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Ghetto Symphony - A$AP Rocky (feat. A$AP Ferg & Gunplay) 【和訳・解説】

Artist: A$AP Rocky (feat. A$AP Ferg & Gunplay)

Album: LONG.LIVE.A$AP (Deluxe Edition)

Song Title: Ghetto Symphony

概要

本作「Ghetto Symphony」は、A$AP Rockyのメジャーデビューアルバム『LONG.LIVE.A$AP』のデラックス版に収録された、ダークで壮大なスケールを誇るポッセカットである。イギリスのアーティストImogen Heapの楽曲「A Walk」をサンプリングし、重厚なドラムとシンセサイザーを絡めたV DonとLord Flacko(Rocky自身)によるプロデュースは、文字通り「ゲットーの交響曲」の名にふさわしい荘厳な雰囲気を醸し出している。客演にはA$AP Mobの切り込み隊長であるA$AP Fergに加え、Rick Ross率いるMaybach Music Group(MMG)から、その破天荒な振る舞いと生々しいストリートのラップでカルト的な人気を誇るフロリダの狂犬、Gunplayを迎えている。RockyがAndre 3000を名乗り、FergがBig Boiを名乗るというOutKastへのオマージュを展開しつつ、ストリートの過酷な現実とフェイクなラッパーたちへの怒りを、三者三様の高度なリリシズムで描き出した名曲だ。

和訳

[Intro: Imogen Heap & A$AP Rocky]

Do just what I tell you (Uh)
私の言う通りにして

Don't come in any closer (Uh)
これ以上近づかないで

And no one will get hurt
そうすれば誰も傷つかないから

'Cause I don't know how long I can hold my heart in two (Uh)
私の心がいつまで二つに持ちこたえられるか分からないから
※イギリスのシンガーソングライターImogen Heapの楽曲「A Walk」からの声ネタサンプリング。ゲットーの緊張感や、いつ心が壊れてもおかしくないストリートの悲痛な叫びとして機能している。

[Verse 1: A$AP Rocky]

A rebel I be one day, on that track with Gunplay
いつか反逆者になってやる、ガンプレイと一緒にこのトラックでな

Out— Outcast my whole life so I decide to spit like André (Uh)
生まれてからずっとアウトキャストだった、だから俺はアンドレみたいにスピットすることにしたのさ
※「Outcast(のけ者)」とアトランタの伝説的ラップデュオ「OutKast」を掛けたワードプレイ。OutKastのメンバーであるAndre 3000のように、型破りで卓越したフロウを披露するという宣言。

Beef is on my entrée (Yeah), gin and juice, that's Bombay
ビーフが俺の前菜だ、ジンとジュース、つまりボンベイさ
※「Beef」は抗争と牛肉のダブルミーニング。「Gin and Juice」はSnoop Doggの西海岸クラシックへのリファレンスであり、同時にボンベイ・サファイア(ジンのブランド)を飲んでいることを示している。

Driving fast the wrong way, I swear life is like a one-way (Uh)
逆走して爆走してるぜ、人生ってのは一方通行みたいなもんさ

Pussy on a Sunday (Yeah), business on a Monday (Yeah)
日曜日は女とヤり、月曜日はビジネスをこなす

My new crib came with feng shui and my closet's like a runway (Uh)
俺の新しい家は風水を取り入れてて、クローゼットはまるでランウェイだ

Come be my fiancée, she fucked me in a Hyundai
俺の婚約者になりな、あの女はヒュンダイの中で俺とヤったぜ

My rooftop got a lounge, just sit around and watch her sunbathe (Yeah)
屋上にはラウンジがある、ただ座って彼女が日光浴するのを眺めるのさ

Dinner date for 1K (Bitch), shopping date for 2K (Bitch)
ディナーデートに1000ドル、ショッピングデートに2000ドル

Bougie-ass bitch made me wait to fuck for two days (Yeah)
気取ったビッチのせいで、ヤるまでに2日も待たされたぜ

Finally got it today (Uh), swear to God my mood changed (Uh)
今日ついにヤれたんだ、神に誓って気分が変わったぜ

Top off like toupees, drive off, touché (Bitch, uh)
カツラみたいにルーフを外し、走り去る、一本取られたな
※「Top off」は車のオープンルーフを開けること、女性が上着を脱ぐこと、カツラ(toupee)が吹き飛ぶことのトリプルミーニング。「touché」はフェンシングで相手の突きが決まった時の「一本あり」を意味する言葉。

