Artist: Drake & 21 Savage
Album: Her Loss
Song Title: Privileged Rappers
概要
「Privileged Rappers」は、2022年のDrakeと21 Savageによるジョイント・アルバム『Her Loss』に収録された、冷笑的かつ傲慢なトラップ・アンセムである。楽曲の核となるのは、タイトルが示す通り「特権階級のラッパー(Privileged Rappers)」に対する痛烈な批判だ。ストリートの過酷な現実や下積み時代を経験せず、業界のコネやSNSのバズだけで成功を手にした若手ラッパーたちの怠慢やフェイクなギャングスタ像を、本物の「Mob Boss」としての視点から鼻で笑っている。Drakeは高級ジュエリーや一流ホテルでの放蕩を誇示して絶対的な地位をアピールし、21 Savageは実際の暴力や抗争を伴わないラッパーの虚構性を容赦なく暴き出す。両者のエゴと冷酷なユーモアが見事に交差し、現代のヒップホップ・シーンにおける「本物」と「偽物」の境界線を冷徹に突きつける、重厚な一曲となっている。
和訳
[Verse 1: Drake]
Woah, woah, yeah
Look at me dead in my eyes, I know that you know that a nigga ain't lyin'
俺の目を真っ直ぐ見ろ、俺が嘘をついてないことくらいお前も分かってるはずだ
Too much respect, all of my shawty BDs, they know not to try it
俺へのリスペクトがデカすぎる、俺の女たちの子供の父親たちは全員、俺に逆らうべきじゃないと分かってる
※「BD」はBaby Daddy(女性の子供の父親)の略。自分が関係を持つ女性の元パートナーたちすら、自分の権力を恐れて手出しできないという「Mob Boss」としての傲慢なマウント。
Too much respect, I used to hand out CDs before they would buy it
俺へのリスペクトがデカすぎる、奴らが俺のCDを買うようになる前は、俺が自分で手配りしていたんだからな
※現在の地位が最初から与えられた特権ではなく、ミックステープ時代の下積みを経て築き上げたものであるという自負。
Woah, she love me so much, it seem like she biased
おっと、彼女は俺を愛しすぎている、まるで贔屓しているみたいにな
Niggas don't know how I live, but that's 'cause they live at the Hyatt, ayy
奴らは俺がどう生きているか知らない、奴らはハイアットホテルに住んでるようなお坊ちゃんだからな
※ツアー中などにHyattのような安全な高級ホテルに滞在しているだけで、ストリートの現実や真のサバイバルを知らない「特権階級のラッパー」を皮肉っている。
4L step team steppin' on shit 'til it's quiet
4Lのステップチームが、静かになるまで全てを踏み潰す
※「4L」は21 Savageのクルー。「step」は銃撃や暴力を指す。敵を完全に沈黙させるまで徹底的に抗争を続けるというストリートの連帯の誇示。
He brought me the money sealed up, I still had to count it, I cannot just eye it
あいつは封をされた札束を持ってきたが、それでも俺は数えなきゃならなかった、目視だけで信用するわけにはいかないからな
※誰も簡単には信用しないマフィアのボスのような用心深さ。
[Chorus: Drake]
Woah, woah, woah
Yeah, let's have sex in the bank, tеll 'em to open the safе
ああ、銀行の中でセックスしようぜ、奴らに金庫を開けろと伝えてな
I hate a privileged rapper who don't even know what it take
何が必要なのかすら分かっていない、特権階級のラッパーが大嫌いなんだ
※タイトルの回収。苦労を知らず、甘やかされた環境でぬるま湯に浸かっている同業者たちへの痛烈な批判。
The diamonds, they hit like a rainbow, that's 'cause the necklace a Frank (Purr)
ダイヤモンドが虹のように輝いてる、このネックレスがフランクだからさ
※「Frank」はFrank Oceanが手がける高級ジュエリーブランド「Homer」のこと。猫が喉を鳴らす「Purr」というアドリブが、特権的なラグジュアリーさを際立たせている。
Woah, woah, woah
Yeah, let's have sex in The Nines (Let's do it)
ああ、ザ・ナインズの中でセックスしようぜ
Breakin' and bendin' her spine (Let's do it, let's do it)
彼女の背骨を折り曲げてやる
I hate a privileged rapper that ain't had a hit since he signed (Let's do it)
契約して以来ヒット曲を一つも出していない、特権階級のラッパーが大嫌いなんだ
Niggas be full of excuses, act like they takin' they time (For real, for real)
奴らは言い訳ばかりして、じっくり時間をかけてるようなフリをしやがる
[Verse 2: 21 Savage]
Woah, woah, woah
Look at me dead in my eyes, you see all the times that I had to go slide (21)
俺の目を真っ直ぐ見ろ、俺が何度襲撃に行かなきゃならなかったか分かるだろ
※「slide」は敵の縄張りに乗り込んで銃撃すること。自身のラップが実体験に基づく真実であることを強調。
Too many sticks, we go to war with whoever, ain't never been biased (Pussy)
銃が山ほどある、誰が相手でも戦争してやる、相手をえり好みしたことなんて一度もない
Too many sticks, how was they your opps and none of 'em died? (Pussy)
銃が山ほどあるって言うくせに、どうしてお前の敵は誰一人として死んでないんだ?
