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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Blocka La Flame - Travis Scott (feat. Popcaan) 【和訳・解説】

Artist: Travis Scott (feat. Popcaan)

Album: Owl Pharaoh

Song Title: Blocka La Flame

概要

トラヴィス・スコットの記念すべきデビュー作『Owl Pharaoh』に収録された本作は、シカゴ・ドリル、ジャマイカのダンスホール、そしてヒューストンのトラップが交錯する野心的なバンガーである。元々このトラックは、トラヴィスがシカゴのプロデューサーYoung Chopと共にPusha Tのために制作した楽曲「Blocka」のビートであり、トラヴィス自身がソロバージョンとして「逆輸入」した形となる。客演のPopcaanのボーカルやYoung Chopのプロデューサータグも原曲からのサンプリングだ。ハイファッションのブランド名と過激なストリートの現実を同列に並べるリリックは、カニエ・ウェストからの影響を色濃く反映しつつ、トラヴィス独自のダークで壮大な「Owl Pharaoh(フクロウのファラオ)」というペルソナを確立する重要な役割を果たしている。

和訳

[Intro: Popcaan]

Dis type of shit happens every day
こんなクソみたいなことは毎日起きてる

All dem I'm under mourn for people pon stay
俺はそこに留まる奴らのために喪に服しているんだ
※ジャマイカのダンスホール・スターであるPopcaanのパトワ語によるイントロ。ストリートの暴力が日常化し、常に誰かが死を悼んでいる凄惨な現状を嘆いている。この部分はPusha Tの楽曲『Blocka』からの直接のサンプリングである。

But none of dem have the guts to pull out and spray
だが奴らの誰一人として、銃を抜いてブッ放す度胸なんて持ち合わせちゃいない

None of them have the guts to pull out and spray
誰一人として、銃を抜いてブッ放す度胸なんてねえんだよ

(Young Chop on the beat)
(ヤング・チョップ・オン・ザ・ビート)
※シカゴ・ドリルの立役者であるYoung Chopの有名なプロデューサータグ。

[Chorus]

I-I-I-I got diamonds on my blocka, serve it to my flocka
俺のシマ(ブロック)にはダイヤモンドがある、仲間に捌いてやるのさ
※「blocka」は銃の音、またはフッド(地元、ブロック)のこと。「flocka」は自分のクルー(仲間)を指すスラングであり、トラップシーンの象徴であるWaka Flocka Flameにも掛けている。

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah), to my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー)、俺の仲間にな(オー、イェー、イェー、イェー)

Pray to Lord on my shotta, she be proper (Uh, uh)
俺のシャッタのために神に祈る、あの子はイケてるぜ(アー、アー)
※「shotta」はジャマイカのパトワ語で「ギャングスター」や「凄腕のハスラー(シューター)」を意味する。

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah, ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー、イェー、イェー、オー、イェー、イェー、イェー)

[Verse 1]

I'm that Ferragamo Hussein, Tom Cruisin', Rock Of Ages
俺はフェラガモを着たフセインだ、トム・クルーズみたいに、ロック・オブ・エイジズさ
※「Ferragamo(高級ブランド)」と「Hussein(サダム・フセイン)」を組み合わせ、独裁者のような絶対的権力とハイファッションを融合させたトラヴィスの別人格。さらにトム・クルーズ主演のミュージカル映画『Rock Of Ages』を引用し、ロックスター的な傲慢さをアピールしている。

Semi-god estate, gettin' cake, could've thought I'm Jewish (Yeah)
半神レベルの豪邸に住んで、大金を稼ぐ、俺がユダヤ系だと思う奴もいるかもな(イェー)
※「Semi-god(半神)」のように巨大な屋敷と富(cake)を手に入れたフレックス。ヒップホップにおいて「ユダヤ系アメリカ人はビジネスに長けていて裕福である」という古典的なステレオタイプを用いた言葉遊び。

Fuck, fuck, fuck, might lose your soul for my language
クソ、クソ、クソ、俺の言葉を聞いたら魂を奪われちまうかもな

