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Cuttin’ Headz - Ol’ Dirty Bastard (feat. RZA) 【和訳・解説】

Artist: Ol’ Dirty Bastard (feat. RZA)

Album: The Return to the 36 Chambers: The Dirty Version

Song Title: Cuttin’ Headz

概要

1995年にリリースされたOl’ Dirty Bastard(以下ODB)のソロデビューアルバム『The Return to the 36 Chambers: The Dirty Version』に収録された、Wu-Tang Clanの核心と原点を突くトラック。本作は、グループ結成前の1992年頃、ODBと従兄弟であるRZAが「All in Together Now」というクルー名義で活動していた時期に録音されたデモ音源をベースとしている。そのため、歌詞には当時の年号が刻まれており、RZAの極めてローファイでザラついた初期のビートメイクを堪能できる。最大の見どころは、二人がシームレスに小節や単語を交換し合う、オールドスクールな「バック・トゥ・バック」のマイクリレーである。「Cuttin' Headz(首切り)」というタイトルが示す通り、カンフー映画『空飛ぶギロチン』の冷酷な世界観と、ニューヨークの荒廃したストリートの現実を重ね合わせ、立ち塞がるフェイクなMCたちの首を次々と狩っていくという、彼らの荒々しいハングリー精神が封じ込められた歴史的音源である。

和訳

[Intro]

Isn't that powerful?
それは強力ではないか?

Isn't that powerful?
それは強力ではないか?

Isn't that power—
それは強力では—
※セロニアス・モンクの音源などから抽出された古いボーカル・サンプリングのループ。トラックの不穏で催眠的な雰囲気を高めている。

[Verse 1: Ol' Dirty Bastard, RZA, Ol' Dirty Bastard & RZA]

Here it is, where's it at? In the back, got a stack
ここにあるぜ、どこだ? 後ろにある、札束を持ってるぜ
※ここからODBとRZAが息つく暇もなく言葉を掛け合うバック・トゥ・バックのフロウが始まる。

The Dirty Bastard, yo, you bastard, flip the fat track
ダーティ・バスタード、ヨォ、この野郎、イケてるトラックを流せ

Here I go, here I go, whether friend, whether foe
俺がいくぜ、俺がいくぜ、味方だろうが敵だろうがな

Let them know that I flow over the rainbow
俺が虹の彼方までフロウするってことを奴らに教えてやれ
※アルバムの別曲「Goin' Down」でも『オズの魔法使い』の歌を口ずさむように、常軌を逸した狂気的な彼自身のスタイルを表現している。

Hit the deck, aw, yep, "Ch-ch-plow," from the TEC
伏せろ、あぁ、そうだ、「チャッ、チャッ、プラウ」、TECからの発砲だ
※「TEC」はストリートで頻繁に使用された自動拳銃TEC-9のこと。擬音語で銃撃の様子を生々しく描く。

Takin' heads, takin' necks, what the fuck they expect?
頭を獲る、首を獲る、奴らは一体何を期待してるんだ?

I don't know, I don't care
俺は知らない、知ったこっちゃない

I won't fall, I won't stare
俺は倒れないし、見つめたりもしない

At a ho less I know that I'm goin' to the mo-
娼婦のことなんてな、俺がモーテルに向かってるってわかってない限りは
※次の行の「T-t-tel」と繋がる変則的なライミング。単語を分割して独自のリズムを生み出している。

T-t-tel 'cause I'm lousy, my technique is drowsy
モーテルにな、だって俺は最低で、俺のテクニックは眠気を誘うようなモンだからな

Stop tryin' to foul me by sayin' that we're lousy
俺たちが最低だなんて言って、反則を取ろうとするのはやめな

But I'm a tyrant, defiant, walkin' New York giant
だが俺は暴君で、反抗的で、歩くニューヨーク・ジャイアントさ
※アメフトのNYジャイアンツと、大男のようにシーンを圧倒する自分たちの巨大な存在感をかけている。

President of the Wu, but I'm also a client
ウーの社長だが、俺は顧客でもあるんだ
※当時アメリカで頻繁に放送されていた薄毛治療の「Hair Club for Men」の有名なCMのキャッチフレーズを完全なパロディとして引用し、ユーモアを交えている。

It's the Wu, what? You knew what? You do what? What?
これがウーだ、なんだ? お前は何を知ってた? お前は何をする? なんだ?

Who? What? What?
誰だ? なんだ? なんだ?

