Artist: Eminem (feat. Danny Lohner & Marilyn Manson)
Album: The Marshall Mathers LP
Song Title: The Way I Am (Danny Lohner Remix)
概要
ヒップホップとインダストリアル・ロックの歴史的邂逅である。エミネムの代表曲「The Way I Am」のこの公式リミックスは、Nine Inch Nails(NIN)のメンバーであるダニー・ローナーがプロデュースを手がけ、客演にはマリリン・マンソンを迎えている。原曲のVerse 2において、1999年のコロンバイン高校銃乱射事件の責任をメディアから理不尽に押し付けられた(スケープゴートにされた)同士として、エミネムがマリリン・マンソンの名前を挙げて擁護したことが共演の直接のきっかけとなった。マンソンの不気味なボーカルがコーラスとバックグラウンドを支配し、ローナーによる重厚なギターとインダストリアルなビートが、エミネムの抱える怒りやパラノイアをさらに増幅させている。社会の敵(パブリック・エネミー)と見なされた二大巨頭が結託し、偽善的なアメリカ社会に中指を立てる象徴的なトラックだ。
和訳
[Intro: Eminem]
Dre, just let it run
ドレー、そのまま流してくれ
※オリジナル版と同様のイントロだが、背後で鳴るビートはダニー・ローナーによるノイズとディストーションにまみれたインダストリアルなサウンドに差し替わっている。
Ayo, turn the beat up a little bit
エイヨォ、ビートの音量をもう少し上げてくれ
Ayo
エイヨォ
This song is for anyone
この曲は誰に向けたものかっていうと
Fuck it, just shut up and listen
いや、クソくらえだ。とにかく黙って聴きやがれ
Ayo
エイヨォ
[Verse 1: Eminem & Marilyn Manson]
I sit back with this pack of Zig-Zags and this bag of this weed
ジグザグの箱とハッパの袋を抱えて、深く椅子に座り込む
※Verse 1はオリジナル版と歌詞は同じだが、マリリン・マンソンの不気味な合いの手が随所に挿入され、サイコホラー的な雰囲気を高めている。
It gives me the shit needed to be the most meanest MC on this—
こいつらが、この地球上で最高に意地悪なMCになるために必要なモン(インスピレーション)をくれるんだ
On this Earth, and since birth
この地球上でな。俺は生まれた時から
I've been cursed with this curse to just curse (Fuck, fuck)
ただ悪態をつく(カース)ための呪い(カース)にかけられてるのさ(クソッ、ファック)
※(Fuck, fuck)という囁き声が重なる。
And just blurt this berserk and bizarre shit that works
そして、この狂ってて奇妙な戯言をただぶちまける。それが上手くいく(売れる)んだ
And it sells and it helps in itself to relieve
それが売れることで、俺自身を解放する手助けにもなってる
All this tension, dispensin' these sentences
このプレッシャーのすべてをな。これらの文章を吐き出すことで、
Gettin' this stress that's been eatin' me recently
最近俺を蝕んでいるこのストレスを
Off of this chest, and I rest again peacefully
胸の奥から吐き出して、ようやくまた安らかに眠れるのさ
But at least have the decency in you
だが、せめて最低限の礼儀くらいはわきまえろ
To leave me alone, when you freaks see me out
お前らイカれた連中(ファン)が、外で俺を見かけた時は放っておいてくれ
In the streets when I'm eatin' or feedin' my daughter
ストリートで飯を食ってる時や、娘に飯を食わせてる時にな
Do not come and speak to me
俺に話しかけてくるんじゃねえ
I don't know you, and, no, I don't owe you a motherfuckin' thing
俺はお前を知らないし、お前に義理立てする筋合いなんてクソほどもねえんだよ
I'm not Mr. *NSYNC, I'm not what your friends think
俺はインシンク(アイドル)じゃねえ。お前の友達が思ってるような奴じゃないんだ
I'm not Mr. Friendly, I can be a prick
俺は「ミスター・フレンドリー(愛想のいい奴)」じゃない。クソ野郎にだってなれる
If you tempt me, my tank is on empty
俺を怒らせるな、俺の堪忍袋の緒はもう空っぽなんだ
No patience is in me, and if you offend me
忍耐力なんて残っちゃいない。もし俺の気分を害したら、
I'm liftin' you ten feet in the air
お前を宙に10フィート(約3メートル)吊り上げてやる
I don't care who was there and who saw me, just jaw you
そこに誰がいようが、誰が見ていようが知ったこっちゃねえ。お前の顎を砕いてやる
Go call you a lawyer, file you a lawsuit
さっさと弁護士でも呼んで、俺を告訴しな
I'll smile in the courtroom, and buy you a wardrobe
