Artist: Future, Metro Boomin & A$AP Rocky
Album: WE STILL DON’T TRUST YOU
Song Title: Show of Hands
概要
2024年のヒップホップ・シーンを分断した「対Drake(ドレイク)」の巨大な内戦において、最も致命的な一撃となったのが本作「Show of Hands」である。A$AP Rockyは長年、パートナーであるRihanna(リアーナ)を巡ってDrakeから一方的な執着とディス(『For All The Dogs』収録の「Fear of Heights」等)を受けてきたが、本作でついに沈黙を破った。Metro Boominの不穏で威圧的なビートの上で、RockyはDrakeの最新アルバムの不発を嘲笑し、女性への未練を断ち切れない姿を痛烈に批判する。一方のFutureも、超高級時計やドラッグに塗れた退廃的なヴァースで圧倒的な富とステータスを見せつけている。アウトロにおけるRockyの「ヒップホップ(単なるラップバトル)の枠に収めるつもりはない、血を流すところが見たい」という冷酷な宣言は、このビーフが単なるエンターテインメントの領域を超えた、生々しい憎悪であることを決定づけた歴史的なバンガーだ。
和訳
[Intro: A$AP Rocky]
Take this chance, shorty, leave your mans for me (Can I trust you?)
チャンスを掴みな、嬢ちゃん、あんな男は捨てて俺のところに来いよ(お前を信じられるか?)
※冒頭からDrakeの元から女性(Rihannaを暗喩)を奪い去った勝者としての余裕を見せつける。
Grab this cam, shorty, OnlyFans for me, uh
このカメラを回せ、俺のためにOnlyFansをやるんだ
By a show of hands, who want a fatal? Throw them hands
挙手(ショー・オブ・ハンズ)してくれ、死(フェイタル)を望む奴は誰だ? その手を上げな
※「show of hands」は多数決などで挙手することだが、同時に「手元(時計やジュエリー)を見せびらかす」こと、「throw hands(殴り合う)」ことのトリプルミーニング。
Told me, "Show a Benz," just play your card, don't show your hand (Uh)
「ベンツを見せて」なんて言われたが、カードは上手く切れ、だが手の内(ハンド)は明かすなよ
[Chorus: A$AP Rocky]
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
※首から下げるジュエリーが異常なほど重い=莫大な富の誇示。
Pinky ring your show advance
俺のピンキーリング一つが、お前のライブのギャラ(前払い金)と同額さ
I just sent a telegram
たった今、電報(テレグラム)を送ったところだ
※メッセージアプリのTelegram、あるいは古風な手段で遠回しにメッセージ(ディス)を送るという比喩。
Grandma, your boy the man (Uh)
ばあちゃん、あんたの孫はトップに立ったぜ
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
Pinky ring your show advance
俺の小指の指輪が、お前のショーのギャラと同じだ
Bracelet, Rollie, both 'em dance (Uh)
ブレスレットもロレックスも、両方とも眩しく踊ってる(輝いてる)ぜ
A half a mill' on both 'em hands
両手には合わせて50万ドル(約7500万円)が乗っかってる
[Refrain: Future & A$AP Rocky]
I'm a trap nigga, better watch your ho (Uh)
俺はトラップ・ニガだ、自分の女から目を離さないことだな
※NTR(寝取り)を仄めかす、Drakeに対する露骨な挑発。
Ain't no bap, nigga kickin' in your door (Nigga)
嘘(バップ)じゃねえ、お前の家のドアを蹴り破ってやるよ
※「bap」は「cap(嘘)」の同義語。
Yeah (Woo), Chrome Hearty, I just bought the whole store
ああ、クロムハーツ、店ごと全部買い占めてやったぜ
I blew her head up, now they call her the GOAT
あの女の頭をぶっ飛ばして(自信を持たせて)やった、今じゃ皆があいつをGOAT(史上最高)と呼んでる
※「blew her head up」は「自尊心を満たしてやる」ことと「極上のフェラチオ(head)をさせる」ことのダブルミーニング。Rihannaを史上最高(GOAT)と称賛しているとも取れる。
