Artist: Lil Nas X & Jack Harlow
Album: MONTERO
Song Title: INDUSTRY BABY
概要
2021年リリースのデビューアルバム『MONTERO』に収録された特大アンセム。Kanye WestとTake a Daytripが共同プロデュースを手掛けた壮大なホーン・ビートに乗せ、Lil Nas Xが「一発屋」という世間の冷笑を打ち砕き、絶対的な勝利を宣言するトラックである。「Old Town Road」での未曾有の成功後、ナイキのサタンシューズ訴訟など数々の炎上を経験しながらも、自らが「業界の寵児(Industry Baby)」であることを証明してみせた。刑務所を舞台にしたクィアで挑発的なMVも世界中で物議を醸した。ケンタッキー出身の白人ラッパー、Jack Harlowによる滑らかな客演も相まって、全米ビルボードHot 100で1位を獲得し、彼の地位を揺るぎないものにした現代ヒップホップの金字塔である。
和訳
[Intro: Lil Nas X]
(D-D-Daytrip took it to ten, hey)
(デイトリップがレベル10まで引き上げたぜ、ヘイ)
※プロデューサー・デュオ「Take a Daytrip」のシグネチャータグ。
Baby back, ayy, couple racks, ayy
ベイビーが戻ってきたぜ、エイ。数千ドル(ラックス)の札束を抱えてな、エイ
Couple Grammys on him, couple plaques, ayy
グラミー賞もいくつか持ってるし、プラチナムの盾(プラーク)もいくつかあるぜ、エイ
※彼が「Old Town Road」で2020年のグラミー賞を2部門受賞したこと、そして数え切れないほどのプラチナ認定(盾)を獲得した絶対的な実績のフレックス。
That's a fact, ayy, throw it back, ayy
紛れもない事実さ、エイ。そのケツを振ってくれよ、エイ
※「throw it back」はトゥワーク(ケツを後ろに突き出して振るダンス)を促すスラング。
Throw it back, ayy
ケツを振ってくれよ、エイ
[Pre-Chorus: Lil Nas X]
And this one is for the champions
そしてこれは、チャンピオンたちのための曲だ
I ain't lost since I began, yeah
このゲームを始めてから、俺は一度も負けたことがねえんだよ、イェー
Funny how you said it was the end, yeah
お前らが「あいつはもう終わりだ」って言ってたのが笑えるぜ、イェー
※「Old Town Road」のヒット直後に「どうせ一発屋だ」と彼を嘲笑していたヘイターやメディアに対する痛烈な皮肉。
Then I went did it again, yeah
そして俺は、またもや特大ヒットをカマしてやったのさ、イェー
[Chorus: Lil Nas X]
I told you long ago on the road
ずっと前にあの道(Old Town Road)で、お前らに言ったよな
※自身のブレイク作「Old Town Road」への言及。彼が音楽業界への道を切り開いた原点。
I got what they waiting for
奴らが待ち望んでるものを、俺は持ってるんだって
I don't run from nothing, dog
俺はどんなことからも逃げねえよ、なぁ
Get your soldiers, tell 'em I ain't layin' low
お前の兵隊(取り巻き)を集めて、俺は大人しく(レイ・ロウ)する気なんてねえって伝えておけ
You was never really rooting for me anyway
どうせお前は、俺のことなんて本気で応援してなかったんだろ
※成功した途端に擦り寄ってくるフェイクな関係性や、炎上した途端に掌を返す大衆心理を見透かしている。
When I'm back up at the top, I wanna hear you say
俺がまた頂点(トップ)に返り咲いた時、お前の口から聞かせてほしいね
He don't run from nothin', dog
「あいつは何からも逃げない」ってな、なぁ
Get your soldiers, tell 'em that the break is over
お前の兵隊を集めて、休憩時間はもう終わりだって伝えてやれ
[Verse 1: Lil Nas X]
Uh, need to, uh
アー、やらなきゃな、アー
Need to get this album done
このアルバムを完成させなきゃならねえ
Need a couple number onеs
ナンバーワン・ヒットもいくつか必要だ
Need a plaque on every song
全曲にプラチナ認定の盾(プラーク)が必要だぜ
Need mе like one with Nicki now
今なら、ニッキーとのコラボ曲も作れそうだな
※Lil Nas Xは音楽活動以前、Nicki Minajの熱狂的なファンアカウント(Barb)である「@NasMaraj」を運営していた。かつてはいちファンに過ぎなかった彼が、今や憧れの女王とコラボできる地位にまで上り詰めたという感動的なフレックス。
Tell a rap nigga I don't see ya, hah
ラッパー気取りの奴らに伝えておけ、お前らなんか眼中にねえよ、ハッ
I'm a pop nigga like Bieber, hah
