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Slime You Out - Drake (feat. SZA) 【和訳・解説】

Artist: Drake (feat. SZA)

Album: For All The Dogs

Song Title: Slime You Out

概要

「Slime You Out」は、2023年にリリースされたアルバム『For All The Dogs』のリードシングルであり、DrakeとSZAという二大スーパースターによる初の公式コラボレーション楽曲である。タイトルの「Slime Out」はアトランタ由来のスラングで、「騙す、裏切る、ひどい扱いをする」といった意味を持つ。Drakeは「Mob Boss」としての傲慢さと、女性関係における執着深さ(Sad Boy)を織り交ぜながら、幼稚な女性たちを「Slime Out(騙して使い捨ててやる)」と冷徹に宣言する。一方のSZAは、表面上はタフに振る舞いながらも裏では自分に甘える男たちの虚勢を暴き、痛烈な視点でやり返す。Drakeのヴァース後半では、1月から12月までのカレンダー形式で女性の移り気な心理と自己中心的な行動を描写する秀逸なストーリーテリングが展開され、その高いリリシズムがファンコミュニティで絶賛された。男女の愛憎とエゴが衝突する、冷たくも美しいR&Bのマスターピースである。

和訳

[Intro: Drake]

I don't know
分からないよ

I don't know what's wrong with you girls
君たち女の子の何が間違ってるのか、俺には分からない

I feel like y'all don't need love, you need somebody who could micromanage you
君らには愛なんて必要ないんじゃないか。必要なのは、君らを細かく管理(マイクロマネジメント)してくれる誰かだろ

You know what I'm sayin'? Tell you right from wrong
言ってること分かるか? 何が正しくて何が間違っているか教えてやる

Who's smart from who's the fool
誰が賢くて、誰が馬鹿なのかをな

Which utensil to use for which food, like
どの食べ物にどのナイフとフォークを使えばいいかまで教えてやるよ

I got a schedule to attend to, though
俺にはこなさなきゃならないスケジュールがあるんだがな

I can't really...
俺には本当に無理だ…

(6ix)
(シックス)
※プロデューサーであるBreyan Isaac(別名6ix)のタグ、あるいはトロントの愛称。

[Verse 1: Drake]

You bitches really get carried away
お前らビッチは本当に調子に乗りやがる

Makin' mistakes, then you beg me to stay
ミスを犯しておいて、俺に行かないでくれとすがりつく

Got me wiggin' on you like I'm Arrogant Tae
お前に対してブチ切れ(ウィギン)ちまうぜ、まるで俺がアロガント・テみたいにな
※「wigging out(激怒する)」と、有名セレブのヘアスタイリストであるArrogant Taeの「wig(ウィッグ・かつら)」をかけた言葉遊び。

You got my mind in a terrible place
お前のせいで、俺の頭の中は最悪な状態だ

Whipped and chained you like American slaves
アメリカの奴隷みたいに、お前をムチ打って鎖で繋いだろうか
※このラインは、アメリカにおける奴隷制という深刻な歴史を性的・比喩的な文脈で使用したことで、リリース時に強い物議を醸した。

Act like you not used to Sheraton stays
シェラトンに泊まるのなんて慣れてない、ってな態度を取りやがる

I met the nigga you thought could replace
お前が俺の代わりになると思っていたあの野郎に会ったぜ

How were there even comparisons made?
どうやったら俺とあいつが比較対象になるんだ?

Bitch, next time, I swear on my grandmother grave
ビッチ、次は俺の祖母の墓にかけて誓うよ

I'm slimin' you for them kid choices you made
お前が下したそのガキみたいな選択の代償として、お前をスライム(騙して使い捨て)してやる

[Refrain: Drake]

Slimin' you out, slimin' you out, slimin' you out
お前をスライムしてやる、スライムしてやる、スライムしてやる

[Verse 2: Drake]

Ayy, this ain't the littest I could get on you bitches
エイ、お前らビッチに対する俺の怒りはこんなもんじゃないぜ

Send wires on wires on wires like Idris
イドリスみたいに、ワイヤー(送金/ドラマ)を次々と送りまくってやるよ
※銀行送金の「wire(wire transfer)」と、イギリスの俳優イドリス・エルバが主演した伝説的ドラマ『The Wire』をかけた鮮やかなパンチライン。

