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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Kill You - Eminem 【和訳・解説】

Artist: Eminem

Album: The Marshall Mathers LP

Song Title: Kill You

概要

前作『The Slim Shady LP』の歴史的ヒットにより、アンダーグラウンドから一躍世界的ポップスターとなったエミネム。しかし同時に、彼の過激な歌詞はPTA、保守派の政治家、GLAAD(同性愛者団体)などから「女性蔑視(ミソジニー)」「同性愛嫌悪」の象徴として激しいバッシングの的となった。本作は『The Marshall Mathers LP』の実質的なオープニングトラックであり、それらの批判に対するエミネムからの完璧な「カウンターパンチ」である。あえて世間が恐れる猟奇的なペルソナ「スリム・シェイディ」を極限まで肥大化させ、近親相姦や凄惨なレイプ描写をカートゥーン(アニメ)的な暴力として過剰に描くことで、表現の自由の境界線を意図的に破壊している。ジャック・ルーシェの楽曲『Pulsion』をサンプリングした不穏なビートに乗せ、社会の偽善を嘲笑い、実母からの訴訟というリアルなトラウマをもアートに昇華させた、ヒップホップ史に残るショック・ラップの最高到達点だ。

和訳

[Intro]

When I was just a little baby boy
俺がまだほんの小さな赤ん坊だった頃

My mama used to tell me these crazy things
ママはよく、イカれたことを俺に吹き込んでいた

She used to tell me my daddy was an evil man
パパは悪魔みたいな男だって、よく俺に言い聞かせてたんだ
※エミネムは生後数ヶ月で父親に捨てられ、母親デビー・マザーズの手によって育てられた。

She used to tell me he hated me
パパは俺のことを憎んでるんだってな

But, then, I got a little bit older and I realized she was the crazy one
でも、俺が少し大きくなって気づいたんだ。イカれてるのはママの方だったってな
※母親デビーは代理ミュンヒハウゼン症候群(子供の病気を捏造し、献身的な親を演じる精神疾患)の疑いがあり、エミネムは幼少期に精神的・肉体的な虐待を受けていたと主張している。1999年に実母から1000万ドル規模の名誉毀損訴訟を起こされた直後であり、エミネムの女性に対する憎悪(ミソジニー)の根源が母親との深刻なトラウマにあることを示唆するディープなオープニングである。

But there was nothin' I could do or say to try to change it
だけど、それを変えるために俺ができることも、言えることも何もなかった

'Cause that's just the way she was
だって、それが彼女の生まれ持った本性だったからさ

[Verse 1]

They said I can't rap about bein' broke no more
「お前はもう貧乏についてのラップはできない」って連中は言いやがる
※前作の大ヒットで億万長者になったエミネムに対し、ヒップホップ界隈のヘイターたちが「もうストリートの貧困を語る資格はない」と批判したことへの言及。

They ain't say I can't rap about coke no more (Ah)
でも、「もうコカインのラップはできない」とは言ってねえよな?(アァ)
※貧困のリアリティが失われたなら、代わりにドラッグと極悪非道なフィクション(スリム・シェイディの狂気)を極限まで追求してやるというマニフェスト。

Slut, you think I won't choke no whore?
ビッチ、俺が売春婦の首を絞めないだろうって思ってんのか?
※ここから女性蔑視との批判に対する意図的な過激化と挑発が始まる。

'Til the vocal cords won't work in her throat no more? (Ah)
そいつの喉の奥で、声帯が機能しなくなるまでな?(アァ)
※声帯を破壊するという表現は、メディアによる言論統制(検閲)に対するメタファーとしても機能している。

These motherfuckers are thinkin' I'm playin'
このクソ野郎どもは、俺がふざけてるだけだと思ってやがる
※スリム・シェイディの狂気を単なるエンターテインメントとして消費する大衆への警告。

