Artist: JPEGMAFIA
Album: All My Heroes Are Cornballs
Song Title: Thot Tactics
概要
「Thot Tactics」は、2019年のJPEGMAFIAの3rdアルバム『All My Heroes Are Cornballs』に収録された、甘いサウンドとバイオレンスなリリックのギャップが際立つ一曲だ。R&B調の浮遊感のあるメロディと、女性目線を装ったコーラスラインに乗せて、ネット上で陰口を叩く「キーボード・ウォーリアー」たちへ痛烈なディスを放っている。タイトルの「Thot(尻軽女)」の「Tactics(戦術)」とは、直接顔を合わせずSNSで裏からディスる(スニーク・ディス)同業者たちの卑怯なやり口を、意図的な蔑称を用いて嘲笑したものだ。MacBookとサブマシンガンを掛けたワードプレイや、白人の名シューターが揃っていたかつてのNBAチーム「ダラス・マーベリックス」を「白人の銃の撃ち手」に例えるブラックジョークなど、ミリタリー、ネットカルチャー、スポーツの文脈を自在に横断するPeggyのリリシズムが爆発している。
和訳
[Intro]
Aw, niggas really done some shit
Aw、連中は本当にやらかしちまったな
Stay calm, please remain calm
落ち着け、どうか落ち着いてくれ
Apology-zoned
謝罪ゾーンだ
Huh, heat zone
Huh、ヒートゾーンだ
I am alright
俺は大丈夫だ
I build the room
俺がこの部屋を創り上げる
I rule the room
俺がこの部屋を支配する
Don't feel better
気分は良くならないぜ
Huh, huh, huh, woah
All night, all day, hah
一晩中、一日中、hah
Aw, man (Say)
[Chorus]
I wanna rock your world, I wanna be your girl
あなたの世界を揺るがしたい、あなたの女の子になりたいの
※「rock your world」は世界を揺るがす、最高な気分にさせるの意。ピッチシフトを駆使し、あえて女性の目線やポップスターのようなフレーズを歌うことで、後に続くバイオレンスなラップとの不気味なコントラストを生み出している。
You wanna take me out yeah, yeah, take me out, huh
私を連れ出したいんでしょ yeah, yeah、連れ出してよ、huh
※「take me out」はデートに連れ出すという意味と、暗殺する(始末する)という意味のダブルミーニング。
They ain't never take me down, bitch (Hell no)
あいつらは絶対に私を倒せないわ、ビッチ (Hell no)
They ain't never take my crown, bitch
あいつらは絶対に私の王冠を奪えない、ビッチ
(Shut up)
(黙れ)
Hate? Never, bitch, where? Uh
ヘイト? 全然ね、ビッチ、どこが? Uh
[Verse]
Bruh, put the keyboard down, get the MAC out
なあ、キーボードを置いて、MACを取り出せよ
※「keyboard」はネット上でだけ強がるキーボード・ウォーリアーへの皮肉。「MAC」はAppleのMacBookと、MAC-10(サブマシンガン)のダブルミーニング。ネット上のタイピングを辞めて、本物の銃で直接やり合おうという挑発。
Blackout, make a motherfucker back out, back (Baow)
ブラックアウトだ、クソ野郎どもを撤退させてやる、下がれ (Baow)
G's up, freeze when I put her down
Gを掲げろ、俺がこいつを置いた時は動くんじゃねえぞ
※「G's up」はギャングとしての誇り(Gangsta)を示すフレーズ。
I'm pullin' up on this pussy and I'm pullin' out
この腑抜け野郎のところに乗り込み、そして引き抜くんだ
※「pull up」は車で乗り付けること。「pull out」は銃を抜くこと、あるいは性行為での膣外射精を意味するダブルミーニング。
Rock bottom when I put... (Alright, hold up)
俺がどん底に突き落としてやる... (分かった、待てよ)
You it, those clowns
お前らだよ、そのピエロども
Switch your pitch when I hit the mound
俺がマウンドに上がったら、お前らの投球を変えな
※「pitch」は投球と音程(ラップの声の高さやトーン)、「mound」は野球のマウンドとステージを掛けたメタファー。俺が登場したら態度を変えろという警告。
Rap niggas think they so profound
ラッパーどもは自分たちが深遠な存在だと思い込んでやがる
Got 'em lookin' up like who they under now? (Wow)
あいつらに上を見上げさせてやる、今誰の下にいるか分からせてな (Wow)
