Artist: Drake (feat. Quavo & Travis Scott)
Album: More Life
Song Title: Portland
概要
『More Life』(2017年)に収録された「Portland」は、Murda Beatzによる中毒性の高いフルートのループに乗せ、MigosのQuavoとTravis Scottという当時のトラップ・シーンを牽引する二大巨頭を迎えたバンガーである。タイトルの「ポートランド」はTravis Scottのバースに登場する地名だが、楽曲全体を貫いているのは「他人に自分の波(トレンド)を乗っ取らせない」というトップランナーとしての矜持だ。Drakeのバースには、自分のフロウをパクりながら噛み付いてくる後輩ラッパー(ファンの間ではTory LanezやXXXTentacion、あるいはMeek Millへのディスと考察されている)に対する「Mob Boss」的な冷酷な警告が込められている。各々のアイコニックなフロウと、スポーツ選手やポップカルチャーの引用が連続する、圧倒的なフレックスの応酬である。
和訳
[Intro: Drake & Baka Not Nice]
Murda on the beat so it's not nice
マーダがビートを手掛けてる、だからこいつはヤバい(Not Nice)ぜ
※プロデューサーMurda Beatzのタグであり、OVOの側近Baka Not Niceの名前を掛けたお決まりのフレーズ。
Yeah
It's a Habibis ting, ya?
ハビビのシノギだ、だろ?
※「Habibi」はアラビア語で「親愛なる人、兄弟」を意味し、トロントの多国籍なストリートカルチャーで頻繁に使われるスラング。
[Verse 1: Drake]
Yeah, my side girl got a 5S with the screen cracked
俺の浮気相手は、画面の割れたiPhone 5Sを持ってる
※裕福な世界的スターでありながら、画面の割れた古いスマホを使う一般女性を都合よくキープしているというSad Boy的かつ有毒(Toxic)な描写。
Still hit me back right away, better not never hesitate
それでもすぐに返信してくる、決してためらっちゃいけないんだ
Don't come around thinkin' you gettin' saved
俺に救ってもらえるなんて思いながら近づいてくるなよ
Tryna show the dogs brighter days
俺のダチ(犬たち)に、もっと明るい日々を見せてやろうとしてるんだ
Got a torch, tryna light the way
松明を手にして、道を照らそうとしてるのさ
Bitin' everybody, which is ironic
お前はみんなのスタイルをパクって(噛み付いて)いる、皮肉な話だな
'Cause your next album probably won't ever see the light of day
だってお前の次のアルバムは、おそらく日の目を見る(光を浴びる)ことなんてないんだから
※「Bite(パクる/噛み付く)」と「Light of day(日の目を見る/光)」を掛けたワードプレイ。Drakeのフロウを盗用しながら彼を批判した若手ラッパー(Tory LanezやXXXTentacionら)のキャリアを、自らの権力で握りつぶすというMob Boss的な脅し。
Had fans, but you let 'em down
お前にもファンがいたが、お前は奴らをガッカリさせた
But I guess that's how you niggas gettin' down
でも、それがお前らみたいな奴らの落ちぶれ方(やり方)なんだろうな
I'm so high up I'm like, "How is niggas really gettin' down?"
俺はあまりにも高いところにいるから「あいつらどうやって降りるんだ?」って感じさ
I could never have a kid, then be out here still kiddin' round
子供を作っておきながら、まだガキみたいな遊び(kiddin' round)をしてるなんて、俺には絶対無理だな
※「Kid(子供)」と「Kiddin' round(ふざける)」のダブルミーニング。父親でありながらストリートで幼稚なビーフを続けるMeek MillやPusha Tに向けたサブリミナル・ディスだとファンの間で考察されている。
Boys playin' around, where you really wanna take it now?
坊やたちがおふざけをしてるが、一体これをどこまで持っていきたいんだ?