Thinkin' I'm sayin' this shit 'cause I'm thinkin' it just to be sayin' it (Ah)
俺がただ言いたいから、こんなクソみたいなことを口走ってるだけだと思い込んでるのさ(アァ)

Put your hands down, bitch, I ain't gon' shoot you
手を下ろしな、ビッチ。お前を銃で撃つような真似はしねえよ

I'ma pull you to this bullet and put it through you (Ah)
お前の方をこの弾丸に引き寄せて、体を貫通させてやるんだ(アァ)
※銃弾を撃つのではなく、人間の方を銃弾に引き寄せるという物理法則を無視した描写。彼がルーニー・テューンズなどのカートゥーン(アニメ)のような非現実的な暴力世界でラップしていることを示す、Reddit等の考察界隈でも人気の秀逸なパンチライン。

Shut up, slut! You're causin' too much chaos
黙れ、アバズレ! お前はカオスを引き起こしすぎだ

Just bend over and take it like a slut, okay, Ma?
四つん這いになって、アバズレみたいにヤられとけ。分かったか、ママ?
※実の母親(Ma)に対する近親相姦とレイプを示唆する、アルバム全体を通しても最大級のタブー。訴訟を起こし、メディアで彼を批判し続けた母への究極の復讐であり、モラルの境界線を意図的に破壊している。

"Oh, now he's rapin' his own mother
「あら、今度は彼、自分の母親をレイプしてるわ
※世間の保守的な母親たちやメディアのヒステリックな反応を声真似でパロディ化している。

Abusin' a whore, snortin' coke and we gave him the Rolling Stone cover?"
売春婦を虐待して、コカインを吸ってるのに、私たちが彼にローリング・ストーン誌の表紙を飾らせてしまったの?」
※1999年4月等にエミネムが世界的音楽誌「Rolling Stone」の表紙を飾った事実への言及。ポップカルチャーが自らこの怪物を生み出し、賞賛しておきながら、後から道徳を振りかざして非難しているメディアの偽善を突いている。

You goddamn right, bitch, and now it's too late
その通りだよ、ビッチ。そしてもう手遅れだ

I'm triple platinum, and tragedies happened in two states
俺のアルバムはトリプル・プラチナム(300万枚)だ。それに、2つの州で悲劇が起きちまったしな
※「tragedies happened in two states」は、1999年に起きたコロラド州のコロンバイン高校銃乱射事件などを指す。当時メディアや政治家が「エミネムやマリリン・マンソンの過激な音楽が若者を狂わせた」と責任転嫁したことに対し、「お前らが俺をスターにしたんだろうが。悲劇を俺のせいにするな」と冷笑的にアンサーしているディープな考察ポイント。

I invented violence, you vile venomous volatile vicious
俺が暴力を発明したんだ。この下劣で、毒に満ち、不安定で、悪意に満ちた、
※アルファベットの「V」の音を連続させる(vile, venomous, volatile, vicious, vain, vicodin, vrin)驚異的な頭韻(Alliteration)。彼が単なる過激派ではなく、極めて高度な言葉の魔術師であることを証明するライン。

Vain Vicodin, vrin, vrin, vrin
虚栄心にまみれたバイコディン(鎮痛剤)野郎が。ヴリン、ヴリン、ヴリン(エンジン音)
※バイコディンはエミネムが当時依存していた処方薬。「vrin」は次のラインに繋がるチェーンソーの起動音の擬音語。

Texas Chainsaw, left his brains all danglin' from his neck while his head barely hangs on
『悪魔のいけにえ(テキサス・チェーンソー)』だ。首の皮一枚で頭がぶら下がったまま、脳みそを首から垂れ流しにしてやる
※ホラー映画の金字塔『The Texas Chain Saw Massacre』の殺人鬼レザーフェイスを自身に憑依させたスプラッター描写。

