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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Drew A Picasso - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: For All The Dogs

Song Title: Drew A Picasso

概要

「Drew A Picasso」は、2023年のアルバム『For All The Dogs』に収録された、Drakeの「Sad Boy」ペルソナが炸裂する極めてメランコリックな失恋ソングである。Noah "40" Shebibによる浮遊感のあるビートに乗せて、Drakeは未練を断ち切れない元恋人への愛憎を赤裸々に吐露する。相手の女性が結婚生活に不満を持っていた過去や、現在は格下のスポーツ選手や無名のアーティストと付き合っている現状を激しくこき下ろしつつも、「君が他の男といるのを想像するだけで死にたくなるほど恥ずかしい」という惨めな本音を隠そうとしない。後半のバースでは、『ハリー・ポッター』のグリフィンドール寮や、NBAのラリー・オブライエン・トロフィーなど多彩なリファレンスを交えながら、関係の破綻と自己正当化を巧みにラップしている。タイトルの「Picasso(ピカソ)」は、この歪で複雑な(キュビスム的な)愛憎劇そのものを象徴している。

和訳

[Intro]

(Baby, you know, you know, you know I need your love)
(ベイビー、君は分かってるだろ、俺には君の愛が必要なんだ)

[Verse 1]

You cannot find no one better than this
君は俺以上の男なんて絶対に見つけられない

Tryna do right by you, but we can't mix, I try
君のために正しくあろうとしたが、俺たちはうまくいかない。努力はしてるんだ

Takin' three months off, then fuckin' again
3ヶ月距離を置いて、そしてまたヤッてしまう

After you said we not fuckin' again
君が「もう二度とヤらない」って言った後にな

Never say "never," just say what it is
「二度と」なんて言うな、ただありのままを言ってくれ

Act like you need some insurance on it
君はまるで、この関係に保険が必要だと言わんばかりの態度だな

We didn't get here on accident
俺たちは偶然ここに行き着いたわけじゃない

Don't make me bring out them racks again
また俺に札束(ラック)を持ち出させないでくれ
※「accident(事故)」と、車の保険(insurance)の話から繋がり、事故処理のように金(racks)で解決させるような事態にしないでくれという比喩。

Your two best friends are some savages
君の二人の親友は、マジでサヴェージ(残酷)だな

Damn, how many days has it been?
クソ、あれから何日経った?

Somethin' is different, not genuine
何かが違う、純粋じゃない

Movin' like Snoopy and Charlie Brown
スヌーピーとチャーリー・ブラウンみたいな動きをしてやがる

Feel like you tryna dog the kid
君が俺(the kid)を犬扱い(dog)しようとしてるみたいだ
※スヌーピー(犬)と飼い主のチャーリー・ブラウン(少年)の関係にかけて、自分が犬のように扱われている(dog the kid)という哀愁。アルバムテーマの「Dogs」ともリンクする。

[Bridge]

You're mine
君は俺のものだ

Too many reasons why
その理由は山ほどある

I can't picture you with him
君があいつと一緒にいる姿なんて想像できない

That's just so embarrassin'
それはただ、死ぬほど恥ずかしいことなんだ

I want to diе, to die
死にたくなる、死にたいくらいにな

I swear that I wanted you back thеn
誓って言うが、あの時俺は君に戻ってきてほしかったんだ

Waitin' on you like a backend
バックエンド(後払い報酬)みたいに、君を待ち続けていた
※「backend」はライブやビジネスの後に支払われる利益の分配金。確実に入ってくるはずのものを待つような気持ち。

You bad as fuck, ain't no cappin'
君は最高にイイ女だ、嘘(キャップ)じゃないぜ

Statements you claimed never happened
君が主張したような発言(ひどい言葉)は、一度も言ってないはずだ

[Verse 2]

