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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

The Fall - The Weeknd 【和訳・解説】

Artist: The Weeknd

Album: Echoes of Silence

Song Title: The Fall

概要

「The Fall」は、2011年に発表されたミックステープ三部作の最終作『Echoes of Silence』に収録された、The Weekndの栄光と破滅に対する達観を歌い上げた楽曲である。プロデュースはクラウド・ラップのパイオニアであるClams Casinoが手掛けており、重厚で浮遊感のあるビートが彼特有の虚無的な精神世界を増幅させている。突如としてアンダーグラウンドからスターダムにのし上がった彼だが、本作では名声や富に執着するどころか、いつか必ず訪れる「没落(The Fall)」を一切恐れていないと宣言する。なぜなら、彼は最初からどん底の生活(The ground)を知っているからだ。母親への謝罪、ドラッグカルチャーへの深い依存、そして自身をフックアップしたドレイク率いるOVOへのシャウトアウトなど、パーソナルな背景が赤裸々に語られており、初期のエイベル・テスファイが抱えていた野心と諦念が完璧なバランスで共存する重要曲である。

和訳

[Intro]

Oh yeah

Oh yeah, oh yeah

Oh yeah

Oh yeah, oh yeah

Oh yeah

Oh yeah, oh yeah

Ooh

[Verse 1]

You been pickin' my voice to dance to
君は踊るために俺の声を選んでいる

You say my money no good in here, even though I didn't ask you
頼んでもいないのに、君はここでは俺の金は受け取れないと言う
※ストリップクラブでの情景。彼が大物アーティストになったため、ストリッパーが特別扱いをして彼から金をとろうとしない状況を描いている。

And it's the most you've worked
それは君が今までで一番頑張った仕事だ

Even though I probably don't deserve this girl
俺はこの娘のそんな扱いに相応しくないかもしれないのに

But you been dreamin' for this moment, so you have to
でも君はこの瞬間を夢見ていたんだ、だからそうするしかないよな

Baby, it's okay
ベイビー、大丈夫さ

I got show money, baby
俺にはライブで稼いだ金があるんだ、ベイビー

I wanna show you how I blow money, baby
どうやって大金を吹き飛ばすか見せてやるよ

I wanna show you how I throw money, baby
どうやって金をばら撒くか見せてやるよ

I'm a kid, so it's hard for me to hold money, baby, ooh-ah
俺はまだガキだから、金を貯め込んでおくのは難しいんだ
※一気に大金を手にした若者の無軌道さを自嘲気味に歌っている。大金を手に入れても、彼はそれを豪快に浪費することでしか心の隙間を埋められない。

'Cause I'm a star
だって俺はスターだから

Don't get it twisted, got some trappers in my car
勘違いするなよ、俺の車には密売人たちが乗っているんだ

What kind of caps? I got the brownest of them all
どんなカプセルかって?一番純度の高い極上のブラウンを持ってるぜ
※「caps」はドラッグのカプセル剤、「brown」は純度の高いMDMAやヘロイン、あるいはマジックマッシュルームの隠語としてファンの間で考察されている。名声を得てもアンダーグラウンドなストリートの習慣から抜け出していないことを示している。

Somebody pop 'em before we pop 'em all
俺たちが全部飲んでしまう前に、誰か飲んでくれよ

Before we pop 'em all
全部飲んでしまう前に

[Pre-Chorus]

Saying this ain't nothing, but it's all I need
こんなの大したことないと言いながら、これが俺の必要なすべてなんだ

And the peak ain't reached, but the peak is all I feel
まだ頂点には達していないのに、頂点の感覚だけは味わっている
※自身の音楽キャリアにおける「頂点(ピーク)」と、ドラッグによる精神的な「絶頂(ピーク)」を掛け合わせた秀逸なダブルミーニング。

And it feels so good (It feels so good)
そしてそれは最高に気持ちいい

It feels so good (It feels so good)
最高に気持ちいいんだ

It feels so good (It feels so good)
最高に気持ちいいんだ

It feels so good, good, good, good
最高に気持ちいい

[Chorus]

Oh yeah, I ain't scared of the fall (Oh, oh)
ああ、俺は落ちることを恐れてはいない
※「The Fall(没落、墜落)」。エンターテインメント業界において、急激な成功を収めた者がいずれ直面する人気の低下や破滅的なスキャンダルを指す。

I ain't scared of the fall (Oh, oh)
落ちることを恐れてはいない

And I ain't scared of the fall (Oh, oh)
俺は没落なんて恐れない

And I ain't scared of the fall (Oh, oh)
俺は没落なんて恐れない

I've felt the ground before (Oh, oh)
以前にどん底の地面を味わっているからな
※この曲の核となるパンチライン。高校を中退し、トロントの街を彷徨っていたホームレス同然のどん底(The ground)から抜け出してきた彼にとって、すべてを失って元に戻ることは少しも恐るに足らないという強烈なストリートの哲学。