俺は法廷で笑いながら、お前に新しい衣装(慰謝料)でも買ってやるよ
I'm tired of all you
お前ら全員にもうウンザリなんだよ
I don't mean to be mean, but that's all I can be, it's just me
意地悪をするつもりはないんだが、俺はそういう生き方しかできないんだ、これが俺なのさ
[Chorus: Marilyn Manson]
And I am whatever you say I am
そうさ、俺はお前らが「俺はこういう奴だ」と言う通りの存在さ
※コーラスをマリリン・マンソンが単独で歌い上げる。ロックとヒップホップの枠を超え、世間から「悪」のレッテルを貼られた表現者たちの共通のアンセムとして機能している。
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
※マンソンもまた、エミネムと同様に(あるいはそれ以上に)メディアからのバッシングの標的となっていた。
Radio won't even play my jam
ラジオ局は俺の曲を流そうとすらしないくせにな
'Cause I am whatever you say I am
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ。それが「俺の在り方(The Way I Am)」なんだから
[Verse 2: Eminem & Marilyn Manson]
Sometimes I just feel like my father, I hate to be bothered
時々、自分が親父に似てるなって思うよ。邪魔されるのが大嫌いなんだ
With all of this nonsense, it's constant
こんな無意味な騒ぎばかりだ、ずっと絶え間なく続く
And, "Oh, it's his lyrical content
「ああ、彼の歌詞のせいだ
The song "Guilty Conscience" has gotten such rotten responses"
『Guilty Conscience』って曲のせいで、こんなに腐った反響が来てるんだ」なんてな
And all of this controversy circles me
こうした論争のすべてが俺の周りを渦巻いてる
And it seems like the media immediately points a finger at me
メディアはすぐに、俺に指を突きつけて非難してきやがる
So I point one back at 'em, but not the index or pinkie
だから俺も奴らに指を突き返してやる。だが、人差し指や小指じゃない
Or the ring or the thumb, it's the one you put up
薬指や親指でもない。お前らが立てる「あの指」さ
When you don't give a fuck, when you won't just put up
一切気に食わねえ時や、我慢ならねえ時に立てる指だ
With the bullshit they pull, 'cause they full of shit too
奴らが引き起こすクソみたいな騒ぎにな。だって奴ら自身がクソまみれなんだから
When a dude's gettin' bullied and shoots up his school (Pff)
いじめられたガキが、自分の学校で銃を乱射した時(プッ)
And they blame it on Marilyn and the heroin (Ah-ah)
奴らはそれを、マリリン(・マンソン)やヘロインのせいにしやがる(アァ・アァ)
※このコラボレーションの核心部分。エミネムがマリリン・マンソンの名前を挙げた瞬間に、マンソン自身の「Ah-ah」という不気味な笑い声(または同意の声)が重なる。当事者二人が揃ってメディアの偽善を嘲笑うという、極めて象徴的で鳥肌の立つ演出。
Where were the parents at? And look where it's at
親たちは一体どこで何をしてたんだ? それに、事件が起きた場所を見てみろよ
Middle America, now it's a tragedy, now it's so sad to see
ミドル・アメリカ(白人中産階級)の街だ、だから「悲劇」として扱われるんだ。今になって「なんて悲惨な事件だ」なんて嘆いてやがる
An upper-class city havin' this happenin'
上流階級の街でこんなことが起きるなんて、ってな
Then attack Eminem 'cause I rap this way, but I'm glad
それから「こんなラップをしてるからだ」ってエミネムを攻撃する。でも、俺は嬉しいぜ
'Cause they feed me the fuel that I need for the fire to burn
だって奴らは、俺の炎を燃やすために必要な「燃料(ヘイト)」を注いでくれてるんだからな
And it's burnin', and I have returned
そして炎は燃え盛ってる。俺は戻ってきたんだ
[Chorus: Marilyn Manson]
And I am whatever you say I am
そうさ、俺はお前らが「俺はこういう奴だ」と言う通りの存在さ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオ局は俺の曲を流そうとすらしないくせにな
'Cause I am whatever you say I am
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ。それが「俺の在り方」なんだから
[Verse 3: Eminem]
I'm so sick and tired of bein' admired
俺は賞賛されること(ポップスター扱い)にウンザリしてて
