Artist: Thundercat (feat. Channel Tres)
Album: Distracted
Song Title: This Thing We Call Love
概要
サンダーキャットのアルバム『Distracted』に収録された本作は、コンプトン出身のプロデューサー兼ラッパーであり、ディープハウスとウェッサイ・ヒップホップを融合させた「コンプトン・ハウス」の旗手、Channel Tres(チャネル・トレス)を客演に迎えた艶やかな一曲だ。サンダーキャット特有の宇宙的でメランコリックなファルセットと、Channel Tresの地を這うような魅惑的な低音ボイスが、LAの夜の深いコントラストを見事に描き出している。愛という普遍的なテーマを扱いながらも、ロマンチックな言葉にストリートの生々しさや性的なメタファーを交差させる手腕は秀逸。深い喪失(マック・ミラーの死など)を経て心を閉ざしがちだったサンダーキャットが、再び他者との「泥臭い繋がり(messyな愛)」を受け入れようとする、官能的でありながらもどこか切実なネオソウル・ハウスである。
和訳
[Chorus]
Yeah
イェー
There's no one here girl but us (Us, us, us)
なあ、ここには俺たちしかいないよ(俺たちだけさ)
※外部の喧騒から隔絶された空間の表現。サンダーキャットが頻繁に描く「セーフスペース」としての密室感だが、Channel Tresのディープなハウスビートが加わることで、LAのアンダーグラウンドなクラブのVIPルームのような色気を帯びている。
Taking our time there's no rush (Rush, rush, rush)
時間はたっぷりある、急ぐ必要なんてないんだ(ゆっくりね)
I'm not ashamed how I feel (Hell no)
自分の気持ちを恥じたりなんてしないよ(絶対にな)
It's that thing they call love
世間が「愛」って呼んでる、アレのことさ
※「愛(Love)」という言葉をストレートに使わず、「世間が呼ぶアレ」と客観視するオタク的な照れ隠し。同時に、数々の別れやトラウマを経験してきた彼が、再び他者との深い繋がりを恐れずに受け入れようとする静かな決意も感じさせる。
[Verse]
Ooh, it's okay with me
ウー、俺は全然かまわないよ
It's okay if we get a little messy
ちょっとくらいめちゃくちゃに(メッシーに)なったって平気さ
※完璧で綺麗な恋愛ではなく、泥臭くて生々しい(messyな)関係を肯定している。ハリウッドの洗練されたイメージの裏にある、LAのリアルな人間臭さへの回帰。
Spend the day with G
G(ギャングスター)と一緒に一日を過ごそうぜ
Kicking you around like Messi
メッシみたいに君を蹴り回してさ
※サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシを引き合いに出したワードプレイ。「Kicking around」は「リラックスして過ごす(kick back)」と「サッカーボールを蹴る」を掛けたスラング表現。コンプトン出身のChannel Tresらしい、ストリートのウィットに富んだラインである。
Look at the time going around
ほら、時間がぐるぐる回っていく
Woah, woah, woah, woah
ウォー、ウォー
Looks good
いい感じだね
Can you walk this way?
こっちに歩いてこれる?
Is that your nigga?
あいつが君の彼氏(男)なの?
He need a touch up, come and get this fade
あいつ、ちょっと手直しが必要みたいだな。こっちに来て「フェード」を食らいなよ
※「Fade」は散髪の「フェードカット」と、スラングとしての「喧嘩に負ける(catch a fade)」の秀逸なダブルミーニング。相手の男の髪型(スタイル)がダサいから直してやるよ、という美容師的なジョークと、喧嘩を買ってやるという西海岸特有の威嚇が混じり合っている。
My face, my face, my face
俺の顔、俺の顔、俺の顔
Spread open, I dive in
大きく広げて、俺はそこに飛び込むんだ
※あからさまな性行為のメタファー。サンダーキャットの楽曲に時折現れる、オタク的な純情と突如として同居する生々しい肉体性が、Channel Tresの低音ボイスによって極限まで増幅されている。
We leanin' and rocking
俺たち、体を傾けて揺れ続けてる
※「Lean」はLA特有のドラッグ(コデインシロップ)の影響で体が傾く様子と、シンプルに音楽に乗って体を揺らす様子を掛けている。
Providin' your high and
君に最高のハイ(快感)を提供してるんだ
[Bridge]
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
※サンダーキャットの浮遊感のあるファルセットが空間を包み込み、Channel Tresの低音ラップとの完璧な音のコントラスト(高音と低音の交わり)を生み出している。
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
[Chorus]
Yeah
イェー
There's no one here girl but us (Us, us, us)
なあ、ここには俺たちしかいないよ(俺たちだけさ)
Taking our time there's no rush (Rush, rush, rush)
時間はたっぷりある、急ぐ必要なんてないんだ(ゆっくりね)
I'm not ashamed how I feel (Hell no)
自分の気持ちを恥じたりなんてしないよ(絶対にな)
It's that thing they call love
世間が「愛」って呼んでる、アレのことさ
[Outro]
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
※言葉(理屈)を超え、ただベースのグルーヴとハウスビートに身を委ねるアウトロ。オタク的な思考のループから解放され、LAの夜の深い部分へと沈み込んでいくような、官能的でメランコリックな余韻を残して曲が幕を閉じる。
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Woah, woah, woah, woah
ウォー、ウォー
Woah, woah, woah, woah
ウォー、ウォー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh
ウー、ウー