Blood, guts, guns, cuts
血、内臓、銃、切り傷

Knives, lives, wives, nuns, sluts
ナイフ、命、妻たち、修道女、そしてビッチども
※単語を羅列するだけで完璧な脚韻を踏み続ける超絶技巧。神聖な「nuns(修道女)」と「sluts(売春婦)」を同列に並べることで宗教すらも冒涜している。

[Pre-Chorus]

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、俺はお前を殺すぜ
※この曲のコーラス部分の不穏なベースラインとピアノのループは、フランスのジャズピアニスト、ジャック・ルーシェ(Jacques Loussier)の1979年の楽曲「Pulsion」をサンプリングしたもの(後に盗作で訴えられた)。冷酷な殺人鬼が忍び寄るようなビートが狂気を引き立てている。

You don't wanna fuck with me
俺に関わらない方がいい

Girls neither
女どももな

You ain't nothin' but a slut to me
俺にとってお前らは、ただのアバズレにすぎない

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、俺はお前を殺すぜ

You ain't got the balls to beef
お前らに俺とビーフ(喧嘩)する度胸(キンタマ)なんてねえだろ

We ain't gon' never stop beefin', I don't squash the beef
俺たちのビーフは永遠に終わらねえ。俺からビーフを潰す(和解する)ことなんてないからな

You better kill me
いっそ俺を殺した方がいいぜ

I'ma be another rapper dead for poppin' off at the mouth with shit I shouldn't have said
俺もまた、言ってはいけないクソみたいなことを口走ったせいで死ぬ、もう一人のラッパーになるだろうよ
※ヒップホップの歴史において、2Pacやノトーリアス・B.I.G.のように、過激な言動やビーフが原因で命を落とした伝説のラッパーたちの末路を自らの未来に重ね合わせた極めて重いライン。

But when they kill me
だが、奴らが俺を殺す時は、

I'm bringin' the world with me
この世界も道連れにしてやるよ

Bitches too
ビッチどもも一緒にな

You ain't nothin' but a girl to me (I said)
お前なんて、俺にとってはただの女(メス)にすぎねえ(言っただろ)

[Chorus]

You don't wanna fuck with Shady ('Cause why?)
シェイディには関わらない方がいい(なぜかって?)

'Cause Shady will fuckin' kill you (Ah, haha)
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな(アァ、ハハッ)

I said you don't wanna fuck with Shady (Why?)
言っただろ、シェイディには関わらない方がいいって(どうして?)

'Cause Shady will fuckin' kill you
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな

[Verse 2]

(Bitch, I'ma kill you) like a murder weapon
(ビッチ、お前を殺すぜ)凶器みたいにな

I'ma conceal you in a closet with mildew, sheets, pillows, and film you
カビの生えたクローゼットの中に、シーツや枕と一緒にお前を隠して、お前を撮影してやる
※殺害して死体を隠蔽し、スナッフフィルム(殺人ビデオ)を撮るという異常犯罪者の視点。

Fuck with me, I been through Hell, shut the hell up
俺をナメるな、俺は地獄(Hell)を経験してきたんだ。黙りやがれ(Shut the hell up)

I'm tryna develop these pictures of the Devil to sell 'em
俺はこの悪魔の写真を現像して、売り捌こうとしてるんだ
※「Devil(悪魔)」とは自分自身のこと。自身の狂気や過去のトラウマ(写真)を音楽というパッケージにして大衆に売り捌いているという、自らのエンタメ・ビジネスに対するシニカルな自己言及。

I ain't acid rap, but I rap on acid
俺はアシッド・ラップじゃないが、アシッド(LSD)をキメながらラップしてるぜ
※「Acid Rap」はデトロイトのレジェンド・ラッパーであるEshamらが確立したホラーコアやサイケデリックなラップのジャンル。エミネムはその系譜にいるとメディアから比較されがちだったが、自分はジャンルに属しているのではなく、実際に薬物で狂っているのだと主張している。

