UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

DEVOTION - Justin Bieber & Dijon 【和訳・解説】

Artist: Justin Bieber & Dijon

Album: SWAG

Song Title: DEVOTION

概要

アルバム『SWAG』に収録された「DEVOTION(献身)」は、インディーR&B/オルタナティヴ界の寵児であるDijon(ディジョン)をフィーチャーした、極めてオーガニックで親密なソウル・ナンバーである。メガスターとしての派手な生活から距離を置き、自宅のパティオでの談笑や、テレビを見ながら寄り添うといった「何気ない日常の尊さ」が、温かみのあるアコースティックなサウンドに乗せて歌い上げられている。タイトルの「Devotion」は単なる恋愛感情を超えた、宗教的とも言える深い献身や絶対的な愛を意味する。妻ヘイリー・ビーバーとの穏やかな結婚生活の中で、彼がいかにして「普通の人としての幸せ」とメンタルヘルスの安定を取り戻したのかが、Dijonの持つザラついたソウルフルな歌声との見事な化学反応を通して伝わってくる名曲だ。

和訳

[Verse 1: Justin Bieber]

I'm startin’ to be open to
俺は少しずつ心を開き始めているんだ

The idea that you know me too
君が俺の全てを理解してくれているってことにね
※若くして名声を得たジャスティンは、長年にわたり周囲の大人たちやパパラッチへの強い不信感を抱え、他者に心を開くことに恐怖を抱いていた(トラウマやパラノイア)。しかし、ヘイリーとの結婚生活を通じて、自分をひとりの人間として深く理解してくれる存在に対し、徐々に心の防壁を下ろしている過程が描かれている。

I like it when you hold me to ya
君が俺を強く抱き寄せてくれるのが好きなんだ

And I like it when you scold me too, ah
それに、君が俺を叱ってくれるところもね、あぁ
※ジャスティンが過去のインタビューで度々語っているように、ヘイリーは彼を「特別なメガスター」としてではなく「ひとりの夫」として扱い、間違ったことにはしっかりと苦言を呈する(scold)。イエスマンばかりに囲まれて道を踏み外した過去を持つ彼にとって、自分と対等にぶつかり、正してくれる彼女の存在がいかに不可欠であるかを示している。

[Chorus: Justin Bieber]

Well, your lips and fingernails are all glowin'
君の唇も、指先も、全部が輝いて見えるよ

And I know that I should be going, but I need devotion
もう行かなくちゃいけないのは分かってる、でも俺には君の愛(献身)が必要なんだ

And you flick another ash out on the old, on the old patio, and I get to hopin'
古びたパティオで、君がまたタバコの灰を落とす。それを見て、俺はつい期待してしまうんだ
※「old patio(古びた中庭)」。超高級ホテルのペントハウスやレッドカーペットではなく、自宅のパティオでタバコを吸うという極めて日常的でプライベートな情景。派手なフラッシュから逃れ、愛する人と過ごすこの静寂で「退屈な」時間こそが、今のジャスティンが最も望んでいた生活(hopin')であることを象徴する美しい描写である。

[Verse 2: Justin Bieber & Dijon]

I’d rather take the long way home (Baby, I need it)
むしろ遠回りして家に帰りたいくらいさ(ベイビー、俺にはそれが必要なんだ)

So we can laugh and sing a couple more songs (You're so sweet to me, girl)
そうすれば、もう少し長く笑い合って、一緒に歌えるだろ(君は本当に俺に優しいね)

Stay up late and watch your favorite show (I'll carry you)
夜更かしして、君のお気に入りの番組を観よう(ベッドまで運んであげるよ)

Roll some weed and cuddle up real close
ウィードを巻いて、ぴったり寄り添い合うんだ
※かつて重度の薬物依存(プロメタジンやハードドラッグ)に苦しみ、生死の境を彷徨った彼が、現在はマリファナ等のよりマイルドな嗜好品を用いて妻とリラックスした時間を過ごしていることへの言及。破壊的な逃避ではなく、穏やかな生活の一部としてコントロールできている現在の安定した精神状態が窺える。

[Chorus: Justin Bieber]

When your lips and fingernails are all mine
君の唇も指先も、全てが俺のものになった時

I promise to take my time givin' you dеvotion
ゆっくりと時間をかけて、俺の全て(献身)を君に捧げるって約束するよ

When something's wrong, you can tell mе 'bout the whole thing
何か嫌なことがあったら、全部俺に話してくれよ

If you call out to me, I'll swing, leave the door open for me
君が呼んでくれればすぐに向かうから、俺のためにドアを開けておいて

[Verse 3: Dijon]

Ooh, I like it when you rock me steady (Just like a baby)
あぁ、君が俺を優しく揺らしてくれるのが好きなんだ(まるで赤ん坊みたいにね)

I don't mind it when you talk to me sideways, I don’t mind it
君がちょっとキツい言い方(文句)をしてきても、全然気にしないよ
※「talk to me sideways」は、皮肉や不満を言ったり、横柄な態度をとることを指すスラング。Verse 1の「scold me(叱る)」と同様に、パートナーとのリアルな摩擦すらも愛おしく受け入れる心の余裕を表現している。

I done read, I done learned every move of your body
君の体の動きは、もう全部読み取ったし、学び尽くしたんだ

Don’t waste another dime, that's good jukebox money
もう1ダイム(小銭)も無駄にしないで、それはジュークボックスに入れるための大事なお金だろ
※メリーランド出身のDijonらしい、古き良きアメリカーナやオールドスクールなR&Bの情景を喚起するノスタルジックなライン。ダイム(10セント硬貨)をジュークボックスに入れてスロージャムを流すという、レトロでロマンチックな世界観を持ち込んでいる。

And if you kiss me, I might yell out, "Hallelujah"
もし君がキスしてくれたら、俺は「ハレルヤ」って叫んじゃうかもしれない
※「Hallelujah(ハレルヤ=主を讃えよ)」。ジャスティンのディスコグラフィーにおいて極めて重要な「信仰(キリスト教)」と「ロマンス」の融合。愛する人からのキスを神からの恩寵のように神聖視する、アルバム全体に流れるスピリチュアルなテーマをDijonも共有している。

And if you miss me, I’m runnin' right to ya, givin' you devotion
俺を求めてくれるなら、君の元へ走っていくよ、俺の愛(献身)を捧げるために

And if you touch me, I might holler like, "Oh, man"
もし君が触れてくれたら、「オー、マン(最高だ)」って叫んじゃうよ

Baby, play another slow jam, give me some devotion
ベイビー、もう一曲スロージャムをかけて、君の愛を俺にちょうだい

[Outro: Justin Bieber & Dijon]

Sweet
甘いね

Sweet, all day
ずっと甘いよ、一日中

Sweet, all day, devotion
一日中ずっと甘い、この献身が

Sweet
甘いんだ

Sweet devotion
甘く、深い愛情さ