Artist: Wu-Tang Clan (feat. Nas)
Album: The W
Song Title: Let My Niggas Live
概要
2000年にリリースされたWu-Tang Clanの3rdアルバム『The W』に収録された本作は、クイーンズのカリスマ、Nasを客演に迎えた強烈なストリート・バンガーである。NasとWu-Tang(特にRaekwon)は、1995年の名盤『Only Built 4 Cuban Linx...』の「Verbal Intercourse」以来の共演であり、ニューヨークを代表するリリシストたちの再会としてヘッズを熱狂させた。プロデューサーのRZAは、荒々しく不穏なホーンのループと重厚なドラムを敷き詰め、Raekwon、Nas、Inspectah Deckという3人の言葉の魔術師が、警察の暴力(アマドゥ・ディアロ射殺事件への言及)、ゲットーの過酷な生態系、そして「俺の仲間たちを生かせ」という生存の叫びをマイクに叩きつける。1970年代の映画からのサンプリングで幕を開ける、死と隣り合わせのストリート・サバイバルをシネマティックに描き出したクラシックである。
和訳
[Intro: Skit]
Someday I'm gonna be walkin' down the streets
いつか俺がストリートを歩いてて
Mindin' my own business... and BAM!!
自分のことにだけ構って歩いてる時に… バン!!
I'm gon' be shot by some pig who's gonna SWEAR
どっかの豚(サツ)に撃たれるんだ、そいつは絶対にこう誓うだろうな
That it was a mistake
あれは間違いだったとな
I accept that as a part of my destiny!
俺はそれも自分の運命の一部として受け入れるぜ!
Sí, es mi destino morir en la calle como un perro! Hahaha
そうさ、犬のようにストリートで死ぬのが俺の運命なんだよ! ハハハ
※1977年の映画『Short Eyes』からのサンプリング。プエルトリコ系の囚人が、無実の黒人・ヒスパニックが警察に理不尽に殺される現実を皮肉混じりに語るシーン。ニューヨーク市警(NYPD)の暴力に対する強烈なメッセージとして機能している。
[Intro: Raekwon]
What up, kid?
調子はどうだ、小僧?
That's right, that's right
その通りだ、その通り
Yo...
ヨォ…
Ayo, ayo...
エイヨォ、エイヨォ…
[Chorus: Raekwon]
Ayo, let my niggas live
エイヨォ、俺のダチらを生かせてくれ
We show and prove, get paper
俺たちは証明してみせる、札束を稼ぐ
Catch me in the caper on shrooms, yo
マッシュルーム(マジックマッシュルーム)でハイになってる強盗を見つけな、ヨォ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We real niggas that's Godbody
俺たちは本物の野郎どもだ、ゴッド・ボディ(神の肉体)さ
※「Godbody」は5% Nationにおいて、黒人自身が神であるという教義に基づく尊称。
Challenge anything, make major moves
何にでも挑戦し、大きな動きを起こす
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We giants, live-off-the-land lions
俺たちは巨人だ、この土地を食い物にして生きるライオンだ
Post with iron, no pryin' rules
鉄(銃)を持って陣取る、詮索(詮索するルール)は無用だ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
Ayo, let my niggas live
エイヨォ、俺のダチらを生かせてくれ
Handle your bid and kill no kids
自分の刑期(仕事)を全うし、子供は殺すな
[Verse 1: Raekwon]
Millionaire feat, whole family eat
ミリオネアの偉業、家族全員が腹を満たす
Yo, y'all niggas is weak, got a bird beak, chirp-chirp speak
ヨォ、お前ら野郎どもは弱い、鳥のくちばしを持って、チッチッ(ペチャクチャ)と喋りやがる
※「bird beak(鳥のくちばし)」はよく喋るチクリ魔やフェイク野郎の比喩。
Kids that's rich that'll run in your bitch and by the third week
金を持ったガキどもが、お前のビッチに手を出して、3週間目には
Yo, mark my word, me and my herb speak
ヨォ、俺の言葉を覚えとけ、俺と俺のハーブ(極上のウィード)が語るぜ
That's that fire, move like Schwinns, yo
それがその炎(ヤバいハッパ/銃撃)だ、シュウィン(自転車)みたいに動くぜ、ヨォ
Invisible pens that write light, leave blends
光を書く透明なペン、ブレンドを残していく
※Raekwonの独特で高度な暗号のようなライミングを表現。
Hit with the J.F. Kennedy shot
J・F・ケネディのような一撃を食らわせる
※大統領暗殺事件のような、致命的で歴史的なヘッドショット。
Smash with the Acapulco rifle got got
アカプルコのライフルで粉砕する、ヤラれたな
※メキシコのアカプルコ産の上質なマリファナ(Acapulco Gold)と銃のライフルをかけた表現。
Bolt off, but got clocked
ダッシュで逃げるが、時計で測られた(サツに目をつけられた/殴られた)
Legendary here, custom made, this shit bladed, word up
ここは伝説だ、特注品さ、このヤバい代物は刃が研ぎ澄まされてるぜ、間違いない
Design your alphabet, reps get graded
お前のアルファベット(リリック)をデザインしろ、名声(レップ)は評価される