Got a new blow-up doll and just had a strap-on added
新しいダッチワイフ(空気人形)を手に入れて、それにストラップオン(装着型ディルド)を付けたところさ
※同性愛嫌悪(ホモフォビア)だと激しく批判されていたエミネムが、あえて女性の人形に男性器の玩具を装着するという倒錯した性的イメージを提示することで、批判者たちをさらに困惑させる高度なトローリング(煽り)。

Whoops, is that a subliminal hint? No
おっと、これってサブリミナル的な暗示(俺がゲイだという隠しメッセージ)か? いや、違うね

Just criminal intent to sodomize women again
また女どもをソドミー(アナルセックス)してやろうっていう、ただの犯罪の意図(クリミナル・インテント)さ

Eminem offend? No, Eminem'll insult
エミネムは人の気分を害する(offend)かって? いや、エミネムは侮辱する(insult)んだ
※世間の「気分を害された」というクレームに対し、そもそも相手を意図的に侮辱するためにやっているのだと正論で言い返すパンチライン。

And if you ever give in to him, you give him an impulse
もし奴に屈服してしまったら、奴に衝動を与えちまうことになる

To do it again, then if he does it again
また同じことをやる衝動をな。そしてもし奴がまたそれをやれば、

You'll probably end up jumpin' out of somethin' up on the tenth (Ah)
お前はたぶん、10階のどこかから飛び降りるハメになるだろうぜ(アァ)
※アンチがエミネムを批判して餌を与えれば与えるほど、彼はより過激な曲を作り、結果的にアンチ自身が精神を病んで投身自殺することになるという因果応報のメタファー。

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、お前を殺すぜ

I ain't done, this ain't the chorus
俺はまだ終わってねえ、ここはコーラス(サビ)じゃないぞ
※曲の構成そのものをメタ的に破壊し、リスナーの予測を裏切る第4の壁破り。

I ain't even drug you in the woods yet to paint the forest
まだお前を森に引きずり込んで、木々を(血で)染め上げてもいないんだからな

A bloodstain is orange after you wash it
血痕ってのは、洗うとオレンジ色になるんだぜ

Three or four times in a tub, but that's normal, ain't it, Norman?
バスタブで3、4回洗えばな。でもそれって普通(ノーマル)だろ、そうだろ、ノーマン?
※アルフレッド・ヒッチコックの映画『サイコ』に登場するシリアルキラー「ノーマン・ベイツ」への言及。「normal」と「Norman」をかけた言葉遊びであり、異常な殺人鬼の心理を日常的なテンションで語っている。

Serial killer hidin' murder material in a cereal box on top of your stereo
シリアルキラーが殺人の証拠品(マテリアル)を、お前のステレオの上の「シリアル」の箱の中に隠してるんだ
※「Serial(連続)」と「Cereal(朝食のシリアル)」の同音異義語を用いた、ヒップホップ史に残る有名な言葉遊び。ステレオの上にあるシリアルの箱とは「エミネムのCDアルバム」の隠喩であり、彼が自らの狂気(殺人マテリアル)をパッケージ化してリスナーの部屋に送り届けていることを意味する深い考察ポイント。

Here we go again, we're out of our medicine
また始まっちまった、俺たちの薬が切れちまったんだ

Out of our minds and we want in yours, let us in
正気を失って(Out of minds)、お前の心の中に入りたい(Want in yours)んだ。俺たちを入れてくれよ
※スリム・シェイディがリスナーの精神を侵食していくサイコホラー的な描写。

[Pre-Chorus]

Or I'ma kill you
さもなきゃ、お前を殺すぜ

You don't wanna fuck with me
俺に関わらない方がいい

Girls neither
女どももな

You ain't nothin' but a slut to me
俺にとってお前らは、ただのアバズレにすぎない

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、俺はお前を殺すぜ

You ain't got the balls to beef
お前らに俺とビーフ(喧嘩)する度胸(キンタマ)なんてねえだろ

We ain't gon' never stop beefin', I don't squash the beef
俺たちのビーフは永遠に終わらねえ。俺からビーフを潰す(和解する)ことなんてないからな

