Artist: Eminem
Album: The Marshall Mathers LP
Song Title: Criminal
概要
ヒップホップ史に燦然と輝く大傑作『The Marshall Mathers LP』の最後を飾る、圧巻のグランドフィナーレである。同性愛嫌悪、女性蔑視、そして暴力描写で世界中から猛烈なバッシングを浴びていたエミネムが、社会やメディアから貼られた「犯罪者(クリミナル)」というレッテルを自ら嘲笑い、それを極限まで誇張して演じ切ってみせたマニフェスト的楽曲だ。冒頭で「俺の言うことを真に受ける奴はバカだ」と前置きしながらも、直後のヴァースで怒涛のホモフォビックなジョークや不謹慎なブラックユーモアをノンストップで乱射するその姿は、検閲や道徳的制約に対する究極の「中指」である。途中には本当に銀行強盗をして一般人を射殺するスキット(寸劇)まで挟み込み、フィクションと現実の境界線を意図的に破壊している。彼の言葉の鋭さ、ライミングの異常な精度、そしてエンターテイナーとしての無敵の反骨心が凝縮されたクラシックだ。
和訳
[Intro]
A lot of people ask me stupid fuckin' questions
多くの奴らが、俺にクソみたいにバカな質問をしてきやがる
※アルバムの最後を飾る曲の冒頭。エミネムがジャーナリストや世間に対して、静かに、しかし呆れたように語りかける。
A lot of people think that what I say on record
多くの奴らがこう思ってやがる。俺がレコードの上で言ってることや、
Or what I talk about on a record
レコードの上で語ってるようなことを、
That I actually do in real life or that I believe in it
俺が現実世界でも実際にやってるか、あるいは俺が本気でそう信じてるんだってな
※彼が作中で歌う暴力や差別的な表現を、「エンターテインメント(フィクション)」としてではなく「アーティストの思想そのもの」として糾弾する社会への苛立ち。
Or if I say that I wanna kill somebody
もし俺が「誰かを殺したい」って言ったら、
That I'm actually gonna do it or that I believe in it
俺が本当に殺人を犯すつもりだとか、本気でそう思ってるんだってな
Well, shit, if you believe that, then I'll kill you
まあ、クソッ、もしお前が本気でそう信じてるんなら、俺がお前を殺してやるよ
※「俺のジョークを真に受けるなら、お前の望み通りにしてやる」という、スリム・シェイディ的なねじ曲がった論理での脅迫(ジョーク)。
You know why? 'Cause I'm a criminal!
なぜかって? だって俺は犯罪者(クリミナル)だからな!
※社会が自分に押し付けた「Criminal(社会悪)」というレッテルを自ら名乗り、ここから怒涛の狂気の世界へリスナーを引きずり込む。
Criminal! You're goddamn right
犯罪者さ! その通りだよ
I'm a criminal! Yeah, I'm a criminal!
俺は犯罪者さ! ああ、俺は犯罪者なんだよ!
[Verse 1]
My words are like a dagger with a jagged edge
俺の言葉は、ギザギザの刃がついた短剣(ダガー)みたいなもんさ
※ここから、彼が当時最も激しく非難されていた「同性愛嫌悪(ホモフォビア)」というテーマにあえて真正面から突撃する。
That'll stab you in the head, whether you're a fag or lez
そいつでお前の頭を刺してやる。お前がオカマ(ファグ)だろうが、レズビアンだろうが
Or a homosex, hermaph or a trans-a-vest
ホモセクシャルだろうが、両性具有(ハーマフ)だろうが、トランスヴェスタイト(異性装者)だろうがな
Pants or dress, hate fags? The answer's yes
パンツを履いてようがドレスを着てようが関係ねえ。「オカマが嫌いか?」って? 答えは「イエス」だ
※「dagger with a jagged edge」「fag or lez」「homosex, hermaph or a trans-a-vest」「Pants or dress, hate fags? The answer's yes」と、驚異的なAとEの母音の脚韻(マルチシラブル)。言葉狩りをする社会に対し、あえて最も過激な差別用語をライムの道具として羅列してみせる圧倒的な挑発。
Homophobic? Nah, you're just heterophobic
ホモフォビック(同性愛嫌悪)だって? いや、お前らがヘテロフォビック(異性愛嫌悪)なだけだろ
Starin' at my jeans, watchin' my genitals bulgin' (Ooh!)
