Artist: Travis Scott (feat. Drake)
Album: UTOPIA
Song Title: MELTDOWN
概要
トラヴィス・スコットの4thアルバム『UTOPIA』(2023年)に収録された、Drakeをフィーチャーしたアグレッシブなバンガー。前曲「SIRENS」のアウトロでDrakeが登場し、そのままシームレスに本曲へと突入する構成は、『ASTROWORLD』における「SICKO MODE」の衝撃を彷彿とさせる。Boi-1daやVinylzらによる不穏で囁くようなビート(Part 1)から始まり、後半(Part 2, 3)ではBnyxらが手掛けた重厚なトラップへとビートスイッチする。特にDrakeのヴァースでは、当時激化していたPusha T(およびPharrell Williams)とのビーフにおける強烈なディスが展開され、ヒップホップ・コミュニティを騒然とさせた。トラヴィスもそれに呼応し、自身のカリスマ性とストリートの掟を誇示する、アルバム屈指のハードな一曲である。
和訳
[Part I]
[Intro: Drake]
Yeah
イェー
Tensions is definitely rising
緊張感が間違いなく高まってるぜ
T'd up right now
今、T(テンション/トラヴィス)が上がってる
T time, T time
Tタイムだ、Tタイム
T time, T time, T time
Tタイムだ、Tタイム、Tタイム
※「T」はTravis Scottのイニシャルであり、「Turnt up(最高にハイになる/準備万端)」、さらには次の行の「Teatime(お茶の時間=ゴシップや真実をこぼす時間)」へと繋がる伏線。
[Verse: Drake]
Teatime like I got a cup of this shit
ティータイムさ、俺がこのクソみたいな(ゴシップの)お茶を一杯持ってるみたいにな
※「spill the tea」は「秘密やゴシップをばらす」というスラング。ここからDrakeによる暴露とディスが始まる。
Tee time like golf at a quarter to six
ティータイムさ、5時45分からのゴルフみたいにな
I love to fuck on a regular bitch
俺は普通の(レギュラーな)ビッチとヤるのが好きなんだ
Famous hoes lame, but they stay on my dick
有名な女たちはダサい(レイム)が、あいつらは俺のイチモツ(魅力)に群がったままさ
Heard your new joint, it's embarrassing, shit
お前の新曲を聴いたぜ、恥ずかしいくらいだな、クソが
You talk to the cops on some therapist shit
お前はセラピストに話すみたいに、サツにペラペラ喋りやがって
※因縁の相手であるPusha Tへのディス。ストリートの掟(No Snitching)を破ったという非難。
You act like you love this American shit
お前はこのアメリカのシット(文化/やり方)を愛してるフリをしてるが
But, really, the truth is you scared of the 6
本当のところ、お前は「6」を恐れてるんだろ
Yeah, you scared of the 6
あぁ、お前は「6」を恐れてる
Yeah, you scared of the 6
あぁ、お前は「6」を恐れてるんだ
※「The 6」はDrakeの地元トロントの愛称(市外局番416/437/647から)。トロント(Drakeの陣営)を恐れているという威嚇。
Your bodyguard put in some work on a fluke
お前のボディガードがフロック(まぐれ)でちょっと仕事をしたからって
Now you wanna go and inherit that shit
今度はお前がその(タフな)シットを受け継ごうってのか
Don't talk to the boy 'bout comparisons, shit
ボーイ(俺)に向かって比較の話なんかするなよ、クソが
Or come to the boy on some arrogant shit
それか、ボーイに向かって傲慢な態度で近づいてくるな
The weapons we got are some terrorist shit
俺たちが持ってる武器は、テロリスト級のシットだぜ
Like TV producers we, grr, we airing this shit
テレビのプロデューサーみたいに、俺たちはこいつを放送(エアリング)してやるよ(グルルル)
※「airing」は「放送する」と「(銃で)撃ちまくる(air out)」のダブルミーニング。
She askin' for bread for her parents and shit
彼女が両親のためにパン(金)を無心してきやがる
I told her I don't got no cash and she said she could wait on a rack, on some Arabic shit