That I wish that I would just die or get fired
いっそ死ぬか、クビになればいいとすら思ってる
And dropped from my label, let's stop with the fables
レーベルから契約解除されても構わねえ。作り話はもうやめようぜ
I'm not gonna be able to top a "My Name Is"
俺は『My Name Is』を超えるような(キャッチーな)曲を作るつもりはねえよ
And pigeon-holed into some poppy sensation
大衆向けのポップなセンセーションの型に押し込められて
To cop me rotation at rock 'n' roll stations
ロック(ポップス)のラジオ局で、ヘビーローテーションを狙うような真似はな
※このラインは、皮肉にもマリリン・マンソン(ロック・アーティスト)とのコラボレーションという形で「ロックラジオ」にアプローチすることになるという、メタ的な矛盾(あるいは計算された皮肉)を含んでいる。
And I just do not got the patience
俺にはもう忍耐力がないんだ
To deal with these cocky Caucasians who think
生意気な白人どもの相手をするのにな。奴らはこう思ってやがる
I'm some wigga who just tries to be black
俺のことを、ただ黒人の真似をしようとしてる「ウィガ(Wigga)」だってな
'Cause I talk with an accent and grab on my balls
俺が訛りで話し、股間を掴むからってな
So they always keep askin' the same fuckin' questions
だから奴らはいつも、同じクソみたいな質問ばかり繰り返す
What school did I go to, what hood I grew up in
「どこの学校に行ってたの? どこのフッド(ゲットー)で育ったの?」
The why, the who, what, when, the where, and the how
「なぜ、誰が、何を、いつ、どこで、どうやって」
'Til I'm grabbin' my hair and I'm tearin' it out (Argh)
自分の髪を掴んで、引き千切りたくなるまでな(アァーッ)
'Cause they drivin' me crazy, I can't take it
奴らが俺を狂わせる。もう耐えられねえ
I'm racin', I'm pacin', I stand, and I sit
思考が暴走し、部屋を歩き回り、立っては座る
And I'm thankful for every fan that I get
もちろん、俺についてくれるすべてのファンには感謝してるぜ
But I can't take a shit in the bathroom without someone standin' by it
だが、トイレでクソをすることすらできねえんだ、誰かが横に立ってないとな
No, I won't sign your autograph
いや、サインなんてしてやらねえよ
You can call me an asshole, I'm glad
俺のことをクソ野郎とでも呼ぶがいい、そっちの方が清々するぜ
[Chorus: Marilyn Manson]
And I am whatever you say I am
そうさ、俺はお前らが「俺はこういう奴だ」と言う通りの存在さ
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
Radio won't even play my jam
ラジオ局は俺の曲を流そうとすらしないくせにな
'Cause I am whatever you say I am
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな
If I wasn't, then why would I say I am?
もしそうじゃないなら、どうして俺が自分でそうだって言うんだ?
In the paper, the news, everyday I am
新聞やニュースで、毎日俺のことが書かれてる
I don't know, that's just the way I am
知るかよ。それが「俺の在り方」なんだから
[Bridge: Marilyn Manson & Eminem]
Pain, pain (I don't know it's just the way I am)
苦痛だ、苦痛だ(知るかよ、それが俺の在り方なんだから)
※ダニー・ローナーの重厚なギターリフの上で、マンソンが「Pain(苦痛)」と繰り返し囁く。名声とバッシングがもたらす精神的な痛みを象徴している。
Pain, pain
苦痛だ、苦痛だ
Pain, pain (Radio won't even play my jam)
苦痛だ、苦痛だ(ラジオ局は俺の曲を流そうとすらしない)
Ah-ah
アァ・アァ
[Outro: Eminem & Marilyn Manson]
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
※エミネムの叫びとマンソンの囁きが不協和音のように重なり合い、曲はカオスの中で幕を閉じる。
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
Radio won't even play my jam (Ah-ah)
ラジオ局は俺の曲を流そうとすらしない(アァ・アァ)
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
'Cause I am whatever you say I am (Pain, pain)
だって、俺はお前らが「こういう奴だ」と言う通りの存在だからな(苦痛だ、苦痛だ)
