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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

In The Bible - Drake (feat. GIVĒON & Lil Durk) 【和訳・解説】

Artist: Drake (feat. GIVĒON & Lil Durk)

Album: Certified Lover Boy

Song Title: In The Bible

概要

「In The Bible」は、2021年の大ヒットアルバム『Certified Lover Boy』に収録された、ダークでメランコリックなR&Bトラップである。客演にはシカゴ・ドリルの顔役Lil Durkと、甘くスモーキーな歌声で魅了するGIVĒONを大抜擢。本作のテーマは「宗教的な純潔さの欠如」と「Toxic(有害)な恋愛観」である。Drakeは夜遊びに明け暮れる女性を「聖書にそんな生き方は書いていない」と批判しつつも、自身も無数の女性を抱いてきた矛盾(Sad BoyとMob Bossの二面性)を隠そうとしない。Lil Durkは自身のイスラム教の信仰(コーラン)を引き合いに出して一夫多妻制を仄めかしつつ、亡き親友King Vonへの追悼や婚約者のビジネスを10億回再生の曲で宣伝するというストリートのボスの抜け目なさを見せる。GIVĒONの自己嫌悪に満ちたアウトロまで、一貫して「公認のプレイボーイ」たちの身勝手で歪んだ愛の形が描かれたディープな一曲だ。

和訳

[Chorus: Drake]

Okay, okay, okay
オーケイ、オーケイ、オーケイ

Countin' up my bodies, damn, the thing just start to pile
これまで抱いてきた女の数を数えてる、クソ、どんどん積み上がっていくぜ
※「body」は「殺した人数」というギャング・スラングだが、ここでは「肉体関係を持った人数(ボディ・カウント)」のこと。

Judge me how you judge me, take them bitches out to trial
俺を裁きたいように裁けよ、あのビッチどもを裁判にかけてみろ

Fucked a hundred niggas, how them niggas love you now?
100人の男とヤったんだろ、そいつらは今、君をどう愛してるって言うんだ?
※自分も遊びまくっているのに、女性の過去の性遍歴には激しく嫉妬し見下すという、Drake特有の極めてToxic(有害)なエゴ。

You don't know love, you don't love me like my child
君は愛を知らない、うちの子みたいに無償の愛で俺を愛してはくれないんだ
※「my child」は愛息Adonisのこと。ストリートやナイトライフの薄っぺらい愛と、子供からの無垢な愛を対比させている。

Lay your ass down, then that liquor get you fired up
ケツを横たえて休めよ、そしたら酒が君を燃え上がらせる

Turn up every day, girl, it don't say that in the Bible
毎日パーティーしてブチ上がるなんて、ガール、そんなこと聖書には書いてないぜ

Can't give it up 'cause you love the lifestyle
その生活を諦めきれないんだな、君はこのライフスタイルを愛してるから

[Verse 1: Drake]

Told the girls to meet at Tao
女の子たちにはタオで会おうって伝えた
※「Tao」はロサンゼルスやニューヨークにあるセレブ御用達の超高級アジアン・レストラン&ナイトクラブ。

Now y'all doin' shots, now them bitches got you fired up
今じゃ君らはショットを煽り、あのビッチどもが君に火をつけてる

Don't know who you talking 'bout, I'll put that on the Bible
誰のことを話してるのか知らないが、聖書に誓ってもいいぜ

Turnin' up on me, don't make me turn it back around
俺に向かってキレるなよ、俺にやり返させるような真似はするな

And you know
君も分かってるだろ

Think I'm Tiger Woods, the way I'm teed off thе 17
自分がタイガー・ウッズになった気分だ、17番ホールでティーオフするようにな
※「teed off」はゴルフの「ティーオフ(第一打を打つ)」と、「激怒する(pissed off)」の秀逸なダブルミーニング。17番はゴルフ界で鬼門とされるホール番号であると同時に、2017年の出来事を指しているという考察もある。

And you know pockets on whatever, jеans forever green
ポケットの中身はなんだっていい、ジーンズは永遠に緑色さ
※「green」は大量の現金(ドル札)。タイガー・ウッズの文脈から、マスターズ・トーナメントの勝者に贈られる「グリーン・ジャケット」ともかけている。