俺のジーンズをジロジロ見て、俺の股間(ジェニタル)が膨らんでる(バルジン)のを観察してやがるんだからな(オゥ!)
※「俺を同性愛嫌悪だと批判する連中こそ、実は俺の股間に興味がある同性愛者なんじゃないのか」という、小学生レベルの下品で理不尽な反論(ブラックジョーク)。
That's my motherfuckin' balls, you'd better let go of 'em
そいつは俺のクソみたいな金玉だ、さっさと手を離した方がいいぜ
They belong in my scrotum, you'll never get hold of 'em!
そいつは俺の陰嚢(スクロータム)ん中にあるんだ、お前らには絶対に掴め(ホールド)ねえよ!
"Hey, it's me, Versace! Whoops, somebody shot me!
「やあ、私よ、ヴェルサーチ! おっと、誰かに撃たれちゃったわ!
※1997年に同性愛者の連続殺人犯によって暗殺された世界的なファッションデザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチ(彼自身もゲイであった)の死を、極めて不謹慎な声真似でジョークにしている。
And I was just checkin' the mail, get it? Checkin' the male?"
私はただ『郵便物(メイル)』をチェックしてただけなのに。分かる? 『男(メイル)』をチェックしてたのよ?」
※「mail(郵便物)」と「male(男性)」の同音異義語を使った、故人に対する最低最悪のワードプレイ。
How many records you expectin' to sell
一体何枚のレコードが売れると思ってるんだ?
After your second LP sends you directly to jail?
お前のセカンドLP(このアルバム『The Marshall Mathers LP』)のせいで、お前が直接刑務所(ジェイル)に送られた後にな?
※自分自身の過激な歌詞が原因で、いずれ逮捕されるだろうという自虐的なメタ視点。
Come on, relax, guy! I like gay men
おいおい、落ち着けよみんな! 俺はゲイの男たちが好きだぜ
Right, Ken? Give me an amen! (A-men!)
そうだろ、ケン? 「アーメン」って言ってくれよ!(アァ〜、メン!)
※アルバム内で度々登場する変態的なゲイのキャラクター「ケン・カニフ」を呼び出し、喘ぎ声混じりの「アーメン(A-men=1人の男)」を言わせるという冒涜的なジョーク。
"Please Lord, this boy needs Jesus
「どうか神様、この哀れな少年にはジーザス(救い)が必要です。
※エミネムの異常な表現を憂う、保守的なキリスト教徒(あるいは母親)の嘆きをパロディ化している。
Heal this child, help us destroy these demons
この子を癒し、彼に取り憑いた悪魔(デーモン)を滅ぼすのをお助けください
Oh, and please send me a brand new car
あぁ、それと、私に新車を一台送ってくださいな
And a prostitute while my wife's sick in the hospital"
妻が病院で病気で寝込んでる間に遊べる、娼婦(プロスティチュート)も一緒にな」
※エミネムを道徳的に非難する宗教家や大人たちが、裏では平気で神に強欲な願い事をし、妻を裏切って娼婦を買っているという、社会の偽善(ダブルスタンダード)への痛烈な批判。
Preacher, preacher! Fifth grade teacher!
牧師(プリーチャー)さんよ! それから小学5年の時の先生(ティーチャー)!
