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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

I Ain’t Got Time! - Tyler, The Creator 【和訳・解説】

Artist: Tyler, The Creator

Album: Flower Boy

Song Title: I Ain’t Got Time!

概要

タイラー・ザ・クリエイターの5thアルバム『Flower Boy』(2017年)に収録された、アグレッシブで自信に満ち溢れたバンガー。元々カニエ・ウェストのために制作したビートであったが、カニエに提供を断られたため自身のアルバムに収録したという逸話がある。本楽曲の最大のハイライトは、Verse 3における「2004年から白人の男たちとキスしてるぜ」という明確なカミングアウトである。また、VansからConverseへの大型契約の移行、i-Dマガジンに無視された腹いせにVogueで見開きを飾ったエピソードなど、ファッションアイコンや実業家としての圧倒的な成功を痛快なワードプレイと共にボースティングしている。

和訳

[Intro: Shane Powers]
Right now, we got some new music only here on Golf Radio!
「さあ、Golf Radioでしか聴けない新曲のお届けだ!」
※架空のラジオ局「Golf Radio」のDJ、シェーン・パワーズによるイントロ。

(God, I love this sample)
(神様、俺はこのサンプルが大好きなんだ)

We're going to dance
「さあ踊ろうぜ、

And exercise
エクササイズして、

And have some fun
楽しもうじゃないか」

[Chorus]
I ain't got time for these niggas
俺にはこのニガどもに構ってる時間なんてねえ。

Better throw a watch at the boy
あのボーイ(俺)に時計でも投げつけてみろよ。

Had my boys in this bitch, looking like a seminar
俺のダチどもをここに集めたら、まるでセミナーみたいに見えるぜ。

Who the fuck you talking to, motherfucker?
お前、誰に向かって口きいてると思ってんだ、クソ野郎?

Boy, I ain't got time for these bitches
ボーイ、俺にはこのビッチどもに構ってる時間なんてねえんだ。

Better throw a clock at these hoes
このヤリマンどもに時計(掛け時計)でも投げつけてやりな。

Have these hoes in this bitch looking for a water hose
このビッチどもはここで、水撒きホース(ホース)を探し回ってるぜ。
※hoes(ビッチたち)とhose(ホース)を掛け、喉が渇いている(男に飢えている)様子を揶揄している。

Who the fuck you talking to, motherfucker?
お前、誰に向かって口きいてると思ってんだ、クソ野郎?

Boy, I ain't got time
ボーイ、俺には時間がねえんだよ。

[Verse 1]
Boy, I need a Kleenex
ボーイ、クリネックス(ティッシュ)が必要だぜ。
※成功して嬉し泣きしている、あるいは周りの奴らが泣いている(鼻水を拭く)という意味。

How I got this far? Boy, I can't believe it
どうやってここまで来たんだ? ボーイ、自分でも信じられねえよ。

That I got this car, so I take the scenic
こんな車を手に入れたんだから、景色のいいルート(scenic)をドライブするぜ。

Passenger a white boy, look like River Phoenix
助手席には、リヴァー・フェニックスみたいな白人の男を乗せてな。
※伝説的な俳優リヴァー・フェニックス。タイラーの恋愛対象が美しい白人男性であることを匂わせている。

First, happy birthday!
まずは、ハッピーバースデー!
※タイラーと揉めていた元Odd Futureのメンバー、Hodgy Beatsの誕生日に向けた皮肉という説が有力。

You bitch-ass nigga, yup, I'm thirsty
このビッチみたいなニガめ、ああ、俺は喉が渇いてるぜ。

Them little shots that you threw, they ain't hurt me
お前が撃ってきた(投げてきた)ちっぽけなディスなんて、ちっとも痛くねえよ。

I ain't fuck with your bitch-ass in the first place
そもそも最初から、お前みたいなビッチ野郎とつるむ気なんてなかったしな。

[Chorus]
I ain't got time for these niggas
俺にはこのニガどもに構ってる時間なんてねえ。

Better throw a watch at the boy
あのボーイに時計でも投げつけてみろよ。

Had my boys in this bitch, looking like a seminar
俺のダチどもをここに集めたら、まるでセミナーみたいに見えるぜ。

Who the fuck you talking to, motherfucker?
お前、誰に向かって口きいてると思ってんだ、クソ野郎?

Boy, I ain't got time for these bitches
ボーイ、俺にはこのビッチどもに構ってる時間なんてねえんだ。

Better throw a clock at these hoes
このヤリマンどもに時計でも投げつけてやりな。

Have these hoes in this bitch looking for a water hose
このビッチどもはここで、水撒きホースを探し回ってるぜ。

Who the fuck you talking to, motherfucker?
お前、誰に向かって口きいてると思ってんだ、クソ野郎?

