crib did here
俺たちがやってきたこと、すべては家族のためにここでやったんだ
Flexin' with the business trip
出張(ビジネス・トリップ)でフレックス(自慢)する
Going cray, take some G6
クレイジーになって、G6(プライベートジェット)に乗るぜ
Lit, lit, '76
最高だ、76年生まれの俺が
He spit this
こいつをスピット(ラップ)するぜ
We off the grid, grid, grid
俺たちはシステム(監視網)から外れたんだ
[Verse 3: Fivio Foreign]
Yeah, look, when I was in jail, I was lowkey (Uh)
Yeah、見な、ムショにいた時、俺はじっと息を潜めてた
※ここからFivio Foreignの歴史的なドリル・ヴァースが始まる。彼はこの曲の制作直前まで銃器不法所持の容疑で収監されていた。
Shout out to supporters that wrote me
手紙をくれたサポーターたちにシャウトアウトを送るぜ
Eat food, work out and then go sleep
飯を食い、筋トレして、そして眠りにつく
You know I'm prayin', He carryin' both feet (Yeah)
俺は祈ってるんだ、主が俺の両足を運んでくれている(Yeah)
※有名なキリスト教の詩『Footprints in the Sand(砂の上の足跡)』の引用。最も苦しい時期、砂浜に残された足跡が一人分だったのは、神が自分を背負って歩いてくれていたからだという教え。
know we got God with us (Got God with us)
奴らは知ってる、俺たちには神がついてるってことをな
You look at me and see a God figure (Uh)
お前は俺を見て、神の姿(ゴッド・フィギュア)を見るんだ
And when I start vibin', I know that He with me
俺がバイブスに乗り始めた時、主が一緒にいるのが分かる
And I'ma always catch a hard shiver (Uh)
いつも激しい震え(悪寒)を感じるんだよ
※聖霊(Holy Spirit)が体に降りてきた際の霊的な震えを表現している。
I know it's demons in that dark liquor (Uh)
あの黒い酒(ヘネシー)の中には、悪魔が潜んでるって分かってる
※ダーク・リカー(コニャック等の強い酒)によるアルコール依存や、酔って凶暴になる自分の中の悪魔。
We buy a bottle and squash with ya (Uh)
ボトルを買って、お前らとの揉め事を水に流すぜ
※squashは「ビーフ(確執)を終わらせる」こと。
Everybody turn into a harsh
誰もが残酷なクソ野郎に変わっちまう
But my pockets bigger and my heart richer (Uh)
でも俺のポケットは前よりデカいし、俺の心はもっと豊かになった
My mind smarter, my grind harder (Skrr)
頭脳はより賢く、ハッスルはさらにハードになった(Skrr)
And my car quicker, huh (Skrrt)
俺の車も前より速くなったぜ(Skrrt)
I met her in church, she pray for me
教会で彼女に出会った、彼女は俺のために祈ってくれる
She my God-sister (She my God-sister, yeah)
彼女は俺のゴッド・シスター(信仰上の姉妹)なんだ
I'm only trustin' the people I keep close
俺は自分の身近にいる連中しか信用しねぇ
sellin' they soul for a repost
連中はリポスト(SNSでの拡散)のために平気で魂を売りやがる
Remember when I was broke, wearin' cheap coats
金がなくて、安物のコートを着てた頃を思い出すぜ
Now it's diamonds and houses and C notes (Uh)
今じゃダイヤモンドに豪邸、それに100ドル札(C notes)の山だ
, I'm feelin' marvelous (I'm feelin' marvelous)
クソッ、最高の気分(マーベラス)だぜ
Who let the monster loose? (Who let the monster loose? Huh)
誰がこのモンスターを解き放ったんだ?
