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I Guess It’s Fuck Me - Drake 【和訳・解説】

Artist: Drake

Album: Her Loss

Song Title: I Guess It’s Fuck Me

概要

「I Guess It’s Fuck Me」は、Drakeと21 Savageによるジョイント・アルバム『Her Loss』の最後を飾る、Drakeの単独トラックである。攻撃的なトラップビートと傲慢な「Mob Boss」のペルソナが支配的だったアルバム全体のトーンから一転し、Drakeは深夜の静寂の中で孤独と内省を吐露する「Sad Boy」の極致へと回帰する。タイトルの「I Guess It’s Fuck Me(どうやら俺は見捨てられたみたいだ)」は、アルバムタイトル『Her Loss(私を失ったのは彼女の損失だ)』という強がりに対する、惨めで正直な本音のコントラストとなっている。2009年の大ブレイクから現在に至るまでの重圧、そして巨大なプライベートジェットの階段の丈が合わず空港に降りられなかった実話を用いて「高みまで登り詰めすぎて、もう下りることすらできない」と成功者の究極の孤独を表現したラインは、ヒップホップファンの間で高く評価されている。華やかな虚像の裏側にある哀愁が胸を打つ、極上のクロージング・トラックだ。

和訳

[Intro]

You said fuck me, and I was like, "Cool"
君は「クソくらえ」って言った、俺は「ああ、そうか」って返した

So now what's the problem?
じゃあ、今度は何が問題なんだ?
※サンプリングされた話し声。関係が破綻した後の、冷え切った空気を演出している。

[Chorus]

Don't go hiding again
また隠れようとしないでくれ

Tired of asking where you been
君がどこにいたのか、もう聞くのもうんざりだ

You left so abruptly
君はあまりにも突然去っていった

I guess it's fuck me
俺のことは「クソくらえ」ってことなんだろうな
※タイトルの回収。見捨てられ、切り捨てられたことへの諦めと自嘲。

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Before it's over
完全に終わってしまう前に

I need you to come over once again
もう一度だけ、君にここへ来てほしいんだ

And before you give me closure
そして、君が俺に引導を渡す(関係を終わらせる)前に

Need you to come a little bit closer
もう少しだけ近くに来てほしい

[Verse]

Still steppin' like Omega Psi Phi for mine
今でも自分の仲間のためには、オメガ・プサイ・ファイみたいにステップを踏むぜ
※「Omega Psi Phi」は歴史ある黒人フラタニティ(学生社交クラブ)で、激しいストンプ(ステップ)のダンスで有名。「step」はストリートスラングで「敵を襲撃する、暴力を行使する」の意味であり、仲間のためなら今でも容赦なく敵を叩き潰すという誓い。

If bein' real was a crime, I'd be doin' life
もしリアルであることが罪なら、俺は終身刑を食らってるだろうな

Like that nigga not nice, I don't know polite
「あの野郎は優しくない」って言われるように、俺は礼儀なんて知らないのさ

I'm the first ever antisocial socialite
俺は史上初の、反社会的な社交界の名士だ
※セレブとして社交界の頂点に立ちながらも、ストリートのギャングスタ的なマインド(反社会性)を捨てきれないという矛盾したMob Bossのペルソナ。

The pain that I seen in my mother's eyes in 2009
2009年に母親の目の中に見たあの痛みが

Have me workin' 'til it's 2049
2049年になるまで、俺を働き続けさせるんだ
※2009年はDrakeの大出世作であるミックステープ『So Far Gone』がリリースされた年。経済的に苦しかった母の姿が、今でも彼をトップで走り続けさせる原動力となっている。

And get hate when I tell you, "Oh, some other time"
俺が「ああ、また今度な」って言うと、君は不機嫌になる

Like I really got some other time
まるで俺に「他の時間」なんて本当にあるかのようにな

You just tell me, "Never mind"
君はただ「もういいわ」って言うだけだ

Know I sound crazy to a lazy mind
怠惰な頭の奴からすれば、俺が狂ってるように聞こえるだろうな

Know it'll be a different kind
まるで次元が違うってことは分かってるさ

Shout out to the people workin' nine to five
9時から5時まで働いてる連中にシャウトアウトを

I be workin' nine to nine
俺は朝の9時から夜の9時まで働いてるんだ

And the six upside down, it's a nine
そして6をひっくり返せば、9になる

You already know the vibe
このバイブスはもう分かってるだろ
※自身の地元トロントの呼称「6ix」を反転させると「9」になるという、過去の楽曲でもお馴染みのDrake特有のワードプレイ。

And they leave 'cause of pride, but they comin' back every time
奴らはプライドのせいで去っていくが、毎回必ず戻ってくる

The devils that I recognize, most of them got pretty eyes
俺が認識している悪魔たち、そのほとんどは美しい目をしているんだ

Titties and some plans of just gettin' by, that's the way they live or die
巨乳と、ただその日暮らしでやり過ごす計画、それが彼女たちの生きるか死ぬかの道さ

Easy to judge, but, girl, who am I?
批判するのは簡単だが、ガール、俺は一体何様だって言うんだ?