Turned the swag up, her last nigga was broke
スワッグ(魅力)を引き上げてやったのさ、あいつの元カレは一文無し(ブロウク)だったからな
Bought all them bags for her, can't fit 'em in her closet
あの女にバッグを山ほど買ってやった、クローゼットに収まりきらないくらいにな
She can change the 'fit up least 'bout three times a day
あいつは1日に最低3回は服を着替えることができる
Ain't use a condom, we fuck three times a day
コンドームなんて使わねえ、俺たちは1日に3回はヤッてるぜ
※RockyとRihannaの間にすでに2人の子供がいる事実に基づく、絶対的なパートナーシップ(生の中出し)の誇示と、元カレ(Drake)に対するマウント。
[Verse 1: Future]
This bitch so pretty, I wanna skeet it on her face
このビッチはマジで可愛い、顔にぶっかけたくなるぜ
I done took the Adderall just to count up my cake
自分の札束(ケーキ)を数えるためだけに、アデロール(集中力を高める薬)をキメたんだ
I'm goin' Bugatti shoppin', fuckin' up this paper
ブガッティを買いに行く、この金(ペーパー)を豪快に使い果たしてやるよ
First time I smashed it, I was highly sedated
初めてあの女を抱いた時、俺はクスリで完全にキマってた(鎮静状態だった)な
It get past 3 a.m., I'm way out of my mind
午前3時を過ぎると、俺は完全に正気を失っちまうんだ
Cost three-eighty and it barely got any diamonds
38万ドル(約5700万円)もしたのに、ダイヤなんてほとんど付いちゃいねえ
※リシャール・ミルなどの超複雑機構を持つ高級時計のこと。成金のようにダイヤ(Bustdown)でギラギラに飾らなくても、その価格帯の時計を身につけられる「真の富豪」であるという洗練されたフレックス。
Skeleton, faded, spent a rack on it
スケルトン仕様だ、ハイになりながら、大金(ラック)を注ぎ込んだぜ
My lawyer gon' eat the case, that's what these racks for
俺の弁護士が事件を揉み消す(食い尽くす)のさ、この大金はそのためにもあるんだ
※優秀な弁護士を高額で雇い、法的なトラブルを無効化(eat the case)するストリートの権力。
[Chorus: A$AP Rocky]
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
Pinky ring your show advance
俺の小指の指輪が、お前のショーのギャラと同じだ
I just sent a telegram
たった今、電報を送ったところだ
Grandma, your boy the man
ばあちゃん、あんたの孫はトップに立ったぜ
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
Pinky ring your show advance
俺の小指の指輪が、お前のショーのギャラと同じだ
Bracelet, Rollie, both 'em dance
ブレスレットもロレックスも、両方とも眩しく踊ってるぜ
A half a mill' on—
両手には50万ドルが—
[Verse 2: A$AP Rocky]
Verse one
ヴァース1だ
※Rockyのヴァースの幕開け。ここからヒップホップ史に残るDrakeへの猛烈なディスが始まる。
Call up Pluto, Metro, should've put me on the first one
プルート(Future)とメトロに電話したよ、「第一弾(WE DON'T TRUST YOU)に俺を入れるべきだったな」ってな
※アルバム第一弾のKendrick Lamar「Like That」での盛り上がりを受け、自分も早くDrakeを攻撃したくてウズウズしていたという好戦的なスタンス。
Niggas swear they bitch the baddest, I just bagged the worst one
奴らは自分の女が「一番イケてる(baddest)」って誓うが、俺は文字通り「一番ヤバい女(worst=最高にワルな女、Rihanna)」をモノにしたぜ
Niggas in they feelings over women, what, you hurt or somethin'?
女のことでいつまでもウジウジ感情的になってる奴ら、何だ、傷ついてでもいるのか?