You can't reach me, my mom can't neither
あんたらの言葉は俺には届かない(リーチ)。俺のオカンでさえ無理なんだ
You can't teach me a goddamn thing 'cause
あんたらに俺へ教え(ティーチ)られることなんて一つもねえよ。だって、
I watch TV and Comcast cable
俺はテレビやコムキャストのケーブル放送を見て(社会の腐敗を学んで)育ったんだからな
※子供の道徳的崩壊はアーティストのせいではなく、テレビやメディアが垂れ流す無防備な情報(バイオレンスやセックス)のせいだという、『Who Knew』でも語られたテーマ。
And you ain't able to stop these thoughts
そして、あんたらには俺のこの思考(ソーツ)を止めることはできない
You can't stop me from toppin' these charts
俺がこのチャートのトップ(トッピン)に立つことも止められない
And you can't stop me from droppin' each March
俺が毎年3月(マーチ)に、アルバムをドロップすることも止められないのさ
With a brand new CD for these fuckin' retards (Duh)
このクソみたいな知恵遅れ(リタード)どもに向けた、真新しいCDをな(ダァ)
※「thoughts」「charts」「March」「retards」の脚韻。自分の熱狂的なファンすらも「知恵遅れ」と見下すスリム・シェイディの全方位への悪意。
And to think, it's just little ol' me
考えてもみろよ。たかが、ちっぽけな昔のままの俺なのに
Mr. Don't-Give-a-Fuck still won't leave
「ミスター・何も気にしねえ男(ドント・ギヴ・ア・ファック)」は、未だに立ち去ろうとしないんだぜ
※前作のインディーズ時代から何もスタンスを変えていない自分が、今や世界最大のポップアイコンになってしまったという事実への冷笑。
[Chorus]
I'm a criminal!
俺は犯罪者(クリミナル)だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪(クライム)」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
※言論の自由を行使しているだけなのに、道徳的パニックによって犯罪者扱いされる現状へのアンチテーゼ。
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指(バード)を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図(シット)も受けねえよ
I'm a criminal!
俺は犯罪者だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図も受けねえよ
[Verse 2]
The mother did drugs, hard liquor, cigarettes and speed
その母親はドラッグ、強い酒、タバコ、そしてスピード(覚醒剤)をやってた
※ここから、自分という怪物がどのように生み出されたかという、リアルな生い立ちの暗部が語られる。
The baby came out, disfigured ligaments, indeed
そして赤ん坊が産まれてきた。奇形(ディスフィギュア)の靭帯(リガメント)を持ってな、本当に
※母親の薬物乱用の影響で、障害を持って産まれてきた子供の描写。
It was a seed who would grow up just as crazy as she
そいつは、母親と全く同じくらい狂った大人に成長する「種(シード)」だったのさ
Don't dare make fun of that baby, 'cause that baby was me
絶対にその赤ん坊を笑うなよ。だって、その赤ん坊は「俺」だったんだからな
※前作で実母を非難して告訴されていた彼が、自身の狂気のルーツが母親の薬物依存とネグレクトにあることを再び暴露している。
I'm a criminal, an animal caged who turned crazed
俺は犯罪者だ。檻(ケージ)に入れられ、狂気(クレイズ)に染まった動物(アニマル)さ
But how the fuck you supposed to grow up when you weren't raised?
だが、まともに育て(レイズ)られなかったのに、一体どうやってまともに成長しろって言うんだ?