Truth or dare, I'ma take a double dare
真実か挑戦か、俺はダブル・デア(二重の挑戦)を受けて立つぜ
※定番のパーティーゲーム「Truth or Dare」。真実を語るよりも、さらに過激な挑戦(危険な道)を選ぶ。

Truth is a suicide
真実を語ることは、自殺行為だからな

I would rather live a lie, keep you on the outside
俺はむしろ嘘を生き、君を外側の世界に留めておきたい

Introduce you to the guys
ダチたちに君を紹介する

Have you throwin' up the south side like you're one of mine
君が俺の身内であるかのように、サウスサイドのサインを掲げさせるんだ
※手で地元のギャングサインを作るカルチャーに女性を巻き込んでいる。

But you're not one of mine
でも、君は俺のものじゃない

You belong to everybody else when you're bored in your free time
暇な時間に退屈すれば、君は他の誰かのものになるんだから

Shit could make a thug cry, play it like a tough guy
サグ(悪党)すら泣かせるような状況だ、タフガイのフリをしてやり過ごすさ

Couldn't even land in the Hamptons, they didn't have the stairs for the shit I fly
ハンプトンズに着陸することすらできなかった、俺が飛ばしてる機体に合うタラップ(階段)がなかったからな

Swear it's like a metaphor, I can't even get down from the shit I climb
誓って言うが、これはまるでメタファーだ。俺は自分が登りつめた場所から、降りることすらできないんだ
※本作において最もファンから絶賛されている天才的なパンチライン。Drakeの巨大なプライベートジェット「Air Drake(ボーイング767)」が、富裕層の避暑地ハンプトンズの小さな空港ではタラップの高さが合わず乗客が降りられなかったという現実のトラブルを、「ヒップホップ・ゲームの頂点に登りつめすぎたせいで、もう普通の生活には降りられない(戻れない)」という絶対的成功者の孤独なメタファーへと見事に昇華させている。

Can't even get down from the shit I climb
自分が登りつめた場所から、降りることすらできないんだ

Yeah, girl, you're my size
ああ、ガール、君は俺にぴったりのサイズだ

Make me tell you one time
もう一度だけ言わせてくれ

We was on the front line, shit was in my bloodline
俺たちは最前線にいた、この戦いは俺の血統(血)に流れてるんだ

Waitin' for the sunshine
太陽の光が射すのを待っていた

But the sun never shines on me, on me
だが、太陽が俺を照らすことは決してないんだ

Sleepin' in the whip sometimes, girl, I was sleepin' upright
車の中で寝ることもあった、ガール、俺は座席に寄りかかって寝てたんだ

Henny, red cup life, broski kept it tucked tight
ヘネシー、レッドカップの生活、兄弟は銃をしっかりと隠し持っていた

Niggas talkin' bare shit about what they gon' do to mine
野郎どもは、俺の身内に何をしてやるかって、散々くだらないことをほざいていた
※「bare」は「たくさん、非常に」を意味するトロント・スラング。

Aw, now their tongues tied
ああ、今じゃ奴らも口をつぐんでいるがな

We was smokin', watched the sun climb
俺たちはマリファナを吸いながら、太陽が昇るのを見ていた

I would trap until my thumbs cried
親指が悲鳴を上げるまで、トラップ(違法な商売/スマホでの取引)を続けた

Tryna change it all in one line
たった1行のライン(リリック/コカインのライン)で、すべてを変えようとしていたんだ

Never seen a thug cry
サグが泣くのを見たことがないだろ

Love, it's been a long time
愛しい人よ、ずいぶん長い時間が経ったな

Bet you never seen a thug cry
サグが泣くのを見たことなんてないはずだ

Hit me on my hotline
俺のホットラインに電話してくれ

And no, ma, I'm not fine at all
そして、いや、母さん、俺は全然大丈夫なんかじゃないんだ
※アルバムの最後を締めくくる悲痛な本音。無敵の王として君臨してきた男が、最後に母親へ向けて弱音を吐くという、Sad Boyの真骨頂とも言える完璧なエンディング。

[Chorus]

Don't go hiding again
また隠れようとしないでくれ

Tired of asking where you been
君がどこにいたのか、もう聞くのもうんざりだ

You left so abruptly
君はあまりにも突然去っていった

I guess it's fuck me
俺のことは「クソくらえ」ってことなんだろうな

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Tell me, what did I do wrong?
教えてくれ、俺が何を間違えたっていうんだ?

Before it's over
完全に終わってしまう前に

I need you to come over once again
もう一度だけ、君にここへ来てほしいんだ

And before you give me closure
そして、君が俺に引導を渡す前に

Need you to come a little bit closer
もう少しだけ近くに来てほしい