They call me a product of my environment (Uh)
奴らは俺を「環境の産物」って呼ぶけど、
※貧困やストリートの過酷な環境(フッド)がギャングを作り出したという、社会学的なクリシェ。
I tell them, "Nah, I'm what God produced" (Baow)
俺は言ってやる、「いや、俺は神が創り出した傑作だ」ってな(Baow)
※前行のクリシェを見事に引っくり返し、Kanyeのアルバムのコンセプトである「神への信仰」へと接続させた天才的なパンチライン。Baowは銃声の擬音(アドリブ)。
Defense good, and them guards can shoot (Baow)
ディフェンスは完璧だ、それにこのガード(護衛/ポイントガード)たちはシュート(射撃)もできるぜ
※バスケットボールの用語と、銃撃戦を掛けたワードプレイ。守りも固く、いざとなれば攻撃もできるというストリートの哲学。
I put 'em on you, it get hard to move
こいつらをお前に差し向けたら、動くことすら難しくなるぜ
Tattoo in my face is the mark of truth
俺の顔に入ったタトゥーは、真実の証なんだ
Gotta watch what you say when they market you (Huh)
奴らがお前を売り出そう(マーケティング)とする時は、自分の発言には気をつけな
※レコード会社やメディアが、ラッパーのストリートでのイメージを搾取して金儲けを企むことへの警告。
I already predicted this (I already predicted this, huh)
俺はこんなこと、とっくに予測してたぜ
Y'all only witnessed it (Y'all only witnessed it)
お前らはただ、それを目撃しただけだ
Look, got a couple old friends that I'm not really clickin' with
なぁ、昔からのダチでも、今はもう気が合わない(クリックしない)奴らが何人かいる
I know they pray that we settle our differences
あいつらが、俺たちがお互いの違いを乗り越えて和解することを祈ってるのは分かってる
I pray that they lower all my **** sentences
俺は、ダチらの刑期(sentences)がすべて短くなることを祈ってるぜ
※刑務所にいる仲間たちへの想い。
I got some demons I'm not even dealin' with
俺には、まだ向き合えてすらいない悪魔(トラウマ)がいくつかあるんだ
They in they feelings, I'm not really feelin' it
あいつらは感情的(センチメンタル)になってるが、俺は全然そんな気分じゃないね
And I know some members that gave back they membership
それに、メンバーシップを返上した奴らも何人か知ってるぜ
※ギャング(クリップス)から足を洗った、あるいは裏切って警察の密告者(スニッチ)になった元メンバーたちへの痛烈な言及。
****, you switched up, huh, like how you not feelin' me?
クソ、お前は裏切ったんだな、なんで俺の言うことが分からねぇんだ?
Look, I act like I care, but I don't really care
見な、俺は気にしてるフリをしてるけど、本当はどうでもいいんだよ
Now I live in a new buildin' with amenities
今じゃ、アメニティが完備された新しい高層ビルに住んでるからな
I got a new ceilin' with a chimney
煙突付きの新しい天井(豪邸)だってある
I got a few **** wanna finish me
俺の息の根を止めたい(終わらせたい)と思ってる奴らも少しはいるけどな
I don't get too friendly with the enemy
敵とはあまり親しくならないようにしてるんだ
You gotta move different when you in the industry, woo, yeah
この業界(インダストリー)に入ったら、動き方を変えなきゃならねぇんだよ、woo, yeah
※ストリートのルールと音楽業界のルールは違うという実感。
You gotta move different when you in the industry, huh
この業界に入ったら、動き方を変えなきゃならねぇ
You gotta move different when you in the, look
この業界に入ったら、動き方を……見な
God blessed me with amazing grace (Uh)
神は「アメイジング・グレイス(素晴らしき恩寵)」で俺を祝福してくれた
She fell in love with my day to day (Uh)
彼女は俺の日常そのものに恋に落ちたんだ
I just want my problems to fade away (Uh)
ただ、自分の抱える問題が消え去って(フェードアウェイ)くれればいいのに
Man, I'm tired of ****, I need Gatorade
なぁ、もうウンザリだぜ、ゲータレードが必要だ
※Fivioがこの驚異的な長さと熱量のドリル・ヴァースをレコーディングする際、文字通り息も絶え絶えになり、水分補給(ゲータレード)を欲したというリアルな状況をリリックに落とし込んでいる。
Boy, I got on my feet and I made a name
なぁ、俺は自分の足で立ち上がり、名を上げたんだ
And I made it a necklace, huh
そして、その名前でネックレス(チェーン)を作ってやったぜ
When you from the bottom and you workin' hard
どん底から這い上がって、死ぬ気でハードに働き、
Just to get to the top, then they gotta respect it
トップに登り詰めたんなら、奴らはそれをリスペクトしなきゃならねぇ
