Artist: Drake (feat. James Fauntleroy)
Album: Care Package
Song Title: Girls Love Beyoncé
概要
「Girls Love Beyoncé」は、2013年春に突如ネット上で公開され、後に2019年のコンピレーション・アルバム『Care Package』に正式収録された楽曲だ。Destiny's Childの1999年の大ヒット曲「Say My Name」のアイコニックなコーラスを、グラミー賞シンガーのJames Fauntleroyの甘いボーカルで大胆にサンプリング・補作している。Beyoncéという「自立した強い女性像」の象徴をタイトルに掲げつつ、Drakeはそんな現代女性たちに翻弄される男性の脆弱性や、名声ゆえに誰も信じられず「No New Friends」という閉鎖的なコミュニティに閉じこもる孤独(Sad Boy的要素)を赤裸々に吐露する。同時に、高級車を乗り回してストリートの価値観を支配するスターとしての傲慢さ(Mob Boss的要素)も混在しており、ヒップホップにおける「有害な男らしさ」に対する彼なりの内省的アプローチが光る、初期OVOサウンドの到達点の一つである。
和訳
[Verse 1: Drake]
Look, I know girls love Beyoncé
ほら、女の子たちはビヨンセが大好きだって分かってる
Girls love to fuck with your conscience
女の子たちは男の良心を弄ぶのが大好きだ
※Beyoncéという「自立した強い女性」のアイコンに憧れる女性たちが、恋愛において男性の心をかき乱し、主導権を握りたがる様子を描写している。
Girls hate when niggas go missing
女の子たちは、男が急に音信不通になるのを嫌がる
And shawty you ain't no different
なあ、君だって例外じゃないだろ
These days it's hard to meet women
最近は、まともな女性と出会うのが難しい
Feel like my love life is finished
俺の恋愛生活はもう終わっちまったような気がしてるんだ
※圧倒的な成功と名声によって、純粋な目的で近づいてくる女性を見つけることが困難になったトップスターの孤独感。
I've been avoiding commitment
俺はずっと深い関係になるのを避けてきた
That's why I'm in this position
だから今、こんな孤独な状況に陥ってるんだ
I'm scared to let somebody in on this
自分の領域に誰かを踏み込ませるのが怖いんだ
※富と権力を守るためのパラノイアと、傷つくことへの恐れ。
No new friends, no, no, no
新しい友達はいらない、絶対に
※DJ Khaledの楽曲「No New Friends (feat. Drake, Rick Ross & Lil Wayne)」でも提示された、当時のDrakeの強迫観念的なスローガン。既存の身内しか信用しないという極端な閉鎖性。
You know how this shit go
この世界がどういうものか、君も分かってるだろ
You got your fair share of admirers that call your phone
君の携帯に電話してくるような取り巻きだって、それなりにいるはずだ
You try to act like it's just me, but I am not alone
君は「あなただけよ」ってフリをしてるけど、俺だけじゃないってことは分かってる
But if you're alone, then
でも、もし君が今一人でいるのなら、それなら
[Chorus: James Fauntleroy, James Fauntleroy & Drake]
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
※Destiny's Child「Say My Name」のコーラス。オリジナルは浮気を疑う女性の強い追及だが、ここでは「誰もいないなら俺の名前を呼んで(愛を証明して)ほしい」という男性側の不安と懇願に反転させられている。
When no one is around you
周りに誰もいない時に
Say, "Baby, I love you"
「ベイビー、愛してる」って言ってくれ
If you ain't running games
もし君が俺を弄んでいないのなら
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
You actin' kinda shady, baby
君の態度はどこか怪しいんだ、ベイビー
Why the sudden change?
なんで急に変わってしまったんだ?
