Artist: Thundercat & WILLOW
Album: Distracted
Song Title: ThunderWave
概要
アルバム『Distracted』に収録された「ThunderWave」は、スピリチュアルかつオルタナティヴな感性で現代のR&B・ポップシーンを牽引するWILLOW(ウィロー・スミス)をゲストに迎えた、深い哀愁と美しい浮遊感が漂うネオソウル・ナンバーである。本作の根底に流れる「水」や「嵐」のメタファーは、圧倒的な悲しみや孤独(うつ病や親友マック・ミラーの喪失)を表すと同時に、それに寄り添う愛の深さを象徴している。オタク的なユーモアやシニカルなジョークは影を潜め、サンダーキャットとWILLOWの高音ファルセットが幾重にも重なり合うことで、深い海の底で誰かにすがりつきたいという切実なSOSと、そこから岸辺を目指す祈りのような感情が見事に表現された名曲だ。
和訳
[Pre-Chorus: Thundercat & WILLOW]
I'm trying to learn to tread your waters
君の心の海で、立ち泳ぎする方法を学ぼうとしてるんだ
※「tread water(立ち泳ぎをする、現状維持をする)」という表現。深く複雑な相手の感情(あるいは自分自身のうつ状態)の中で、溺れないように必死にもがいている状態を示す。マック・ミラーの生前最後のアルバム『Swimming』のテーマとの、極めて強い精神的な共鳴を感じさせるラインである。
Don't let me down, please
だからお願い、俺をガッカリさせないで(沈ませないで)
'Cause I wanna swim forever
だって、ずっと泳ぎ続けていたいから
Surrounded by your love
君の愛に包まれながらね
[Chorus: Thundercat & WILLOW]
Baby, I need you to hold me
ベイビー、俺を抱きしめてよ
'Cause it feels like I'm floating
なんだか宙(水面)をフワフワ漂ってる気分なんだ
※浮遊感(floating)は、現実からの解離や、安心できる「グラウンド(地面)」がないことの暗喩。WILLOWとの重層的なコーラスが、宇宙空間や深海をあてもなく漂うような圧倒的なサウンドスケープを作り出している。
Just hold on a little longer
もう少しだけ、しがみついてて
Until we reach the shore
俺たちが岸辺にたどり着く、その時まで
[Verse: Thundercat, WILLOW & Both]
Baby, your love is keeping me warm
ベイビー、君の愛が俺を温めてくれてるんだ
Because the water's so cold
だって、この水はあまりにも冷たいから
※「冷たい水」は、容赦のない現実世界や、LAのエンターテインメント業界のシビアさ、あるいは心の中に巣食う絶対的な孤独感を表している。
Just don't let me go
絶対に手を離さないで
Baby, I'm trying to hold on to you
ベイビー、俺も君に必死にしがみつこうとしてるんだ
Can you calm the storm?
この嵐を鎮めてくれる?
Raging in my soul?
俺の魂の中で荒れ狂う、この嵐を
※制御不能な感情の波(パニック発作や絶望感)に対する切実なSOS。普段のユーモアや防衛機制を完全に解き放ち、むき出しになった魂の叫びが、WILLOWの神秘的な歌声と見事にシンクロしている。
Well, two can carry on
まあ、二人なら生き抜いていけるはずさ
Without you I'd be lost
君がいなかったら、俺は完全に迷子になってたよ
[Pre-Chorus: Thundercat & WILLOW]
I'm trying to learn to tread your waters
君の心の海で、立ち泳ぎする方法を学ぼうとしてるんだ
Don't let me down, please
だからお願い、俺をガッカリさせないで(沈ませないで)
'Cause I wanna swim forever
だって、ずっと泳ぎ続けていたいから
Surroundеd by your love
君の愛に包まれながらね
[Chorus: Thundercat & WILLOW]
Baby, I need you to hold me
ベイビー、俺を抱きしめてよ
'Cause it feels likе I'm floating
なんだか宙(水面)をフワフワ漂ってる気分なんだ
Just hold on a little longer
もう少しだけ、しがみついてて
Until we reach the shore
俺たちが岸辺にたどり着く、その時まで