※ラップの中だけでギャングスタを気取り、実際には誰も手に掛けていないフェイクなラッパーの虚構性を容赦なく暴き出すパンチライン。
Hol' up (21), hol' up (21), hol' up (21)
待てよ、待てよ、待てよ
Why you pull up at one in the morning and sit on the edge of the bed? (For what?)
どうして深夜の1時にやって来て、ベッドの端に座ってるんだ?
Textin' emojis, tongue out, eggplant, must've went over her head (21)
舌出しやナスの絵文字をテキストしたのに、彼女には全く通じてなかったみたいだな
※深夜に家に呼んだにも関わらず、セックス(ナス=男性器、舌出し=オーガズムの暗喩)の意図を理解せず、ただ座っている女性への苛立ちと皮肉。
Catch him outside of the studio (Pussy), make him repeat what he said (Pussy, pussy)
スタジオの外で奴を捕まえて、言ったことをもう一度言わせてやる
Yeah, yeah, let's have sex in the car (On God)
ああ、車の中でセックスしようぜ
The Maybach came with a bar (21)
このマイバッハにはバーカウンターが付いてるんだ
I'm wipin' my dick with her bra (21, pew, pew, pew)
彼女のブラで俺のモノを拭いてるぜ
Sniped his ass, he got hit in the head from far (Pussy)
奴のケツを狙撃してやった、遠距離から頭をブチ抜かれたのさ
Opps gets undivided attention, I give them my all (On God)
敵には絶対的な注意を払う、俺のすべてを捧げてやるよ
※「undivided attention(専心、完全な注意)」は通常、愛する人に向ける言葉だが、ここでは敵を確実に殺すための完全な集中力としてシニカルに使っている。
How you come over to the spot when you know it's your time of the month? (How?)
月のモノが来てるって分かってるのに、どうして俺の場所に来たんだ?
Make a diss and see how fast you go from the booth to a blunt (Pussy)
ディス曲を作ってみろ、ブースからブラントにどれだけ早く直行するか見せてやる
※「go to a blunt」は、殺されてマリファナに巻かれる(Smoking on opps=敵を吸う)というドリル・カルチャーの定番の死のメタファー。
She say she hungry, I gave her dick for brunch (On God)
彼女がお腹が空いたって言うから、ブランチに俺のモノを食わせてやった
Send me my whole fee, I don't do backends and fronts (21)
俺のギャラは全額一括で送れ、前払いや後払いみたいな面倒なことはしない
[Chorus: Drake]
No, no, no
Let's have sex in the bank, tell 'em to open the safe
銀行の中でセックスしようぜ、奴らに金庫を開けろと伝えてな
I hate a privileged rapper who don't even know what it take
何が必要なのかすら分かっていない、特権階級のラッパーが大嫌いなんだ
The diamonds, they hit like a rainbow, that's 'cause the necklace a Frank (Purr)
ダイヤモンドが虹のように輝いてる、このネックレスがフランクだからさ
Woah, woah, woah
Yeah, let's have sex in The Nines (Let's do it)
ああ、ザ・ナインズの中でセックスしようぜ
Breakin' and bendin' her spine (Let's do it, let's do it)
彼女の背骨を折り曲げてやる
I hate a privileged rapper that ain't had a hit since he signed (Let's do it)
契約して以来ヒット曲を一つも出していない、特権階級のラッパーが大嫌いなんだ
Niggas be full of excuses, act like they takin' they time (For real, for real)
奴らは言い訳ばかりして、じっくり時間をかけてるようなフリをしやがる