I've felt the ground before (Oh, oh)
以前にどん底の地面を味わっているからな

I've felt the ground before (Oh, oh)
どん底の地面を知っているんだ

I've felt the ground before (Oh, oh)
どん底の地面を知っているんだ

'Cause I ain't scared of the fall
だから俺は落ちることを恐れていない

[Verse 2]

Mama, I understand why you're mad
ママ、あなたが怒る理由は分かっているよ

And it hurts to accept what I am
今の俺を受け入れるのが辛いってことも

And how I live
俺の生き方も

And what I do
俺がしていることも

But I've been good since Thursday
でも、木曜日から俺はずっと順調なんだ

Yes, I've been good since Thursday
ああ、あの木曜日からずっと
※「Thursday」はThe Weekndの2作目のミックステープのタイトル。音楽で成功を収め、自立したことを母親に伝えているが、その生き方が母親の望むような真っ当なものではないという、非常にパーソナルで複雑な親子の葛藤を描いている。

So you can watch my love vanish in a girl with no talent
だから俺の愛が才能のない女の中に消えていくのを見ていてくれ

But to make mula vanish call her friend for my friend
でも金を消し去るために、俺のダチのために彼女の友達を呼べ

And her friend's name's Lexus
そしてその友達の名前はレクサスだ
※「レクサス(Lexus)」はアメリカのストリップクラブでよく使われる典型的な源氏名。高級車の名前を名乗る安っぽいストリッパーを指す。

I let my niggas test it
俺の仲間たちに味見させてやるんだ

Her morals worth a cent and best believe I already spent it
彼女のモラルは1セントの価値しかなくて、俺はとうにそれを使い果たしたのさ

My blunt full of B.C, my cup full of Texas
俺のブラントにはB.C.のハッパが詰まっていて、カップにはテキサスが満たされている
※「B.C」はカナダのブリティッシュコロンビア州産の上質なマリファナ。「Texas」はテキサス州ヒューストン発祥のダウナー系ドラッグ「リーン(咳止めシロップのカクテル)」を指す。カナダのルーツとUS南部のヒップホップカルチャーの融合。

Flown on that OVO jet, yeah I said it
あのOVOのジェット機で飛んだんだ、ああ、言ってやったぜ
※「OVO」は同郷トロントの世界的ラッパー、ドレイクのレーベル。彼の強力なフックアップによって瞬く間にスターダムへ押し上げられ、プライベートジェットに乗るほどの身分になった事実を誇示している。

I was born to be reckless
俺は無謀に生きるために生まれた

Was forced to make records
レコードを作るよう運命づけられていたんだ

So you ain't gotta ask, "Who's next? Who's next?"
だから「次は誰だ?次は誰だ?」なんて聞く必要はない
※自分が音楽業界の覇権を握る「次なる存在」であることを、圧倒的な自信とともに宣言している。

[Pre-Chorus]

This ain't nothing (No), but it's all I need (It's all I need)
こんなの大したことないと言いながら、これが俺の必要なすべてなんだ

And the peak ain't reached (Ooh-ah), but the peak is all I feel (Ooh)
まだ頂点には達していないのに、頂点の感覚だけは味わっている

And it feels so good (It feels so good)
そしてそれは最高に気持ちいい

It feels so good (It feels so good)
最高に気持ちいいんだ

It feels so good (It feels so good)
最高に気持ちいいんだ

It feels so good, good, good, good
最高に気持ちいい

[Chorus]

Ooh (Oh, oh)

And I ain't scared of the fall (Oh, oh)
俺は没落なんて恐れない

And I ain't scared of the fall (Oh, oh)
俺は没落なんて恐れない

And I ain't scared of the fall (Oh, oh)
俺は没落なんて恐れない

Ooh, the ground before (Oh, oh)
以前にどん底の地面を

I've felt the ground before (Oh, oh)
以前にどん底の地面を味わっているからな

I've felt the ground before (Oh, oh)
どん底の地面を知っているんだ

The fall (Oh, oh)
没落を

And I ain't scared of the fall
俺は没落なんて恐れない

[Bridge]

Oh yeah

Woah-ooh-oh

Woah-oh-oh

Woa-ooh-ooh

Ooh-ooh-ooh-ooh-ooh-ooh-ooh, ooh-ooh, yeah

Woah, yeah

[Outro]

XO
※The Weekndのクルー名でありレーベル名。同時に「Ecstasy (MDMA)」と「Oxycodone (鎮痛剤)」の隠語ともされる。

XO

XO

XO

XO

Woa-oh-oh