We in get-high saloons, big bag of shrooms, arm's length
俺たちはハイになる酒場にいる、マッシュルームのデカい袋、手の届く距離にな
Home of Allah's ten big rooms
アラーの10の大きな部屋の家だ
So what? We up in here
だからなんだ? 俺たちはここにいるぜ
Modelin' large with rigorous moves
過酷な動きで、デカくモデル(誇示)している
Exotic broads, bust my hammer at frauds
エキゾチックな女たち、詐欺師どもに向けて俺のハンマー(銃)をぶっ放す
Call him a live merchant
あいつをライブな商人(凄腕のハスラー)と呼べ
Dressed in all red, that's right y'all
全身赤の服を着てな、その通りだぜ
Gucci jumper X-5, getting more head
グッチのジャンパー、X5(BMW)、もっとフェラチオをしてもらう
[Chorus: Raekwon]
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We show and prove, get paper
俺たちは証明してみせる、札束を稼ぐ
Catch me in the caper on shrooms, yo
マッシュルームでハイになってる強盗を見つけな、ヨォ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We real niggas that's Godbody
俺たちは本物の野郎どもだ、ゴッド・ボディ(神の肉体)さ
Challenge anything, make major moves
何にでも挑戦し、大きな動きを起こす
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We giants, live-off-the-land lions
俺たちは巨人だ、この土地を食い物にして生きるライオンだ
Post with iron, no cryin' rules
鉄(銃)を持って陣取る、泣き言(泣くルール)は無用だ
Let my niggas live, ayo, let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ、エイヨォ、俺のダチらを生かせてくれ
Handle your bid, kill no kids
自分の刑期(仕事)を全うし、子供は殺すな
[Verse 2: Nas]
I scream at the mirror, curse, askin' God, "Why me?"
俺は鏡に向かって叫び、呪い、神に問う、「なぜ俺なんだ?」
Run in the black church, gun in my hand, y'all try me
黒人の教会に駆け込む、手には銃だ、お前ら俺を試してみろよ
※Nasのデビュー作『Illmatic』の1曲目「N.Y. State of Mind」のリファレンスを交えつつ、罪の意識と暴力の連鎖に苦しむ自身のペルソナを描写。
I'm God's son, son of man, son of Marcus Garvey
俺は神の息子(God's Son)、人の子、マーカス・ガーベイの息子だ
※「マーカス・ガーベイ」はジャマイカ出身の黒人民族主義の指導者。黒人の誇りと血統の宣言。
Rastafari irie, hail Haile Selassie
ラスタファリ、アイリー(最高だ)、ハイレ・セラシエを讃えよ
※ラスタファリ運動における神(エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世)への信仰表明。
Police'll try to break us, but the streets raised us
サツは俺たちを壊そうとするが、俺たちを育てたのはストリートだ
It takes more than metal bars, we destined for ours
鉄格子(刑務所)以上のものが必要だぜ、俺たちは自分たちのもの(成功)を手にする運命なんだ
I hear murder plans from dope fiends, with elephant hands
ヤク中どもが殺人の計画を立てるのが聞こえる、ゾウのように腫れ上がった手をした奴らからな
※注射の打ちすぎで腕が腫れ上がった重度のヘロイン中毒者のリアルな描写。
Snots in their nostril, the blocks is hostile
鼻には鼻水を垂らし、ブロック(街区)は敵意に満ちている
There's no pots to piss in, Glocks is spittin'
小便をする壺(金)すらなく、グロックが火を噴いている
※「not have a pot to piss in」は極貧状態を表す慣用句。
Rocks cookin', underground bodies stiffen, cops lookin'
ロック(クラック・コカイン)が料理され、地下では死体が硬直し、サツが見張っている
Bird shit drop on the window pane, the oxygen is cocaine
窓ガラスには鳥のフンが落ち、空気中の酸素はコカインだ
※ゲットーの汚れた風景と、麻薬が蔓延する異常な環境を詩的に表現。
It drove lots of men to die with no name
それが多くの男たちを、名もなき死へと追いやったんだ
I been on boats, nut down throats, pee on bitches who famous
俺はボートに乗り、喉の奥に精液をぶちまけ、有名なビッチどもに小便を引っ掛けてきた
※Nasのエゴと女性に対するサベージ(野蛮)な態度の誇示。R. Kellyなどを意識した当時のR&B/ラップシーンの倒錯的な文脈への言及とも解釈される。
Pretty dick, put stitches in their anus
綺麗なイチモツ、彼女たちのアヌスに縫い目を入れてやるぜ
I'm the animal that Hugh Hefner created
俺はヒュー・ヘフナーが創り出した動物だ
※雑誌『プレイボーイ』の創刊者。究極のプレイボーイ(色事師)であるという比喩。
The only nigga Sade dated, the most hated, Nas, nigga
