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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Real Nega - JPEGMAFIA 【和訳・解説】

Artist: JPEGMAFIA

Album: Veteran

Song Title: Real Nega

概要

JPEGMAFIA(愛称:Peggy)の2018年のブレイクスルー・アルバム『Veteran』に収録された本作は、彼の攻撃性と革新的なビートメイクが極限まで発揮された一曲だ。最も注目すべきは、Wu-Tang Clanの故Ol' Dirty Bastard(ODB)の楽曲『Goin' Down』における荒々しい絶叫ボーカルテイクを切り刻み、不規則でノイジーなループへと変換した狂気のサンプリング・ビートである。このインダストリアルでカオティックな音像に乗せ、Peggyはネット右翼(オルタナ右翼)やキーボード・ウォーリアー、そしてフェイクな業界人に対して容赦ない言葉の銃弾を浴びせる。ディズニー映画からWWEのプロレスラー、インディー・レーベル、さらには女優の体型いじりまで、極めてオタク的でインターネット・ネイティブな引用と、ストリートの冷酷なギャングスタ・ラップの言語をシームレスに融合させる手腕は圧巻だ。「極端にオンラインでありながら極めてミリタント」という彼独自の強烈なペルソナを決定づけ、エクスペリメンタル・ヒップホップ・シーンにおける彼の絶対的な地位を確立したアンセムである。

和訳

[Intro]

You think you know me
お前ら俺の何を知ってるって言うんだ
※WWEの伝説的プロレスラーであるエッジ(Edge)の入場曲『Metalingus』のサンプリング。JPEGMAFIAのシグネチャータグであり、プロレスオタクとしての彼の一面と、リスナーに対する挑発的なアティチュードを示している。

Soft as shit, bitch
クソほどヤワだな、ビッチめ

Wet, wet

Wet, wet, wet, wet, wet, wet, wet, wet

Wet, wet, wet, wet, wet, wet, yo

Wet, wet, wet, wet

[Verse]

Kill the connect
コネクトを始末しろ
※ドラッグの元締め(コネクト)を標的にすること。一番上の供給源を断つという、最も危険なギャングスタのメンタリティ。

Repo man, when I come to collect
取り立てに来る時の俺はまるでレポマンだ
※Repo man(Repossession man)は、ローン未払いの車などを強引に回収する業者のこと。

Beat 'em like Rhythm Roulette
リズム・ルーレットみたいに叩きのめす
※Mass Appealの人気YouTube企画「Rhythm Roulette」(プロデューサーが目隠しでレコードを選び、即興でビートを作る番組)の引用。「ビート(Beat)を作る」ことと、「敵を(Beat)ボコボコにする」ことを掛けた高度なダブルミーニング。

You niggas scared of the god, bitch, keep that shit on the net
お前らは神を恐れてるんだよ、そのイキりはネットの中だけにしとけ
※安全な場所からタイピングするだけのキーボード・ウォーリアー(ネット弁慶)への痛烈なディス。

I treat your ***** like Rafiki, I raise the K like a kid
ラフィキみたいにお前のダチを扱い、ガキみたいにKを高く掲げるぜ
※ディズニー映画『ライオン・キング』で、ヒヒのラフィキが赤ん坊のシンバを崖の上で高く掲げる名シーンの引用。「K」はAK-47(カラシニコフ)のこと。アサルトライフルを天高く掲げて振り回す様子を表現している。

AR built like Lena Dunham
レナ・ダナムみたいな体型のAR
※女優・クリエイターのLena Dunham(レナ・ダナム)のぽっちゃりとした体型を、重装備でカスタマイズされて分厚くなったAR-15ライフルに例えている。不謹慎でポリティカリー・インコレクトな極悪パンチライン。

When I shoot, I don't miss (Trapaholics)
撃つ時は絶対に外さねえ
※「Trapaholics」は2000年代〜2010年代のトラップ・ミックステープシーンを席巻したDJチームの象徴的なドロップ(タグ)。ストリートのミックステープ文化へのリスペクト。

