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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

EVIL J0RDAN - Playboi Carti 【和訳・解説】

Artist: Playboi Carti

Album: MUSIC

Song Title: EVIL J0RDAN

概要

Playboi Cartiのアルバム『MUSIC』のプロモーションの一環として、2024年1月にInstagram等でゲリラ公開された「EVIL J0RDAN」。タイトルは彼の本名(Jordan Carter)と、内なる邪悪で攻撃的なオルターエゴを示している。CardoとF1LTHYが共同プロデュースした、不穏なベースとミニマルなシンセが主導するトラップビートの上で、Cartiは現在のシグネチャーとなった「ディープボイス」を極めてレイドバックしたフロウで展開する。イントロにはThe Weekndとのコラボ曲「Popular」のフレーズがサンプリングされ、楽曲全体を通してアトランタの重鎮DJ Swamp Izzoが不気味な熱気を煽り続ける。ストリートの暴力、ドラッグへの依存、女性関係のドラマを冷徹に語りながら、「俺をジャンルに縛ることはできない」と豪語する、アトランタ・トラップの進化系を提示した凶悪な一曲である。

和訳

[Intro: The Weeknd]

Begging on her knees to be popular
彼女は有名になるために跪く
※Cartiも客演参加したThe WeekndとMadonnaの楽曲「Popular」の一節のサンプリング。

[Verse: Playboi Carti & DJ Swamp Izzo]

First, I go whip out the boat, no, I can't hit on no brakes
まずはボートを引っ張り出す、いや、ブレーキなんて踏めねえよ
※「boat」はマイバッハやロールス・ロイスなどの巨大な高級車を指すストリート・スラング。

My life is out of control, I'm tellin' you, nobody safe
俺の人生は制御不能だ、言っておくが、誰一人として安全じゃねえぜ

I've been livin' my life limbo, my ice, it came with a tray
俺はずっとリンボの中で生きてきた、俺のアイスにはトレイが付いてきたんだ
※「limbo」は天国と地獄の狭間(辺獄)。生死の境を彷徨うような危険なライフスタイル。「ice(ダイヤモンド)」を飾るためのディスプレイトレイ(または氷を乗せるトレイ)のダブルミーニング。

I'm so high, I gotta hide my face, this not a rockstar phase
俺は最高にハイだ、顔を隠さなきゃならねえ、こいつはただのロックスターの「時期」なんかじゃない
※顔面をマスクやペイントで隠す現在の彼のスタイルが、一時的なファッション感覚(フェーズ)ではなく、本物の狂気であることを示している。

I'm a emo thug in my faith
俺の信仰の中では、俺はエモ・サグなんだ
※エモーショナルな内面と、ギャングとしてのサグなライフスタイルが融合したCarti独自のペルソナ。

Syrup, syrup, syrup, syrup, tell her to go change
シロップ、シロップ、シロップ、シロップ、あいつに着替えてこいと言え
※「Syrup」はプロメタジン・コデインシロップ(リーン)。女の服にこぼしたか、あるいはハイになって命令している状況。

Monkey nuts on me, baby, I got on two chains
モンキー・ナッツを持ってるぜ、ベイビー、俺は2本のチェーンを身につけてる
※「Monkey nuts」は銃の拡張マガジン(ドラムマガジン)の隠語。大御所ラッパーの「2 Chainz」の名前と、2本のネックレスを掛けている。

Roll another blunt and I might motherfuckin' faint
もう一本ブラントを巻いたら、俺はクソみたいに気絶しちまうかもな

Spin on the block, have a pussy nigga stained
ブロックに乗り込んで、臆病な野郎を血まみれにしてやる
※「spin」は敵の陣地に車で乗り込み銃撃を行うこと。「stained」は血のシミをつけること(殺傷すること)。

I just put on my boots, I ain't worried 'bout no rain
ブーツを履いたばかりだ、雨の事なんて気にしてねえよ
※「rain」は空から降る雨と、銃弾の雨(襲撃)のダブルミーニング。バレンシアガ等のコンバットブーツを履き、戦いの準備はできているというアピール。

Put a nigga down, Channel 2 front page
野郎を倒して、チャンネル2のトップニュースを飾るぜ
※「Channel 2」はアトランタの地元ニュース局「WSB-TV Channel 2」。自分の起こした殺人事件がストリートのトップニュースになるという暴力的なフレックス。

