Artist: JPEGMAFIA
Album: Veteran
Song Title: Dayum
概要
JPEGMAFIA(通称:Peggy)のブレイクスルーとなった2018年の名盤アルバム『Veteran』の中盤に配置された本作は、約1分半の短いインターリュード(間奏曲)でありながら、彼のビートメイカーとしての卓越した狂気と独創性を凝縮したトラックだ。唸るような重低音のベースラインと、不規則にチョップされたボーカルサンプルが執拗にループし、聴く者の不安を煽るようなアブストラクトでインダストリアルな音響空間を構築している。歌詞そのものは極めてミニマルだが、「覚醒(awake)」と「緊張(nervous)」という言葉の反復は、アルバム全体を覆うパラノイア(被害妄想)や、常に周囲を警戒しなければならないストリートでのサバイバル状態、あるいは過剰なヘイトが渦巻くインターネット社会における精神的な疲弊を象徴している。後続のハードな楽曲へとリスナーを導く不穏なブリッジとして機能し、実験的ヒップホップの限界を押し広げようとするPeggyの音作りへの執念が垣間見える重要な小品である。
和訳
[Interlude]
Damn, I'm awake
くそっ、俺は起きてるぜ
※「awake」は物理的に目が覚めている状態であると同時に、社会の不条理や周囲の敵意に対して「覚醒している(Woke)」状態、あるいはパラノイアによって眠れない精神状態を示すダブルミーニングとして機能している。
Damn, I'm–
くそっ、俺は…
Damn, I'm awake
くそっ、俺は起きてるぜ
Damn, I'm awake, I'm–
くそっ、俺は起きてる、俺は…
Damn, damn, damn
くそっ、くそっ、くそっ
It goes damn, damn, damn
くそっ、くそっ、くそっ、てな具合だ
Damn, damn, damn
くそっ、くそっ、くそっ
Damn
くそっ
※サンプリング音声を極端に切り刻み(チョップ)、反復させる手法。彼のトレードマークである「Da-damn, Peggy!」というプロデューサータグを連想させつつ、強迫観念のようなループを作り出している。
Nervous
ひどくナーバスになってる
※退役軍人(Veteran)としてのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や、アンダーグラウンド・シーンから這い上がる中でのプレッシャー、さらにはSNS上のヘイターたちからの攻撃に対する慢性的な緊張感(Nervous)をたった一言で表現し、楽曲を締めくくっている。
