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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

first take - Travis Scott (feat. Bryson Tiller) 【和訳・解説】

Artist: Travis Scott (feat. Bryson Tiller)

Album: Birds in the Trap Sing McKnight

Song Title: first take

概要

トラヴィス・スコットの2ndアルバム『Birds in the Trap Sing McKnight』(2016年)に収録された、アルバム内で最もR&B色が強くメランコリックな一曲。プロデューサーのSyk Senseが手掛けた浮遊感のあるビートに乗せ、客演には「トラップソウル」というジャンルを確立したBryson Tillerを迎えている。タイトル「first take(一発撮り)」の通り、リリックの多くはフリースタイル的に紡ぎ出されており、感情の揺れ動きがそのままパッケージされている。トラヴィスは恋愛を「スポーツ(ゲーム)」のように楽しむ一方で、相手の女性の疑り深さ(Think too much)に苛立ちを見せる。後半ではBryson Tillerが、無名時代を支えてくれた女性とのすれ違いやハリウッドの虚飾を歌い上げ、二人のアーティストの恋愛観のコントラストが切なく響く名曲である。

和訳

[Chorus: Travis Scott]

Don't like what I saw
俺が見たものは気に入らない

This life without yours
君のいないこの人生なんて

Despite I was lost
俺が迷子になっていたにもかかわらず

Despite you got flaws
君に欠点があったにもかかわらず

Just let our love play its course
俺たちの愛を、ただ自然な流れ(コース)に任せてみよう
※無理に関係をコントロールしようとせず、なるようになる(play its course)ままに任せるという諦念交じりのスタンス。

Let you tell it, what's mine is yours, what's yours is yours
君の言葉を借りれば、「私のものはあなたのもの、あなたのものは私のもの」ってやつさ
※一般的な「What's mine is yours, and what's yours is mine(私のものはあなたのもの、あなたのものも私のもの=全て共有する)」という言葉をねじ曲げ、結局「俺のものは君のもので、君のものは君のもの(=君が全てを独占している)」という不平等な関係を皮肉っている。

All the signs I ignored
俺が無視してきた全ての前兆(サイン)

I play love like a sport
俺は愛をスポーツみたいにプレイするのさ
※愛を真剣なものとしてではなく、勝ち負けや駆け引きを楽しむ「ゲーム」として捉えているというトラヴィスの冷めた恋愛観。

[Verse 1: Travis Scott]

Yeah, first take
あぁ、ファースト・テイク(一発撮り/最初の挑戦)だ
※このヴァースがフリースタイル的に一発で録られたこと、またはこの恋愛における「最初のアプローチ」を意味する。

You ain't on time, you were late (Yeah!)
君は時間通りに来なかった、遅刻したんだ(イェー)

When you around me, you're safe (Lit!)
俺のそばにいれば、君は安全さ(最高だぜ)

You can't go off of a hearsay
噂話(ヒアセイ)だけで判断(ゴー・オフ)しちゃダメだ

I know that look on your face
君のその表情を見れば分かる

You think you winnin' a race
自分がレースに勝ってる(優位に立ってる)と思ってるんだろ

You think all I do is play (Yeah!)
俺が遊び(プレイ)ばかりしてると思ってるんだろ(イェー)

I didn't put you in your place
俺は君を「あるべき場所(分をわきまえさせること)」に置いたりしなかった
※「put someone in their place」は相手に分をわきまえさせる、傲慢な態度を正すというイディオム。俺が甘やかしたから、君は調子に乗っているという指摘。

Then why you still here in my place?
じゃあ、なんで君はまだ俺の家(プレイス)にいるんだ?
※直前の「your place(立場)」と「my place(俺の家)」を掛けたワードプレイ。文句があるなら帰ればいいのに、結局は俺のベッドにいるじゃないかというフレックス。

Yeah, thought so, yeah, and also
あぁ、そう思ったよ、あぁ、それにな

You think too much, we all know
君は考えすぎなんだ、誰もが知ってるさ

You think too much, we all know
君は考えすぎなんだ、誰もが知ってる

Yeah, I ain't tryna go back to war with your morals (Yeah!)
あぁ、君の道徳観(モラル)とまた戦争(口論)する気はねえよ(イェー)

