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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Jodye - A$AP Rocky 【和訳・解説】

Artist: A$AP Rocky

Album: LONG.LIVE.A$AP (Deluxe Edition)

Song Title: Jodye

概要

本作「Jodye」は、A$AP Rockyの『LONG.LIVE.A$AP』デラックス版に収録された、Joey FattsとRocky(Lord Flacko名義)が共同プロデュースを手掛けたダークで暴力的なトラップ・バンガーだ。この楽曲の最大の焦点は、かつての盟友であり、後にA$AP Mobと激しいビーフ(対立)を繰り広げることになったマイアミのプロデューサー兼ラッパー、SpaceGhostPurrp(SGP)および彼の率いるRaider Klanに対する痛烈なディストラックであるという点だ。初期のRockyのサウンドスケープを共に築き上げたSGPとの決別と憎悪が、容赦のない攻撃的なリリックと凶悪なベースラインに込められている。タイトルは映画『Baby Boy』の冷酷なキャラクター「Jody」に由来するという説や、A$AP MobのA$AP J. Scottの別名へのシャウトアウトなど複数のコンテクストを持つ。メインストリームでの成功を収めたRockyが、アンダーグラウンドの因縁に引導を渡したヒップホップ史に残る凶悪な一曲である。

和訳

[Verse 1]

Bitch motherfuckers trying to fake it trill
ビッチみたいなクソ野郎どもが、トリルを偽ろうとしやがる
※「trill (true + real)」は南部ヒップホップの概念だが、A$AP Mobと対立したSpaceGhostPurrp(SGP)が好んで使っていた言葉。彼らのアティチュードがフェイクであるという痛烈な批判。

Sneak diss you just to make a bill
小銭を稼ぐためだけに、こそこそとディスしてきやがる
※「Sneak diss」は名前を出さずに陰口のようにディスること。SGPがA$AP Mobとのビーフを利用して売名や金稼ぎをしていると非難している。

Now the world won't take you serious
今じゃ世間はお前のことなんて真面目に相手にしちゃいない

When I met you, you was painting nails
俺がお前に出会った時、お前はマニキュアを塗ってたじゃねえか
※SGPへの極めて直接的なディス。SGPはダークでゴス/パンク的な美学を持ち、実際に黒いマニキュアを塗っていた。彼の男らしさやストリートの信用を根底から否定する強烈なパンチライン。

Leave a motherfucker layin' still
クソ野郎を地面に転がしたままにしてやる

B— Bang him with the stainless steel
ステンレスの銃で奴を撃ち抜いてやるよ
※「stainless steel」は銃(Smith & Wessonなどのステンレス製リボルバーなど)のこと。

'Cause I'm making the order
俺が命令を下す側だからな

Laugh at the altar, pullin' a Lord up
祭壇で笑い声を上げ、ロードを引き上げる
※自身のペルソナ「Lord Flacko」としての絶対的な権力と、神聖な場所(祭壇)でも不敵に振る舞う悪魔的なカリスマ性。

Don't get someone sawed up
誰かが切り刻まれるような事態は避けな

Your brain in the sawdust, niggas is washed up
お前の脳みそはオガクズにまみれ、奴らはすっかり落ちぶれてる
※頭を撃ち抜かれる凄惨な描写。「washed up」はキャリアが終わっていること。

I bang out in Florida
俺はフロリダでもブチかますぜ
※フロリダはSGPおよびRaider Klanの拠点(マイアミ)。敵の陣地でも自分が圧倒的であるという誇示。

Shoot in Miami, goons out in Georgia
マイアミで撃ち合い、ジョージアには俺の悪党どもがいる

Been to New Orleans
ニューオーリンズにも行ったぜ

But still a New Yorker, nigga the talk of
だが俺は今でもニューヨーカーだ、皆の噂の的ってわけさ

Town, nigga, we bossed up
この街でな、俺たちはボスに成り上がったんだ

Bounce, but when you talk to the Lord
失せな、だがお前がロードと話す時は

Of course you're forced to
当然こうせざるを得ないはずだ

Bow down like a motherfuckin' peasant
ただの農奴みたいにひざまずくんだよ
※「peasant(農民、下層階級)」と「Lord(領主、神)」の対比。SGPをはじめとする敵対者を完全に格下扱いしている。

Still that pretty motherfucker
俺は今でもあのイケてるクソ野郎さ
※アルターエゴ「Pretty Flacko」のこと。

And you know Harlem's what I'm reppin', nigga
そして俺がハーレムを背負ってるのは分かってるだろ

[Chorus]

Fuck them other niggas 'cause I'm down for my niggas
他の奴らなんてクソくらえだ、俺は自分のダチのために動くからな
※A$AP Mob以外の連中(Raider Klanなど)を完全に切り捨て、自らのクルーへの絶対的な忠誠を示している。

Fuck them other niggas 'cause I'm down for my niggas
他の奴らなんてクソくらえだ、俺は自分のダチのために動くからな

Fuck them other niggas, I'll ride for my niggas
他の奴らなんてクソくらえだ、俺はダチのために乗り込むぜ

I'll die for my niggas, man, fuck them other niggas
ダチのためなら死んでもいい、なあ、他の奴らなんてクソくらえだ

