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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

ACT NORMAL - Isaiah Rashad 【和訳・解説】

Artist: Isaiah Rashad

Album: IT’S BEEN AWFUL

Song Title: ACT NORMAL

概要

「ACT NORMAL」は、Isaiah Rashadの2026年のアルバム『IT’S BEEN AWFUL』に収録された、極めてパーソナルで物議を醸すトラックである。この曲で彼は、自身のポルノ依存症、性的なトラウマ、そしてそれが家族の血脈にどのように組み込まれているかというタブーに深く切り込んでいる。12歳でのインターネット・ポルノとの出会い、父親の隠し持っていたポルノ雑誌、そして過去の性的なスキャンダル(男性とのプライベートな映像の流出)への間接的な言及など、ヒップホップにおける有害な男らしさ(Toxic Masculinity)の解体と自身の脆さを同時に表現している。性的な対象化と愛の混同に苦しみながらも、世間に対して「普通に振る舞え(Act Normal)」と自己暗示をかけるコーラスは痛切である。アウトロでは再びDJ Sunny Roshiが登場し、夜の静寂へとリスナーを導いていく、アルバムの中でも特に内省的でダークな名曲である。

和訳

[Intro]

(And I can see)
(そして俺には見える)

[Verse 1]

We was twelve in the back on the Macintosh
俺たちは12歳で、マッキントッシュの裏側にいた

Do you wanna see some nasty shit?
ヤバいものが見たいか?って

My daddy kept his stash on the bedroom floor
親父は寝室の床にブツを隠し持ってた
※「stash」は通常ドラッグを指すが、この文脈ではポルノ雑誌やビデオの隠し場所(スタッシュ)を意味している。

That's why he locking up his bedroom door
だから親父は寝室に鍵をかけてたんだ

Acquired secrets, learned to be the best at it
秘密を手に入れ、それを極めることを学んだ

Turned out the whole family was sex addicts
結局、家族全員がセックス依存症だったんだ
※自身の性的な依存や歪んだ欲望が、幼少期の環境や家族の血筋(カルマ)から受け継がれたものであるという重い告白。

Found some was ashamed of waves in the brain that they passed down
彼らが受け継いだ脳内の衝動(波)を恥じている者もいると知った

Prayed for the crash-outs
破滅を祈ったよ
※「crash-out」は暴走して破滅すること、あるいは精神的に崩壊すること。

They say your mama was in love with her best friend
お前の母さんは親友と恋に落ちてたって噂だ

Dodging those feelings, raw, she quit calling
その生々しい感情から逃げるように、彼女は連絡を絶った

Who let the bugs in the WiFi? Remеmber now?
誰がWi-Fiに虫(バグ/盗聴器)を仕掛けたんだ? 思い出したか?
※インターネットを通じたプライバシーの侵害。過去に自身のプライベートな性的な映像がハッキングされてネット上に流出した事件への直接的なリファレンスと解釈されている。

Don't view too much or your eyеs get desensitized
見すぎちゃダメだ、目が麻痺してしまうぞ
※過激なポルノやネットの情報の見すぎで、現実の性や愛に対する感覚が麻痺(desensitized)してしまう現代の病理。

Poor babies who elders informed it was normal
大人たちから「それが普通だ」と教えられた可哀想な子供たち

You'll grow older, run trains and remain here
お前たちも大人になって、乱交して、ここに留まるんだ
※「run trains」は複数の男性が連続して一人の女性と性行為をするスラング。歪んだ性教育や環境がもたらす悲惨な未来。

Maybe it was love, then sex, then sadism
最初は愛だったのかもしれない、それからセックス、そしてサディズムへと変わっていった

Watching all that porn in the morn' might change you
朝からそんなポルノばかり見てたら、お前はおかしくなっちまうかもしれないぞ

[Chorus]

War is living, yet at war with yourself
生きることは戦争だ、そして自分自身との戦争でもある

What is love when I don't trust a boy or a girl?
男も女も信じられないのに、愛って何なんだ?
※自身のバイセクシュアルな一面を仄めかしつつ、性別を問わず他者を、そして自分自身すら信用できなくなってしまった孤独感。

Act normal
普通に振る舞え

Yeah, war is living, yet at war with yourself
ああ、生きることは戦争だ、そして自分自身との戦争でもある

What is love when I don't trust a boy or a girl?
男も女も信じられないのに、愛って何なんだ?