And you know, told me lotta things, but ain't say everything
色んなことを話してくれたが、すべてを話したわけじゃないよな

But now I know every single thing, there was plenty things I didn't know
でも今じゃ一つ残らず知ってるぜ、俺の知らないことが山ほどあったんだ

Plenty things you didn't say, was fuckin' with you anyway
言わなかったことが山ほどある、どっちにしろ俺は君とヤッてたけどな

Was fuckin' with you way before you had some confessions to make
君が告白することになるずっと前から、俺は君と関係を持ってたんだ

You decide to take it to the grave, I know you gon' take it
墓場まで持っていくと決めたなら、君は絶対に持っていくんだろうな

And you know (And you know, and you know)
分かってるだろ

[Chorus: Drake]

Okay, okay, okay
オーケイ、オーケイ、オーケイ

Countin' up my bodies, damn, the thing just start to pile
これまで抱いてきた女の数を数えてる、クソ、どんどん積み上がっていくぜ

Judge me how you judge me, take them bitches out to trial
俺を裁きたいように裁けよ、あのビッチどもを裁判にかけてみろ

Fucked a hundred niggas, how them niggas love you now?
100人の男とヤったんだろ、そいつらは今、君をどう愛してるって言うんだ?

You don't know love, you don't love me like my child
君は愛を知らない、うちの子みたいに無償の愛で俺を愛してはくれないんだ

Lay your ass down, then that liquor get you fired up
ケツを横たえて休めよ、そしたら酒が君を燃え上がらせる

Turn up every day, girl, it don't say that in the Bible
毎日パーティーしてブチ上がるなんて、ガール、そんなこと聖書には書いてないぜ

Can't give it up 'cause you love the lifestyle
その生活を諦めきれないんだな、君はこのライフスタイルを愛してるから

[Verse 2: Lil Durk]

Okay, okay, okay
オーケイ、オーケイ、オーケイ

Trenches bitch, I got her a salon
トレンチ出身のビッチ、俺は彼女にサロンを買ってやった
※「Trenches」は過酷なフッド(貧困街)のこと。Lil Durkの長年のパートナーであるIndia Royaleのコスメ/ヘアサロン・ビジネスへの投資と成功の自慢。

Gucci and Pucci, it's deep in her budget
グッチとプッチ、彼女の予算にはたっぷり余裕がある

She hittin' up Virgil for Louis Vuitton
彼女はルイ・ヴィトンのためにヴァージルに連絡してる
※当時Louis Vuittonのメンズ・アーティスティック・ディレクターを務めていた、故Virgil Ablohへのネームドロップ。直接連絡が取れるほどのVVIP待遇。

It's not in the Bible to wife off one girl
一人の女しか妻にしちゃいけないなんて、聖書には書いちゃいない

I'm Muslim, I go by Quran
俺はムスリムだ、コーランに従って生きている
※Lil Durkはイスラム教徒(ムスリム)。イスラム教では条件付きで一夫多妻制が認められていることを引き合いに出し、複数の女性と遊ぶ自分を正当化している。

The way I be smilin' and holdin' my gun
銃を握りしめながら笑う俺の姿

She think I be mimickin' Von, Grandson
彼女は俺がヴォン、つまりグランドサンの真似をしてると思ってる
※2020年に凶弾に倒れたシカゴのドリル・ラッパーであり、Durkの無二の親友であるKing Von(別名:Grandson)への追悼。彼特有の狂気的な笑顔を模倣している。

She only play me in the whip
彼女は車の中でしか俺の曲をかけない

India Royale cosmetic, I'm just promotin' my bitch
インディア・ロイヤル・コスメティクス、俺は自分の女をプロモートしてるだけさ

Drake song do a billion streams for sure, I'm just promotin' her shit
ドレイクの曲なら絶対に10億回は再生される、だから彼女のビジネスを宣伝してるんだ
※メガスターであるDrakeの客演バースという「絶対に世界中で聴かれるプラットフォーム」を、ストリートのボスとしてちゃっかり身内のビジネスの宣伝に利用する天才的なマーケティング感覚。