※「caged」「crazed」「raised」の脚韻。社会が自分を非難する前に、自分が育った環境の異常性に目を向けろという悲痛な問いかけ。
So as I got older and I got a lot taller
だから、俺が年を取り、背がうんと高くなるにつれて
My dick shrunk smaller, but my balls got larger
俺のイチモツは縮んで小さく(スモーラー)なったが、金玉(度胸)はデカく(ラージャー)なったぜ
※白人としてのコンプレックス(ペニスが小さいというステレオタイプ)を自虐しつつ、ヒップホップ界で戦い抜くための「Balls(度胸)」は誰よりも大きくなったというボースト。
I drank more liquor to fuck you up quicker
お前らをより早くぶちのめすために、俺はもっとたくさんの酒(リカー)を飲んだ
Than you'd wanna fuck me up for sayin' the word—
俺が「あの言葉」を言ったことで、お前らが俺をぶちのめそうとするよりも早くにな——
※「あの言葉」とは、おそらくホモフォビックな暴言やNワードなどを指すが、ここでは意図的に口ごもる。検閲される前に自ら言葉を飲み込むというメタ的な演出。
My morals went thhbbpp when the president got oral
俺の道徳(モラル)なんて、大統領がオーラル(フェラ)された時に「プゥッ(屁の音)」って吹き飛んだよ
Sex in his Oval Office on top of his desk off of his own employee
大統領執務室(オーバル・オフィス)で、自分のデスクの上で、自分の部下(モニカ・ルインスキー)にな
※『Who Knew』でも語られた、ビル・クリントン大統領の不倫スキャンダルへの再度の言及。国家のトップが職場で性行為をしている国で、ラッパーの道徳を問うことのバカバカしさを嘲笑っている。
Now, don't ignore me, you won't avoid me
さあ、俺を無視(イグノア)するな、俺を避ける(アヴォイド)ことはできないぜ
You can't miss me: I'm white, blonde-haired, and my nose is pointy
俺を見逃すはずがない。俺は白人で、金髪で、鼻が尖って(ポインティ)るんだからな
※「ignore me」「avoid me」「pointy」のライミング。ヒップホップ界における異物(白人)としての視覚的な目立ちやすさ。
I'm the bad guy who makes fun of people that die
俺は、飛行機事故で死んだ(ダイ)連中のことを笑い者にする悪役(バッドガイ)さ
In plane crashes and laughs as long as it ain't happenin' to him
それが自分に起こらない限りは、平気で笑い飛ばすクズなんだ
※前曲『I'm Back』などで、有名人の悲惨な事故死を平気でジョークにしていた自分自身の悪趣味さを開き直って自己申告している。
Slim Shady, I'm as crazy as Em-
スリム・シェイディ。俺はエムと
-inem and Kim combined (The maniac's in)
(エム)イネムとキムを足し合わせたのと同じくらい狂ってるぜ(狂人が入ってきたぞ)
※自分(Eminem)と妻(Kim)の愛憎に満ちた狂気のカップルを一つに融合させた存在こそが、最悪のペルソナ「Slim Shady」であるというキャラクターの定義。
In place of the Doctor 'cause Dre couldn't make it today
ドクターの代わりにやってきたのさ。ドレーは今日、ここに来られなかったからな
He's a little under the weather, so I'm takin' his place (Mm-mm-mmm!)
あいつは少し体調が悪い(アンダー・ザ・ウェザー)みたいだから、俺が代役を務めるぜ(ンン、ンン、ンン!)
Oh, that's Dre with an AK to his face
おっと、あれは顔面にAK(アサルトライフル)を突きつけられてるドレーじゃないか
※体調が悪いというのは嘘で、実はエミネムがドレーを銃で脅して監禁しているという、Introの「ドレーは地下室に閉じ込められてる」という設定の回収。
Don't make me kill him too and spray his brains all over the place
俺にドレーまで殺させて、あいつの脳みそをそこら中にブチ撒け(スプレイ)させないでくれよ
I told you, Dre, you should've kept that thang put away
言っただろ、ドレー。あのブツ(銃)はしまっておくべきだったってな
I guess that'll teach you not to let me play with it, eh?
これで、「俺に銃で遊ばせちゃいけない」ってことが骨身に染みて分かっただろ、え?
※自分を見出し、プロデュースしてくれた大恩人であるDr. Dreでさえも平気で人質にとるという、スリム・シェイディの誰にも制御できない「狂犬」ぶり。
I'm a criminal!
俺は犯罪者だ!
