Artist: Drake
Album: Scorpion
Song Title: That’s How You Feel
概要
2018年の2枚組メガアルバム『Scorpion』のB面(R&B・サイド)に収録された「That’s How You Feel」は、Drakeの真骨頂である内省的で未練がましい「Sad Boy」ペルソナが色濃く反映されたメロウなトラックである。特筆すべきは、かつてのレーベルメイトであり複雑な関係性を持つNicki Minajのライブ音源(「Boss Ass Bitch」と「No Flex Zone」のリミックス)を大々的にサンプリングしている点だ。彼女の「自立した強い女(ボス・ビッチ)」としての攻撃的なスタンスと、Drakeの女性に対する執着や不信感が対比され、独特の緊張感を生み出している。また、各行の末尾の単語が次の行の冒頭の単語にリンクするという、極めて高度でリズミカルなワードプレイ(連鎖韻)がVerse全体にわたって展開されている。SNSにおける現代特有の虚栄心や上辺だけの友情を冷笑しつつ、自分を弄んだ女性への恨み節を静かに歌い上げる、ドレイクらしさが凝縮されたR&Bナンバーである。
和訳
[Intro: Drake]
Yeah, woo
[Verse 1: Drake]
I'm just in the cut sittin' sideways
俺はただ目立たない場所で、横向きに座っている
Way that you lookin' all the time
君がいつも見せている、その態度
Time gets to tickin' and it takes a toll
時間はチクタクと過ぎ去り、代償を伴っていく
Told you I couldn't really draw the line
君には、俺はきっちり線を引くことなんてできないって伝えたはずだ
Line ringin', sayin' that you told him things
電話が鳴って、君が奴にいろんなことを話したって聞かされたよ
Things that you could've kept inside
心の中にしまっておけたはずのことまでな
Sidetrackin' me when I was good to you
俺が君に優しくしていたのに、君は俺を道から外れさせようとする
You were somebody I would stand behind
君は俺が後ろ盾になって守ってやれる存在だったのにな
※このVerseは、前の行の最後の単語が次の行の最初の単語に繋がるという、非常に高度な連鎖的ワードプレイ(sideways→Way、time→Time、toll→Told、line→Line、things→Things、inside→Sidetrackin')で構成されている。「Sittin' sideways」はヒューストンのチョップド&スクリュード文化(Paul Wallの楽曲など)に由来するフレーズで、車でリラックスしている、あるいはハイになっている状態を指す。
[Chorus: Drake]
I know you like to drink 'til the sun up
君が朝日が昇るまで飲むのが好きだってことは知ってる
Grind 'til you come up
這い上がるまで必死に働き
Work all winter, shine all summer
冬の間ずっと働いて、夏に輝きを放つ
Ride for your brother
兄弟のためなら危険も冒し
You die for your mother
母親のためなら命だって懸ける
Keep that shit a hunna
いつだって100パーセントリアルでいるってこともな
I know you wanna
君が望んでるのは分かってる
Vacay to a place where you could
どこか遠くへバカンスに出かけて
Take pictures, post on Insta
写真を撮って、インスタに投稿することだろ
Your friends say they miss ya
君の友達は「会いたい」なんて言うけれど
But they don't really miss ya
奴らは本当は君のことなんて気にしてないのさ
※SNSの「いいね」や表面的な繋がりに依存する現代の虚栄心への冷ややかな皮肉。
[Refrain: Nicki Minaj & DJ Boof]
Rule number one, to be a boss-ass bitch (Uh-huh)
ルールその1、最高のボス・ビッチになるには
Never let a clown nigga try to play you (Okay)
ピエロみたいなクソ男に、絶対弄ばれちゃダメ
If he play you, then rule number two (Okay)
もし弄ばれたら、ルールその2
Is fuck his best friends and make 'em yes men (Okay)
そいつの親友とヤって、イエスマンにしてやるのさ
And– (Wow, that's how you feel?)
それから–(ワオ、それがお前の気持ちなのか?)
※PTAFの「Boss Ass Bitch」のNicki Minajリミックスのライブ音源をサンプリング。DJ Boofのツッコミである「That's how you feel?」がそのまま楽曲のタイトルになっている。Drake自身が過去の恋愛で、この「親友と寝られる」という復讐(ルールその2)の被害者になったことがあるのではないかというファンの考察も存在する。
[Verse 2: Drake]
I'm just in the cut sittin' sideways
俺はただ目立たない場所で、横向きに座っている
Way that you lookin' all the time
君がいつも見せている、その態度
Time, it done left you with a broken heart
時間が、君の心を粉々に打ち砕いてしまったんだな
Hardly excuses how you play with mine
だからといって、君が俺の心を弄んでいい言い訳にはならないぜ
Mindin' my business and you show up
自分のことに専念していたのに、君が姿を現した
Up to no good, I should've seen the signs
絶対にろくなことにならないって、俺はその兆候に気づくべきだった
Signin' me up to do your dirty work
君の汚れ仕事を俺に押し付けようとするんだから
Workin' to try and get you off my mind
君を頭から追い出すために、俺は必死にもがいてるんだ
※Verse 1と同様の連鎖的ワードプレイ(sideways→Way、time→Time、heart→Hardly、mine→Mindin'、up→Up、signs→Signin'、work→Workin')。過去の失恋の傷を理由にして自分を弄んだ女性への、深い恨み節と未練(Sad Boy的要素)。
[Chorus: Drake]
I know you like to drink 'til the sun up
君が朝日が昇るまで飲むのが好きだってことは知ってる
Grind 'til you come up
這い上がるまで必死に働き
Work all winter, shine all summer
冬の間ずっと働いて、夏に輝きを放つ
Ride for your brother
兄弟のためなら危険も冒し
You die for your mother
母親のためなら命だって懸ける
Keep that shit a hunna
いつだって100パーセントリアルでいるってこともな
I know you wanna
君が望んでるのは分かってる
Vacay to a place where you could
どこか遠くへバカンスに出かけて
Take pictures, post on Insta
写真を撮って、インスタに投稿することだろ
Your friends say they miss ya
君の友達は「会いたい」なんて言うけれど
But they don't really miss ya
奴らは本当は君のことなんて気にしてないのさ
[Outro: Nicki Minaj & DJ Boof]
What the fuck, this ain't Chanel, nigga?! Custom down?!
何よこれ、シャネルじゃないの?! 特注品だって?!
What the fuck, I ain't smokin' hot?! Bust me down?!
何よ、私が超ホットじゃないって?! 私をこき下ろす気?!
You the same clown nigga that was runnin' me down?!
私を貶めてた、あのピエロ野郎と同じじゃないの?!
Now you all up in my…'cause you wanna be down?! (Okay)
今になってすり寄ってくるのは…私の仲間に入りたいから?!
(Wow, that's how you feel?)
(ワオ、それがお前の気持ちなのか?)
※同じくNicki Minajのライブ音源(Rae Sremmurdの「No Flex Zone」リミックス)からのサンプリング。無名時代に自分を馬鹿にしていた男が、成功した途端にすり寄ってくることへの強烈な拒絶であり、Drake自身が経験する「成功者へのフェイクな愛」というテーマとも深くリンクしている。