※Drakeの楽曲「In My Feelings」に掛けた皮肉。何年も前にRihannaにフラれたにも関わらず、未練がましく公の場で言及し続けるDrakeの女々しさを痛烈に批判。
I smashed before you birthed, son, Flacko hit it first, son
お前が世に出る前(あるいは子供を作る前)に俺がヤッてたんだよ、フラコ(俺)が最初(ファースト)に手を出したんだ、坊や
※Geniusで最も議論を呼んだライン。Drakeが子供(Adonis)を作る前に、その母親であるSophie BrussauxとRockyが関係を持っていたという説と、Ray Jの有名曲「I Hit It First(キム・カーダシアンを最初に抱いたのは俺だ)」を引用し、Rihannaの心を完全に奪ったのは俺だという勝利宣言のダブルミーニング。
Still don't trust you, it's always us, never them
未だにお前を信用してねえ(WE STILL DON'T TRUST YOU)、いつだって主役は俺たち(Us)で、奴ら(Them)じゃない
Heard you dropped your latest shit
お前が最新のクソ(アルバム)をリリースしたって聞いたぜ
Funny how it just came and went (Ha-ha-ha)
あっという間に話題になって、そのまま消え去っていったのは笑えるよな(ハハハ)
※Drakeの最新アルバム『For All The Dogs』が、話題先行で音楽的なインパクトや長期的なヒットに繋がらなかった(すぐに忘れ去られた)という酷評。
Money long, but you know I gotta keep it trim (Trim)
金(マネー)は長い(莫大)が、無駄を削ぎ落としてスッキリ(トリム)させてるのさ
Her waist small, but she ain't slim
彼女のウエストは細いが、痩せっぽち(スリム)ってわけじゃない
※Rihannaの豊満で完璧なプロポーションへの賛美。
They call me Flacko Jodye, but I'm him (GR!M)
奴らは俺をフラコ・ジョーディと呼ぶが、俺こそが「彼(絶対的王者=Him)」なのさ(グリム)
Ain't shit change, bitch
何も変わっちゃいねえよ、ビッチ
Upgraded a lame bitch
ダサいビッチをアップグレードしてやったんだ
Stay up in your lane, bitch
自分の身の丈に合った車線(レーン)にいな、ビッチ
My wrist a plain jane, bitch
俺の手首はプレーン・ジェーン(純正)だぜ、ビッチ
※「plain jane」はアフターマーケットのダイヤモンド装飾をしていない、純正のままの高級時計(ロレックス等)。FutureのVerse 1の「ダイヤがない38万ドルの時計」と共鳴する、真のファッションアイコンとしての美学。
She fuck me 'cause I'm famous
あいつは俺が有名だからヤらせてくれるのさ
And they don't speak my language
あいつらは俺の言語(生き様)を理解できねえ
But bet she know my name, bitch
だが、あの女が俺の名前を知ってるのは間違いないぜ
A stainless 'cause I don't trust a thing, bitch (Why don't you trust me?)
ステンレスの銃を持ってる、俺は何一つ信用してねえからな(どうして俺を信じないんだ?)
Fuck on her tongue, but really I just hit a lick (Lick, lick)
女の舌の上でヤる(フェラされる)、だが本当のところ、俺はただ一山当てた(ヒット・ア・リック)だけさ
※「hit a lick」は強盗で大金を手に入れることと、「lick(舐める)」のダブルミーニング。Drakeの心(あるいは音楽業界の頂点)からRihannaを奪い取ったことを「鮮やかな強盗」に例えている。
No more Balenci' (Uh), I'm gettin' really tired of Rick (Tired of that shit)
バレンシアガはもういい、リック・オウエンスにもマジで飽き飽きしてきた(あんなクソには飽きたぜ)
※ヒップホップ界きってのファッショニスタであるRockyが、現在ラッパーの間で量産型になっているハイブランド(バレンシアガやリック・オウエンス)の流行を「もう古い」と切り捨てている。
Cough up a lung (Lung), that Bloomin' new Biscotti hit ('Scotti)
肺を吐き出すほど咳き込む、あのメトロ・ブーミンの新しいビスコッティ(ウィード)がガツンと来たぜ
※「Biscotti」は強力なマリファナの品種。Metro Boomin(Bloomin')の強力なビートを、極上のウィードに例えている。