I got a 150,000 dollars for an afterparty
俺はアフターパーティーのギャラで15万ドルをもらった
And I gave it to the killas just to break it down
それを全部ヒットマン(仲間たち)に渡して、山分けさせてやったよ
Bring us up, I never take us down
俺たちを上に引き上げるんだ、俺は絶対に俺たちを降ろしたりしない
But if you bring me up, then they might take you down
だが、もしお前が俺の名前を口に出す(引き上げる)なら、奴らがお前を引きずり降ろす(殺す)かもしれないぜ
Fake fucked with me back then
あの頃、お前は俺と仲良くするフリをしていた
But it's gettin' hard for you to fake it now
だが今となっては、ごまかす(フリをする)のも難しくなってきたようだな
Fuck bein' rich when I'm forty, man, I'm tryna make it now
40歳になってから金持ちになるなんてクソくらえだ、なあ、俺は今すぐ成功を掴みたいんだ
[Chorus: Quavo]
Hell nah
絶対にノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波(トレンド)を乗っ取らせるな
※「Ride the wave」は他人のスタイルや流行に便乗すること。Migosの三連符フロウやDrakeのスタイルを無断で模倣する業界のハイエナたちを明確に拒絶している。
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波を乗っ取らせるな
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Park the Benz just to ride the Wraith
レイスに乗るためだけに、ベンツを駐車するのさ
※高級車メルセデス・ベンツから、さらに超高級なロールス・ロイス・レイス(Wraith)に乗り換えるという圧倒的な富のフレックス。
Skrrt skrrt
Ten million dollars, gotta hide the safe
1000万ドルだ、金庫を隠さなきゃな
[Post-Chorus: Quavo]
Skrrt-skrrt, oh
Michael Phelps with the swim moves
マイケル・フェルプスみたいな泳ぎ(スウィム・ムーブ)さ
※五輪金メダリストの競泳選手マイケル・フェルプス。波(Wave)に乗ることと、アメリカンフットボールでディフェンダーをかわす技術「スイム・ムーブ」を掛けて、敵の妨害を避けて進む様を表現している。
Skrrt-skrrt, oh
Michael Jordan with the tennis shoes
マイケル・ジョーダンみたいなテニスシューズ(スニーカー)さ
※Air Jordanのスニーカーを指し、足元から圧倒的なステータスを見せつけている。
[Verse 2: Quavo]
Skrrt skrrt
Quavo, young nigga, I invented you (Ugh)
クエヴォだ、若造、俺がお前を発明した(生み出した)んだぜ
※トラップ界の覇権を握ったMigosのフロウをパクる次世代のラッパーたちに対する、オリジネーターとしての強烈なマウント。
Ike Turner with the left hand (Ike)
アイク・ターナーみたいな左手だ
※妻ティナ・ターナーへの激しいDVで知られるIke Turner。暴力的で危険な裏の顔(左手)の暗喩。
Griselda Blanco with the trap moves (Trappin')
グリセルダ・ブランコみたいなトラップ(密売)の動きさ
※コロンビアの伝説的な女性麻薬王(コカインのゴッドマザー)Griselda Blanco。ストリートのビジネスの手腕を誇示している。
Gangland with the right hand (Gang)
右手にはギャングランド(裏社会)を握っている
Undertaker with the tattoos (Tats)
アンダーテイカーみたいにタトゥーが入ってる
※WWEの伝説的プロレスラーThe Undertaker。死神のような威圧感の象徴。
Never listen to the class rules (No)
クラスのルール(常識)なんて聞いたこともない
Switch it up, they bit the last move (Let's go!)
スタイルを切り替えるぜ、奴らは俺たちの前の動きをパクったからな
I'm a magnet for bad bitches (Magnet)
俺はイイ女(バッド・ビッチ)たちを引き寄せる磁石さ
You got the goin' out sad bitches (Sad)
お前が連れてるのは、落ちぶれて悲惨なビッチたちだ
I spent a fifty on the chain (Racks)
俺はチェーンに5万ドル(フィフティ)を費やした
You spent your last fifty (Ugh, cash)
お前は全財産の50ドル(フィフティ)を使い果たしたんだろ
I got the keys to the streets (Keys)
俺はこのストリートの鍵(支配権)を持っている
You got the key to defeat (Defeated)
お前が持っているのは敗北への鍵だ
I got the keys to the warzone (Brrapt)
俺は戦場の鍵を持っている
You got the key to the peace (Ugh)
お前が持っているのは平和(逃げ腰)への鍵だ
[Chorus: Quavo]
Hell nah
絶対にノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波を乗っ取らせるな
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波を乗っ取らせるな
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Park the Benz just to ride the Wraith
レイスに乗るためだけに、ベンツを駐車するのさ
Skrrt-skrrt
Ten million dollars, gotta hide the safe
1000万ドルだ、金庫を隠さなきゃな
[Bridge: Travis Scott]
We gon' go live, we gon' go live, yep (Yeah, yeah)