Nowadays's, niggas been at round tables talkin' all that heinous language (Yeah)
最近じゃ、野郎共は円卓に座って凶悪な計画ばかり話し合ってやがる(イェー)
※「round tables(円卓)」はアーサー王の円卓の騎士、あるいはマフィアのボスたちの会合を連想させる。裏社会での陰謀や野心を表現している。

Plutonica, insomnia
プルトニカ、不眠症

Put that money on your head, Balenciaga yarmulke (Yeah)
お前の頭に金を懸けてやるよ、バレンシアガのヤムルカだ(イェー)
※「Put money on your head(頭に懸賞金をかける)」というギャングの常套句と、ユダヤ教徒が頭頂部に被る小さな帽子「ヤムルカ(yarmulke)」を掛ける超高次元のワードプレイ。しかもそれがBalenciaga製であるという、狂気的なファッション・フレックス。

Fifteen when I carried loads of them Ozium's
15歳の頃、俺はオジウムを大量に持ち歩いてた
※「Ozium」は強力な消臭スプレー。未成年の頃から大麻(ウィード)の匂いを親や警察から誤魔化すために常備していたという、ストリートのリアルな描写。

And them bag of nicks, I mean, groceries
5ドルの袋の山、つまり「食料品」のことさ
※「nicks(ニッケルバッグ)」は5ドル分のウィード。ドラッグを売り捌くことが、若き日の彼にとって生きるための糧(groceries)であったことを意味する。

I mean, daddy knows ain't no controllin' me (Yeah, ye-yeah)
親父だって、俺をコントロールできないことは分かってるんだ(イェー、イェー)

My bad, look Scotty might sag
悪いな、見ろよスコッティは腰パンしてるかもな
※「Scotty」はトラヴィス・スコット自身のこと。

She give me head before the ass and never let no nigga smash
あの子はケツの前にフェラをしてくれる、他の野郎には絶対にヤラせないんだ

No puffin', no pass (Yeah)
回し吸いはしねえ(イェー)
※大麻を吸って隣の人に回す「Puff, puff, pass」のルールを拒否し、上質なウィードも女も自分だけで独占するという態度。

We breakin' if we can get half, thank you for makin' it last (Ye-yeah)
半分もらえるなら分け合うぜ、長持ちさせてくれてありがとな(イェー)

Get everything that you got
お前の持ってるもの全てを奪い取る

Break me a piece of that off, rest in peace, niggas I lost
その分け前を俺に寄こしな、安らかに眠れ、俺が失ったダチ共

[Chorus]

I-I-I-I got diamonds on my blocka, serve it to my flocka
俺のシマ(ブロック)にはダイヤモンドがある、仲間に捌いてやるのさ

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah), to my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー)、俺の仲間にな(オー、イェー、イェー、イェー)

Pray to Lord on my shotta, she be proper (Uh, uh)
俺のシャッタのために神に祈る、あの子はイケてるぜ(アー、アー)

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah, ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー、イェー、イェー、オー、イェー、イェー、イェー)

[Verse 2]

Oh God, this shit too cold for the mink, Ye
オー・ゴッド、これはミンクのコートを着ても寒すぎる(冷酷すぎる)ぜ、Ye
※「Ye」はトラヴィスの師であり、当時密接に制作を共にしていたカニエ・ウェストの愛称。カニエの楽曲「Cold」や彼のシグネチャーであるミンクコートを引き合いに出し、自身のスタイルがいかにCold(冷酷でイケている)かをアピールしている。

Bang, bang, bang, my niggas ain't tamed
バン、バン、バン、俺のダチは飼い慣らされちゃいないぜ

Might buried your ass in that Sphinx, mane (Yeah)
お前をあのスフィンクスの中に埋めてやるかもな、なぁ(イェー)
※アルバムタイトル『Owl Pharaoh(フクロウのファラオ)』のコンセプトに合わせた、古代エジプトのモチーフ。敵を巨大な遺跡に埋めて隠蔽するというスケールのデカい脅し文句。