Boy, I ain't got time
ボーイ、俺には時間がねえんだよ。

[Verse 2]
Nat Turner would be so proud of me
ナット・ターナーも俺のことを誇りに思うだろうな。
※Nat Turner=1831年に黒人奴隷の反乱を率いた指導者。白人社会で大成功を収めている自分への自負。

'Cause all these motherfuckers got they style from me
だって、このクソ野郎どもは全員、俺からスタイルをパクってるんだからな。

I bet they all looking from the crowd at me
連中はみんな、観客席から俺のことを見上げてるに違いねえ。

And if I ask them, they would bow at me
俺が命令すれば、奴らは俺にひれ伏すだろうぜ。

But you're a house nigga, so you don't know
でもお前は「ハウス・ニガ」だから、分からねえんだよ。
※house nigga=白人の主人に媚びへつらい、家の中で優遇されていた黒人奴隷。現代における白人社会に迎合する黒人への強烈な蔑称。

How that shit go, with my big lips and my big nose
この状況がどう進むかってことがな。俺のこの分厚い唇とデカい鼻でさ。
※黒人特有の身体的特徴を誇りに思っている。

And my big dick and my short hurr
そして俺のデカいディックと、短く刈り込んだ髪(ヘアー)でな。

'Cause you already know how slow my shit grow
だって、俺の髪(や成功)がどれだけゆっくり育ってきたか、お前はもう知ってるだろ。

[Bridge]
(Hey)
(ヘイ)

Tick, tock
チク、タク。

Tick, tock (Uh)
チク、タク(あぁ)。

Tick, tock
チク、タク。

Tick, tock (Yeah)
チク、タク(イェー)。

Tick, tock
チク、タク。

Tick, tock (Ayo)
チク、タク(エイヨー)。

Tick, tock
チク、タク。

Tick, tock
チク、タク。

[Verse 3]
Been the man with a pickle plan, niggas know the dill
ずっとピクルス(最高)な計画を持った男だった。ニガどもはそのディル(ディール/取引)を知ってるぜ。
※pickle(ピクルス)とdill(ハーブのディル/dealの訛り)を掛けたワードプレイ。

When I sell the carnival, I bet I get a 100 mil' (Hey)
もし俺がカーニバル(Camp Flog Gnaw)を売却したら、1億ドル(100ミリオン)は堅いだろうな(ヘイ)。

Next line will have 'em like "woah"
次のラインを聴いたら、連中は「ウォウ(マジかよ)」ってなるぜ。

I've been kissing white boys since 2004
「俺は2004年から、白人の男の子たちとキスしてるんだ」
※同性への恋愛感情をはっきりと宣言した、本楽曲およびアルバム『Flower Boy』全体における最も重要で衝撃的なパンチライン。

One me, two feet, three M's
俺が1人、2本の足、300万ドル(3ミリオン)の車。
※1,2,3...と数字をカウントアップしていく。

Four, five, six years ago sucked
4年、5年、6年前は最悪だった。
※自身のキャリアにおいて迷走していた時期を振り返っている。

Seven figure conversations with Converse finalized
コンバースとの7桁(ミリオン)の契約交渉がまとまったぜ。

'Cause Vans fucked up
だってVansがヘマしやがったからな。
※長年契約していたVansからConverseへとスポンサーを鞍替えした事実をラップしている。

I'ma read commas, you gon' leave comments
俺はカンマ(預金残高の桁)を読み上げる。お前らはコメント(SNSの悪口)を残すだけだ。

Saying what I shoulda did, but you ain't did nada
「ああするべきだった」なんてほざいてるが、お前らは何も(ナダ)してねえじゃねえか。

You ain't important
お前らなんて重要じゃねえんだよ。

I'ma keep sporting
俺はずっと着飾って(スポーツして)いくぜ。

All smiles over here
ここは笑顔ばっかりさ。

Shout out to The Garden
「ザ・ガーデン」にシャウトアウトだ。
※タイラーのお気に入りのインディーロックバンド、The Gardenへの言及。

(Tick-tock)
(チクタク)

(And that's a fact boy!)
(それは事実だぜ、ボーイ!)

And I just handle all my business like a chessboard
俺はすべてのビジネスを、チェス盤みたいにコントロールしてるんだ。

(Tick tock, tick, tock)
(チクタク、チクタク)

And at them Golf boys? That's my motherfucking set, boy
あのGolfボーイズのことは? あれは俺のクソヤバいセット(派閥/仲間)だぜ、ボーイ。

Hard pill to swallow like some thick soda
ドロドロのソーダみたいに、飲み込むのがキツい錠剤(現実)だろ。

Walk weird 'cause my pockets look like thick Yoda
歩き方が変になっちまうよ、俺のポケットが分厚いヨーダみたいに膨らんでるからな。
※大量の現金(緑色の札束)でポケットが膨らんでいる様子を、緑色のキャラクター「ヨーダ」に例えている。