Yeah— Yeah, my mouth is full of gold and I'm a city boy (Yeah)
ああ、俺の口はゴールドでいっぱいのシティボーイさ

And my outfit was in Vogue, I'm a pretty boy (Uh)
そして俺の服装はヴォーグに載るレベル、俺はイケてる男さ

Bounce, boy, Flacko tell 'em holler at a nigga, G (Yeah)
失せな、フラコが奴らに連絡してこいって言ってるぜ

Ridin' on my enemies (Yeah), this my ghetto symphony (Uh, uh, yeah), 'ny
敵どもを蹴散らして乗り回す、これが俺のゲットー・シンフォニーさ

Uh (Uh), uh (Yeah)

Uh (Uh, yeah)

[Chorus: Imogen Heap & Rick James]

Sing
歌え

Louder
もっと大きく

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

[Verse 2: Gunplay & A$AP Rocky]

Whip— Whippin' Whitney, my mama as a witness
ホイットニーをかき混ぜる、俺のママが目撃者だ
※「Whitney」は亡き世界的シンガーWhitney Houstonのことだが、ここでは彼女が依存したコカインの隠語(ホワイト)として使われている。キッチンでドラッグを精製(whipping)しているのを母親が見ているという、ゲットーの凄惨なリアル。

Bitches lickin' and lockin' up my Swishers
ビッチどもが俺のスウィッシャーを舐めて閉じてる
※「Swishers」はマリファナを巻くための安価な葉巻(ブラント)のブランド。

Once she blow my whistle, she know it's dismissal
彼女が俺のホイッスルを吹いたら、もうお払い箱だって分かってるのさ
※「blow my whistle」はオーラルセックスの隠語。事が済めば即座に女を追い出す冷酷なハスラースタンス。

Spread the news, I'm official, now hop out my foreign vessel (Uh)
ニュースを広めろ、俺は本物だ、さあ俺の外国製の船から降りな
※「foreign vessel」はヨーロッパ製の輸入高級車のこと。

Before I get aggressive, forget it, war-ready
俺が攻撃的になる前にな、忘れな、戦争の準備はできてるぜ

Already tested, tears and blood invested
すでに試練は乗り越えた、涙と血を注ぎ込んできたんだ

'Til my cardiac's arrested and my 40 ounce is empty
俺の心臓が止まり、40オンスのボトルが空になるまでな
※「cardiac arrest」は心停止。死ぬか、ストリートの定番である40オンスの酒を飲み干すまで止まらないという覚悟。

Show me what you owe me and a porterhouse with that (Uh)
俺への借りを見せな、ついでにポーターハウス・ステーキもだ

Black magic on the tires, only I
タイヤにはブラック・マジック、俺だけがな
※「Black Magic」はタイヤを黒光りさせるカーケア用品のブランド。足元まで完璧に磨き上げているマイアミのドンとしての誇示。

Roll— Rollin' down a lonely mile, phony smile
孤独な道を転がり落ちる、作り笑いを浮かべてな

Warrants, police on me now, still tourin'
逮捕状が出て、サツが俺を追ってるが、まだツアー中だぜ
※Gunplayが当時実際に直面していた武装強盗などの深刻な法的トラブルと、警察に追われながらもラッパーとして活動を続ける緊迫した日常。

And my chain, it may slow me down, cheer for it
俺のチェーンが足手まといになるかもしれないが、応援してくれ

Pain in its purest form
最も純粋な形の痛み

Don't complain, I came to reign from here forward
文句は言うな、ここから先は俺が支配しに来たんだ

Still 'noid, so the crib got clear doors
未だにパラノイアだ、だから家には透明なドアをつけてる
※「'noid」はparanoid(被害妄想)の略。いつ敵や警察に襲撃されるか分からないため、外が見えるガラス張りのドアにして警戒している状態。

Burnin' planes in my Air Force
エアフォースの中で飛行機を燃やす
※「Air Force」はNikeのスニーカー「Air Force 1」と「大統領専用機」の掛詞。「planes」は極上のマリファナを吸って「ハイになる(空を飛ぶ)」ことのメタファー。

And all I can see is Clearports (Uh)
目に見えるのはクリアポートだけさ
※「Clearport」はプライベートジェットを利用する富裕層向けの空港セキュリティシステム。ストリートの泥沼からプライベートジェットで飛び回る次元へと到達したことを示している。

[Chorus: Imogen Heap, Rick James & A$AP Ferg]