I don't give a flyin' fuck about a chump 'cause his heart only pumps Kool-Aid
マヌケ野郎のことなんてこれっぽっちも気にしねえ、奴の心臓はクールエイドを送り出してるだけだからな
※「Kool-Aid」はアメリカの子供向けの粉末ジュース。血の代わりに甘いジュースが流れているような、タフさの欠片もない軟弱なMCを嘲笑している。

Snatch a kid by the braids and cut his head off
ガキの三つ編みを掴んで、そいつの首を切り落とす
※カンフー映画に見られるような残酷な処刑の描写。ラップバトルにおける相手の完全な敗北を意味している。

[Interlude]

Of God
神の

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house—
家—

[Verse 2: Ol' Dirty Bastard, RZA, Ol' Dirty Bastard & RZA]

Rhymes is rugged like burnt buildings in Harlem
ライムはハーレムの焼け焦げたビルみたいにラギッドだ
※「rugged」は荒削りでタフなヒップホップのスタイル。70〜80年代のニューヨーク・ハーレムの荒廃したスラム街の光景をビジュアル化している。

The Ol' Dirty Bastard from the Temple of Shaolin
少林寺から来たオール・ダーティ・バスタード
※「Temple of Shaolin」は彼らの地元であるスタテン・アイランドの呼び名。

Dirty to the brain like drops of acid rain
酸性雨の雫のように脳みそまでダーティだ

Clang, clang, clang with rhymes pluckin' at your brain
ガチャン、ガチャン、ガチャンと、お前の脳みそを弾くライムでな

So take a sip from the cup of death
だから死の杯から一口飲んでみな

And when you're shakin' my right hand, I'll stab you with the left
そしてお前が俺の右手と握手している時、俺は左手でお前を刺すぜ
※ストリートにおける究極の騙し討ち。相手を安心させておいて命を奪うという、冷酷なハスラーの掟を描写している。

Woo, woo, woo, red alert, red alert
ウー、ウー、ウー、レッドアラート、レッドアラート

Ason comin' straight from the dirt
エイソンが泥の中から真っ直ぐにやって来るぜ
※AsonはODBの別名。どん底のストリートから這い上がってきたことを強調している。

Once I go berserk, mad brothers got hurt
俺が一度狂暴になれば、イカれたブラザーたちも傷を負う

Nothin' new in '92, it's time to go to work
92年においても新しいことなんて何もない、仕事に行く時間だ
※このリリックが1992年に書かれたことを示す決定的なライン。Wu-Tang Clanとしてのブレイク前から彼らが同じハングリー精神でマイクに向かっていたことを証明している。

Trills, watch 'em scream once I hop on the scene
震え上がるぜ、俺がシーンに飛び込めば奴らが悲鳴を上げるのを見てな

They fear the return of the fatal flying guillotine
奴らは恐るべき空飛ぶギロチンの帰還を恐れているんだ
※1970年代の香港カンフー映画『空飛ぶギロチン』へのオマージュ。相手の首を遠隔から狩り取る恐ろしい武器を、彼らの圧倒的なラップスキルに例えている。

Mr. Milli, that means I'm also militant
ミスター・ミリ、つまり俺は過激派でもあるってことさ

Don't wear no suit and tie, I'm no gentleman
スーツもネクタイも着ない、俺は紳士なんかじゃない

Gettin' laid, takin' heads, that's my hobby
女を抱いて、首を獲る、それが俺の趣味さ

Punchin' brother Phills in the face who call me Robbie
俺をロビーと呼ぶブラザーのフィルズの顔面を殴りつける
※RZAの本名はRobert Diggsであり、家族や古い友人からは「ロビー」と呼ばれていた。「Robbie」という馴れ馴れしい呼び名に苛立ち、ナメた口を利く古参の知人を暴力で黙らせるストリートの緊張感を描いている。

I be the RZA, call me that 'cause I
俺はレザだ、そう呼べ、なぜなら俺は

Never liked the name I received from my papa
親父からもらった名前が一度も好きじゃなかったからな
※自らの本名を捨て、独自の教義と神話に基づいた「RZA」という神聖な名で生きるという、彼のアーティストとしての確固たるアイデンティティの宣言。

Dirty deluxe, yo, I'm huntin' for ducks
ダーティ・デラックス、ヨォ、俺はカモを狩ってるぜ

Snatchin' devils up by the hair, then cut his head off
悪魔どもの髪の毛を掴み上げて、そしてそいつの首を切り落とす
※Five Percentersの教義において「悪魔」は彼らを抑圧する存在や白人社会のシステムを指す。それを根絶やしにするという過激でホラーコア的なクロージング。

[Interlude]

Of God
神の

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

The house of God
神の家

Isn't that powerful?
それは強力ではないか?

Isn't that powerful?
それは強力ではないか?

Isn't that powerful?
それは強力ではないか?

Isn't that power—
それは強力では—

Isn't that power—
それは強力では—

[Outro: Ol' Dirty Bastard & RZA]

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)

Here it is, where's it at?
ここにあるぜ、どこだ?

In the back, got a st— (Isn't that power—)
後ろにある、札—(それは強力では—)