俺が「キャッシュはない」って言ったら、彼女はアラブ人みたいにラック(拷問台/札束)の上で待てるって言ったぜ
※「rack」は1,000ドルの札束と、中世の拷問器具(rack)のダブルミーニング。「wait on a rack(大金を待つ/拷問に耐える)」。
I pull out a million and stare at the shit
俺は100万ドルを引き出して、そいつをじっと見つめる
My dick just got hard 'cause a wire just hit
電信送金(ワイヤー)が着金した途端、俺のイチモツが硬くなっちまった
My schedule is out, come spin us, for real
俺のスケジュール(ツアー日程)は公開されてる、マジで俺たちをスピン(襲撃)しに来いよ
Man, fuck all that spinnin' the narrative shit
なぁ、筋書き(ナラティブ)をでっち上げる(スピンする)ようなシットはクソくらえだ
※前の行の「spin(車で乗り付けて銃撃する)」と「spin the narrative(事実を捻じ曲げる)」を掛けた言葉遊び。
I melt down the chains that I bought from yo' boss
俺は、お前のボスから買ったチェーンを溶かして(メルトダウンして)やるよ
※本作最大の問題ライン。「お前のボス」はPusha Tが当時所属していたG.O.O.D. Music(Kanye West主宰)と密接な関係にあったPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)。Drakeはファレルがオークション(Joopiter)に出品した過去のアイコニックなジュエリーを数百万ドルで落札しており、それを「溶かしてやる(Meltdown)」と脅している。
Give a fuck about all of that heritage shit
お前らのそのヘリテージ(遺産/歴史)なんて、知ったこっちゃねえよ
Since V not around, the members done hung up the Louis, they not even wearing that shit
Vがもういないから、メンバーたちはルイ(・ヴィトン)をクローゼットにしまい込んだ、誰もあんなモノ着てやしねえよ
※「V」は2021年に急逝したLouis Vuittonのメンズ・アーティスティック・ディレクターであり、Drakeの盟友だったVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)。その後任にPharrell Williamsが就任したことへの不満と、ファレルのLVは認めないという強烈なディス。
Don't come to the boy 'bout repairing some shit
ボーイ(俺)に向かって、関係を修復する(リペアリング)話なんて持ってくるな
Don't come to the boy about sparing some shit
ボーイに向かって、情けをかける(スペアリング)話なんて持ってくるな
You lucky that Vogue was suing 'cause I would've been with the Wassas in Paris and shit
Vogueが俺を訴えてて運が良かったな、じゃなけりゃ俺はワッサスと一緒にパリ(のLVのショー)に乗り込んでたところだぜ
※Drakeは前年のアルバムプロモーションでVogueの偽表紙を作り提訴されていた。もしそれがなければ、ファレルのデビューとなるパリのLVコレクションに、トロントのギャング(Wassas)を引き連れて乱入していたという威嚇。
[Part II]
[Segue]
(I-I—)
(アイ、アイ…)
※ここでビートが重厚で邪悪なトラップへとスイッチする。
[Verse: Travis Scott]
Is you fuckin' crazy? Is you fuckin' crazy? (Ah)
お前ら、マジで狂ってんのか? マジで狂ってんのか?(アァ)
And they scared of the seven (Seven)
そして奴らは「7」を恐れてる(7を)
※Drakeの「scared of the 6(トロント)」に呼応し、トラヴィスは「7」を恐れていると歌う。自身の地元テキサスや、ラッキーセブン、あるいは何らかの暗号(後述のセブンイレブンへの布石)。
After one-three then we turn up eleven (Yeah)
13(1時から3時)を過ぎたら、11(最大限)までブチ上げるぜ(イェー)
※音量やテンションを「10」の限界を超えて「11」まで上げる(turn it up to eleven)という慣用句。
Keep this shit open like 7-Eleven (It's lit)
セブンイレブンみたいに、このシットを(24時間)オープンにしとけよ(最高だぜ)