[Skit]
MEL-MAN: Aight, look
メルマン:よし、いいか。
※ここから、ビートが止まり、エミネムとプロデューサーのメルマン(Dr. Dreの右腕)による、銀行強盗の寸劇(スキット)が始まる。
EMINEM: Uh-huh
エミネム:ああ。
MEL-MAN: Just go up in that motherfucker, get the motherfuckin' money and get the fuck up outta there
メルマン:あのクソみたいな銀行に入って、クソみたいな金を奪って、さっさとズラかるんだ。
EMINEM: Aight
エミネム:分かった。
MEL-MAN: I'll be right here waitin' on you
メルマン:俺はここで(逃走用の車で)待ってるからな。
EMINEM: Aight
エミネム:分かった。
MEL-MAN: Yo, Em
メルマン:おい、エム。
EMINEM: What?!
エミネム:なんだよ!?
MEL-MAN: Don't kill nobody this time
メルマン:「今回は」誰も殺すなよ。
※「今回は」という一言で、エミネムが過去にも強盗殺人を繰り返している常習犯であることが示唆される。
EMINEM: Awwright… goddamn, this motherfucker gets on my fuckin' nerves!
エミネム:分ぁーったよ……クソッたれ、この野郎は本当に俺の神経を逆撫でしやがるぜ!
{Whistling} How you doin'?
(口笛を吹きながら銀行に入っていく) 調子はどうだい?
TELLER: Hi, how can I help you?
窓口係:いらっしゃいませ、どのようなご用件でしょうか?
EMINEM: Yeah, I need to make a withdrawal
エミネム:ああ、預金の「引き出し(ウィズドローワル)」をしたいんだ。
TELLER: Okay
窓口係:かしこまりました。
EMINEM: Put the fuckin' money in the bag, bitch, and I won't kill you!
エミネム:そのクソみたいな金をバッグに詰めろ、ビッチ! そうすりゃ殺さねえからな!
※急に銃を突きつけて強盗に豹変する。
TELLER: What? Oh my God, don't kill me!
窓口係:えっ? あぁ神様、殺さないで!
EMINEM: I'm not gonna kill you, bitch, quit lookin' around
エミネム:殺さねえって言ってんだろビッチ、キョロキョロすんじゃねえ!
TELLER: Don't kill me, I've got two kids at home don't kill me!
窓口係:殺さないで、家には2人の子供がいるの、殺さないで!
EMINEM: I said I'm not gonna fuckin' kill you
エミネム:だから殺さねえって言ってんだろが!
TELLER: Don't kill me!
窓口係:殺さないで!
EMINEM: Hurry the fuck up! {Gunshot} Thank you!
エミネム:さっさと急ぎやがれ! (銃声) ありがとうよ!
※「殺さない」と約束しておきながら、金を受け取った瞬間に何のためらいもなく窓口係を射殺し、「ありがとう」と礼を言って去っていく。スリム・シェイディの「言葉(約束)の無価値さ」と「純粋な悪」を音声だけで完璧に表現した、トラウマ級のサイコパス・スキット。
[Verse 3]
Windows tinted on my ride when I drive in it (Go, go, go!)
俺の車はスモークガラス(ティンテッド)だ、俺が運転(ドライブ)する時はな(行け、行け、行け!)
