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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Grey - Travis Scott 【和訳・解説】

Artist: Travis Scott

Album: Days Before Rodeo

Song Title: Grey

概要

トラヴィス・スコットのミックステープ『Days Before Rodeo』の終盤に配置された本作は、彼の地元であるテキサス州ミズーリ・シティ(Mo City)での過酷な過去と、道を踏み外してしまった友人へのメランコリックな鎮魂歌である。「Grey(灰色)」というタイトルは、一見平和な郊外に見える地元の裏側に潜む貧困や犯罪、そしてドラッグによる憂鬱な精神状態を象徴している。大学中退を巡る父親との殴り合いの末に家を飛び出したエピソードや、顔に「Killer」とタトゥーを彫り刑務所行きとなった旧友への悲痛な思いが、ショーン・キングストンをバックコーラスに迎えた哀愁漂うサウンドに乗せて切実に語られる。スターダムの影にある彼の生々しいルーツが刻まれた初期の重要曲だ。

和訳

[Chorus: Travis Scott & Sean Kingston]

We wake up when the sun goes down
太陽が沈む頃に俺たちは目を覚ます
※夜行性のライフスタイル。音楽制作やストリートのハッスル、ドラッグの摂取など、夜の世界で生きる彼らの生態を表している。

Neighbor says the smell's too loud
隣人は匂いが強すぎる(うるさい)って文句を言う
※「loud」は音がうるさいという意味に加え、強烈な匂いを放つ極上の大麻(Loud)を指すスラング。マリファナの匂いが隣の家まで充満している状況。

Ridin' in my old-school thing
オールドスクールな愛車でドライブする

Shotgun with my old-school babe
助手席(ショットガン)には昔からのイイ女を乗せてな

So wake me when the sun goes down
だから、太陽が沈む頃に俺を起こしてくれ

Tonight's my last night in town
今夜がこの街(地元)で過ごす最後の夜だから
※音楽で成功を掴むため、地元テキサスを離れてLAやNYへ旅立つ前夜の心境。

I pledge to a flag so grey
俺は灰色の旗に忠誠を誓う
※アメリカの「忠誠の誓い(Pledge of Allegiance)」のパロディ。「Grey」の旗は、ストリートの憂鬱な現実やモラルが曖昧なグレーゾーン、あるいは彼自身のダークなアイデンティティへの忠誠を示している。

No matter what time, the skies are grey
いつ見上げても、空は灰色に曇ってるんだ

[Verse 1: Travis Scott]

Ooh, around this time, was starving, no Ramadan
あぁ、あの頃は腹を空かせてた、ラマダン(断食月)でもないのにな
※宗教的な断食(ラマダン)ではなく、単に金がなくて食えなかったゲットーの極貧時代を振り返っている。

Yeah, might've robbed you blind, you, you, you, your dad and moms
イェー、お前らから身ぐるみ剥いでたかもな、お前、お前、お前、それからお前の両親からも

Yeah, keep that in mind, fear two things, being broke and dying
あぁ、肝に銘じておけ、俺が恐れるのは「一文無しになること」と「死ぬこと」の2つだけだ

Yeah, jump your ass inside, LSD, come take this ride
さあ、さっさと乗り込みな、LSD、一緒にこのトリップ(旅)に出ようぜ

No A-C-I-D, how you get your ass inside
アシッド(LSD)無しで、どうやってお前を乗せたと思う?
※「A-C-I-D」はLSDの隠語。ここでは実際の薬物を使わなくても、トラヴィスの音楽やオーラだけで相手をトランス状態(トリップ)に引きずり込めるという絶対的な自信。

Yeah, take one peek at me, you might get lost in my mind
俺を少しでも覗き込めば、俺の頭の中で迷子になっちまうかもな

Yeah, fuck that college shit, that scholarship, let's hypnotize (Grey)
あぁ、大学なんてクソくらえだ、奨学金もな、さあ催眠(ヒプノタイズ)をかけてやるよ(グレー)
※トラヴィスはテキサス大学サンアントニオ校を親に内緒で中退して音楽の道へ進んでいる。真っ当な学歴ルートを捨て、音楽で人々を魅了(催眠)するという決意。

Yeah, ooh (Uh)
イェー、ウー(アー)

[Chorus: Travis Scott]

We wake up when the sun goes down
太陽が沈む頃に俺たちは目を覚ます

Neighbor says the smell's too loud
隣人は匂いが強すぎる(うるさい)って文句を言う

Ridin' in my old-school thing
オールドスクールな愛車でドライブする

Shotgun with my old-school babe
助手席には昔からのイイ女を乗せてな

So wake me when the sun goes down
だから、太陽が沈む頃に俺を起こしてくれ

Tonight's my last night in town
今夜がこの街(地元)で過ごす最後の夜だから

I pledge to a flag so grey (No matter what time)
俺は灰色の旗に忠誠を誓う(いつ見上げても)