This can't be the shit that you doin' to me
こんな仕打ちを俺にするなんてあり得ないだろ

All of them nights you was slidin' around
君が夜な夜な遊び回っていた(スライドしていた)夜

Told me what niggas was doin' to you
野郎どもが君にどんな酷いことをしたか、俺に話してただろ

That's the same shit that you doin' to me
君が今、俺にしているのはそれと全く同じことだ

You in the city, you laid up with him
君は街にいて、あいつと一緒に寝そべっている

While I'm on the road with no one to see
俺はツアー中(オン・ザ・ロード)で、会う相手もいないのにな

There's no way
こんなのあり得ないよ

(Baby, you know, you know, you know I need your love)
(ベイビー、君は分かってるだろ、俺には君の愛が必要なんだ)

[Verse 3]

'Cause you cannot find no one better than this
だって君は、俺以上の男なんて絶対に見つけられないから

Tryna do right by you, but we can't mix, I try
君のために正しくあろうとしたが、俺たちはうまくいかない。努力はしてるんだ

Fuckin' and argue and fuckin' again
ヤッて、言い争って、またヤッてしまう

After you said we not fuckin' again
君が「もう二度とヤらない」って言った後にな

Probably coulda made it work again if I
おそらく、またうまくやれたかもしれない。もし俺が

Was man enough to tell you you was wrong
「君が間違っている」と言えるくらい、男らしくあれば

Man enough to not put it in a song
それを曲にして歌わないくらい、男らしくあれば

For the world to sing along
世界中の奴らが一緒に歌う(シンガロングする)ような曲にな

Man enough, I coulda told you on my own
男らしく、俺の口から直接君に伝えることができたなら

Man enough to admit that
それを認めるくらい男らしくあれば

Paragraph I sent last night, yeah, I probably shoulda never sent that
昨日の夜、君に送ったあの長文(パラグラフ)のメッセージ。ああ、あんなの送るべきじゃなかったんだ
※Sad Boyがやりがちな、深夜の重い長文メッセージ(Paragraph)への後悔。

And when you layin' on your stomach, only time I ever wanna get my lick back
そして、君がうつ伏せに寝ている時。俺が「リック・バック(仕返し)」をしたいと思うのはその時だけさ
※ストリートの報復を意味する「get my lick back」と、性行為(クンニ等=lick)をかけた下品なダブルミーニング。

How the outsiders know the inside? They was never supposed to get that, nah
どうして部外者(アウトサイダー)が俺たちの内情(インサイド)を知ってるんだ? 奴らが知るはずのないことだったのに

[Refrain]

And that's just so embarrassin'
そして、それはただ、死ぬほど恥ずかしいことなんだ

I want to die, to die
死にたくなる、死にたいくらいにな

[Verse 4]

Ayy, I'm the one that you was wishin' for when you was married
エイ、君が結婚していた時、君がずっと望んでいた相手は俺だっただろ

That tale wasn't much of a fairy
あの物語は、おとぎ話(フェアリーテイル)とは程遠かったな

Christmas, it wasn't that merry
クリスマスも、大してメリー(幸せ)じゃなかった

You a trophy to me like the Larry
君は俺にとって、ラリーみたいなトロフィーなんだ
※NBAの優勝トロフィーである「ラリー・オブライエン・トロフィー」。彼にとって彼女は手に入れたい最高のトロフィー。

Ayy, I'm the one that you was wishin' for
エイ、君がずっと望んでいたのは俺だっただろ

Ayy, I'm the one that you was wishin' for
エイ、君がずっと望んでいたのは俺だっただろ

In Miami and the owls with me like they just put my ass in Gryffindor
マイアミで、俺の周りにはフクロウ(OVO)たちがいる。まるでグリフィンドール寮に入れられたみたいにな
※DrakeのレーベルOVOのシンボルであるフクロウと、『ハリー・ポッター』の主人公の寮(手紙を運ぶフクロウがいる)をかけた秀逸なワードプレイ。

