Artist: XXXTENTACION
Album: 17
Song Title: Ayala (Outro)
概要
XXXTENTACIONのデビューアルバム『17』(2017年)のラストを飾る本作は、彼にドメスティック・バイオレンスや監禁の疑いをかけ、逮捕と深刻なリーガルトラブルの直接的な原因となった元恋人「ジェネヴァ・アヤラ(Geneva Ayala)」のファミリーネームをそのままタイトルに冠した、極めて私的で物議を醸すアウトロである。プロデューサーのJohn Cunninghamらと共に作り上げた、アコースティックギターとピアノによるメランコリックでインディー・ロック的なサウンドは、アルバム全体を覆っていた陰鬱な感情の集大成となっている。ここでXは、自身を破滅へと追いやった彼女の愛を「偽物」と断じ、自分の人生における最大の「後悔」として彼女を名指ししている。エモ・ラップの金字塔である本作を、単なる悲哀の克服としてではなく、愛憎が入り混じった生々しいパラノイアの告白として締めくくる、あまりにも痛切なエンディングである。
和訳
[Verse]
Ooh, oh-oh, oh-oh
She showed me fake love, can't forget
彼女は俺に偽物の愛を見せた、忘れられないよ
※「She」はタイトルにもなっている元恋人のジェネヴァ・アヤラを指す。彼女との関係や愛情そのものが、最終的に自分を陥れるための虚偽(Fake)であったという彼の強いパラノイアと被害者意識が表れている。
How it hurt, no, oh-oh
それがどれほど痛んだか、いや、oh-oh
Made a list of my regrets
自分の後悔のリストを作ったんだ
※法的なトラブル、収監、そして精神的な崩壊など、自らの人生において取り返しのつかない過ちやトラウマを振り返り、頭の中でリスト化している状態。
And you were the first, love, oh-oh
そして君がそのリストの最初だったんだ、愛しい人よ、oh-oh
※数ある人生の後悔の中で、ジェネヴァとの出会いと交際こそが「最大の後悔(the first)」であると断言している。皮肉にもここで「love(愛しい人)」と呼びかけることで、消し去れない未練と深い憎悪が完全に同居している共依存的な苦悩を浮き彫りにしている。
Oh, it hurts, I can't forget
あぁ、痛むんだ、忘れられないよ
How it hurt, no, oh-oh
それがどれほど痛んだか、いや、oh-oh
Made a list of my regrets
自分の後悔のリストを作ったんだ
※ヒップホップファンの間では、アルバム『17』の最後をこの言葉で反復して締めくくる手法が高く評価されている。自身のトラウマやうつ病との対峙をテーマにしたこのアルバムが、安易な癒やしや救済には至らず、深い後悔と痛みをそのまま抱えて生きていく(Carry on)しかないというリアルで残酷な結末を提示しているのである。