If you got a voice, then you gotta project it
もし声(影響力)を持ってるなら、それを遠くまで響かせなきゃならねぇ
If you got a wrong, then you gotta correct it
もし間違いを犯したなら、それを正さなきゃならねぇ
If you got a name, then you gotta protect it
もし名を成したなら、それを守り抜かなきゃならねぇんだ
If you give me shock, then you gotta electric (Woo)
もし俺にショック(衝撃)を与えるなら、電気(エレクトリック)じゃなきゃダメだぜ
※電気ショックのように痺れる本物のドリル・エネルギーの比喩。
Tryna live a new life, so I got a new plan that I gotta finesse with (Look, yeah)
新しい人生を生きようとしてる、だから上手くやり遂げる(フィネスする)ための新しい計画があるんだ
'Cause they want me to lose, that ain't part of the rules
だって奴らは俺の負けを望んでるからな、だがそれはルールの範疇外だ
I been tryin' so hard not to move reckless
無謀な動きをしないように、ずっと必死に耐えてきたんだよ
[Chorus: Kanye West]
We off the grid, grid, grid
俺たちはシステム(監視網)から外れたんだ
This for my kid, kid, kid, kid
これは俺の子供たちのためのものだ
Everything we did for the crib did here
俺たちがやってきたこと、すべては家族のためにここでやったんだ
Flexin’ with the business trip
出張(ビジネス・トリップ)でフレックス(自慢)する
Going cray, take some G6 (Ah)
クレイジーになって、G6(プライベートジェット)に乗るぜ
Lit, lit, '76
最高だ、76年生まれの俺が
He split lids, then ask for shade, tsk-tsk-tsk
あいつはフタを開け(バラし)ておいて、庇ってくれと頼み込む。チッチッチッ(舌打ち)
Take this trip, trip, trip, this, this
このトリップ(旅)に出るぜ
This, this, this, this
これを、これを
You all still lit, lit, lit
お前らはまだ最高にイケてるぜ
I'm off the grid, grid, grid, grid
俺はグリッド(監視社会)から外れたんだ
Off the grid, grid, grid, grid
グリッドから外れたんだ
[Verse 4: Kanye West]
First, it go viral, then they get digital
まずはバズって(バイラル)、それからデジタルで拡散される
※ここからKanyeのヴァース。現代のSNSやキャンセル・カルチャーのサイクルへの批判。
Then they get critical, no, I'm not doin' no interview
それから奴らは批判的になる。いや、俺はインタビューなんか受けないぜ
Mask on my face, you can't see what I'm finna do
顔にはマスク、俺が何をしようとしてるか、お前らには見えないだろ
※『Donda』のプロモーション期間中、Kanyeが公の場で常に被っていたBalenciagaの覆面マスクのこと。文字通り「Off the grid(顔を隠す)」状態。
Had to move away from people that's miserable
惨めな連中からは離れなきゃならなかったんだ
※ハリウッドの有害な交友関係やメディアからの逃避。
Don't wanna link you, I ain't finna sit with you
お前とはつるみたくない、一緒に座るつもりもねぇ
Ain't finna talk to you, ain't finna get with you
話すつもりも、関わるつもりもない
Don't get me mad 'cause I don't wanna injure you
俺を怒らせるなよ、お前を怪我させたくはないからな
She put my paintings inside of her living room
彼女は俺の絵を、リビングルームに飾ってくれたんだ
※Kanyeは若い頃に美術学校に通っていた。彼の芸術性を理解し、愛してくれた女性(キム・カーダシアン等)への言及。
Look at the problems and issues I'm livin' through
俺が生き抜いてきた数々の問題や困難を見てみろ
They tryna drown me, I rise to my pinnacle
奴らは俺を溺れさせようとするが、俺は頂点(ピナクル)へと昇っていく
Walked through the block like the neighborhood general
ご近所の将軍(ジェネラル)みたいに、ブロックを練り歩くんだ
Drop me the lo' and then that's where I send it to
位置情報(lo)を送れ、そこにブツ(刺客)を送りつけてやる
※loはlocationの略。長年の宿敵Drakeとのビーフにおいて、KanyeがDrakeのトロントの自宅住所をネット上に晒した(Drop the lo)強烈な事件を彷彿とさせるアグレッシブなライン。
I was forgettin' you, now I remember, now I remember
お前のことは忘れてたが、今思い出したよ、思い出したぜ
Did what I want and I say what I want
自分のやりたいことをやり、言いたいことを言う
And I thought you was with me, like how you get sensitive?
お前は俺の味方だと思ってたのに、なんでそんなに過敏(センシティブ)になってるんだ?