Act normal
普通に振る舞え
※トラウマや心の闇を隠して、世間に対して「普通(Normal)」を演じ続けなければならないスターの苦悩。

[Verse 2]

(And I can see)
(そして俺には見える)

I was eighteen fucking for sport, running from love
俺は18歳で、スポーツ感覚でヤりまくり、愛から逃げていた

That's a bad vibe, breaking my heart
それは悪いバイブスだ、俺の心を壊していく

By next time, I had tried some things
次に会うまでに、俺はいくつかのことを試した

Try some more cry, baby
もっと泣いてみろよ、ベイビー

World tour, the rapper is a porn star
ワールドツアー、ラッパーはポルノスターさ
※ラッパーという職業が、富や名声とともに、常に私生活を消費され、性的な対象として扱われる(あるいは自らそう振る舞う)ことへの自嘲。

Some girls come with a dick, some with the child support
ディックがついてる女の子もいれば、養育費を抱えてる女の子もいる
※ストリートや夜の世界で出会う多様な(あるいは厄介な)相手の描写。「come with a dick」はトランスジェンダー女性のこと、あるいは過去の流出ビデオへの言及。

Souls collide and combine to dust
魂が衝突し、混ざり合って塵になる

It's a bomb when you line it up
それを並べた時、それは爆弾になるんだ
※「line it up」はコカインのラインを引くこと。ドラッグとセックスが結びついた時の破壊的な快感。

Lockjawed, must be somethin' in the water that riled me up
顎が固まっちまった、水の中に俺を昂らせる何かがあったに違いない
※「Lockjaw」はドラッグ(特にMDMAやコカインなどのアッパー系)の副作用である激しい歯ぎしりや顎のこわばりのこと。

The postmortem deep-end dive
死後の深淵へのダイブ

Though we enjoyed the fall so much
俺たちは落ちていくのをあんなに楽しんでいたのにな

Unable to walk, so just call us on holograms
歩くことすらできない、だからホログラムで俺たちを呼び出してくれ

Faking appearances ain't as deep as it feel
外見を偽ることは、感じているほど深くはないんだ

As we evading the fear in this coffin
この棺桶の中で恐怖から逃れながらな
※前曲「SUPAFICIAL」でも登場した「棺桶(coffin)」のメタファー。死への恐怖から逃れるために、セックスやドラッグ、偽りの姿で現実逃避している。

[Chorus]

War is living, yet at war with yourself
生きることは戦争だ、そして自分自身との戦争でもある

What is love when I don't trust a boy or a girl?
男も女も信じられないのに、愛って何なんだ?

Act normal
普通に振る舞え

War is living, yet at war with yourself
生きることは戦争だ、そして自分自身との戦争でもある

What is love when I don't trust a boy or a girl?
男も女も信じられないのに、愛って何なんだ?

Act normal
普通に振る舞え

[Post-Chorus]

(You finding new ways to reach these heights)
(君はこれらの高みに到達する新しい方法を見つけている)

(They be too high for me)
(俺には高すぎるよ)

(It's DJ, DJ Sunny Roshi, coming to you live on WWUR)
(こちらはDJ、DJ Sunny Roshi、WWURから生放送でお届けしているぜ)

(Worldwide underground radio)
(ワールドワイド・アンダーグラウンド・ラジオ)

(The people's radio)
(みんなのラジオ局だ)

(We got a few more jams before we get out for the night)
(今夜の放送が終わる前に、もういくつかヤバい曲を用意してるぜ)

(Like I said, smoke fresh, don't drink too much)
(さっきも言った通り、新鮮なウィードを吸って、飲みすぎるんじゃないぞ)

(Keep it cool)
(クールにな)

[Outro]

So good like this life was a dream, oh
この人生が夢だったかのように最高さ、ああ

We ride past midnight, then repeat, oh
真夜中を過ぎても車を走らせて、そして繰り返す、ああ

Our love making light for the street, oh
俺たちの愛がストリートに光を灯す、ああ

Free world, free world
自由な世界、自由な世界さ

So good like this life was a dream, oh
この人生が夢だったかのように最高さ、ああ

We ride past midnight, then repeat, oh
真夜中を過ぎても車を走らせて、そして繰り返す、ああ

Our love making light for the street, oh
俺たちの愛がストリートに光を灯す、ああ

Free world, free world
自由な世界、自由な世界さ

So good like this life was a dream, oh
この人生が夢だったかのように最高さ、ああ

We ride past midnight, then repeat, oh
真夜中を過ぎても車を走らせて、そして繰り返す、ああ