You was just askin' for some change, now you changed?
お前はただ小銭を求めてただけなのに、今じゃお前自身が変わっちまったのか?
※「change(小銭・変化)」のワードプレイ。かつて小銭をせびっていた仲間が、金を手にして態度を変え(裏切り)たことへの皮肉。

Yeah, I told you, yeah, about that money, shit get strange
あぁ、言っただろ、あぁ、金の事になると、物事はおかしくなるんだ

Fully-loaded Jag, hold up, baby, Jordan paid
フル装備のジャガーだ、待てよ、ベイビー、ジョーダンは金を払ったぜ
※「Jag」はジャガー(車)。「Jordan」はCartiの本名(Jordan Carter)。

I put duct tape on my switch, perfect aim
俺のスイッチにダクトテープを巻いた、完璧なエイムだぜ
※「switch」はグロック拳銃をフルオートマチック化する違法パーツ。ダクトテープを巻いて指紋を消す、または滑り止めにして連射時の命中精度(エイム)を上げている生々しい描写。

They can't put me in no genre, baby, 'cause I changed the game
奴らは俺をどのジャンルにも当てはめることはできない、ベイビー、だって俺がゲームを変えたんだからな

We fuckin' on the same ho, but we not the same
俺たちは同じ女とヤッてるが、俺たちは同じレベルじゃねえ

Disrespect the 5, I put your ass in the food chain (Swamp Izzo)
5をコケにするなら、お前を食物連鎖の餌食にしてやる(スワンプ・イゾー)
※「5」はCartiが関係するアトランタのギャング「Homixide(Bloods系)」やクルーを指す数字。彼らを侮辱すれば殺して土に還すという警告。

Bitch keep callin' my phone, she sayin' Ms. Jackson goin' through her brain (Carti)
ビッチが俺の電話を鳴らし続けてる、ミズ・ジャクソンが頭をよぎるって言ってるぜ (Carti)
※OutKastのアトランタ・クラシック「Ms. Jackson」の引用。同曲のように複雑な愛憎や「娘を泣かせてごめんなさい」といった女性関係のドラマ(Iggy Azalea等との関係)を示唆している。

We was just outside dancin', movin' off molly, feelin' insane (He's comin')
俺たちは外で踊ってたんだ、モリーで動いて、狂ったような気分だ(彼が来るぞ)

I fucked the bitch so nasty, we go Sephora, yeah, then we go Pink
あのビッチと最高にエグいヤり方をした、セフォラに行って、あぁ、それからピンクに行くんだ
※「Sephora」は高級化粧品店、「Pink」はVictoria's Secretのランジェリーライン。セックスの後にブランド品を買い与えるハスラーのルーティン。

She not so fuckin' toxic and she care 'bout what I think
あいつはそこまでクソ有害じゃないし、俺の考えを気にかけてくれる

She's nothin' like no other bitches, she care 'bout what I drink
あいつは他のビッチどもとは違う、俺が何を飲んでるか気にかけてくれるんだ
※リーン(咳止めシロップ)などのハードドラッグを乱用し命を削るCartiの体調を、本気で心配してくれる女性への言及。

I think she's a fling
あいつは火遊びの相手だと思うぜ

I think she's a playmaker, she should be on my team
あいつはプレイメーカーだと思うぜ、俺のチームに入るべきだな

She should get her a ring
あいつはリングをもらうべきだ
※バスケットボールの司令塔(playmaker)のように優秀な女だから、NBAの「チャンピオンリング(結婚指輪)」に値するという比喩。

Shit, it can't be me, but she can be on the team
クソ、俺から渡すことはできないが、チームに入ることはできるぜ
※結婚する気はないが、自分の周り(クルー/愛人)に置いておくことは許すという冷徹なプレイボーイのスタンス。

Diamonds, they come out the water, my sock, it come with a rink
ダイヤモンド、水の中から出てきたみたいだ、俺の靴下にはスケートリンクが付いてるぜ
※「water」は純度が高く水のように澄んだダイヤモンドのこと。「rink(スケートリンク)」は氷(Ice=ダイヤモンド)が敷き詰められたアンクレットや靴の装飾を指す。

The Wraith came with the chauffeur, the chauffeur ready to take me
レイスには運転手がついてきた、運転手は俺を連れて行く準備ができてるぜ
※ロールス・ロイス・レイス。自分で運転するのではなく、お抱えの運転手が待機しているという最上級のセレブ・ステータス。

[Outro: DJ Swamp Izzo]

I am the music
俺が音楽そのものだ