Artist: Tyler, The Creator
Album: DON’T TAP THE GLASS
Song Title: Don’t Tap That Glass / Tweakin’
概要
タイラー・ザ・クリエイターのサプライズアルバム『DON’T TAP THE GLASS』のタイトル・トラックであり、2つの異なるビートで構成された狂気的な組曲だ。前半の「Don't Tap That Glass」は、アルバム全体のコンセプトである「動物園の展示ガラスを叩くな=セレブの私生活や尊厳に無遠慮に踏み込むな」という警告を、不穏で威圧的なトーンで繰り返す。後半の「Tweakin'」へのビートスイッチ後は、パラノイアと怒りが頂点に達し、「完全にイカれている(Tweakin')」状態へと突入する。40代後半になってもストリートにしがみつく同業者への冷酷な皮肉や、マルコムX(Detroit Red)の引用、そして男女問わずベッドを共にする自身の倒錯した性生活の暴露など、タイラーの圧倒的なエゴと他者への攻撃性が剥き出しになった、アルバムのハイライトを飾る問題作である。
和訳
[Part I: "Don't Tap That Glass"] [Intro]
Ayy
エイ。
Huh, uh
ハッ、アー。
Ayy, uh, ayy, uh, ayy, uh
エイ、アー、エイ、アー、エイ、アー。
[Chorus]
Don't tap that glass, don't tap that glass
そのガラスを叩くな、ガラスを叩くんじゃねえ。
Don't tap that glass, don't tap that glass
ガラスを叩くな、ガラスを叩くんじゃねえよ。
※動物園や水族館の展示ガラスを叩く客への警告文。セレブリティとして常に見世物になっているタイラーが、パパラッチや無礼なファン、ヘイターたちに対して「俺の領域(プライバシーや尊厳)に無遠慮に踏み込むな」と警告しているアルバム全体のメインテーマ。
There's a monster in it, don't tap that glass (Bro)
中にはモンスター(怪物)がいるんだ。ガラスを叩くんじゃねえぞ(兄弟)。
※ガラスの向こう側にいる自分自身を「モンスター」と表現し、怒らせたらただじゃ済まないという威嚇。
Don't tap that glass, baby (Bro), don't tap that glass (Huh)
ガラスを叩くなよ、ベイビー(兄弟)。ガラスを叩くんじゃねえ(ハッ)。
Don't tap that glass (Baby), don't tap that glass (Baby)
ガラスを叩くな(ベイビー)。ガラスを叩くんじゃねえ(ベイビー)。
Don't tap that glass, nigga, don't tap that glass
ガラスを叩くな、なぁ。ガラスを叩くんじゃねえ。
There's a monster in it, don't tap that glass (Nigga, nigga)
中にはモンスターがいるんだ。ガラスを叩くんじゃねえぞ(なぁ、なぁ)。
Don't tap that glass, baby, don't tap—
ガラスを叩くなよ、ベイビー。叩くんじゃ—
[Verse 1]
Bling, bling, bling, bling, baow
ブリン、ブリン、ブリン、ブリン、バウ。
※ジュエリーの輝き(Bling)と、銃の破裂音(baow)の擬音。
Michael Jordan eyes, neck yellow, look like bing, baow
マイケル・ジョーダンの目(充血して黄色い)、首元もイエロー(ダイヤ)。まるでビン・バウ(ピカピカのバカげた輝き)だ。
※マイケル・ジョーダンの白目が常に黄色く濁っていることはファンの間でよく話題になるミームであり、それを首元に巻いた大量のイエロー・ダイヤモンドの輝きに例えたストリートなワードプレイ。
If it's feelin' weird, pull the beam out like bing, baow
少しでも妙な空気を感じたら、ビーム(レーザーサイト付きの銃)を抜くぜ、ビン・バウ。
King Kong, baby, chow down on that penile
俺はキングコングだ、ベイビー。そのピーナイル(男根)にしゃぶりつきな。
※King Kong=自分を巨大なモンスター(ガラスの中の怪物)に例えている。
All these niggas wanna be me now
今じゃ、この野郎どもは全員「俺」になりたがってるのさ。
So much snot in my pocket, bro, I need a tissue
ポケットの中には「鼻水(スノット)」がパンパンだ、兄弟、ティッシュが必要だな。
※snot=「鼻水」という意味から転じて、緑色=大量の札束(ドル紙幣)を意味するスラング。
Niggas think they Rolling Stone, we can press the issue
野郎どもは自分がローリング・ストーン誌(大物/ロックスター)だとでも思ってやがる。俺たちがその問題(イシュー)をプレスして(締め上げて/出版して)やるよ。