I ain't underground
俺はアンダーグラウンドじゃねえ
Bitch, I'm over who you under now, sucker
ビッチ、俺はお前らが下に見上げてる奴らよりもさらに上にいるんだよ、雑魚が
Hope you had the time of your life
せいぜい人生最高の時間を楽しんだことだろうな
'Cause it's over for you when I come around (Let's go)
俺がその場に現れたら、お前はもう終わりだからな (Let's go)
Thot tactics
ビッチの戦術だ
※SNSなどで直接言わず、陰でコソコソとディスるラッパーたちの卑怯なやり口を揶揄している。
Your shit don't bump, you was not proactive
お前の曲はノレないし、お前は前向きでもなかったな
※「bump」は曲がイケてる(首を振れる)こと。「proactive」は積極的な、という意味だが、ニキビケア用品のProactivとニキビ(bump)を掛けたワードプレイと推測されている。
Sneak dissin', that is not attractive
こそこそとディスるなんて、全然魅力的じゃねえよ
※名前を出さずに相手を攻撃する「スニーク・ディス」への批判。
I'm in a slump and I'm bouncin' back
俺はスランプに陥ってたが、また立ち直ってやる
Bitch crash whips like burnout
ビッチが『バーンアウト』みたいに車をクラッシュさせる
※「Burnout」は過激なクラッシュが特徴のレースゲーム。またはタイヤを空転させて煙を上げる行為。「whip」は車。
Pussy nigga, how you end up caught in traffic?
腑抜け野郎、どうして渋滞に巻き込まれてんだ?
Chrome ratchet, case basket
クロームメッキのハジキ、薬莢のバスケット
※「ratchet」は銃。「case」は薬莢。
With white shooters like the old Mavericks, it's real
昔のマーベリックスみたいに白人のシューターを揃えてる、これはマジだぜ
※「Mavericks」はNBAのダラス・マーベリックス。かつてダーク・ノビツキーやスティーブ・ナッシュなど白人の名シューター(3ポイントシューター)を多く擁していた。これを「white shooters(白人の銃の撃ち手/乱射犯)」という物騒なダブルミーニングで表現する彼特有のブラックジョーク。
Just in case you thought it wasn't
万が一、お前がそうじゃないと思ってた時のためにな
(That's like so amazing)
(それって超最高ね)
[Chorus]
I, I, I wanna rock your world, I wanna be your girl
あなたの世界を揺るがしたい、あなたの女の子になりたいの
You wanna take me out yeah, take me out, huh
私を連れ出したいんでしょ yeah、連れ出してよ、huh
They ain't never take me down, bitch
あいつらは絶対に私を倒せないわ、ビッチ
They ain't never take my crown, bitch, no
あいつらは絶対に私の王冠を奪えない、ビッチ、絶対にね
[Outro]
I can't compete (What you doin'? )
俺は張り合うことなんてできない (何やってんだ?)
I'ma do you like **** did me (That's the one, that's the one)
****が俺にしたように、俺もお前をやってやるよ (That's the one, that's the one)
※「****」は意図的なミュート(伏字)。具体的な名前を伏せることでファンコミュニティの想像を掻き立てるギミック。
No 'pologies (That's the one, that's, that's the one)
謝罪なんてしねえ (That's the one, that's, that's the one)
(I like that one, I like it that one, that one, one)
(あれが好きだな、あれがいい、あれ、あれ)
Sucker nigga, put the keyboard down, get the MAC out
雑魚野郎、キーボードを置いて、MACを取り出せよ
Blackout, make a motherfucker back out
ブラックアウトだ、クソ野郎どもを撤退させてやる
G's up, freeze when I put her down
Gを掲げろ、俺がこいつを置いた時は動くんじゃねえぞ
Pullin' up on this pussy and I'm pullin' out
この腑抜け野郎のところに乗り込み、そして引き抜くんだ
Rock bottom when I'm puttin'...
俺がどん底に突き落としてやる...
Nigga (What? What?)