[Interlude]

Lord, please talk to me, Lord
ロード、私に話しかけてください、ロード

I am here for you, Lord
私はあなたのためにここにいます、ロード
※狂信的な信者が「Lord Flacko」にすがりつくような不気味なインタールード。

[Verse 2]

Gettin' faded, hair gettin' braided, Sophie sniffed a line of yay
ハイになって、髪を編み込み、ソフィーがコカインのラインを吸う
※「faded」はドラッグや酒でキマった状態。「yay」はコカイン。

Playin' spades, bumpin' Jimi Hendrix "Purple Haze"
スペードのカードゲームをしながら、ジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」を爆音で流す
※「spades」は黒人コミュニティで親しまれるトランプゲーム。「Purple Haze」は名曲であると同時に上質なマリファナの品種でもある。

A 40 to the face, call my homies from around the way
40オンスの酒を飲み干し、近所のホーミーたちを呼び出す
※「40」はストリートで定番の40オンスのモルトリカー。

Give me that pussy, I'll be on my way
そのアソコを寄越せ、終わったらすぐに出て行くからな

But grab the Jimmy so the bitch don't get no cash up out me
だがジミーを被るぜ、あのビッチに俺の金を搾り取られないようにな
※「Jimmy」はコンドームのスラング。妊娠させて養育費を請求されるなどのトラップを防ぐためのストリートの知恵。

Pretty nigga, I'm a jiggy nigga, ask about me
イケてる男、俺はジギーな男だ、俺の噂を聞いてみな

Fuck niggas talkin' trash about me
俺の陰口を叩くクソ野郎どもなんて知るか

But you know I tote a gauge, it can make any problem go away
だが俺がショットガンを持ち歩いてるのは知ってるだろ、どんな問題も一発で解決できるんだ
※「gauge」は12ゲージのショットガン。

Talkin' Jay, talkin' Ye, that mean you niggas talkin' cray
ジェイのことや、イェーのことを話す、つまりお前らはクレイジーなことを言ってるってことさ
※Jay-ZとKanye West(Ye)によるコラボ曲「Niggas in Paris」での象徴的なフレーズ「That shit cray (crazy)」を引用した巧みなワードプレイ。メインストリームの頂点にいる彼らと同じ次元で語られる存在になったというフレックス。

Razor blade across your face, I fix my face then walk away
お前の顔面をカミソリで切り裂き、俺は自分の表情を整えて立ち去るのさ
※冷酷な暴力の直後でも「Pretty Flacko」としての身だしなみと冷静さを崩さないというサイコパス的な美学。

I guess then there's nothin' more to say
どうやらこれ以上言うことはないみたいだな

Trill nigga to the death, whether Hell or the pearly gates
死ぬまでトリルな男さ、地獄に行こうが、真珠の門をくぐろうがな
※「pearly gates」は天国への門。死後の行き先がどこであれ、自分のストリートでの生き様(Trill)は変わらないという覚悟。

I think back to my early days
自分の昔の時代を思い返すぜ

Whippin' and pinchin' that broad dough
あの女の金をかき集めてくすねてた頃をな
※ドラッグの精製(whipping)や、ピンプとして女性から金を巻き上げていた過去のハッスル。

It's a bit different now, switchin' and flippin' that raw flow
今じゃ少し事情が違う、この生のフロウを切り替えて金を稼いでるんだ
※「flippin'」は麻薬を売りさばいて金を倍増させるスラングだが、今は「生のフロウ(純度の高いラップ)」を売って大金を稼いでいるというヒップホップドリーム。

Substance get me higher, reefer and some fire
薬物が俺を高く飛ばす、リーファーと極上のウィードがな
※「Substance」は薬物。「reefer」はマリファナ。「fire」も高品質なマリファナのスラング。

The devil is a liar, biased preachers shall retire
悪魔は嘘つきだ、偏見に満ちた説教者どもは引退するべきだ
※宗教的な偽善や、自分を批判するオールドスクールなラッパーやメディアへの皮肉。

Jesus walked on water, I'm preachin' to the choir
イエスは水の上を歩いた、俺は聖歌隊に向かって説教してるんだ
※「preach to the choir(聖歌隊に説教する)」は「すでに賛同している者に説く(無意味なこと)」というイディオム。自分を熱狂的に支持する信者(ファン)たちに自らのカリスマ性を見せつけている。

Long live A$AP, now bow to your Messiah, bitch
A$APよ永遠に、さあお前らの救世主にひざまずけ、ビッチ
※自身のアルバムタイトルを高らかに宣言し、自らを音楽シーンのメシア(救世主)として君臨させる圧巻のパンチライン。

[Outro]

Let the Lords toast with the Lords
ロードたちと一緒にロードに乾杯しよう

Toast to the Lords
ロードに乾杯だ

When come gods, come Lords
神々が現れる時、ロードも現れる

Lords
ロード

Lords
ロード

Lords!
ロード!

Oh, Lord!
おお、ロード!

Toast to the Lords!
ロードに乾杯だ!

As we live this day, please pray for us
今日を生きる我らのために、どうか祈りを

When comes the saints, comes the evils
聖人たちが現れる時、悪もまた現れる

Brings the Lords
そしてロードをもたらすのだ