You better kill me
いっそ俺を殺した方がいいぜ

I'ma be another rapper dead for poppin' off at the mouth with shit I shouldn't have said
俺もまた、言ってはいけないクソみたいなことを口走ったせいで死ぬ、もう一人のラッパーになるだろうよ

But when they kill me
だが、奴らが俺を殺す時は、

I'm bringin' the world with me
この世界も道連れにしてやるよ

Bitches too
ビッチどもも一緒にな

You ain't nothin' but a girl to me (I said)
お前なんて、俺にとってはただの女(メス)にすぎねえ(言っただろ)

[Chorus]

You don't wanna fuck with Shady ('Cause why?)
シェイディには関わらない方がいい(なぜかって?)

'Cause Shady will fuckin' kill you (Ah, haha)
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな(アァ、ハハッ)

I said you don't wanna fuck with Shady (Why?)
言っただろ、シェイディには関わらない方がいいって(どうして?)

'Cause Shady will fuckin' kill you (Haha)
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな(ハハッ)

[Verse 3]

Know why I say these things?
なぜ俺がこんな事ばかり言うか分かるか?

'Cause ladies' screams keep creepin' in Shady's dreams
女たちの悲鳴が、シェイディの夢の中に忍び込み続けてるからさ
※彼が過激なミソジニー表現を繰り返す理由が、幼少期の母親からの虐待や元妻キムとの壮絶な愛憎劇といった、彼自身の癒えないトラウマに起因していることを告白している。Geniusの考察でも高く評価される、キャラクターの内面をえぐった深いライン。

And the way things seem, I shouldn't have to pay these shrinks
こんな状況を見る限り、精神科医(シュリンク)なんかに金を払うべきじゃないよな

These eighty Gs a week to say the same things tweece
週に8万ドル(80 Gs)も払って、同じことを2回(トウィース)も言わされるんだから

Twice, whatever, I hate these things
「2回(トゥワイス)」だったな、まあいい、俺はこういうのが大嫌いなんだよ
※前の行で韻を踏むために「Twice」をわざと「Tleece/Tweeice」と発音して失敗し、自分で「Twice」と言い直してツッコミを入れるという、余裕を感じさせる高度なライミング技術の遊び。

Fuck shots, I hope the weed'll outweigh these drinks
注射(もしくはショットグラスの酒)なんてクソくらえだ。ハッパの効き目が、この酒の酔いを上回ってくれることを祈るぜ

Motherfuckers want me to come on their radio shows
クソ野郎どもが、自分のラジオ番組に俺を呼びたがってる

Just to argue with 'em 'cause their ratings stink
俺と口論するためだけにな。だって奴らの視聴率(レイティング)はクソみたいに低いからな
※エミネムを道徳的に非難するメディアが、実際には視聴率稼ぎのために彼という存在(炎上商法)を必要としているという、マスメディアの偽善と共依存関係を痛烈に批判している。

Fuck that
そんなのクソくらえだ

I'll choke radio announcer to bouncer
ラジオのアナウンサーから用心棒(バウンサー)まで、全員首を絞めてやる

From fat bitch to all seventy thousand pounds of her
あのデブのビッチから、あいつの7万ポンドの体重すべてまでな

From principal to the student body and counselor
校長から全校生徒、そしてカウンセラーに至るまで全員だ
※自分を批判する社会のあらゆるシステムへの無差別攻撃の宣言。

From in-school to before-school or outta school
授業中だろうが、登校前だろうが、学校の外だろうが関係ねえ

I don't even believe in breathin'
俺は「息をすること」すら信じちゃいねえ

I'm leavin' air in your lungs just to hear you keep screamin' for me to seep it
俺がお前の肺に空気を残しておくのは、俺に(空気を)抜いてくれと、お前が悲鳴を上げ続けるのを聞くためだけだ
※相手を即死させるのではなく、恐怖と苦痛の悲鳴を聞くために生かしておくというサディスティックな拷問の表現。

