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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

My Way - Yeat & Julia Wolf 【和訳・解説】

Artist: Yeat & Julia Wolf

Album: ADL

Song Title: My Way

概要

Yeatのアルバム『ADL』に収録された「My Way」は、インディー・ポップシンガーJulia Wolfをフィーチャーした、成功の代償と自己決定権をテーマとする内省的なバンガーだ。Julia Wolfによる「他人の渇きを癒すために井戸に突き落とされる」という痛切なイントロは、音楽業界や周囲の人間からの搾取を象徴している。それを受けるYeatは、莫大な富(Money)、人生(Life)、時間(Time)によって自分が「Sideways(混乱・酩酊状態)」になっていると吐露しつつも、誰の指図も受けず「俺のやり方(My Way)」で全てを支配すると宣言する。パーコセットなどのドラッグによる幻覚症状や、パラノイアに苛まれながらも、マイバッハでのドライブやプラチナムの達成といった物質的成功を誇示する本作は、孤独な頂点に立つYeatの危うい精神状態を浮き彫りにした傑作である。

和訳

[Intro: Julia Wolf & Yeat]

They pushed me into the well so they could
奴らは自分の喉を潤すために、私を井戸に突き落とした
※Julia Wolfによる印象的なイントロ。業界の人間やフェイクな友人たちが、自身の利益(Drink)のためにアーティストを犠牲(Wellに落とす)にするという、音楽産業における搾取の構図を見事に表現したメタファー。

Drink, drink, drink, sink
飲んで、飲んで、飲んで、沈んでいく

They need to see to believe, so I
奴らは自分の目で確かめないと信じないから、私は
※「百聞は一見にしかず(Seeing is believing)」の引用。大衆やアンチはアーティストが実際に破滅(Sink)する姿を見ないと満足しないという残酷な現実を指摘している。

Sink, sink, sink, sink
沈んで、沈んで、沈んで、沈んでいくんだ

(Girl, you, girl, you, girl, you, girl, you, girl, you)
(ガール、お前が、ガール、お前が…)

[Chorus: Yeat]

Money got me sideways
金が俺を狂わせるんだ(サイドウェイズ状態だ)
※「Sideways」はドラッグや酒で足元がおぼつかない(横揺れする)ほどの極度の酩酊状態、あるいは金や名声によって人生の方向感覚を失っている状態を指すストリート・スラング。ヒューストンのスクリュー・カルチャーに由来する表現でもある。

Life got me sideways
人生が俺を狂わせる

Time got me sideways
時間が俺を狂わせる

I don't got the time to talk, let's do it my way
話し合ってる暇なんてねえよ、俺のやり方でやらせてもらうぜ
※混沌とした状況下においても、他人に主導権を握らせず、絶対的な独裁者として振る舞うYeatの「My Way(俺の道)」宣言。

I went platinum, I want platinum bands, uh (My way)
俺のアルバムはプラチナムになった、プラチナの束(時計)が欲しいぜ、アー(俺のやり方で)
※「Platinum(100万枚以上の売上)」を達成した実績と、「Platinum bands(プラチナ製の高級時計のバンド、またはプラチナのように価値のある札束の帯)」を掛けたワードプレイ。音楽的成功を即座に物質的な富に変換する思考。

We won't let you in, fuck what you said, uh (My way, woah)
お前を中に入れる気はねえ、お前が何言おうが知ったこっちゃねえよ、アー(俺のやり方で、ウォウ)
※自身のインナーサークル(クルー)を厳格に守り、外野の意見や便乗しようとする人間をシャットアウトするストリートの掟。

Every Sunday, you call up your friends to tell me somethin' (My way)
毎週日曜日になると、お前は友達に電話して俺に文句を言ってくるよな(俺のやり方で)
※日曜日は教会へ行く日(懺悔や祈りの日)だが、ここでは元恋人や関係者が取り巻きを使ってYeatに干渉してくる鬱陶しい日常を描写している。

Had me burn another page outta that book and act like nothin' happened (My way)
またあの本からページを破り捨てて燃やし、何事もなかったかのように振る舞わせるんだな(俺のやり方で)
※「本(Book)」は自身の過去や歴史のこと。不都合な人間関係やトラウマ、あるいは敵との出来事を文字通り「歴史から消し去り(Burn another page)」、平然と生きていくという冷酷なまでのサイコパス性と自己防衛。

I might be out my mind, I might be hallucinatin'
正気を失ってるのかもしれねえ、幻覚を見てるのかもな
※サイケデリックス(キノコやLSD)やオピオイドの乱用によって、現実と妄想の境界が曖昧になっている状態。成功のプレッシャーからの逃避。

Bad bitch, she want me, they choosin', baby
極上のビッチが俺を求めてる、あいつらが俺を選んでるんだよ、ベイビー
※「Choosin'」は女性が自分から特定の男性(金持ちやイケてる男)をパートナーとして選ぶこと。Yeatが追うのではなく、女性たちから群がってくる状況の誇示。

You gotta take your time, yeah
お前はゆっくり時間をかけりゃいいさ、イェー

You gotta make up your mind, yeah
お前は覚悟を決めるべきだぜ、イェー

[Verse 1: Yeat]

Fuck it, let's ride with the gun
クソくらえ、ハジキを持って車に乗ろうぜ

Fuck it, let's ride with the gun, let's chase around
クソくらえ、ハジキを持って車に乗ろうぜ、街を乗り回そう

Let's walk with the bad bitch (Uh)
極上のビッチと一緒に歩こうぜ(アー)