No matter what time, the skies are grey
いつ見上げても、空は灰色に曇ってるんだ

[Bridge: Travis Scott]

(Grey)
(グレー)

Yeah, oh (Grey)
イェー、オー(グレー)

Yeah (Grey)
イェー(グレー)

Yeah, oh (Uh-huh, grey)
イェー、オー(アハ、グレー)

The sky is grey (Grey)
空は灰色だ(グレー)

Mmm-mm-mm (Grey)
ンー・ンー・ンー(グレー)

Mmm-mm-mm (Grey)
ンー・ンー・ンー(グレー)

The sky is grey (Uh-huh)
空は灰色だ(アハ)

Woah (Grey)
ウォウ(グレー)

Yeah, yeah (Grey)
イェー、イェー(グレー)

Woah (Grey)
ウォウ(グレー)

Yeah, yeah (Uh-huh)
イェー、イェー(アハ)

The sky is grey
空は灰色だ

Yeah, yeah, the sky is grey
イェー、イェー、空は灰色だ

Mmm, ooh (Grey)
ンー、ウー(グレー)

[Verse 2: Travis Scott]

Might be the last time I trip
俺がトリップするのはこれが最後かもな

I know I said this shit last time, but damn, I never had a trip like this
前回も同じことを言ったのは分かってる、だがクソ、こんなヤバいトリップは初めてだぜ

Who knew a threeway on freeway
フリーウェイでの3P(スリーウェイ)が

Can trip with three hoes to a six-way?
3人のビッチとのトリップで、6P(シックスウェイ)に発展するなんて誰が予想した?

Ain't gotta finesse out the midway
中間地点で上手く立ち回る(フィネスする)必要はねえ

So Bird can wrap birds in that Ben-Gay
バードがあのベンゲイで「バード(コカイン)」を包めるようにな
※「Bird」はトラヴィスの地元のドラッグディーラーのダチ、または1キロのコカインの隠語。「Ben-Gay(ベンゲイ)」は強烈なメンソールの匂いがする筋肉痛用の塗り薬。警察の麻薬探知犬の嗅覚をごまかすために、コカインのパッケージにベンゲイを塗るというストリートのリアルな密輸テクニック。

No more, goddamn
もうごめんだ、ガッデム

And pops never gave me shit
親父は俺に何も与えちゃくれなかった

But pops ain't raised no bitch
だが、親父は俺をビッチ(弱虫)に育てたわけじゃねえ

I swung, I missed, he swung, he hit, then I hit that ditch
俺が殴りかかり、空振りした。親父が殴りかかり、命中した。それから俺は溝(ディッチ)に転がり落ちたのさ
※トラヴィスが大学中退を親に告白した際、激怒した父親と実際に殴り合いの喧嘩になり、家を追い出された(ditchに落ちた)という有名な実話の生々しい描写。

Raised in a town where they looked so good outside like it ain't that serious
外から見ればすごく良い街に見えるから、そこまで深刻じゃないように思われがちな街で育ったんだ
※ミズーリ・シティの中流階級向け住宅街(Meadow Creekなど)の見た目とは裏腹に、実際には犯罪やドラッグが蔓延している地元環境の二面性(Grey)を指摘している。

My nigga got dumb years doing dumb shit
俺のダチは、バカなことをやらかして、途方もない(バカげた)年数の刑期を食らっちまった

Locked up in the car, had to pull a gun quick
車の中に閉じ込められて、咄嗟に銃を抜かなきゃならなかったんだ

Killer tatted on his face, leaked to his conscious
顔に「Killer(殺し屋)」とタトゥーを彫り、それがそいつの意識にまで染み込んじまった
※顔に過激なタトゥーを入れたことで、その言葉通りに自らのアイデンティティや行動(conscious)までもが暴力的に洗脳されてしまった友人の悲劇。

Now he stuck in a cell, know he feeling nauseous
今じゃそいつは独房の中に閉じ込められてる、さぞかし吐き気(自己嫌悪)を感じてるだろうな

The nigga so good, he was so cold
あいつは本当にいい奴だった、最高にクールな奴だったのにな

Another lost kid, Mo City soul
また一人、迷えるキッズが消えた、MOシティの魂さ
※「Mo City」はミズーリ・シティの愛称。この曲全体が、過酷な環境で道を踏み外して刑務所に入ってしまった旧友への哀悼とトリビュートであることを締めくくっている。

[Outro: Travis Scott]

The sky is grey, woah, go
空は灰色だ、ウォウ、行け

Mmm, mmm, yeah
ンー、ンー、イェー