Sip Merlot, watch us make the champagne rain (Yeah)
メルロー(赤ワイン)を啜りながら、俺たちがシャンパンの雨を降らせるのを見てな(イェー)

Let my ding-a-lang hang (Ye-yeah)
俺のイチモツをぶら下げてやるよ(イェー)
※チャック・ベリーの「My Ding-a-Ling」などに由来するスラング。股間のものをぶら下げる=完全にリラックスし、誰の目も気にせず堂々と振る舞うというフレックス。

I'm a southside nigga where the 'caine reign (Ye-yeah)
俺はコカインが支配するサウスサイドの人間だ(イェー)
※トラヴィスの地元であるヒューストンのサウスサイドへのレペゼン。「'caine」はコカインの略称。

We runnin', summers, we runnin', spring and fall, joggin' be nothing
俺たちは夏も走る、春も秋も走り続ける、ジョギングなんて大したことねえ

Winter, they cuffin', cuffin' them up as they lovin'
冬になれば奴らは手錠をかける、愛し合いながら手錠をかけるんだ
※「cuffing」は冬の寒さで外に出ず恋人とイチャイチャする時期(Cuffing Season)のスラングと、警察がストリートの人間を「手錠で捕まえる(cuff)」という二重の意味を持つ秀逸な言葉遊び。

The same month as my niggas stuffin' (Yeah)
俺のダチ共がブツを詰め込んでるのと同じ月にな(イェー)

Ridin' through, rockin', Shaka Zulu (Yeah)
車で駆け抜け、揺らすんだ、シャカ・ズールーみたいにな(イェー)
※シャカ・ズールーは南アフリカのズールー王国を築いた伝説の猛将。彼の戦士のように獰猛なスタイルでフッドをドライブする描写。

Block Crip or whole family blue; bloody, yeah, su-woo
ブロックのクリップス、あるいは家族全員がブルー、血塗られてるぜ、あぁ、ス・ウー
※LAの二大ストリートギャングである「Crips(シンボルカラーは青)」と「Bloods(シンボルカラーは赤)」への言及。「su-woo」はBloodsのメンバー同士の挨拶(コール)。危険なストリートカルチャーの象徴として引用している。

Ain't you supposed to preach what you practice?
お前は「自分が実践していることを説く」べきなんじゃないのか?
※「Practice what you preach(口だけでなく実践しろ)」という有名なことわざを逆転させ、「お前は説教ばかりで何も実践していないフェイク野郎だ」とディスしている。

Put a rubber on if you stabbin'
ヤル(刺す)気ならゴムをつけろよ
※「stabbin'」はナイフで刺すことと、セックスすることのダブルミーニング。ストリートの暴力と性行為の生々しさを重ね合わせた表現。

Get baptized if you baptist, but ain't it evil to live backwards (Yeah)
バプテスト派なら洗礼を受けな、だが逆行して生きるのは邪悪じゃないか?(イェー)

Holy Ghost, hold on
聖霊よ、ちょっと待ってくれ

Chakalu blakalu los: that's tongue for you niggas who lost
チャカル・ブラカル・ロス:これは道に迷ったお前らクソ野郎共に向けた「異言」だ
※「tongue」はキリスト教(特にペンテコステ派)における「異言(Speaking in tongues)」。聖霊(Holy Ghost)に満たされた者がトランス状態で語る、常人には理解不能な神秘の言語のこと。トラヴィス自身が神がかった次元に到達しており、凡人には理解できない高みにいることを示す強烈なパンチライン。

[Chorus]

I-I-I-I got diamonds on my blocka, serve it to my flocka
俺のシマ(ブロック)にはダイヤモンドがある、仲間に捌いてやるのさ

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah), to my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー)、俺の仲間にな(オー、イェー、イェー、イェー)

Pray to Lord on my shotta, she be proper (Uh, uh)
俺のシャッタのために神に祈る、あの子はイケてるぜ(アー、アー)

Yeah, that's my flocka (Ooh, yeah, yeah, yeah, ooh, yeah, yeah, yeah)
あぁ、それが俺の仲間だ(オー、イェー、イェー、イェー、オー、イェー、イェー、イェー)