Sing
歌え

Louder
もっと大きく

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer
これ以上近づかないで

Don't come in any closer (Uh)
これ以上近づかないで

[Verse 3: A$AP Ferg]

Since Rocky spit like André
ロッキーがアンドレみたいにスピットしたから

I'm gon' kill 'em like Big Boi
俺はビッグ・ボーイみたいに奴らを殺してやるよ
※Verse 1でRockyがOutKastのAndre 3000を名乗ったのを受け、Fergはもう一人のメンバーであるBig Boiを名乗る。A$AP Mobの二枚看板としての強固なコンビネーションの証明。

These rappers is on my entrée
このラッパーどもは俺の前菜だ

Eat 'em like cookies, Chips Ahoy
クッキーみたいに食ってやる、チップスアホイさ
※「Chips Ahoy」はアメリカで最も有名なチョコチップクッキーのブランド。他のラッパーなどサクサクと簡単に食い散らかせるというディス。

Mm, enjoy, when I get annoyed
んー、楽しんでるぜ、俺がイラついた時はな

Know a couple niggas that'll kill for joy
喜んで人殺しをするダチを何人か知ってる

Either Gunplay, runway, trip avoid
ガンプレイか、逃亡か、旅行は避けとけ
※客演のGunplayの名前を出しつつ、俺たちと関われば銃撃(Gunplay)されるか、逃げ回る(runway)ことになるという脅し。

Body get found by a little fishin' boy
小さな釣りをしてる少年に死体を発見されることになるぞ

Arnold Schwarzenigga, toss a nigga
アーノルド・シュワルツェニガ、黒人を放り投げるぜ
※肉体派俳優アーノルド・シュワルツェネッガーと「ニガ」を掛けた、ヒップホップ特有のユーモラスなワードプレイ。

Like codeine mixed with a 'roid
ステロイドにコデインを混ぜたみたいにな
※ステロイド(筋肉増強剤)の狂暴性と、コデイン(ダウン系ドラッグ)の鈍さを混ぜ合わせたような、予測不能で危険な状態。

Slow punch make a nigga chin collide
スローなパンチで黒人の顎を粉砕する

Fuck talking, how fast you could grip a nine?
話し合いなんてクソくらえだ、お前はどれだけ早く9ミリを握れるんだ?

Damn
クソ

Look at how the hollow tip hit his spine
ホローポイント弾が奴の背骨にどう命中したか見てみろよ
※「hollow tip(ホローポイント弾)」は体内で拡張し致命傷を与える殺傷能力の高い弾丸。生々しいストリートのバイオレンス描写。

Little motherfuckers that commit to crime
犯罪に手を染める小さなクソガキども

These niggas had the sidewalk sippin' wine
こいつらは歩道でワインを啜ってた

Guess that's why the ground sip the wine
だから地面がワインを啜ることになったんだろうな
※歩道で優雅にワインを飲んでいた連中が撃たれ、今度は地面が奴らの「血(ワイン)」を吸い込んでいるという、極めて残酷で詩的なメタファー。

Pouring liq' so I soak in, lift and shine
酒を注ぎ、浸り、輝きを放つ
※死んだ仲間のために酒を地面にこぼす(Pour out some liquor)哀悼の儀式。

Tip-tip and toe, I miss the sky
つま先立ちで、空が恋しいぜ

My soul gets cold when my niggas died
俺のダチが死んだ時、魂が冷え切っちまった

So and so, niggas live and die
これこれしかじか、黒人は生きてそして死ぬ

Beneath shoe soles you will reside
お前は靴底の下に住むことになるのさ
※つまり、死んで地中に埋葬されるということ。

Rappers get a mil' for these freakin' lies
ラッパーどもはくだらねえ嘘をついて100万ドル稼いでやがる

Sign a couple deals for these freakin' lies
くだらねえ嘘のためにいくつか契約を結びやがる
※ストリートの経験もないのにギャングスタを気取り、レコード会社と契約して大金を稼ぐフェイクなスタジオ・ギャングスタたちへの痛烈な批判。

How many times your eyes seen a nigga die?
お前の目は、黒人が死ぬのを何度見たってんだ?

Never
一度もねえだろ

Spittin' it like a Beretta, nobody do it better, nigga
ベレッタみたいに弾き出す、俺より上手くやれる奴はいないぜ
※「Beretta」はイタリア製の有名な自動拳銃。銃弾を連射するように言葉(ラップ)を吐き出す俺こそが最強だという、Fergの堂々たる締めくくり。