Okay, I'm ready to go play, I got the machete from O. J.
よし、遊びに行く準備はできたぜ。O.J.からマチェーテ(山刀)を借りてきたからな
※1994年のO.J.シンプソン事件(元妻惨殺事件)で使われたとされる凶器を引き合いに出し、これから残虐な殺人を犯すことを宣言している。実際にはマチェーテは使われていないが、ライム(playとO.J.)と視覚的な誇張のために選択されている。

I'm ready to make everyone's throats ache
全員の喉を痛めつけてやる準備はできてるぜ

You faggots keep eggin' me on 'til I have you at knifepoint, then you beg me to stop?
お前らオカマ野郎どもは、俺にナイフを突きつけられるまで俺を焚きつけて(eggin' on)おきながら、いざ突きつけられたら「やめてくれ」って命乞いするのか?
※言論の自由を盾にエミネムを過激に批判し挑発しておきながら、いざ彼が本気で言葉の刃を剥くと「度が過ぎている」と被害者ぶるメディアや批評家への完璧な論破。

Shut up, give me your hands and feet
黙れ、お前の手足をよこせ

I said shut up when I'm talkin' to you
俺が話してる時は黙れって言っただろ

You hear me? Answer me
聞こえてるのか? 答えろよ
※リスナー(あるいは批判者)を言葉の暴力で完全に制圧し、狂気のピークに達する。

[Pre-Chorus]

Or I'ma kill you
さもなきゃ、お前を殺すぜ

You don't wanna fuck with me
俺に関わらない方がいい

Girls neither
女どももな

You ain't nothin' but a slut to me
俺にとってお前らは、ただのアバズレにすぎない

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、俺はお前を殺すぜ

You don't got the balls to beef
お前らに俺とビーフする度胸なんてねえだろ

We ain't gon' never stop beefin', I don't squash the beef
俺たちのビーフは永遠に終わらねえ。俺からビーフを潰すことなんてないからな

You better kill me
いっそ俺を殺した方がいいぜ

I'ma be another rapper dead for poppin' off at the mouth with shit I shouldn't have said
俺もまた、言ってはいけないクソみたいなことを口走ったせいで死ぬ、もう一人のラッパーになるだろうよ

But when they kill me
だが、奴らが俺を殺す時は、

I'm bringin' the world with me
この世界も道連れにしてやるよ

Bitches too
ビッチどもも一緒にな

You ain't nothin' but a girl to me
お前なんて、俺にとってはただの女にすぎねえ

Bitch, I'ma kill you
ビッチ、俺はお前を殺すぜ

[Chorus]

You don't wanna fuck with Shady ('Cause why?)
シェイディには関わらない方がいい(なぜかって?)

'Cause Shady will fuckin' kill you (Haha)
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな(ハハッ)

I said you don't wanna fuck with Shady (Why not?)
言っただろ、シェイディには関わらない方がいいって(どうしてダメなんだ?)

'Cause Shady will fuckin' kill you
だってシェイディは、マジでお前をぶち殺すからな

[Outro]

Hahaha
ハハハ

I'm just playin', ladies
ただの冗談だよ、レディーたち
※女性を恐怖のどん底に陥れる凄惨な暴力描写をアルバムの1曲目から延々とラップしておきながら、最後に「冗談だよ」と笑い飛ばす。これはスリム・シェイディというキャラクターのサイコパス性を究極的に決定づける一言であると同時に、「これはアートでありフィクションだ」という検閲に対する免罪符(逃げ道)でもある。

You know I love you
俺がお前らを愛してること、知ってるだろ
※彼を批判するフェミニストたちへの、この上なく皮肉で気味の悪い愛の告白で、ヒップホップ史に残る問題作は幕を閉じる。