※ここから再びビートが戻り、逃走劇が始まる。
So when I rob a bank, run out and just dive in it
だから銀行を強盗(ロブ)した時は、走って外に出て、ただ車に飛び込む(ダイブ)のさ
So I'll be disguised in it and if anybody identifies
そうすりゃ俺の姿は隠せる(ディスガイズ)。もし誰かが俺を特定(アイデンティファイ)しようとしてもな
The guy in it, I hide for five minutes
中に乗ってる男をな。俺は5分間(ファイブ・ミニッツ)だけ身を隠す
※「drive in it」「dive in it」「disguised in it」「identifies」「guy in it」「five minutes」という、完璧すぎる脚韻のラッシュ。
Come back, shoot the eyewitness
それから戻ってきて、目撃者(アイウィットネス)を撃ち殺す
※逃げるだけでなく、証拠隠滅のために現場に戻って殺しを追加するという残忍さ。
Fire at the private eye hired to pry in my business
俺の仕事(強盗)を嗅ぎ回るために雇われた私立探偵(プライベート・アイ)にも火(ファイア)を放つ
Die bitches, bastards, brats, pets
死にやがれ、ビッチども、クソ野郎ども、ガキども、ペットども
This puppy's lucky I didn't blast his ass yet
この子犬は運がいいぜ、俺がまだあいつのケツを撃ち抜いて(ブラスト)ないんだからな
※人間の老若男女はおろか、犬(ペット)すらも容赦なく殺戮の対象にするという、モラルの完全な崩壊。
If I ever gave a fuck, I'd shave my nuts
もし俺が少しでもお前らのことを気にする(ギヴ・ア・ファック)ようなタマなら、自分の金玉の毛でも剃って
Tuck my dick in between my legs and cluck
自分のイチモツを股の間に挟んで隠して、メンドリみたいにコッコッ(クラック)て鳴いてやるよ
※映画『羊たちの沈黙』のシリアルキラー、バッファロー・ビル(自身の性別を否定し、ペニスを股の間に隠して踊る有名なシーン)のパロディ。「絶対に世間に媚びない」ということを、極めて変態的なメタファーで宣言している。
You motherfuckin' chickens ain't brave enough
お前らクソみたいなチキン(臆病者)どもには、そんな度胸(ブレイブ)はねえだろ
To say the stuff I say, so just tape it shut
俺が言ってるようなヤバいことを言う度胸がな。だから、さっさとその口をテープで塞いどけ
※社会が思っていても言えないタブーを、自分だけが代弁してやっているのだというアーティストとしての絶対的な自負。
Shit, half the shit I say, I just make it up
クソッ、俺が言ってることの半分は、俺がただ作り上げてる(でっち上げてる)だけの戯言さ
※この曲の最大の種明かし。エミネムの過激な歌詞は、彼のリアルな思想ではなく、大衆を挑発するための「フィクション(エンターテインメント)」であると自ら暴露している。
To make you mad, so kiss my white naked ass
お前らを怒らせるためにな。だから、俺の白くて裸のケツにキスでもしな(くたばれ)
※自分のでっち上げたジョークにマジギレしている批評家やメディアへの、これ以上ない冷笑。
And if it's not a rapper that I make it as
もし俺がラッパーとして成功(メイク・イット)しなかったら
I'ma be a fuckin' rapist in a Jason mask
俺はジェイソンのマスクを被った、クソみたいなレイプ魔(レイピスト)になってるだろうよ
※「rapper」と「rapist」という似た音の単語を使い、「音楽がなければ俺は本物の犯罪者になっていた」と告白する。音楽(ヒップホップ)こそが彼の狂気を浄化し、社会と繋ぎ止めている唯一の救済であるという、アルバム全体を締めくくる深遠なメッセージである。
[Chorus]
I'm a criminal!
俺は犯罪者(クリミナル)だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪(クライム)」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指(バード)を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図(シット)も受けねえよ
I'm a criminal!
俺は犯罪者だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図も受けねえよ
[Chorus]
I'm a criminal!
俺は犯罪者(クリミナル)だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪(クライム)」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指(バード)を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図(シット)も受けねえよ
I'm a criminal!
俺は犯罪者だ!
'Cause every time I write a rhyme, these people think it's a crime
だって俺がライムを書くたびに、連中れはそれを「犯罪」だと思い込みやがるからな
To tell 'em what's on my mind, I guess I'm a criminal!
俺の頭の中にあることを連中に伝えるだけでさ。なら、俺は犯罪者なんだろうよ!
I don't gotta say a word, I just flip 'em the bird
俺は何も言う必要なんてねえ。ただ連中に中指を立てて、
And keep goin', I don't take shit from no one
そのまま進み続けるだけだ。誰からのクソみたいな指図も受けねえよ
[Outro]
(I am) I'm a criminal!
(俺は)俺は犯罪者なんだよ!
※社会が望む「怪物(クリミナル)」としての役割を完璧に全うし、歴史的大名盤『The Marshall Mathers LP』はその強烈な幕を閉じる。