You lucky that I don't take back what was given
俺が与えたものを返せと言わないだけ、お前は運がいいんだ

I could have you on payment plan 'til you're hundred and fifty
お前が150歳になるまで、分割払いのローンを背負わせることもできるんだぜ

And my slime right here, she got some bars for y'all niggas
そして俺のスライム(相棒)がここにいる。彼女がお前ら野郎どものためにいくつかヴァースを用意してる

So I'ma fall back and let SZA talk her shit for a minute
だから俺は一旦引いて、SZAに少し語らせてやるよ

[Refrain: Drake]

Slimin' you out, slimin' you out, slime
お前をスライムしてやる、スライムしてやる、スライム

[Verse 3: SZA]

Damn, these niggas got me so twisted
クソ、この野郎どものせいで頭がおかしくなりそうだわ

How the fuck you so real, but play bitch on my line?
どうして自分は「リアルだ」って顔してるくせに、私の電話では女々しいビッチみたいに振る舞うの?

I can feel what you're spinnin'
あなたがどんな嘘を紡いで(スピンして)いるか、私には分かるのよ

Got too much pride to let no burnt nigga slime me out
私にはプライドがあるから、イケてない野郎にスライムされる(騙される)なんて絶対に許さない

Pull up, go write about
車を停めて、書き始めなさいよ

My night, got time, let's discuss all those lies about
私の夜、時間はたっぷりあるわ。あなたのその嘘について全部話し合いましょう

Frontin' out here like you diggin' me out
外では私を激しく抱いた(掘り起こした)なんてイキり散らしてるけど

And I ain't even cummin', I'm in and out
私はイッてすらないわよ、さっさと済ませて出入りするだけ

And you ain't 'bout the shit you rappin' about
あなたは自分がラップしてるようなタフな男じゃない

And I can spin a ho, I'm airin' it out
私は女を寝取る(スピンする)こともできる、全部暴露(エアアウト)してやるわ

I'm goin' off like a sawed-off
ソードオフ・ショットガンみたいにブチ切れてやるのよ

You tell these hoes you ain't cuddlin'
あなたは他の女たちには「俺はイチャイチャしない」って言ってるけど

But with me, you know you doin' all that shit
私といる時は、そういうこと全部やってるって自分でも分かってるでしょ

You tellin' these hoes you ain't trickin' off
他の女たちには「俺は女に貢がない(トリックしない)」って言ってるけど

But with me, you know I'm gon' get it all
私からなら、何もかも奪われるって分かってるわよね
※ストリートでタフに振る舞い、女に冷たく接しているとラップするラッパーたち(Drake含む)が、裏では自分に甘え、貢いでいるという強烈な暴露と皮肉。

How you niggas get so carried away?
どうしてお前ら野郎どもはそんなに調子に乗れるの?

Trippin' when that dick is barely third place
そのチンポがせいぜい3位レベルだってのに、勘違いしてキレてるのよ

Fucked out of pity, it's cute that you lame
同情してヤッてあげたのよ、あなたのそのダサいところが可愛いから

Dip 'cause it's mid, I can't fake like it's hangin'
たいしたことない(mid)から途中で帰るわ。大きい(hangin')フリなんてできないもの

[Refrain: SZA]

Slimin' you out, I'm slimin' you out, I'm slimin' you out
あなたをスライムしてやる、スライムしてやる、スライムしてやるわ

Oh-woah, woah

[Verse 4: Drake]

Yeah

January, you pretend to see life clearly, yearly
1月、君は毎年、自分の人生がはっきりと見えているフリをする

February is the time that you put the evil eye and the pride aside
2月は、君が邪悪な目とプライドを脇に置く時期だ

For the fantasy of gettin' married, very scary
結婚するというファンタジーのためにね。本当に恐ろしいよ
※バレンタインデーがあるため、妥協して結婚を夢見る女性の心理。

March got you already second guessin' titles
3月には、君はもう肩書き(恋人関係)について迷い始めている

April, spring is here and just like a spring, you start to spiral
4月、春(spring)が来た。そしてバネ(spring)のように、君の感情は螺旋状(スパイラル)に狂い始める

May brings some warmer days, poolside, gettin' very tan
5月は暖かい日をもたらす。プールサイドで、君は日焼けをしている