俺はジャスティン・ビーバーみたいなポップスターだからな、ハッ
※ヒップホップという枠組みや、旧態依然としたラップゲームの競争からすでに脱却し、世界的なポップ・アイコンへと変貌を遂げたという宣言。
I don't fuck bitches, I'm queer, hah
俺はビッチとはヤらねえよ、俺はクィア(ゲイ)だからな、ハッ
※ヒップホップにおける「ビッチとヤる」という異性愛規範的でマッチョな定番フレックスを、自身のセクシュアリティを用いて痛快に裏切る歴史的なパンチライン。
But these niggas bitches like Madea, yeah, yeah, yeah, ayy (Yeah)
でもお前ら男共は、マデアみたいに女々しいビッチだよな、イェー、イェー、イェー、エイ(イェー)
※「Madea(マデア)」は、俳優タイラー・ペリーが特殊メイクで演じる、口うるさいおばあちゃんのコメディキャラクター。ホモフォビアを振りかざして彼を攻撃するストレートの男たちの方が、よっぽど「女々しいビッチ」のようだと嘲笑している。
Oh, let's do it
オー、やってやろうぜ
I ain't fall off, I just ain't release my new shit
俺は落ち目(フォール・オフ)になったわけじゃねえ、ただ新曲を出してなかっただけだ
I blew up, now everybody tryna sue me
俺が大ブレイクした途端、誰も彼もが俺を訴えようとしやがる
※「Old Town Road」のビートにおける無断サンプリング訴訟(The Music Forceとの和解)や、人間の血を入れた「サタンシューズ」を販売した際のナイキからの商標権侵害訴訟など、成功に伴って降りかかった数々の法的トラブルへの言及。
You call me Nas, but the hood call me Doobie, yeah
お前らは俺をNasって呼ぶが、フッド(地元)じゃドゥービーって呼ばれてたんだぜ、イェー
※「Doobie」はマリファナのジョイントを指すスラングであり、彼がブレイクする前に地元でよく大麻を吸っていたことから付けられていた古いあだ名。
[Pre-Chorus: Lil Nas X]
And this one is for the champions
そしてこれは、チャンピオンたちのための曲だ
I ain't lost since I began, yeah
このゲームを始めてから、俺は一度も負けたことがねえんだよ、イェー
Funny how you said it was the end, yeah
お前らが「あいつはもう終わりだ」って言ってたのが笑えるぜ、イェー
Then I went did it again, yeah
そして俺は、またもや特大ヒットをカマしてやったのさ、イェー
[Chorus: Lil Nas X]
I told you long ago on the road
ずっと前にあの道(Old Town Road)で、お前らに言ったよな
I got what they waiting for (I got what they're waiting for)
奴らが待ち望んでるものを、俺は持ってるんだって(俺は奴らが求めてるものを持ってる)
I don't run from nothing, dog
俺はどんなことからも逃げねえよ、なぁ
Get your soldiers, tell 'em I ain't layin' low (Bitch, I ain't runnin' from nowhere)
お前の兵隊(取り巻き)を集めて、俺は大人しく(レイ・ロウ)する気なんてねえって伝えておけ(ビッチ、俺はどこからも逃げねえよ)
You was never really rooting for me anyway (Ooh, ooh)
どうせお前は、俺のことなんて本気で応援してなかったんだろ(オー、オー)
When I'm back up at the top, I wanna hear you say (Ooh, ooh)
俺がまた頂点(トップ)に返り咲いた時、お前の口から聞かせてほしいね(オー、オー)
He don't run from nothin', dog
「あいつは何からも逃げない」ってな、なぁ
Get your soldiers, tell 'em that the break is over (Yeah)
お前の兵隊を集めて、休憩時間はもう終わりだって伝えてやれ(イェー)
[Verse 2: Jack Harlow]
My track record so clean, they couldn't wait to just bash me
俺の実績(トラック・レコード)が綺麗すぎるから、奴らは俺をバッシングしたくてウズウズしてたんだ
I must be gettin' too flashy, y'all shouldn't have let the world gas me (Woo)
俺は派手になりすぎたのかもな、お前らが俺を世界中で煽て(ガス)るからだぜ(ウー)
It's too late 'cause I'm here to stay and these girls know that I'm nasty (Mmm)
もう手遅れさ、俺はここに居座るし、女たちは俺がエロい(ナスティ)ってこと知ってるからな(ンー)
I sent her back to her boyfriend with my handprint on her ass cheek
彼女のケツの頬に俺の手形を残したまま、彼氏の元へ送り返してやったよ
City talkin', we takin' notes