※press the issue=「議論を強行する/プレッシャーをかける」という慣用句と、雑誌のissue(号)をpress(印刷/プレス)するというダブルミーニング。
Every curly-haired bitch in LA, I done had
LA中のカーリーヘアのビッチは、俺が全員抱いたぜ。
Got the F40 on the 405 throwin' ass
405号線(LAのフリーウェイ)で、F40(フェラーリ)のケツを振らせて(ドリフトさせて)るんだ。
Brodie got his bitch took, brodie got his head bust
あいつは女を寝取られ、頭をカチ割られた。
Brodie got his chain snatched, brodie must be fеd up (Nigga)
あいつはチェーンをひったくられ、さぞかしウンザリ(fed up)してるだろうな(なぁ)。
We told you, you ain't wanna listen
だから言っただろ、お前は聞く耳を持たなかった。
Now you lookin' like a victim
そして今、お前は見事な被害者(ビクティム)面をしてるってわけさ。
[Refrain]
Bring it back, bring it back, wе back it up (Uh)
持ってこい、持ってこい、俺たちはバックアップ(後退/積み上げ)するぜ(アー)。
Nigga, get a stack, spend a stack, we stack it up (Uh)
なぁ、札束(スタック)を稼いで、札束を使って、俺たちはそれを積み上げる(スタック・イット・アップ)んだ(アー)。
Niggas talkin' down on the squad, we turn it up (Uh)
野郎どもが俺たちのスクワッド(仲間)をディスるなら、俺たちは音量(熱量)をブチ上げる(ターン・イット・アップ)ぜ(アー)。
Nigga, honestly, baby, I don't give a fuck
なぁ、正直に言うとさ、ベイビー。俺はマジでどうでもいいんだよ。
[Chorus]
Don't tap that glass, don't tap that glass
そのガラスを叩くな、ガラスを叩くんじゃねえ。
Don't tap that glass, nigga, don't tap that glass
ガラスを叩くな、なぁ。ガラスを叩くんじゃねえよ。
There's a monster in it, rah-tah-tah-tah
中にはモンスターがいるんだ。ラ・タ・タ・タ(銃声)。
Don't tap that glass, baby, don't tap that glass, huh
ガラスを叩くなよ、ベイビー。ガラスを叩くんじゃねえ(ハッ)。
Don't tap that glass (Baby), don't tap that glass (Baby)
ガラスを叩くな(ベイビー)。ガラスを叩くんじゃねえ(ベイビー)。
Don't tap that glass, nigga, don't tap that glass
ガラスを叩くな、なぁ。ガラスを叩くんじゃねえ。
There's a monster in it, don't tap that glass (Nigga, nigga)
中にはモンスターがいるんだ。ガラスを叩くんじゃねえぞ(なぁ、なぁ)。
Don't tap that— what the damn— bro
ガラスを叩く— なんだって— 兄弟。
※ここでビートが急変し、後半の「Tweakin'」へとシームレスに移行する。
[Verse 2]
Nigga said I lost touch with the regular folks (Shit)
「あいつは一般人(レギュラー・フォークス)の感覚を失っちまった」だって?(クソが)
I ain't never been regular, you niggas is jokes (Funny)
俺は一度だって「一般人(普通)」だったことなんてねえよ。お前らはただのジョークだ(笑えるぜ)。
※金持ちになってストリートの感覚を忘れたという批判に対し、自分は生まれた時から異端であり、一般人(凡人)の枠には収まらないという一蹴。
What that vest gon' do, boy? I aim at the throat (Damn)
その防弾チョッキが何の役に立つんだ、坊や? 俺は喉仏(防げない急所)を狙うからな(クソ)。
Got a pocket full of snot, but your spirit is broke, like (Bitch)
ポケットには鼻水(札束)がパンパンだが、お前の魂はブローク(無一文/へし折られている)してるな(ビッチ)。
Forty-nine, still in the street, like (Bitch)
49歳にもなって、まだストリートで粋がってる(ビッチ)。
Your prostate exam in a week, like (Bitch)
1週間後には前立腺の検査(加齢による健康診断)が控えてるってのにな(ビッチ)。