Crackers be singing like chorus, choppa be changing they pitch
白人どもはコーラスみたいに歌い出す、チョッパーが奴らの悲鳴のピッチを変えるんだ
※Crackerは白人に対する蔑称(ここでは主に人種差別的なネット右翼を指す)。Choppa(フルオートの銃)を向けられた途端に、強気だったヘイターたちが裏返った高い声で泣き叫ぶ様子を冷徹に描写している。

Choppa pay a nigga rent, choppa write a nigga hits
チョッパーが俺の家賃を払い、チョッパーが俺のヒット曲を書く
※暴力(あるいはその過激なアティチュード)こそが自身の生活を支え、強烈な楽曲を生み出す源泉になっているという宣言。

Heard he wanna be a rapper, choppa change a nigga niche
ラッパーになりたいらしいな、チョッパーが奴のニッチを変えてやるよ
※銃撃によって相手のキャリアプラン(ニッチ)を強制終了させる、あるいは死体という「別のニッチ」へ送ってやるという脅し。

Niggas always wanna get buck, 'til they meet 50 Cent
お前らはいつも暴れたがるが、50セントに出会うまでの話だ
※「get buck」は激しく暴れる、凶暴になるというスラング。9発の銃弾を浴びても生き延びた伝説的ラッパー50 Centをネームドロップし、「本物の銃撃(50セント/銃弾)に直面すれば、お前らなんてすぐにおとなしくなる」というメタファー。

Fuck a subtweet, Sub-Pop niggas heads off like Pez
サブツイートなんてクソくらえだ、ペッツみたいに奴らの頭を吹き飛ばしてやる
※SNSでの陰湿な間接的ディス(サブツイート)を嫌悪。Sub-Popはニルヴァーナなどを輩出した有名なインディーレーベルだが、ここでは「Sub(下から)」「Pop(撃つ・吹き飛ばす)」という動作と掛け、おもちゃのPez(首を折るとお菓子が出る)のように頭を弾き飛ばすという猟奇的かつテクニカルなライム。

Alt-right want war, well that's fine then
オルタナ右翼が戦争をしたいなら、上等じゃねえか
※ネット上のオルト・ライト(極右)勢力からの標的にされやすい彼のスタンスだが、決して引かずに真正面から受けて立つ強靭な意思表示。

Bitch niggas in the way, well, that's common
ビッチな奴らが邪魔をする、まあよくあることだ

White boys getting mad 'cause of my content
白人のガキどもが俺のコンテンツに腹を立ててる

Y'all brave on the web, keep it in the comments
ネット上じゃ勇敢だな、コメント欄に引きこもってろ

Sock it to a nigga like Mankind
マンカインドみたいに奴らを殴り倒す
※WWEの伝説的プロレスラーMankind(ミック・フォーリー)の得意技「マンディブル・クロー」の引用。「Mr. Socko」という靴下(Sock)をはめた手で相手の口を塞ぐ技と、「Sock it(強く殴る)」というスラングを掛けている。彼特有のナードなプロレス愛。

And motherfuck that flag, nigga, we dying
あの国旗なんてクソくらえだ、俺たちは死にかけてるんだぞ
※星条旗、あるいは白人至上主義者が掲げる南部連合国旗に対する強烈な拒絶。国家が掲げるシンボルの下で、黒人たちが構造的差別の犠牲になり命を落としている現状に対する切実なプロテスト。

CAC! Bitch! Pussy! Fuck outta here
白人! ビッチ! 腰抜け! 失せろ
※「CAC」はCrack-Ass Cracker(またはCaucasian)の略で、白人に対する痛烈な蔑称。彼のリリックに対する白人層からの批判を、怒りと共に完全にシャットアウトしている。

[Break]

Where my ladies at? (Ayy)
レディーたちはどこにいるんだ?

I love y'all (Where ya at?)
愛してるぜ

The real is back, fucker
本物が帰ってきたぜ、クソ野郎ども

[Outro]

I'm a real nigga (Whoa!)
俺はリアルな黒人だ

I'm a real nigga, ooh (Whoa!)
俺はリアルな黒人だ

I'm a real nigga (Whoo!)
俺はリアルな黒人だ

I'm a real nigga, ooh (Whoa!)
俺はリアルな黒人だ

(I don't really like–)
俺はあんまり好きじゃ…