街が噂してる、俺たちはそれをメモに取ってるぜ
Tell 'em all to keep makin' posts
奴らには、そのままSNSで投稿(ポスト)し続けろって伝えてな
※ヘイターたちがSNSで批判すればするほど、それが宣伝(アルゴリズムの燃料)になり自分たちの利益に繋がるという、ネット社会のバズの構造を皮肉っている。
Wish he could, but he can't get close
あいつも俺に近づきたいんだろうが、足元にも及ばないさ
OG so proud of me that he chokin' up while he makin' toasts
OG(地元の先輩)も俺を誇りに思ってくれてて、乾杯の挨拶をしながら感極まってむせび泣いてるよ
I'm the type that you can't control, said I would, then I made it so
俺は誰にもコントロールできないタイプだ。「やる」と言ったら、その通りに実現してきたんだ
I don't clear up rumors (Ayy), where's y'all sense of humor? (Ayy)
俺は噂の火消しなんてしねえ(エイ)、お前らのユーモアのセンスはどこ行っちまったんだ?(エイ)
I'm done makin' jokes 'cause they got old like baby boomers
冗談を言うのはもう終わりだ、だって奴らはベビーブーマーみたいに古臭くなっちまったからな
※自分に対する批判や噂話が、まるで年配のベビーブーム世代(ブーマー)のように時代遅れでつまらないものであるという揶揄。
Turned my haters to consumers, I make vets feel like they juniors (Juniors)
アンチ(ヘイター)すらも俺の音楽の消費者(コンシューマー)に変えてやった。俺はベテラン(ヴェッツ)共を、ただの若造(ジュニア)みたいな気分にさせてやるよ(ジュニアにな)
Say your time is comin' soon, but just like Oklahoma (Mmm)
お前は「俺の時代ももうすぐ(soon)来る」なんて言ってるが、オクラホマみたいにな(ンー)
Mine is comin' sooner (Mmm), I'm just a late bloomer (Mmm)
俺の時代の方がもっと早く来る(sooner)ぜ(ンー)。俺はただの大器晩成(レイト・ブルーマー)なだけさ(ンー)
※Geniusで絶賛されたJack Harlowの知的なワードプレイ。オクラホマ大学のスポーツチームの愛称「Sooners(スーナーズ)」と、「sooner(より早く)」を掛けている。彼自身のフロウの巧みさが光るライン。
I didn't peak in high school, I'm still out here gettin' cuter (Woo)
俺は高校時代にピークを迎えたわけじゃねえ。俺は今でもどんどん魅力的(キュート)になってるぜ(ウー)
All these social networks and computers
このSNSやコンピューターのおかげで
Got these pussies walkin' 'round like they ain't losers
負け犬の腰抜け共が、いっちょ前にデカい顔して歩き回るようになっちまったな
※画面の向こうに隠れて安全な場所から匿名で誹謗中傷を行うネット上のヘイターたちを一蹴している。
[Chorus: Lil Nas X]
I told you long ago on the road
ずっと前にあの道(Old Town Road)で、お前らに言ったよな
I got what they waiting for (I got what they waiting for)
奴らが待ち望んでるものを、俺は持ってるんだって(俺は奴らが求めてるものを持ってる)
I don't run from nothing, dog
俺はどんなことからも逃げねえよ、なぁ
Get your soldiers, tell 'em I ain't layin' low (Bitch, I ain't runnin' from nowhere)
お前の兵隊(取り巻き)を集めて、俺は大人しく(レイ・ロウ)する気なんてねえって伝えておけ(ビッチ、俺はどこからも逃げねえよ)
You was never really rooting for me anyway
どうせお前は、俺のことなんて本気で応援してなかったんだろ
When I'm back up at the top, I wanna hear you say
俺がまた頂点(トップ)に返り咲いた時、お前の口から聞かせてほしいね
He don't run from nothin', dog
「あいつは何からも逃げない」ってな、なぁ
Get your soldiers, tell 'em that the break is over
お前の兵隊を集めて、休憩時間はもう終わりだって伝えてやれ
[Outro: Lil Nas X]
Yeah
イェー
I'm the industry baby, mmm
俺こそが、この業界の寵児(インダストリー・ベイビー)なんだよ、ンー
※「業界の操り人形」という意味合いで使われることもある言葉を逆手に取り、自らが音楽業界の中心に君臨する巨大な存在であることを誇示して締めくくっている。
I'm the industry baby
俺こそが、業界の寵児なんだよ
Yeah
イェー