I got this God power, that's my leverages
俺には神の力がある、それが俺のレバレッジ(テコ、圧倒的な強み)だ
I got this Holy Water, that's my beverages
俺には聖水がある、これが俺の飲み物だ
※前のFivioの「ダーク・リカー」との対比。酒ではなく神聖な水を飲んでいる。
I gotta help myself out of selfishness
自分の利己主義(エゴ)から、自分自身を救い出さなきゃならない
I just bought a floor out of Selfridges
セルフリッジズのフロアを丸ごと買い占めてやったぜ
※Selfridgesはロンドンの超高級百貨店。前行の「selfishness(利己主義)」と「Selfridges」で韻を踏むと同時に、神への信仰を語った直後に究極の資本主義的フレックス(爆買い)を挟む、Kanye特有の矛盾。
I gotta make sure they know who they messin' with
奴らに、誰に喧嘩を売ってるのか分からせてやらなきゃな
I gotta tell 'em "sorry," they too delicate
奴らには「ごめんな」って言ってやるよ、繊細すぎるからな
I gotta stay with God where the blessings is
祝福がある場所、神のそばに留まらなきゃならないんだ
I ain't deliverin' Heavenly messages just for the hell of it
面白半分で(for the hell of it)天国からのメッセージを伝えてるわけじゃないぜ
※heavenとhellの対比ワードプレイ。
Don't try to test me, I keep it clean, but it can get messy
俺を試そうとするな。綺麗にやってるが、泥沼(messy)になることだってあるぜ
I talk to God every day, that's my bestie
毎日神と話してる、それが俺の親友(ベスティー)だからな
They playin' soccer in my backyard, I think I see Messi
俺の裏庭でサッカーをやってる、メッシが見える気がするぜ
※リオネル・メッシ。自宅の裏庭がサッカー場が入るほど巨大であるという自慢と、前行のmessy(泥沼)との見事な同音異義語のライミング。
And this money could never neglect me
この金が俺を裏切る(ネグレクトする)ことなんて絶対にない
I pray that my family'll never resent me
家族が俺を恨まないことを祈ってるよ
And she fell in love with me soon as she met me
彼女は俺に会ってすぐに恋に落ちたんだ
※元妻キム・カーダシアンとの馴れ初め。
We both got a bag but my bag is more heavy
俺たちはどっちも大金(バッグ)を持ってるが、俺のバッグの方がずっと重いぜ
※キムもビリオネアであるが、自分の方がより稼いでいる(資産価値が上である)というKanyeの巨大なエゴとプライド。
We had to stop countin', it's gettin' too petty
数えるのはやめにしなきゃな、器が小さすぎる(セコい)からな
You not a real stepper, you can't overstep me
お前は本物のステッパー(ストリートのギャング)じゃない、俺を飛び越えることなんてできないぜ
Just sit back and listen and watch how He bless me
黙って座って聞いてろ、神がどうやって俺を祝福するか見てな
He wait 'til I fall and then pull up and catch me
神は俺が落ちるのを待ち、そして現れて俺を受け止めてくれるんだ
Your check is too small, you can't run up and check me
お前の小切手(チェック)は小さすぎる、俺のところに駆け寄ってきて牽制(チェック)するなんて無理だぜ
※checkのダブルミーニング。Drake等のライバルたちに対し、資産の桁が違うと一蹴している。
Nah, nah, I get 'em fast, see
いや、いや、俺はすぐに奴らを片付けるぜ、見な
You feel a way, then go pull up and get me
気に食わない(feel a way)なら、車を回して(pull up)俺を捕まえに来いよ
Might do somethin' wild if I feel like you press me
もしプレッシャーをかけられてると感じたら、何かヤバいこと(wild)をやらかすかもしれないぜ
Nah, I get 'em fast, see
いや、俺はすぐに奴らを片付けるぜ、見な
You feel a way, then go pull up and get me
気に食わないなら、車を回して俺を捕まえに来いよ
Might do somethin' wild if I feel like you press me
プレッシャーをかけられてると感じたら、何かヤバいことをやらかすかもしれないぜ
[Chorus: Kanye West]
We off the grid, grid, grid
俺たちはグリッド(監視網)から外れたんだ
This for my kid, kid, kid
これは俺の子供たちのためのものだ
For when my kid, kid, kids have kids
俺の子供の子供たちが、さらに子供を持った時のためにな
Everything we did for the crib
俺たちがやってきたこと、すべては家族のためなんだ
[Outro: Kanye West]
Pray for what folks and them did
連中がやったことのために祈る
Only thing we pray God forgive-give-give
俺たちが祈るのは、ただ神が許してくださることだけだ
May God forbid-bid-bid
神が禁じてくださいますように
He hit one of the kids, kids, kids
奴は子供たちの一人を撃った(傷つけた)んだ
Took off His list, list, list
神のリストから外されちまった
Look what they did, did, did
奴らが何をしたか見てみろ
Pray for the crib, crib, crib
家(家族)のために祈るんだ
Some say A-A-Adam could never be bla-a-ack
アダムが黒人であるはずがないって言う奴らがいる
'Cause a black man'll never share his rib, rib, rib, rib, rib, rib
だって、黒人の男が自分のあばら骨(リブ)を分け与えるわけないからな
※旧約聖書『創世記』で、神がアダムのあばら骨(rib)から女性(イブ)を創ったという有名なエピソードを引いている。「ストリートの黒人は独占欲が強く頑固だから、自分のあばら骨(女)を他人にシェアするなんて絶対にあり得ない。だから最初の人類であるアダムは黒人じゃない」という、ブラックカルチャーにおけるマッチョイズムを極限まで皮肉った秀逸なブラックジョーク。また、序盤のCartiの「あばらのタトゥー(tattoos on my ribs)」ともリンクさせて曲を完璧に締めくくっている。
