Artist: Travis Scott
Album: Days Before Rodeo
Song Title: Zombies
概要
トラヴィス・スコットのミックステープ『Days Before Rodeo』に収録された本作は、Lex Luger(レックス・ルガー)が手掛けたダークでバウンシーなトラップビートの上で、新世代のキッズたちを「ゾンビ」に見立てた反逆のアンセムである。楽曲を通して「They(古いシステム、音楽業界の大人たち、保守的な大人)」に対するフラストレーションと決別がコーラスで合唱されており、トラヴィスが自身のファンベース(キッズ)を率いるカルト・リーダーとして覚醒していく様子が描かれている。言葉遊びやポップカルチャーへの言及(デニーズ、プラウドファミリー、リーボックなど)を随所に散りばめながら、旧来のヒエラルキーを破壊し、自分たちだけの熱狂的なユートピア(あるいはディストピア)を築き上げるという強烈な意思表示が込められた一曲だ。
和訳
[Intro]
And the kids sing
そしてキッズたちが歌う
Ooh
ウー
Yeah, I like that, I like that
あぁ、いいぞ、最高だ
Yeah, kids sing
あぁ、キッズたち、歌え
[Chorus]
We will understand if they don't (Louder)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(もっとデカい声で)
※「they」はトラヴィスの革新的なサウンドや若者のカルチャーを理解しない古い世代や、音楽業界のシステムを指す。周囲の大人たちに理解されなくても、自分たち(キッズ)のコミュニティさえあればいいというインディペンデントな宣言。
We don't want they bullshit no more (Yell louder)
奴らの戯言はもうごめんだ(もっと叫べ)
We will understand if they don't (Yeah, yeah)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(イェー、イェー)
We don't want they bullshit no more (Yeah)
奴らの戯言はもうごめんだ(イェー)
[Verse 1]
Alright, alright, she take too many martinis
よし、分かった、あの子はマティーニを飲みすぎたな
She slip straight out bikini (Straight up)
そのままビキニを滑り落とす(間違いないぜ)
She let me grand slam outside the Denny's (Straight up)
デニーズの外で、あの子は俺に「グランドスラム」をさせてくれたぜ(間違いないぜ)
※「Grand Slam」はアメリカのファミリーレストラン「Denny's(デニーズ)」の定番の朝食メニューの名前。それを「性行為を最後までヤり遂げること(ホームランを打つこと)」に掛けた下品でユーモラスな言葉遊び。
How we gon' get Oscar proud if they pay us pennies? (La Flame)
奴らが俺たちに「ペニー(はした金)」しか払わないなら、どうやって「オスカー・プラウド」になれるってんだ?(ラ・フレイム)
※ディズニー・チャンネルのアニメ『The Proud Family』の父親キャラクター「Oscar Proud(オスカー・プラウド)」と、その娘「Penny(ペニー)」の名前を使った極めて高度なダブルミーニング。はした金(ペニー)しか還元しない音楽業界の搾取構造を批判し、それでは家族を誇らしく養えない(プラウドになれない)と訴えている。
I'ma need my dollars now, stack it 'til they envy
俺は今すぐ金(ドル)が必要なんだ、奴らが嫉妬するまで積み上げてやる
You feel me? (Skrrt)
言ってる意味が分かるか?(スキール音)
The kids, they need that
キッズたち、あいつらはそれを求めてるんだ
※キッズ(ファン)は、トラヴィスが業界に媚びず、自分たちの力で成功を収める姿(ロールモデル)を求めているということ。
I get that feedback, sit back, relax (That dope)
俺はそのフィードバックを受け取り、深く座ってリラックスする(あのドープ)
I'm on that relapse
俺はまた(ドラッグに)手を出してる
Your ass gon' die if you blow my high
俺のハイな気分を台無しにするなら、お前は死ぬぜ
I been over coastin', just was beatin' in my Lotus (Straight up)
俺はずっと海岸線を流してた、ロータスの中でビートを鳴らしながらな(間違いないぜ)
※「Lotus」はイギリスの高級スポーツカー。
All that loud talk like your dope, we never noticed (La Flame)
お前は自分がドープ(最高)だみたいにデカい口を叩くが、俺たちは気付きもしなかったぜ(ラ・フレイム)
You ain't feelin' it, nigga, 'cause you sober (Straight up)
お前はこれを感じられないんだ、野郎、だってお前はシラフ(つまらない奴)だからな(間違いないぜ)
I'm ballin' in the game with players, you behind the coaches
俺はプレイヤーたちとゲームで大活躍(ボール)してるが、お前はコーチの後ろ(ベンチ)にいるんだよ
※「ballin'」はバスケットボールで活躍することと、ラッパーとして大金を稼ぐことの掛詞。
Come take a trip on my lair by the Third Coast and
サード・コーストの側にある俺の隠れ家(レア)にトリップしに来いよ、そして
※「Third Coast(第三の海岸)」は、東海岸(East Coast)と西海岸(West Coast)に対抗する、メキシコ湾岸(テキサスなどのサウス地域)の呼称。トラヴィスの地元ヒューストンへのレペゼン。
Come floatin'
一緒に宙に浮こうぜ
La di, da, di, da, di, all the kids shout at the party
ラ・ディ、ダ・ディ、ダ・ディ、パーティーでキッズたちがみんな叫んでる
※Slick RickとDoug E. Freshのクラシック曲「La Di Da Di」へのオマージュ。
[Chorus]