シャーデーがデートした唯一の黒人、最も憎まれた男、Nasだ、なあ
※伝説的シンガーのSade(シャーデー)の名前を出した強烈なフレックス(実際には交際していないが、それほどの手に入るはずのないものを手に入れるという比喩)。
[Chorus: Raekwon]
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We show and prove, get paper
俺たちは証明してみせる、札束を稼ぐ
Catch me in the caper on shrooms, yo
マッシュルームでハイになってる強盗を見つけな、ヨォ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We real niggas that's Godbody
俺たちは本物の野郎どもだ、ゴッド・ボディ(神の肉体)さ
Challenge anything, make major moves
何にでも挑戦し、大きな動きを起こす
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We giants, live-off-the-land lions
俺たちは巨人だ、この土地を食い物にして生きるライオンだ
Post with iron, no pryin' rules
鉄(銃)を持って陣取る、詮索(詮索するルール)は無用だ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
Aiyyo, let my niggas live
エイヨォ、俺のダチらを生かせてくれ
Handle your bid and kill no kids
自分の刑期(仕事)を全うし、子供は殺すな
[Verse 3: Inspectah Deck]
Roughneck repping the set, bang 'em twice in the neck
セット(縄張り)をレペゼンするラフネック(荒くれ者)、首に2発撃ち込む
C.O. flip and jerk the whole yard rec
看守(C.O.)がブチ切れ、刑務所の中庭の娯楽時間を台無しにしやがる
Block vets, pop barettas, Glocks and TECs
ブロックのベテランたち、ベレッタ、グロック、TECをぶっ放す
You're no threat! Gun talk, the language of the project
お前なんて脅威じゃねえ! ガン・トーク(銃による会話)、それがプロジェクトの言語だ
Checkin' shorty with the Black Tail stance, leopard pants
「ブラック・テール」みたいなポーズをした、ヒョウ柄のパンツの女をチェックする
※「Black Tail」は黒人女性を特集した有名なアダルト雑誌。
Yellin' fuck her man, makin' killings off a lap dance
「あいつの男なんてクソ食らえ」と叫びながら、ラップダンスで荒稼ぎ(大殺戮)してるぜ
Plus the young guns runnin' the slums, funds is major
それに加えて、若きガンマンたちがスラムを仕切り、莫大な資金を動かしている
Drug drought, got you huntin' for crumbs stuck to the razor
ドラッグが枯渇すれば、カミソリの刃にくっついたパン屑(コカインの欠片)を探し回ることになる
Semi-autos roar in the building hall
建物のホールで、セミオートマチック(銃)が咆哮する
Symptoms of bloodsport, the slugs are still in walls
ブラッドスポーツ(流血の闘い)の兆候だ、弾丸(スラッグ)はまだ壁にめり込んでいる
Call it a New York state of mind, gotta take mine
これをニューヨークの精神状態(N.Y. State of Mind)と呼べ、俺は俺の分を奪い取らなきゃならねえ
※Nasへのリスペクトを込めたリファレンス。
In the daytime, the Jakes'll hit ya 41 times
白昼堂々、サツ(ジェイク)はお前を41回撃ち抜くんだ
※1999年に起きたアマドゥ・ディアロ射殺事件への痛烈な批判。非武装のギニア移民アマドゥ・ディアロが、NYPDの警官4人から41発もの銃弾を浴びて殺害された事件。
So I live by the sword and obey hood laws
だから俺は剣(銃/言葉)で生き、フッドの掟に従う
Make my team click like high heels on wood floors
俺のチームを、木の床を歩くハイヒールみたいにカチッと(Click)鳴らすのさ
※「click(カチッという音)」と「clique(チーム/派閥)」をかけた言葉遊び。Wu-Tangという結束の固い軍団の比喩。
[Chorus: Raekwon]
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We show and prove, get paper
俺たちは証明してみせる、札束を稼ぐ
Catch me in the caper on shrooms, yo
マッシュルームでハイになってる強盗を見つけな、ヨォ
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We real niggas that's Godbody
俺たちは本物の野郎どもだ、ゴッド・ボディ(神の肉体)さ
Challenge anything, make major moves
何にでも挑戦し、大きな動きを起こす
Let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ
We giants, live-off-the-land lions
俺たちは巨人だ、この土地を食い物にして生きるライオンだ
Post with iron, no cryin' rules
鉄(銃)を持って陣取る、泣き言(泣くルール)は無用だ
Let my niggas live, ayo, let my niggas live
俺のダチらを生かせてくれ、エイヨォ、俺のダチらを生かせてくれ
Handle your bid and kill no kids
自分の刑期(仕事)を全うし、子供は殺すな