Me at the house, I got seven in heaven
俺は家の中、天国には7人いる
※トラヴィスの自宅(Utopia)の状況、あるいは親しい人々の魂への言及。
They think I'm satanic, I keep me a reverend
奴らは俺を悪魔崇拝者(サタニック)だと思ってる、俺は牧師(レヴァレンド)を雇ってるのにな
※アストロワールドの悲劇時のステージセットや演出が「悪魔の儀式だ」と陰謀論者に非難されたことへの反論。俺は神を信じている(THANK GOD)という主張。
Lil' shawty a therapist (Yeah), poppin' her shit
あの女はセラピストだ(イェー)、好き勝手言いやがる
She inching my way then she started confessing
俺の方に少しずつ近づいてきて、そして告白(懺悔)し始めたんだ
I know what's at stake, I'm screamin', "Free Jeffery"
何が懸かってるか(ヤバい状況か)分かってる、俺は「ジェフリーを解放しろ」と叫んでるんだ
※「Jeffery」はYSL Recordsのボスであり、RICO法違反(ギャング関連)で勾留中の盟友Young Thug(ヤング・サグ)の本名。彼へのサポート表明。
Connect collect calls right off of the celly
携帯(セリー)から直接、コレクトコールを繋ぐのさ
※刑務所からの電話(コレクトコール)を受け取るストリートの絆。
Gave her the blues, not talkin' 'bout belly
彼女にブルース(悲しみ/青い札束)を与えた、腹(ベリー)の話をしてるんじゃねえよ
※「belly(お腹)」と「blues(憂鬱)」の言葉遊び。妊娠させたわけではなく、金(100ドル札の青い帯)を与えたり、悲しみを与えたりしたというダブルミーニング。
Don't keep it sincere, I go Makaveli
誠実さ(シンシア)なんて保たねえ、マキャヴェリ(2Pac)のモードで行くぜ
※伝説的ラッパー2Pacの別名義「Makaveli」。情け容赦なく敵を攻撃する(Hit 'Em Up)攻撃的なスタンス。
I got the juice, now it's heavy (Juice)
俺はジュース(権力/リスペクト)を持ってる、今じゃかなりヘビーだぜ(ジュース)
※「Juice」はストリートでの影響力。2Pac主演の映画『Juice』にも掛けている。
Always on t-time, been ready (T, ah), yeah
いつだってTタイム(トラヴィスの時間/準備万端)だ、ずっと準備はできてるぜ(T、アー)、イェー
※イントロのDrakeのラインを回収。
Is you fucking crazy? Is you f— (Yeah, stoned, let's go)
お前ら、マジで狂ってんのか? マジで…(イェー、キマッてるぜ、行こう)
Wrappin' the cheese, wrap around me 'cause I've got property (Wrap, cheese, wrap)
チーズ(金)を包み込む、俺の周りを包み込んでくれ、だって俺は資産(プロパティ)を持ってるからな(ラップ、チーズ、ラップ)
Chocolate AP and chocolate the Vs (Vs), got the Willy Wonka factory (Vs)
チョコレート色のAP(オーデマ・ピゲ)、チョコレート色のV(VVSダイヤ)、ウィリー・ウォンカの工場を持ってるぜ(V)
※ブラウン(トラヴィスのシグネチャーカラー)の高級時計とダイヤモンド。大ヒット映画『チャーリーとチョコレート工場』の主役に例えた成金フレックス。
Burn a athlete like it's calories, find another flame hot as me, bitch
アスリートをカロリーみたいに燃やして(消費して)やるよ、俺くらい熱い炎(フレイム)を他に見つけてみろよ、ビッチ
※「La Flame(トラヴィスの異名)」の熱さ。女性関係でライバルとなるスポーツ選手を蹴散らすというフレックス。
[Part III]
[Segue: Travis Scott]
(Ooh)
(ウー)
[Chorus: Drake & Travis Scott]
Yeah, is you fucking crazy? (Nah)
イェー、お前らマジで狂ってんのか?(ノー)
Is you fucking crazy? (What?)
マジで狂ってんのか?(ワット?)
Is you fucking crazy? (Nah, nah)
マジで狂ってんのか?(ノー、ノー)
Is you fucking crazy? Yeah
マジで狂ってんのか? イェー
Is you fucking crazy or what?
マジで狂ってんのか、それとも何だ?
Is you fuckin', is you fuckin'
お前ら、マジで…
Is you fucking crazy?
マジで狂ってんのか?