First of the month (Uh, month), I'm livin' in your head rent-free (Boominati, nigga)
月初めだな、俺はお前の頭の中に「家賃タダ(レント・フリー)」で住み着いてるぜ(ブーミナティ、ニガ)
※家賃の支払い日である1日(First of the month)にかけて。「livin' in your head rent-free」は、相手(Drake)が常に自分のこと(RockyとRihannaの関係)を気にして嫉妬で頭がいっぱいになっている状態を嘲笑う完璧なパンチライン。
[Chorus: A$AP Rocky]
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
Pinky ring your show advance
俺の小指の指輪が、お前のショーのギャラと同じだ
I just sent a telegram
たった今、電報を送ったところだ
Grandma, your boy the man
ばあちゃん、あんたの孫はトップに立ったぜ
Necklace gave me shoulder cramps
ネックレスの重さで肩がつっちまったぜ
Pinky ring your show advance
俺の小指の指輪が、お前のショーのギャラと同じだ
Bracelet, Rollie, both 'em dance
ブレスレットもロレックスも、両方とも眩しく踊ってるぜ
A half a mill' on both 'em hands
両手には合わせて50万ドルが乗っかってる
[Refrain: Future & A$AP Rocky]
I'm a trap nigga, better watch your ho (Can I trust you?)
俺はトラップ・ニガだ、自分の女から目を離さないことだな(お前を信じられるか?)
Ain't no bap, nigga kickin' in your door (Nigga)
嘘じゃねえ、お前の家のドアを蹴り破ってやるよ
Chrome Hearty, I just bought the whole store
クロムハーツ、店ごと全部買い占めてやったぜ
I blew her head up, now they call her the GOAT
あの女の頭をぶっ飛ばしてやった、今じゃ皆があいつをGOAT(史上最高)と呼んでる
Turned the swag up, her last nigga was broke (Uh)
魅力(スワッグ)を引き上げてやったのさ、あいつの元カレは一文無しだったからな
Bought all them bags for her, can't fit 'em in her closet
あの女にバッグを山ほど買ってやった、クローゼットに収まりきらないくらいにな
She can change the 'fit up least 'bout three times a day (Uh)
あいつは1日に最低3回は服を着替えることができる
[Outro: A$AP Rocky]
Fuck keepin' this shit hip-hop
この一件を「ヒップホップ(単なるラップゲーム)」の枠に収めておくつもりはねえよ
※Drakeとの対立が、音楽上の健全な競技(スポーツ的ビーフ)ではなく、血を伴うリアルな憎悪であることを宣言。
I wanna see a fuck nigga bleed out (Nigga)
俺は、あのクソ野郎が血を流して死んでいく(ブリード・アウト)ところが見たいんだ
※前代未聞の殺害予告に近い強烈な敵意。Rihannaを執拗に侮辱されたことに対する、Rockyの静かだが決定的な怒りの頂点。
(I knew we couldn't trust them)
(奴らを信用できないって分かってたさ)
Everybody's doin' it down there
みんなあそこ(南部)で真似ばかりしてる
We really, you know, we was the ones that originated it in the first place
俺たちこそが、分かってるだろ、そもそもこれを最初に生み出した(オリジナルな)存在なんだよ
※A$AP Mobが持ち込んだ独自のファッションやサウンド、テキサスやアトランタの南部カルチャーをNYで昇華させたパイオニアとしての自負。スタイルを盗んで消費するだけの連中への釘刺し。
So we gon' stick to the script
だから俺たちは、自分たちの脚本(スクリプト)通りにやり抜く
They'll leave our style alone 'fore we leave it alone, know what I'm talkin' 'bout?
俺たちが自分のスタイルを捨てる前に、あいつらの方が先に俺たちのスタイルから手を引くことになるさ、俺の言ってる意味分かるか?
※フェイクな模倣者たち(DrakeがAAVEや様々な地域のカルチャーを安易に借用する「カルチャー・バルチャー」であることを暗に批判)はすぐに消えるが、オリジナルの俺たちは永遠に残るという決意表明で締めくくられる。