June have you movin' ice cold, goin' back and forth with a married man
6月、君は氷のように冷たく動き、既婚者の男とヨリを戻したり別れたりを繰り返す

July, that's when I found out you lied
7月、それは君が嘘をついていたと俺が知った時だ

August, it was "baby" this, "baby" that like you had your tubes tied
8月、君は「ベイビー、ベイビー」と繰り返していた。まるで卵管結紮術(tubes tied/子供ができない手術)でもしたみたいにな
※妊娠できない(babyがいない)状態と、口先だけで「baby」と呼ぶ女性をかけたワードプレイ。

September, we fallin' off, but I'm still the man you tryna win over
9月、俺たちの関係は崩れ落ちた(秋=fallの掛詞)。だが俺はまだ、君が手に入れようとしている男のままだ

October is all about me 'cause your turn should've been over
10月は完全に俺の月(OVO=October's Very Own)だ、だって君の出番はもう終わってるはずだからな

November got you moodboardin' for next year and you're single
11月、君は来年に向けてムードボード(計画)を作っている。そして君はシングルのままだ

December the gift-givin' month and now you wanna rekindle our year
12月はプレゼントを贈る月だ。そして今になって、君は俺たちの1年をやり直したい(rekindle)と思っている
※クリスマスプレゼント目当てで擦り寄ってくる打算的な女性への皮肉。

Tryna build trust, showin' me your DMs, how they tryna bag you
信頼を築こうとして、他の男たちが君をどうやって口説こう(bag)としているか、俺にDMを見せてくる

Ironic how the news I got about you ended up bein' bad news
皮肉なもんだな。俺が耳にした君の噂は、結局すべて悪い知らせ(bad news)だったなんて

Get a nigga hit for fifty racks, girl, the beef cost like it's wagyu
5万ドル(50ラック)で野郎を始末させる。ガール、このビーフ(抗争)は和牛(Wagyu)みたいに高くつくぜ
※「beef」と高級な「和牛」をかけた、Mob Bossの冷酷なジョーク。

Get a nigga hit, I'll make his ass see the light like a half-moon
野郎を始末させて、あいつにハーフムーンみたいな光を見せてやるよ
※「see the light(死後の光を見る/殺される)」と半月(half-moon)の形状の比喩。

Shout to QC, pretty sure I made Pee M's like it's past noon
QC(Quality Control)にシャウトアウト。俺がP(Pierre "P" Thomas)に、正午過ぎ(PM)みたいにミリオン(M)を稼がせたのは間違いないぜ
※アトランタの有力レーベルQuality Controlの創設者Pに対して、自分が客演したことで「PにM(数百万ドル)」をもたらしたというフレックス。正午過ぎの「PM」とかけた完璧なライム。

All I really know is W's and M's, life lookin' like a bathroom
俺が知っているのはW(勝利)とM(ミリオン)だけだ。人生がトイレ(Women's / Men's)みたいに見えるぜ

All I really know is M bags like I drove through and ordered fast food
俺が知っているのはM(ミリオン)のバッグだけだ。ドライブスルーでマクドナルド(M)を注文したみたいにな

Sayin' that I'm too guarded with my feelings, who the fuck even asked you?
俺が自分の感情にガードが固すぎるなんて言ってるが、一体誰が君にそんなこと聞いたんだ?

Seven bodyguards just in case somebody really wanna try and crash through
誰かがマジで突っ込んできた時のために、7人のボディガードをつけてるのさ
※感情のガードと、物理的なボディガードをかけている。

Don't know why I listen to you when I hear you talkin' to me, it's some half-truths
君が俺に話しかけてくる時、それが半分嘘(half-truth)だって分かってるのに、なぜ聞いてしまうのか自分でも分からない

If I don't pay your rent, it end up like an old hairstyle, girl, it's past due
もし俺が君の家賃を払わなかったら、それは古い髪型みたいに、期限切れ(past due)になっちまうんだぜ、ガール
※家賃の「支払い期限切れ」と、髪の「手入れの時期が過ぎている」ことをかけたワードプレイ。

If I don't—
もし俺が—

[Outro: Drake]

Ah-ah-ah, that's as far as I got
ああ、俺が考えたのはここまでだ