With a Skywalker, riding 'round solar
スカイウォーカーと一緒に、太陽系(ソーラー)を乗り回すんだ。

Anakin skin Sprite, and my tint cola
アナキンの肌はスプライト(白人)、俺の色合いはコーラ(黒人)さ。
※前述のスター・ウォーズの比喩を続け、白人の恋人とドライブしている様子を描写している。

Getting neck from a broad like some big shoulders
肩幅が広い奴みたいに、女(ブロード)から首(ネック/フェラ)をもらってるぜ。
※broad(女/広い)とneck(フェラ/首)とshoulders(肩)を掛けた秀逸な言葉遊び。

'Til I bust like that 9 in ya heat holster
お前の熱いホルスターに入ってる9ミリ銃みたいに、発射(バスト)するまでな。

Everything I say is hot, bitch, I speak toaster
俺の言うことは全部ホットだ、ビッチ、俺はトースターの言葉を話すからな。

And the bread orthodox like I eat kosher
そしてパン(金)はオーソドックスだ、俺がコーシャ(ユダヤ教の食事)を食うみたいにな。
※ユダヤ教の厳格な教派(Orthodox)と食事規定(Kosher)、そしてビジネスに長けたユダヤ系の人々のように金を稼ぐ(bread)というメタファー。

Shout out to (Shhh) they gave a big loaf of
シャウトアウトだ、(シーッ)連中は俺にデカい塊(ローフ)をくれたんだ。
※企業名(おそらくSonyやConverse)は伏せられている。

Green bread, got me chilling like a clean sofa
緑色のパン(大麻/金)の塊をな。おかげで俺は、綺麗なソファみたいにチルできてるぜ。

What's that thick odor?
この強烈な匂いは何だ?

Young Millie T
ヤング・ミリ・T(大金持ちのタイラー)の匂いさ。

A young, focused black boy, oh, silly me
若くて、目標に集中してる黒人のボーイだ。あぁ、俺ってばバカだな。

(I ain't got time!)
(俺には時間がねえんだ!)

[Verse 4]
Better talk shit
せいぜいクソみたいな陰口でも叩いてろ。

'Cause I'm either in my Cons or my Golf shit
どうせ俺は、コンバースかGolfの服しか着てねえんだからな。

Pants got a lil flood, nigga, pipe down
パンツは少し洪水(丈が短い)になってる。ニガ、静かにしろ。
※flood pants=くるぶし丈の短いパンツ。タイラーのシグネチャースタイル。

I'm Lil Boosie, Lil Boosie, way I wipe down
俺はリル・ブージーだ、リル・ブージーみたいに拭き取って(ワイプ・ダウンして)やるぜ。
※ラッパーのLil Boosieのヒット曲「Wipe Me Down」の引用。

(Boy, I ain't got time!) Yeah, right now
(ボーイ、俺には時間がねえ!)ああ、今すぐにな。

'Cause niggas dying every day and I ain't light brown
だって毎日黒人(ニガ)が死んでるんだ、それに俺は「ライトブラウン(明るい肌色)」じゃないからな。
※警察の過剰防衛などで黒人が命を落とすアメリカの現状に対する言及。自分も肌が黒いため、いつ殺されてもおかしくない(だから時間がない)という切実な背景。

And i-D ain't wanna give a nigga no post
それに、『i-D』誌は俺のことなんて記事にしてくれなかった。

So I went and did a 12-page spread in Vogue
だから俺は、『Vogue』で見開き12ページの特集をやってやったんだよ。
※ストリート系ファッション誌『i-D』に無視された腹いせに、世界最高峰のファッション誌『Vogue』を飾って見返してやったという強烈なボースティング。

(Nigga I ain't got time!)
(ニガ、俺には時間がねえんだ!)

[Outro]
Listen, man, I'm that boy
聞けよ、なぁ、俺がそのボーイだ。

All you lil' niggas clones
お前らガキのニガどもは全員、ただのクローンさ。

Boy, I fill that void
ボーイ、俺がその空白(ボイド)を埋めてやる。

You better kill that noise
そのノイズ(雑音/悪口)を消した方がいいぜ。

Turn around and remap route
引き返して、ルートを再設定しな。

When they see that boy with them big ears and that gap tooth
あのデカい耳と、すきっ歯のボーイ(俺)を見かけた時にな。
※自身の特徴的なルックスへの言及。

Tick, tock
チク、タク。

Bitch
ビッチ。

Tick, tock
チク、タク。

Tick, tock
チク、タク。

Cause I ain't got ti-
だって俺には時ー

Sugar
(曲調がメロウなソウルに切り替わる)「シュガー」

Oh!
「オォ!」

You're so sweet
「あなたは本当にスイートね」

Fuck?
「クソ?」

They should call you sugar
「みんな、あなたをシュガーって呼ぶべきよ」

'Cause you're so s-
「だってあなたはとてもス—」

Hello?
「もしもし?」