Mouth dry over twenty that I never bother gettin' no prescription for
20ミリの薬のせいで口が渇くが、俺は処方箋(処方薬)をもらう気なんてない
※抗うつ剤などの副作用(口の渇き)か。

Steez sayin' that you miss me and I won't say it to you, but I miss you more
スティーズが「君が俺を恋しがってる」と言っていた。君には言わないが、俺の方がもっと君に会いたいんだ
※「Steez」はOVOのメンバー、Mark "Steez" Mckailのこと。

Said we got each other back and then you put the knife in it like the kitchen drawer
俺たちはお互いの背中を守り合おうって言ってたのに、君はその背中にナイフを突き立てた。まるでキッチンの引き出し(にナイフをしまう)みたいにな

Way I'm feelin' on this album, really took it easy on you, coulda written more
このアルバムでの俺の感情からすれば、君にはかなり手加減してやった方だぜ。もっと(君への非難を)書くこともできたんだから

If the shoe was on the other foot and it was me, it woulda been guerilla war
もし立場が逆(靴を履き違える)で、俺が同じことをしていたら、ゲリラ戦になってただろうな

Since you know I got a soft spot for you, this has turned into a civil war
君は俺が君に甘い(ソフトスポットがある)ことを知ってるから、これは内戦(シビル・ウォー)になっちまった

Artists hittin' on you, broke as fuck, I swear them niggas probably live in Singapore
君に言い寄ってくるアーティストども、クソみたいに貧乏だ。誓って言うが、あいつらはおそらくシンガポールに住んでるんだろうな
※貧乏(broke)で、シンガポール(Singapore/歌う=Sing、貧乏=poor)に住んでいるというDrake特有の親父ギャグ的なワードプレイ。

The athlete that you rollin' with, I saw his game last night, he didn't score
君が今付き合ってるアスリート、昨日の夜あいつの試合を見たが、無得点(スコアゼロ)だったぜ
※元恋人の現在のパートナー(スポーツ選手)をあからさまに見下すマウント。

Fuck, I gotta say a little more
クソ、もう少し言わせてくれ

Show you spots you never been before
君が行ったこともないような場所(スポット)を見せてやった

It's fucked up that we was goin' once and now you're goin' twice like a biddin' war
俺たちが一度はうまくいってた(goin' once)のに、今じゃ君が2回目(goin' twice)に行くなんてイカれてるよ。まるでオークションの入札競争(biddin' war)みたいにな
※オークションの「Going once, going twice... sold!(1回、2回、落札!)」という掛け声と、関係の回数をかけている。

Why you act like just 'cause I go to the strip club, girl, that I don't love you?
俺がストリップクラブに行ったからって、どうして君を愛してないなんて態度を取るんだ、ガール?
※Sad Boy特有の理不尽で身勝手な言い訳。

You still listenin' to R Kelly in the whip, baby girl, and I don't judge you
君はまだ車の中でR. Kellyを聴いてるじゃないか、ベイビーガール。俺は君のそんなところをジャッジ(批判)したりしないぜ
※性犯罪で有罪となったR. Kellyの曲を聴いている彼女のモラルを(自分は批判しないと言いながら)暗にディスしている。

I'ma end this shit and let the 40 beat play before I snap
この曲はここで終わらせて、俺がブチ切れる(snap)前に40のビートを流しておくよ
※プロデューサーである40(Noah "40" Shebib)のメロウなビートアウトロへ。

In Booby Trap, throwin' more bills than your baby daddy trap
「ブービー・トラップ」で、君の子供の父親がトラップ(麻薬密売)で稼ぐ以上の札束(bills)を投げ散らかしてるぜ
※マイアミの有名ストリップクラブ「Booby Trap」と、元彼(Baby daddy)の「trap(麻薬の売人としての稼ぎ)」をかけた最後の強烈なマウント。

[Outro]
Yeah, grrah
ああ、グラァ