Artist: Isaiah Rashad
Album: IT’S BEEN AWFUL
Song Title: 10 STATES AWAY
概要
「10 STATES AWAY」は、Isaiah Rashadのアルバム『IT’S BEEN AWFUL』に収録された、胸を締め付けるような悲哀と後悔に満ちた内省的なトラックである。タイトルの「10州離れて」が示す通り、この楽曲は物理的な距離だけでなく、愛する家族やかつての恋人との間に生まれてしまった決定的な精神の隔たりを描き出している。キャリアの成功(アルバムのリリース)と引き換えに崩壊していくプライベート、書類上だけの存在になってしまった「父親」としての不甲斐なさ、そしてその痛みから逃れるために真昼間からハードドラッグ(straight raw)に溺れる姿が赤裸々に綴られる。TDEにおける「Sad Boy」としての彼の真骨頂であり、ゆっくりとしたメランコリックなビートの上で、取り返しのつかない過去への未練と自己破壊的な現在が交差する、痛切なブルースである。
和訳
[Verse]
They always caught me rapping on a slow-ass beat
いつも俺がクソ遅いビートでラップしてるのを見つけただろ
Jamming in my car in the morning
朝から車の中でノッてさ
Every since I was a young nigga
俺が若かった頃からずっと
Every since I was a old nigga
俺が歳をとってからもずっと
With my three kids at the show, nigga
3人の子供たちをライブに連れてきてな
※Isaiahには実際に子供がおり、父親としての責任とアーティストとしての生活の狭間で揺れ動く様子が過去の作品でも度々描かれている。
When we die, where do rappers go, nigga?
俺たちが死んだら、ラッパーはどこへ行くんだろうな?
※2Pacの「I Wonder If Heaven Got A Ghetto」などを彷彿とさせる、ヒップホップにおける実存的な問い。罪深い生活を送る自分たちに救済はあるのかという苦悩。
Found there was no control in the bottom of the bag
バッグの底には何のコントロールも残されてないって気づいたんだ
※「bag」は富(大金)や、ドラッグのパケ(袋)のメタファー。金やクスリを手に入れても、人生をコントロールすることはできなかったという虚無感。
In the shower, pouring liquor in the air
シャワーを浴びながら、宙に向かって酒をぶち撒けてる
I was fucked up, baby
俺は完全にイカれてたんだ、ベイビー
Is the love the same?
あの愛はまだ同じままだろうか?
Made a vow, then we prayed, then we pawned my chains
誓いを立てて、祈って、そして俺のチェーンを質に入れた
※どん底の時期に、ラッパーとしての成功の象徴であるジュエリー(チェーン)を手放してまで共に生きようとした過去の絆。
We made it through the summer
俺たちはあの夏を乗り越えた
I dropped an album, then we broke up
俺がアルバムを出して、そして俺たちは別れた
※音楽的成功(前作『The House Is Burning』などのリリース)が、皮肉にも二人の関係に終止符を打ってしまったという残酷な現実。
No hate for those unable to be faithful
誠実になれない奴らを憎みはしないよ
I guess that's how they made us
俺たちはそういう風に作られてるんだろうな
※浮気や裏切りを個人の罪ではなく、生まれ持った性質や環境(カルマ)のせいだと諦観している。
Kids make kids, and time do make strangers
子供が子供を作り、時間が人を他人に変えていく
Ah, but don't shame us for that
ああ、でもそのことで俺たちを責めないでくれ
That's just your father on paper
書類上だけの父親なんだから
Ten states away, like call for what?
10州も離れてるのに、何のために電話するんだ?
※物理的に遠く離れてしまい、もはや父親としての役割を果たせない自分への強烈な自己嫌悪。
Got them scars from us
俺たちから受けた傷を抱えて
Prideful, I'll trade you an eyeful
プライドが高くて、お前をじっと見つめ返すよ
Cried like we might never meet again
二度と会えないかもしれないってくらい泣いたな
The heart craves for what we had when we part ways
別れる時、心はかつて持っていたものを渇望するんだ
I'm still reaching for your hand on my dark days
暗い日々の中、俺はまだ君の手に手を伸ばしてる
I text a letter and deleted it for our sake
俺たちのためにメッセージを打っては消した
※未練を断ち切るため、あるいはこれ以上相手を傷つけないために、連絡を踏みとどまる切ない描写。
It's been forever and forever and forever and forever
もうずっと、永遠に、永遠に、永遠に時間が経ったみたいだ
(Yeah)
[Outro]
I'm in a daze planning my escape route
俺はぼんやりとしながら逃走ルートを計画してる
I'm fucked up in the middle of the day, huh
真昼間から完全にキマッてるんだ、はは
Where do you go? It ain't nowhere to lay down
どこへ行くんだ? 横になれる場所なんてどこにもないぜ
My new friends got a pile of the straight raw
新しい友達は極上のピュアなクスリの山を持ってる
※「straight raw」は混ぜ物のない純度の高いハードドラッグ(コカインやヘロインなど)。悲しみから逃れるために、さらに深い依存の沼へと足を踏み入れている。
I got some hoes in the 'tel living face-down
ホテルにはうつ伏せになった女たちがいる
※「'tel」はホテルの略。意識を失うほどドラッグとセックスに溺れる退廃的で自暴自棄な情景。
Oh yeah, oh yeah, oh yeah, I'm at one with the bass now
ああ、ああ、ああ、今じゃ俺はベースと一体化してる
I'm in a daze planning my escape route
俺はぼんやりとしながら逃走ルートを計画してる
I'm fucked up in the middle of the day, huh
真昼間から完全にキマッてるんだ、はは
Where do you go? It ain't nowhere to lay down
どこへ行くんだ? 横になれる場所なんてどこにもないぜ
My new friends got a pile of the straight raw
新しい友達は極上のピュアなクスリの山を持ってる
I got some hoes in the 'tel living face-down
ホテルにはうつ伏せになった女たちがいる
Oh yeah, I'm at one with the bass
ああ、俺はベースと一体化してる
It's been forever and forever and forever and forever, yeah, yeah, yeah, yeah
もうずっと、永遠に、永遠に、永遠に時間が経ったみたいだ、ああ、ああ、ああ、ああ
It's been forever and forever and forever and forever, yeah, yeah, yeah, yeah
もうずっと、永遠に、永遠に、永遠に時間が経ったみたいだ、ああ、ああ、ああ、ああ
It's been forever and forever and forever and forever, yeah, yeah, yeah, yeah
もうずっと、永遠に、永遠に、永遠に時間が経ったみたいだ、ああ、ああ、ああ、ああ