※【重要】Redditで大爆笑を呼んだライン。若者に混じってギャングスタラップを続ける40代後半のベテランラッパーたちに対する、残酷なまでに現実的で冷酷な加齢いじり(エイジズム的な皮肉)。
Niggas trauma bond off the hate
野郎どもは、俺へのヘイト(憎しみ)を通じてトラウマ・ボンド(共依存)で結びついてやがる。
I got hugs in my home, bitch, I cannot relate, ugh
俺の家にはハグ(愛)があるんだよ、ビッチ。お前らみたいなひねくれた連中には共感できねえな、アー。
Hey, baby wanna know what I might do
ヘイ、ベイビーは俺が何をするのか知りたがってる。
That's about nine inches long if I like you
もし俺がお前のことを気に入ったら、約9インチ(約23cm)の長さになるぜ。
※男性器のサイズのフレックス。
You can get a workout, not in the gym, bitch
お前は激しいワークアウト(運動)をすることになるぜ。ジムの中じゃなくて、ベッドの上でな、ビッチ。
You ain't gotta lie, we can smell the Ozempic
嘘をつく必要はねえよ。オゼンピック(ダイエット薬)の匂いがプンプンしてるからな。
※Ozempic=本来は糖尿病治療薬だが、ハリウッドのセレブたちがこぞって激痩せするために乱用していることで社会問題化している薬。外見を偽るフェイクな人間たちへの皮肉。
[Refrain]
Bring it back, bring it back, we back it up (Uh)
持ってこい、持ってこい、俺たちはバックアップするぜ(アー)。
Nigga, get a stack, spend a stack, we stack it up (Uh)
なぁ、札束を稼いで、札束を使って、俺たちはそれを積み上げるんだ(アー)。
Niggas talkin' down on the squad, we turn it up (Uh)
野郎どもが俺たちのスクワッドをディスるなら、俺たちは音量をブチ上げるぜ(アー)。
Nigga, honestly, baby, I don't give a fuck
なぁ、正直に言うとさ、ベイビー。俺はマジでどうでもいいんだよ。
[Outro]
Don't tap the glass
ガラスを叩くな。
[Part II: "Tweakin'"] [Intro]
Bro
兄弟。
Bro
兄弟。
Call my mama, nigga
俺の母さんに電話してくれ、なぁ。
Bro
兄弟。
Huh, huh
ハッ、ハッ。
[Chorus]
Bitch, I'm tweakin', huh, huh
ビッチ、俺は完全にイカれてる(トゥイーキン)、ハッ、ハッ。
※tweakin'=ドラッグでハイになっている状態、あるいはパニックやパラノイアで「完全に狂っている・おかしくなっている」状態を指すスラング。
Bitch, I'm tweakin', huh, huh
ビッチ、俺は完全にイカれてるぜ、ハッ、ハッ。
Bitch, I'm tweakin', huh, huh
ビッチ、俺は完全にイカれてるぜ、ハッ、ハッ。
Bro, I'm tweakin', huh, huh
兄弟、俺はおかしくなっちまった、ハッ、ハッ。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
Catch your breath, bitch (Nigga)
息を整えな、ビッチ(なぁ)。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
[Verse]
Bro, I'm trippin', toes tied
兄弟、俺はトリップしてる(混乱してる)。足の指がもつれてる(トータイ)。
※toes tied=toe tag(死体安置所で足の指につけられる名札)に近く、死にかかっている、あるいはパニックで身動きが取れない状態。
Call my mama, four, five
母さんに電話してくれ。4回、5回。
※パニック状態になり、一番信頼する母親にすがる様子。前作『CHROMAKOPIA』で描かれたマザコン的な一面と脆さの露呈。
Six nights at Crypto
クリプト(アリーナ)で6夜連続公演。
※Crypto.com Arena(旧ステイプルズ・センター)。LAの巨大アリーナを6日間満員にするほどの圧倒的動員力。
Shit, I should have did SoFi
クソ、これならSoFi(スタジアム)でやるべきだったな。
※SoFi StadiumはLAの超巨大スタジアム(キャパ7万人以上)。アリーナでは狭すぎたという、パニック状態の中でも忘れない特大のエゴ・フレックス。
I'm an old soul, I'm a .38 Special
俺は古い魂(オールド・ソウル)を持ってる。俺は.38スペシャルだ。
※.38 Special=古典的なリボルバー拳銃の弾薬、および70年代のサザンロックバンドの名前。古き良き殺傷能力(クラシックな魅力)を持っているという比喩。
Feel like Detroit Red 'fore he went Mecca