Uh, I'm in the middle of the money like sandwich (The fuck?)
アー、俺は金と金の間(真ん中)に挟まれてる、サンドイッチみたいにな(何だって?)
※「札束に挟まれる」というYeat特有のユーモアを交えたフレックス。前後左右どこを見ても大金に囲まれている圧倒的な財力の比喩。

Only girls I fuck with are tens (Uh)
俺が遊ぶ女は10点満点(テン)の奴だけだ(アー)

These bitches gon' pull up and suck on that with their friend (Yeah)
このビッチどもは車で乗り付けて、友達と一緒に俺のモノをしゃぶるんだ(イェー)

Your wifey over here choosin'
お前の嫁さんがこっちに来て、俺を選んでるぜ
※「Wifey」は本命の彼女。敵対するラッパーや一般人の彼女が、Yeatの富と名声に惹かれて寝返ってくる(Choosin')という強烈なマウント。

We in the Maybach, two times, yeah, caught you cruisin'
俺らはマイバッハに乗ってる、2台でな、イェー、お前がうろついてるのを見つけたぜ
※「Two times」はマイバッハを2台連ねて走るコンボイ・スタイルの誇示。敵がショボい車で流している(cruisin')のを、防弾仕様の超高級車から見下ろしている構図。

Got a drive on me with a gun, bae, bitch confusin'
ハジキを持ってドライブしてるんだ、ベイビー、ビッチは混乱してるぜ
※銃を突きつけられた緊迫した状況か、あるいはドラッグをキメて武装したまま運転するYeatの危険なバイブスに女性が戸惑っている描写。

We don't need to pay for it, baby, we can fuse it
俺らは金なんて払う必要ねえんだよ、ベイビー、俺らが一つに融合させるんだ
※「Fuse it(融合させる)」は、金で解決するのではなく、自身の圧倒的な影響力やコネクションを使ってすべてを自分の思い通りに(My Wayに)統合していくという、ボスとしての権力誇示。

[Bridge: Yeat]

(Ooh, ooh)
(ウー、ウー)

(Missing you for life)
(一生お前がいなくて寂しいぜ)
※前段の「My Way」の強気な態度から一転して、内面にある孤独や、成功の過程で失ってしまった過去の恋人・友人への未練が垣間見えるエモーショナルな瞬間。

(Ooh, ooh, ooh)
(ウー、ウー、ウー)

(It's different every time, got me tryin')
(毎回違うんだ、俺を試そうとしてるみたいにな)
※ドラッグの効き目や、セレブとしての人間関係が毎回予測不能であり、彼を精神的に消耗させていることの吐露。

[Verse 2: Yeat]

I'm back outside again
また外(ストリート)に戻ってきたぜ
※スタジオやペントハウスの引きこもり生活から、再びクラブや現場(Outside)へと姿を現したことの宣言。

I call this bitch and she call up her friend
俺がこのビッチを呼べば、あいつは自分の友達を呼ぶ

We hit the club, we could throw a couple bands
俺らはクラブに繰り出す、数千ドル(数バンド)の札束をばら撒くことだってできるぜ

So much money, bitch, it don't make no sense
金が腐るほどあるんだ、ビッチ、マジで意味が分からねえくらいにな
※金銭感覚が完全に崩壊するほどの巨万の富を得たことによる、現実感の喪失(Sidewaysの一因)を表している。

[Pre-Chorus: Yeat]

Oh, we do it my way or we don't do it at all, huh
オー、俺のやり方でやるか、それとも全くやらないかの二択だ、ハァ
※妥協を一切許さない、Yeatの完璧主義と独裁的なビジネス・スタンス。

We do it my way or we don't do it at all, huh
俺のやり方でやるか、それとも一切やらないかだ

My way, pack got me sideways
俺のやり方、パックのせいで俺は完全にトんでる
※「Pack」は高品質な大麻、あるいは麻薬のパッケージのこと。これらによって常に酩酊(Sideways)していることを強調。

Pack got me sideways, pack got me sideways
パックが俺を狂わせる、パックのせいで完全にトんでるぜ

Girl, you
ガール、お前が

[Chorus: Yeat]

Money got me sideways
金が俺を狂わせるんだ(サイドウェイズ状態だ)

Life got me sideways
人生が俺を狂わせる

Time got me sideways
時間が俺を狂わせる

I don't got the time to talk, let's do it my way
話し合ってる暇なんてねえよ、俺のやり方でやらせてもらうぜ

I went platinum, I went platinum bands, uh (My way)
俺のアルバムはプラチナムになった、プラチナの束(時計)が欲しいぜ、アー(俺のやり方で)

We won't let you in, fuck what you said, uh (My way, woah)
お前を中に入れる気はねえ、お前が何言おうが知ったこっちゃねえよ、アー(俺のやり方で、ウォウ)

Every Sunday, you call up your friends to tell me somethin' (My way)
毎週日曜日になると、お前は友達に電話して俺に文句を言ってくるよな(俺のやり方で)

Had me burn another page outta that book
またあの本からページを破り捨てて燃やし

And act like nothin' happened (My way)
何事もなかったかのように振る舞わせるんだな(俺のやり方で)

I might be out my mind, I might be hallucinatin'
正気を失ってるのかもしれねえ、幻覚を見てるのかもな

Bad bitch, she want me, they choosin', baby
極上のビッチが俺を求めてる、あいつらが俺を選んでるんだよ、ベイビー

You gotta take your time, yeah
お前はゆっくり時間をかけりゃいいさ、イェー

You gotta make up your mind, yeah
お前は覚悟を決めるべきだぜ、イェー