Nasty with it
最高にエグいぜ

Take her to Sono Bello and get her some ass and titties
彼女をソノ・ベロに連れて行って、ケツと胸を手に入れさせる
※「Sono Bello」はアメリカで有名な美容整形クリニック。女性に大金をかけてBBL(豊尻手術)などを受けさせるパトロン的な自慢。

Fashion nigga
ファッション・ニガさ

Rhude call when they drop like send my addy with it
ルードが新作を出す時に電話してくる、俺の住所も一緒に送れってな
※「Rhude」はロサンゼルス発の高級ストリートウェア・ブランド。ブランド側から直接提供品(シーディング)が送られてくるステータス。

Bitch left me and I'm glad she did it
ビッチが俺の元を去った、せいせいしたぜ

Know I be testin' bitches
俺がビッチどもを試してるのは知ってるだろ

Back to back, I'm wrestlin' with 'em
次から次へと、女たちとレスリングしてる
※ベッドの上での激しい行為の比喩。

Lean voice, I'm raspy with it
リーン焼けの声、俺の声はしゃがれてる
※コデイン・シロップ(Lean)の長期乱用によって声帯が焼け、ドリル・ラッパー特有のガラガラ声(raspy)になっている状態。

I did my dance one time on TikTok and went viral with it
TikTokで一度ダンスをしたら、それがバズっちまったのさ
※Lil DurkがDrakeの「Laugh Now Cry Later」のMVや自身の曲で見せた動きがTikTokでミーム化した現象を指す。

Mm-mm (Yeah, yeah, yeah)

Mm, mm-mm-mm (Yeah, yeah, yeah)

Mm, mm-mm-mm (Yeah, yeah, yeah)

Mm, mm-mm-mm (Yeah, yeah, yeah)

[Chorus: Drake]

Okay, okay, okay
オーケイ、オーケイ、オーケイ

Countin' up my bodies, damn, the thing just start to pile
これまで抱いてきた女の数を数えてる、クソ、どんどん積み上がっていくぜ

Judge me how you judge me, take them bitches out to trial
俺を裁きたいように裁けよ、あのビッチどもを裁判にかけてみろ

Fucked a hundred niggas, how them niggas love you now?
100人の男とヤったんだろ、そいつらは今、君をどう愛してるって言うんだ?

You don't know love, you don't love me like my child
君は愛を知らない、うちの子みたいに無償の愛で俺を愛してはくれないんだ

Lay your ass down, then that liquor get you fired up
ケツを横たえて休めよ、そしたら酒が君を燃え上がらせる

Turn up every day, girl, it don't say that in the Bible
毎日パーティーしてブチ上がるなんて、ガール、そんなこと聖書には書いてないぜ

Can't give it up 'cause you love the lifestyle
その生活を諦めきれないんだな、君はこのライフスタイルを愛してるから

[Verse 3: GIVĒON]

You've been on my mind
ずっと君のことが頭から離れない

We've been spendin' time, but I'm scared
一緒に時間を過ごしてきたが、俺は怖いんだ

A good girl inside (A good girl inside)
本当は内面はいい子なんだ

But you're tainted every time that I'm there (Tainted)
でも俺がそこにいるたびに、君は汚されていく
※自分が側にいることで、純粋だったはずの相手を夜の世界のライフスタイルに染め、堕落させてしまっているというToxic(有害)なR&Bの典型的トロープ。

Here we are now and it's crazy
俺たちは今ここにいる、狂ってるよな

Held my flaws down to you, baby
自分の欠点や弱さを君に押し付けてきた、ベイビー

You love, you trust, you trust
君は愛して、信じて、信じている

I'm not what you think
俺は君が思っているような男じゃない

Don't be proud of me
俺を誇りに思わないでくれ

I'm not what you feel
俺は君が感じているような男じゃない

And you gon' see it real soon
すぐに本当の姿を見ることになる

I'm not what you think
俺は君が思っているような男じゃない

Don't be proud of me
俺を誇りに思わないでくれ

I'm not what you feel
俺は君が感じているような男じゃない

And when you see the real, will you still want me?
本当の俺を知っても、君はまだ俺を求めてくれるだろうか?
※散々相手のライフスタイルを批判しておきながら、実は自分自身が一番醜く救いようのない存在であるという「Sad Boy」の究極の自己開示と悲哀。