We will understand if they don't (Yeah, yeah)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(イェー、イェー)
We don't want they bullshit no more (Yeah, I like that, I like that, yeah, kids sing)
奴らの戯言はもうごめんだ(あぁ、いいぞ、最高だ、あぁ、キッズたち、歌え)
We will understand if they don't (Yeah, louder, yeah)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(あぁ、もっとデカい声で、あぁ)
We don't want they bullshit no more (Yell louder, yeah)
奴らの戯言はもうごめんだ(もっと叫べ、あぁ)
[Interlude]
You know, when I was fourteen
なぁ、俺が14歳だった頃
I wanted to do a lot of kick-ass shit
最高にヤバい(キック・アスな)ことをたくさんやりたかったんだ
Yeah, uh
あぁ
[Verse 2]
Pornographic, so dramatic, cinematic
ポルノチックで、すごくドラマチックで、シネマティックだ
Diamond flashes, so Jurassic, dress so classic
ダイヤモンドが瞬く、まるでジュラシック(途方もなくデカい)だ、ドレスはすごくクラシックだ
※「Jurassic」は映画『ジュラシック・パーク』の恐竜のように、自分の着けているダイヤが規格外に巨大で古い(価値がある)ことの比喩。
Roll that cabbage, get put in casket, you dope fanatic
そのキャベツ(ウィード)を巻け、棺桶(カスケット)に入れられちまうぜ、このドープ狂いが
※「cabbage」は緑色の大麻(ウィード)や金のスラング。
You the baddest, I'm sarcastic, we both laughin'
君は最高にイイ女(バッデスト)で、俺は皮肉屋(サーカスティック)だ、俺たちは二人で笑ってる
I'm the baddest, I'm out in traffic, four engine backin'
俺は最高にヤバい奴(バッデスト)だ、渋滞の中を抜け出す、4つのエンジンが背中を押してる
Stuffed in Suburban, twelve bitches straight out the beauty pageant
サバーバン(大型SUV)に詰め込まれる、美人コンテストから直行してきた12人のビッチ共
※シボレー・サバーバンに大量の美女を乗せて走るロックスターの日常。
You know Reebok keep La feet hot, they be shipping package
リーボックがラ(・フレイム)の足元を常にホットにしてくれてるのを知ってるだろ、奴らが荷物(パッケージ)を送ってくるんだ
※当時トラヴィスはReebokと公式なパートナーシップを結んでおり、「Classic Leather」などのモデルを愛用していた。スポンサーから常に最新のスニーカーが提供される特権のフレックス。
GL 600 or the Palace, that collab with Classics
GL 600(ベンツ)かパレス、あれはクラシック(リーボック)とのコラボだ
Tell me what you need, I got everything green
何が必要か言ってみな、俺はグリーン(金、大麻)なら何でも持ってるぜ
Money, money, money trees, I buy everything
金、金、金のなる木、俺は何でも買うぜ
※Kendrick Lamarの名曲「Money Trees」へのオマージュ。
That bitch need no wedding ring, she need a bean
あのビッチに結婚指輪は必要ねえ、あの子が必要なのはビーン(ドラッグ)だ
※「bean」はMDMA(エクスタシー)の錠剤のスラング。愛や結婚といったロマンチックな未来よりも、刹那的な快楽(ドラッグ)を求める退廃的な関係。
Uh, that boy walked in mall, that boy, he need a beam
あぁ、あのボーイがモールに入ってきた、あいつにはビーム(レーザーサイト)が必要だな
※敵対するギャングやヘイターがモールに現れた際、銃のレーザーポインター(beam)で狙いを定めるという物騒なストリートの警戒。
Dog, I done fucked her twice, you bought her Fendi things
なぁ、俺はあの子と2回もヤッたぜ、お前はあの子にフェンディの品物を買ってやったのにな
※「フェイクな男はブランド物を買い与えてもヤレないが、自分は何も買わずにヤッている」という、トラップミュージックにおける定番の寝取りフレックス。
I done sipped the Act', now I'ma leany fiend
俺はアクタヴィスを飲み干した、今じゃ俺はリーン中毒者(フィーンド)だ
※「Act'」は当時最高級とされた咳止めシロップのブランド「Actavis(アクタヴィス)」。過剰摂取により製造中止となった伝説的なドラッグ。
Dog, I can do this by myself, don't need no team
なぁ、俺は一人でこれができるんだ、チームなんて必要ねえよ
No, I got all these kids and all these kids gon' sing
いや、俺にはこのキッズたちがついている、そしてこのキッズたちがみんな歌ってくれるんだ
※業界の後ろ盾(team)がなくても、自分を狂信的に支持するファンベース(kids)さえいれば、彼らがゾンビのように熱狂して自分を頂点へと押し上げてくれるという、インディペンデント・アーティストとしての究極の自信とアルバムのテーマの総括。
[Chorus]
We will understand if they don't (Yeah, yeah)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(イェー、イェー)
We don't want they bullshit no more (Yeah, mm)
奴らの戯言はもうごめんだ(イェー、んー)
We will understand if they don't (Yeah, yeah)
奴らが理解しなくたって、俺たちは分かり合える(イェー、イェー)
We don't want they bullshit no more (Yeah)
奴らの戯言はもうごめんだ(イェー)