You can't kill the vibe, it's immortal (Straight up!)
このバイブスは殺せない、こいつは不死身(イモータル)なんだ(間違いないぜ)

I ain't buyin' it even though I can afford ya (Ooh)
俺には君を養う余裕(アフォード)があるが、その話は買わない(信じない)ぜ(ウー)
※金銭的な「buy(買う)」と「afford(余裕がある)」を、相手の嘘や言い訳を「buy(信じる)」ことに掛けた言葉遊び。

'Cause I know—
だって俺には分かってるからな—

[Chorus: Travis Scott]

Don't like what I saw (Don't like what I saw)
俺が見たものは気に入らない

This life without yours (This life without yours, ooh)
君のいないこの人生なんて

Despite I was lost (Despite I was lost, ooh)
俺が迷子になっていたにもかかわらず

Despite you got flaws (Ooh)
君に欠点があったにもかかわらず

Just let our love play its course (Yeah!)
俺たちの愛を、ただ自然な流れに任せてみよう

Let you tell it (Ooh)
君の言葉を借りれば

What's mine is yours, what's yours is yours (Ooh)
「私のものはあなたのもの、あなたのものは私のもの」ってやつさ

All the signs I ignored (Ooh)
俺が無視してきた全ての前兆

I play love like a sport (Ooh, yeah!)
俺は愛をスポーツみたいにプレイするのさ

[Verse 2: Travis Scott]

This love won't grow 'less we find growth
俺たちが成長(グロウス)を見つけない限り、この愛は育たない(グロウ)

Wipe down your nose, girl
鼻を拭きなよ、ガール
※泣いている涙を拭くこと、あるいはコカイン(ドラッグ)を吸った鼻を拭くことのダブルミーニング。前曲の「beibs in the trap」等でも度々描かれる退廃的なシーン。

Won't you come over?
こっちへ来ないか?

Let's both find hoes
お互いにビッチたち(遊び相手)を見つけようぜ

Let's fuck them both
一緒にそいつらとヤろうぜ
※スリーサム(あるいはそれ以上)の提案。1対1の真面目な関係(growth)を求めつつも、結局は享楽的な遊び(sport)に逃げ込んでしまうトラヴィスの矛盾と退廃。

But you think too hard, we all know
でも君は考えすぎなんだ、誰もが知ってるさ

You think too hard, we all know
君は考えすぎなんだ、誰もが知ってる

So say nothin', nothin'
だから何も、何も言わないでくれ

'Cause you think too hard, we all know
だって君は考えすぎだからな、誰もが知ってる

Yeah, you know I'd rather lead it than follow (Yeah!)
あぁ、俺は従う(フォロー)より、リードする方が好きだって知ってるだろ(イェー)

You and me, baby, mano y mano (It's lit)
君と俺さ、ベイビー、マノ・イ・マノ(1対1)でな(最高だぜ)
※「Mano a mano」はスペイン語で「手と手」、転じて「1対1の真剣勝負」を意味する格闘技等の用語(本来のスペルはaだが、発音通りにyと表記されることが多い)。恋愛を「スポーツ」や「勝負」と捉えるスタンスの強調。

'Cause I know, I know—
だって俺には分かってる、分かってるんだ—

[Chorus: Travis Scott & Bryson Tiller]

Don't like what I saw (Yeah)
俺が見たものは気に入らない

This life without yours (Yeah, yeah)
君のいないこの人生なんて

Despite I was lost (Ayy)
俺が迷子になっていたにもかかわらず

Despite you got flaws (Ayy)
君に欠点があったにもかかわらず

Just let our love play its course (Ohhh)
俺たちの愛を、ただ自然な流れに任せてみよう

Let you tell it
君の言葉を借りれば

What's mine is yours, what's yours is yours (All is yours)
「私のものはあなたのもの、あなたのものは私のもの」ってやつさ

All the signs I ignored (Uh-huh)
俺が無視してきた全ての前兆

I play love like a sport (Like a sport, no, yeah)
俺は愛をスポーツみたいにプレイするのさ

[Verse 3: Bryson Tiller & Travis Scott]