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
If no one is around you
もし周りに誰もいないのなら
[Verse 2: Drake]
Yeah, uh
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
'Cause those other men are practice
だって他の男たちなんて、ただの練習台に過ぎないんだから
And this ain't no time for actin'
今は演技なんかしてる場合じゃない
And this ain't no time for games
駆け引きをしてる場合じゃないんだ
And this ain't no time for uncertainty
不確かなままでいる時間なんてない
And this ain't no time for locking your phone and not coming home
携帯にロックをかけて家に帰ってこない、そんなことをしてる場合じゃない
※相手の浮気を疑う極度のパラノイア。原曲で描かれた女性の疑心暗鬼をそのまま男性目線でなぞっている。
And startin' some shit when I'm in the zone
俺が集中してる時に、厄介な揉め事を起こすのもやめてくれ
This is why I've been saying
だから俺はずっと言ってきたんだ
No new friends, no, no, no
新しい友達はいらない、絶対にって
You know how this shit goes
この世界がどういうものか、君も分かってるだろ
This is not four years ago
4年前とは違うんだ
※2009年の大ブレイク(ミックステープ『So Far Gone』)から4年が経ち、もはや無名だった頃の純粋な関係は築けないという、時間の経過への嘆き。
Time escapes me
時間が俺から逃げていく
Now forget how it felt when this shit move slow
時間がゆっくり進んでいた頃の感覚なんて、もう忘れてしまった
I come through in whips that make a young boy take the long way home
俺が高級車で現れると、近所のガキ共は遠回りして家に帰るようになる
※「whip」は高級車。スターとして圧倒的な富を見せつけることで、ストリートの若者たちに劣等感を与え、彼らの帰路を変えさせてしまうという強烈な自負。
All my young boys 'round me saying, "Get money and fuck these hoes"
俺の周りの若いダチはみんな「金を稼いで、ビッチたちとヤりまくれ」って言うんだ
Where we learn these values? I do not know what to tell you
俺たちはどこでこんな価値観を学んだんだろうな? 君に何て言えばいいか分からないよ
※ヒップホップカルチャーやストリートに蔓延する物質主義とミソジニー(女性蔑視)に対する、珍しく内省的な疑問符。
I'm just trying to find a reason not to go out every evening
俺はただ、毎晩遊びに出かけなくて済む理由を見つけようとしてるだけなんだ
I need someone that'll help me think of someone besides myself
自分以外の誰かのことを考えさせてくれるような、そんな相手が必要なんだ
I need someone I leave through the front door with
正面玄関から堂々と一緒に歩いて出ていける相手が必要だ
※パパラッチやゴシップを恐れて裏口からコソコソと逢瀬を重ねる生活に疲れ、公に認められる真剣な関係を渇望している。
'Cause we don't wanna hide no more
だって、俺たちはもう隠れたくないだろ
Plus you're not shy no more
それに、君だってもう恥ずかしがるような年じゃない
Neither of us wanna play the side no more
俺たちのどっちも、もう「浮気相手」なんて役回りは演じたくないんだ
※「play the side」は都合のいい存在(side chick/dude)でいること。
No, I'm not alone
いや、俺は一人じゃない
Even though nothing was the same
たとえ何もかもが変わってしまったとしても
※同年(2013年)にリリースされる自身の3rdアルバムのタイトル『Nothing Was the Same』のネームドロップ。すべてが変わってしまったが、それでも孤独ではないと自分に言い聞かせている。
Let me get your ass alone
君を俺と二人きりにさせてくれ
Let me make you say my name
俺の名前を呼ばせてやるよ
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
[Chorus: James Fauntleroy]
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
When no one is around you
周りに誰もいない時に
Say, "Baby, I love you"
「ベイビー、愛してる」って言ってくれ
If you ain't running games
もし君が俺を弄んでいないのなら
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
You actin' kinda shady, baby
君の態度はどこか怪しいんだ、ベイビー
Why the sudden change?
なんで急に変わってしまったんだ?
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name
俺の名前を呼んでくれ
Say my name, say my name
俺の名前を呼んでくれ、俺の名前を
If no one is around you
もし周りに誰もいないのなら