メッカに行く前の「デトロイト・レッド」みたいな気分さ。
※【重要】Detroit Red=黒人解放運動の指導者マルコムXのストリート・ハスラー時代の通り名。彼がメッカ巡礼を経て精神的に目覚める前、つまり「暴力と犯罪に塗れた血気盛んな状態」に今の自分が重なるという、極めてコンシャスで文学的なパンチライン。
Black girl prom-night hair, I'll press you
プロムの夜の黒人娘の髪みたいに、お前をプレス(アイロンがけ/恐喝)してやるよ。
※プロムに向けて黒人女性が髪を熱いアイロンでプレス(ストレートに)することと、敵をプレス(締め上げる)することを掛けた巧みなストリートジョーク。
Shit goin' up like granny blood pressure
ばあちゃんの血圧みたいに、状況が(ヤバい方向に)上がっていくぜ。
About that guap, about that guap
あのグワップ(大金)について、あのグワップについて。
About that guap, about cha-ching
あのグワップについて、あのチャリン(レジの音)について。
About that guap, about that guap
あのグワップについて、あのグワップについて。
About that bread, about chili
あのブレッド(金)について、あのチリ(金)について。
※ひたすら「金」を表すスラングを連呼し、資本主義の狂気に取り憑かれている。
Feel like Slick Rick, neck look like when you stare in the sun too goddamn long
スリック・リックみたいな気分だ。俺の首元は、太陽をクソ長く見つめすぎた時みたい(に眩しい)だろ。
※Slick Rick=極太のゴールドチェーンを何本も重ね付けするスタイルで知られるヒップホップのレジェンド。自分のネックレスの尋常ではない輝きの比喩。
I fucked her and her friend, her friend, her nigga, and his bitch, I know I'm wrong (Goddamn)
俺はあの女と、その友達と、そのまた友達と、そいつの彼氏(男)と、その男のビッチまで全員とヤッたんだ。自分が間違ってる(クレイジーだ)ってのは分かってるよ(ガッデム)。
※【重要】男女問わず、人間関係を破壊しながら欲望のままにセックスを繰り返す、タイラーの制御不能なバイセクシュアリティと狂気(Tweakin')の極致。Redditでも「このラインはエグすぎる」と話題沸騰になった。
Ten (Uh), twenty (Uh), thirty (Uh)
10(アー)、20(アー)、30(アー)。
Forty (Uh), fifty (Uh), tickets (Uh), on me (Uh)
40(アー)、50(アー)、万ドル(アー)が、俺の手元にある(アー)。
※ticket=1万ドル(約150万円)を意味するスラング。50万ドル(約7500万円)の現金を所持しているフレックス。
I'm in Atlanta with Boat off Peachtree
俺はアトランタのピーチツリー通りで、Boat(リル・ヨッティ)と一緒にいる。
Baby-blue Bimmer go beep-beep
ベイビーブルーのビーマー(BMW)が、ビープ・ビープってクラクションを鳴らす。
I'm not really pussy, I'm fee-fee
俺はマジでプッシー(臆病者)なんかじゃない。俺はフィー・フィー(自作のオナホール)だぜ。
※fee-fee=刑務所などで囚人がタオルや手袋を使って自作するマスターベーション用の道具(代用プッシー)。自分が「本物のプッシー(女性器)」以上に相手を快楽の底に引きずり込む狂った存在であるという、タイラー特有の変態的なワードプレイ。
That thriller right on me like hee-hee
そのスリラー(銃/興奮)は、マイケル・ジャクソンの「ヒー・ヒー」みたいに俺にぴったり張り付いてるのさ。
※Michael Jacksonの『Thriller』と彼の特徴的なシャウト(Hee-hee)を引用。
[Chorus]
Tweakin', huh, huh
イカれてる(トゥイーキン)、ハッ、ハッ。
Bitch, I'm tweakin', huh, huh (Funky-ass bitch)
ビッチ、俺は完全にイカれてるぜ、ハッ、ハッ(悪臭のするクソビッチが)。
Bitch, I'm tweakin', huh, huh
ビッチ、俺は完全にイカれてるぜ、ハッ、ハッ。
Bitch, I'm— ah, ah, ah, ah, ah
ビッチ、俺は— アー、アー、アー、アー、アー。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
Catch your breath, bitch
息を整えな、ビッチ。
[Outro]
Bitch, I'm tweakin'
ビッチ、俺は完全にイカれてるんだよ。
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