Okay, lil' mama
オーケー、可愛いお嬢さん
※ここからBryson Tillerのバース。トラヴィスの「遊び」の恋愛観とは対照的に、よりパーソナルで感傷的な過去の恋愛を振り返る。

I still ain't heard from lil' mama
未だにあの子からの連絡はない

We go back to Angliana when you was studying in college
君が大学で勉強していた頃の「アングリアナ」時代からの付き合い(ゴー・バック)だよな
※「Angliana(The Angliana)」は、Bryson Tillerの地元ケンタッキー州ルイビルにある、ケンタッキー大学の学生向けアパートの名前。彼が無名だった頃から支えてくれた元恋人とのリアルな記憶。

But I called you and brought ya out to Santa Monica
でも俺は君に電話して、サンタモニカ(カリフォルニア)まで連れ出した

Believed in you, I was your sponsor
君を信じてた、俺が君のスポンサー(パトロン)だったんだ

I got love for you, but I'm not in love
君への愛情(love)はある、でも恋(in love)に落ちてるわけじゃないんだ

Gave me affection
君は俺に愛情をくれた

Girl, I was lost, she gave me direction
なぁ、俺は迷子だったが、彼女が道筋(ディレクション)を示してくれたんだ

Went through fuckin' you with no protection
避妊具(プロテクション)なしで君とヤりまくったこともあったな

All my blessings
俺の全ての祝福(恩恵)

Girl, you one of all my blessings
なぁ、君は俺の人生の祝福(最高の出来事)の一つさ

You think I don't care about you?
俺が君のことを気にしてないと思ってるのか?

Girl, you better call my best friend
それなら、俺の親友にでも電話して聞いてみなよ

I got time to waste
俺には無駄にする時間がある

Girl, I got time to waste
なぁ、俺には無駄にする時間があるんだ

Girl, I cancelled everything
なぁ、俺は全て(の予定)をキャンセルしたんだぜ

Just to get back on the same page
ただ君と同じページ(同じ気持ち/理解)に戻るためだけにな

To finish the story
この物語を終わらせるため(関係を修復するため)に

But you would rather ignore me
でも君は、俺を無視する方を選ぶんだな

Your mama called to check on me
君のママは、俺の様子を気にして電話をくれたぜ

But you won't even pick up the phone, shit (Yeah!)
なのに君は電話に出ようともしない、クソッ(イェー)

Goddamn, you feelin' yourself (Yeah)
ガッデム、君は随分と調子に乗ってる(フィーリン・ユアセルフ)みたいだな(イェー)

Out in Hollywood, you got a nigga with some wealth (Word)
ハリウッドに行って、金持ちの男を捕まえたんだろ(マジでな)
※ケンタッキーの田舎で純粋だった彼女が、ハリウッドの虚飾に染まり、金目当ての女性に変わってしまったことへの失望。

You ain't free tonight, I bet he call somebody else
君は今夜暇じゃないんだろうが、どうせあの男は他の誰かを呼んでるぜ

Tryna tell you I'm the last real nigga left (Damn right)
君に伝えておきたいんだ、最後に残った「本物(リアル)の男」は俺だけだってことをな(間違いないぜ)

You can hit me if you need help
もし助けが必要なら、俺に連絡(ヒット)してこいよ

With your love problems, with your money problems
君の恋愛の悩みでも、金の問題でも

I just might solve 'em, I just might solve 'em
俺なら解決(ソルヴ)してやれるかもしれない、解決してやれるかもな

I just might solve 'em, I just might solve 'em (Yeah!)
解決してやれるかもしれない、解決してやれるかもな(イェー)

I just might solve 'em
俺なら解決してやれるかもしれないぜ

[Outro: Bryson Tiller]

Just call me or you could just pick up the phone, baby
ただ俺に電話してくれよ、それか電話に出てくれるだけでもいいんだ、ベイビー

I know you, I know you home, baby
分かってるんだ、君が家にいるってことは分かってるんだよ、ベイビー
※居留守を使われていることを知りながらも、未練を断ち切れずに電話をかけ続ける男の切ないアウトロ。

Baby, I know, I know
ベイビー、分かってる、分かってるんだ