俺たちは生中継(ライブ)でいくぜ、盛り上がっていくぜ
We gon' go live, we gon' go live, yep (Yeah, yeah)
派手に暴れるぜ、生中継でいくぜ
Gettin' loose (Yeah), yeah
リミッターを外して(ルーズに)ハイになるんだ
Off the Henny, 'Roc and a hint of Goose (Yeah), yeah
ヘネシー、シロック、それに少しのグレイグースでな
※Hennessy(コニャック)、Cîroc(ウォッカ)、Grey Goose(ウォッカ)という高級酒のミックスアップ。
Ocean deep in my swimmin' pool, yeah (In my pool)
俺のプールは海みたいに深いんだ
[Verse 3: Travis Scott]
Throwin' Dead Prez in my livin' room, yeah (In my room)
リビングルームで、デッド・プレジデンツ(札束)をばら撒いてる
※「Dead Presidents」は肖像画が描かれた米ドル紙幣を指すストリート・スラング。
Takin' shots, feelin' bulletproof
ショットをあおり、防弾チョッキを着たように無敵な気分さ
Flood my Rollie, told my bitch: "Let's go snorkelin'!" (Yeah)
ロレックスをダイヤで埋め尽くし、女に「シュノーケリングに行こうぜ!」って言ったんだ
※「Flood」は時計を大量のダイヤモンドで装飾する(水浸しにする)こと。ダイヤの冷たい輝きを水に見立て、「シュノーケリング(潜る)」という言葉遊びを展開している。
Out in Portland, tryna get in her organs (Yeah)
ポートランドで、彼女の奥深く(内臓)まで入り込もうとしてる
※ツアー先のオレゴン州ポートランドでの、グルーピーとの過激な性行為の描写。ここでタイトルを回収している。
No, I did not sign with Jay but I still send a Tidal wave
いや、俺はジェイ(Jay-Z)と契約してないが、それでもタイダル・ウェーブ(巨大な波)を起こしてるぜ
※Jay-Zが所有していたストリーミングサービス「Tidal」と、楽曲のテーマである「Wave(トレンドの波)」を掛けた秀逸なパンチライン。
Yeah, I might just go get the fade, buy the du-rag and just tie the waves
ああ、フェードアウトして、ドゥーラグを買って、ウェーブを縛り付けておくかもしれない
※髪型の「フェード」と、ドゥーラグで髪を「ウェーブ(波状)」に固定するカルチャーの言葉遊び。他人に自分のWaveを盗まれないように縛っておく(Tie the waves)というダブルミーニング。
Yeah, it's lit at the crib, you could stay, me and Drake kick like Kid N' Play (Kid N' Play)
ああ、俺の家(クリブ)は最高に盛り上がってる、泊まっていってもいいぜ、俺とDrakeでキッド・ン・プレイみたいに蹴り上げる(キックステップする)からな
※90年代のヒップホップデュオ「Kid 'n Play」。彼らの有名な「キックステップ・ダンス」と、スラングの「Kick it(遊ぶ、チルする)」を掛けている。
God, the way that she servin' that cake, I gotta sit back and digest (Straight up)
神よ、彼女のあのケーキ(ケツ)の出し方を見たら、俺は後ろに座って消化しなきゃならない
※「Cake」は女性の豊満なお尻のスラング。大きすぎて消化(Digest)が必要だというユーモラスな下ネタ。
I guess for the fuck shit, I'm biased (Yeah)
クソみたいなことに関して、俺は偏見を持ってるみたいだ(俺には効かない)
I mix, double the cup when I stress
ストレスが溜まったら、ダブルカップで(リーンを)ミックスする
Got my mama out the basement (Mama)
母さんを地下室(貧困)から救い出したんだ
That's a different type of face lift
それは別の種類のフェイスリフト(表情を明るくすること)さ
※美容整形のフェイスリフトと、母親の生活水準を向上させて笑顔にした(顔を上げさせた)ことを掛けている。
Free Max B up out the bracelets (Yeah, yeah)
マックス・Bを手錠(ブレスレット)から解放してやってくれ
※殺人に関与した罪で長期服役中のラッパーMax Bへのシャウトアウト。彼はヒップホップ界において「Wave」という概念(Wavy)を定着させた最重要人物であり、この曲のコーラスのテーマに直結している。
Don't hit us askin' what the wave is
俺たちに「今の波(トレンド)は何?」なんて聞いてくるなよ
[Chorus: Quavo]
Hell nah
絶対にノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波を乗っ取らせるな
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Never let these niggas ride your wave
奴らにお前の波を乗っ取らせるな
Nope, no way, nah
いや、ありえない、ノーだ
Park the Benz just to ride the Wraith
レイスに乗るためだけに、ベンツを駐車するのさ
Skrrt skrrt
Ten million dollars, gotta hide the safe
1000万ドルだ、金庫を隠さなきゃな
[Post-Chorus: Quavo]
Skrrt-skrrt, oh
Michael Phelps with the swim moves
マイケル・フェルプスみたいな泳ぎ(スウィム・ムーブ)さ
Skrrt-skrrt, oh
Michael Jordan with the tennis shoes
マイケル・ジョーダンみたいなテニスシューズ(スニーカー)さ
Skrrt-skrrt, oh
Michael Phelps with the swim moves
マイケル・フェルプスみたいな泳ぎ(スウィム・ムーブ)さ
Skrrt-skrrt, oh
Michael Jordan with the tennis shoes
マイケル・ジョーダンみたいなテニスシューズ(スニーカー)さ