[Verse: Travis Scott]
How many Texas boys done ran it up? A couple, maybe (Couple, maybe)
テキサス出身の男で、ここまで上り詰めた(荒稼ぎした)奴が何人いる? まあ、2、3人ってとこか(2、3人だな)
Swanging in the pickup truck, baby, fuck Mercedes (Fuck Mercedes)
ピックアップトラックでスワング(蛇行運転)するのさ、ベイビー、メルセデスなんかクソくらえだ(クソくらえ)
※テキサスのカーカルチャー(Swangasとピックアップトラック)への愛と、ヨーロッパの高級車へのアンチテーゼ。
I'll fuck a nigga bitch but she can't have the baby (Have the baby)
他の野郎のビッチとヤるが、俺のガキ(ベイビー)は産ませねえよ(産ませねえ)
I'll shoot your ass in Walmart like I'm DaBaby (In Walmart)
ダベイビーみたいに、ウォルマートでお前を撃ち殺してやるぜ(ウォルマートでな)
※ラッパーのDaBabyが、2018年にノースカロライナ州のウォルマートで自身を襲撃してきた男を射殺した正当防衛事件の引用。
The boy going Lionel Messi, I go Tom Brady (Woo)
あいつ(Drake)はリオネル・メッシだ、なら俺はトム・ブレイディで行くぜ(ウー)
※サッカー界のG.O.A.T.(史上最高)であるメッシと、アメフト界のG.O.A.T.であるブレイディに自分たち(DrakeとTravis)を例えた究極のフレックス。
Used to wear the bust down back in my old days (Woo)
昔はバストダウン(ダイヤを敷き詰めた時計)を着けてたもんさ(ウー)
Now I let the chains hang, you gotta tuck yours maybe (Tuck it, tuck it)
今じゃチェーンはぶら下げたまま(隠さない)だ、お前らのはシャツの中へしまっといた方がいいかもな(しまっとけ)
※奪われる心配がないという圧倒的な強者の余裕と、格下のラッパーたちへの威嚇。
Niggas talkin' Scarface, I'm that in real life (Ooh)
奴らは『スカーフェイス』(のトニー・モンタナ)みたいに語るが、俺は現実世界でそれ(ギャングのボス)をやってるんだ(ウー)
Is you fucking crazy or what? Is you fucking crazy? (Fuckin' crazy)
お前らマジで狂ってんのか、それとも何だ? マジで狂ってんのか?(マジで狂ってる)
Man, the club ain't been the same since we lost Mercedes (Straight up)
なぁ、メルセデスを失ってから、クラブは昔と同じじゃなくなっちまった(間違いないぜ)
※ヒューストンの伝説的なストリップクラブ「V Live」の人気ダンサーだったMercedes(あるいはヒューストンのナイトライフの象徴的な人物)への追悼。
Man, the clique ain't been the same since they lost the greatest (Nah, nah, nah)
なぁ、最強の男(グレイテスト)を失ってから、あのクルーは昔と同じじゃなくなっちまった(ノー、ノー)
We outside with the army, so you need the (Uh-huh)
俺たちは軍隊(アーミー)を引き連れて外に出てる、だからお前らにはアレが必要だろ(アハ)
Them boys rollin' all brown like they whippin' gravy
あいつらはグレイビーソースをかき混ぜてるみたいに、全身ブラウン(の車/服)で流してる
Make a circus outside like it's Barnum's Bailey (It's lit)
外でバーナム・アンド・ベイリーみたいなサーカス(大騒ぎ)を起こしてやるぜ(最高だぜ)
※「Ringling Bros. and Barnum & Bailey Circus」はアメリカの超巨大サーカス団。トラヴィス一行が街に現れると、サーカスのような大騒動になるという描写。
Blickey hanging on my side, it's like it's really hanging (Blickey, blickey, blaow)
腰にはブリッキー(銃)がぶら下がってる、マジで垂れ下がってるみたいにな(ブリッキー、ブリッキー、ブラウ)
※「Blickey」は銃(グロックなど)。
She move her panties to the side, she want it raw when faded (Huh? Huh? Huh? Huh?)
彼女はパンティーを横にずらす、ハイ(フェイデッド)になってる時は生(ロウ)でヤりたがるのさ(ハァ? ハァ?)
[Chorus: Travis Scott]
Is you fucking crazy? Uh
マジで狂ってんのか? アー
Is you fucking crazy? Uh
マジで狂ってんのか? アー
Is you fucking crazy or what?
マジで狂ってんのか、それとも何だ?
Is you fucking crazy? Yeah
マジで狂ってんのか? イェー
Is you fucking crazy or what?
マジで狂ってんのか、それとも何だ?
Is you fuckin', is you fuckin'
お前ら、マジで…
Is you fucking crazy?
マジで狂ってんのか?
