Artist: Chris Brown
Album: BROWN
Song Title: Cry for Me
概要
本作「Cry for Me」は、クリス・ブラウンが愛と肉体的な快楽の境界線上で揺れ動く親密な関係を描き出した、官能的かつメロウなR&Bトラックである。タイトルにある「Cry」は、悲哀の涙ではなく、極限の快楽から漏れる声や、絶頂時に彼の名前を叫ぶ(cry out)行為をメタファーとして用いている。キャリアを通じてベッドルーム・アンセムの金字塔を幾度も打ち立ててきた彼だが、本作では単なるプレイボーイとしての振る舞いにとどまらず、関係に縛られない自由を求めつつも、事後に手を繋いで寄り添うような精神的な繋がり(親密さ)をも渇望するペルソナが垣間見える。「天使のように扱い、悪魔のように抱く」というリリックが象徴するように、野蛮な性愛とロマンティックな愛情が交錯する様は、彼特有の危うい魅力そのものである。現代R&Bシーンにおいて、肉体関係の先にある複雑な感情の機微をここまで生々しく、かつ洗練されたサウンドで表現できる彼のボーカルの成熟を証明する一曲となっている。
和訳
[Intro]
Oh
What's my name?
俺の名前はなんだ?
What's my name?
俺の名前はなんだ?
(Sound)
[Chorus]
What's my name? You know it's yours (Yours)
俺の名前はなんだ?お前のものだってわかってるだろ
※相手に自分の名前を呼ばせる行為と、「俺自身がお前の所有物だ(You know it's yours)」という二重の意味を持たせている。主導権を握りつつも相手に身を委ねる、彼特有の駆け引きの表現。
That's all she really wants
彼女が本当に求めているのはそれだけなんだ
One thing that I know for sure (Sure)
俺が確実に分かっていることが一つある
Is that I want you to cry for me
それは、お前に俺のために泣いてほしいってことさ
※ここでの「泣く(cry)」は悲しみの涙ではなく、極限の快感による絶頂の声や、彼の名前を叫び声を上げる(cry out)ことの官能的なメタファーとして機能している。
When you feel out of reach (Reach)
手が届かないほど遠くへ行ってしまいそうな時
Baby, cry for me (Me)
ベイビー、俺のために声を上げてくれ
Cry for me
俺のために泣き叫んでくれ
[Verse 1]
Ooh, you know your angles
お前は自分の魅せ方をよく分かっている
※「angles(角度)」は、SNSの自撮りで最も美しく見える角度を知っているという意味と、ベッドルームにおいて相手を最も興奮させる体位や見せ方を熟知しているという意味のダブルミーニング。
You so fuckin' dangerous
お前は本当に危険な女だ
I wanna be friends
友達になりたいんだ
Tired of bein' strangers
ただの他人のままでいるのにはうんざりしたから
Too hard to lock down
独占するにはハードルが高すぎるけれど
Need you right now
今すぐお前が必要なんだ
Need you right now (I need you)
今すぐお前が必要なんだ
No need for labels
肩書きなんて必要ない
※「labels」は「恋人」や「ボーイフレンド」といった明確な関係性の名前のこと。現代の若者特有の「シチュエーションシップ(名前のない曖昧な関係)」を肯定し、純粋な快楽と繋がりだけを求めている。
Kitchen to the table
キッチンからテーブルまで
Pissin' off the neighbors (Oh)
隣人たちをキレさせるくらい激しく
Tell me how that sounds (Sound)
どう思うか教えてくれ
How does that sound? (Sound)
悪くない響きだろ?
We so back now, now
俺たちの関係は完全に元通りだ
[Pre-Chorus]
I'm just tryna show you what it takes (Takes)
俺がどんなものか、お前に見せつけようとしているだけさ
I can put a smile on your face (Face)
お前を笑顔にさせることだってできる
Let me knock that pussy outta place (Place, oh)
お前の中をめちゃくちゃにさせてくれ
※激しいピストン運動により、相手の体の構造が変わってしまうほどの強烈なオーガズムを与えるという、ヒップホップやR&Bでよく用いられる過激な性的メタファー。
[Chorus]
What's my name? You know it's yours (Yours)
俺の名前はなんだ?お前のものだってわかってるだろ
That's all she really wants
彼女が本当に求めているのはそれだけなんだ
One thing that I know for sure (Sure)
俺が確実に分かっていることが一つある
Is that I want you to cry for me
それは、お前に俺のために泣いてほしいってことさ
When you feel out of reach (Reach)
手が届かないほど遠くへ行ってしまいそうな時
Baby, cry for me (Me)
ベイビー、俺のために声を上げてくれ
Cry for me
俺のために泣き叫んでくれ
[Verse 2]
I treat you like an angel
俺はお前を天使のように扱う
You fuck me like a demon
お前は悪魔のように俺を貪る
※ロマンティックで優しい愛情表現(天使)と、ベッドルームでの野蛮な性欲(悪魔)という、彼が求める理想的な関係性の強烈なコントラスト。
One minute, you moanin'
ある時はお前は喘ぎ
Next minute, you screamin'
次の瞬間には叫び声を上げている
All the way to fifth round
第5ラウンドまでぶっ通しで
Go'n and get dicked down
徹底的に抱き潰されてしまえ
This should make you sit down
これでしばらくは立ち上がれなくなるはずだ
Go'n and make it disappear, girl, do it with no hands
それを消し去ってみせろ、手は使わずにやってみろ
※男性器を口の中へ完全に咥え込む高等テクニック(ハンズフリー)を要求する露骨なパンチライン。
You wanna tell, but I totally understand (I understand)
お前は誰かに話したいんだろうが、俺は完全に理解しているよ
When we finish, we cuddlin' and holdin' hands
終わった後は、抱き合って手を繋ぐんだ
And look up
そして上を見上げる
Ain't no chance to fuck it up
この関係を台無しにする隙なんてない
[Pre-Chorus]
I just wanna get you out the States (States, States)
お前をアメリカ国外へ連れ出したいんだ
※単なる遊びのセフレではなく、海外のプライベートなリゾートへ連れ出す特別な存在(メイン・チック)への昇格を意味するトップスター特有のフレックス。
Let me set the vibe, you pick the pace (Pace)
俺がムードを作るから、お前がペースを握れ
You don't know how good that pussy taste (Taste)
お前は自分のそこがどれだけ最高の味がするか分かっていない
Say my name (What's)
俺の名前を言ってみろ
[Chorus]
What's my name? You know it's yours (It's you, yeah)
俺の名前はなんだ?お前のものだってわかってるだろ
That's all she really wants (Ooh)
彼女が本当に求めているのはそれだけなんだ
One thing that I know for sure (Sure)
俺が確実に分かっていることが一つある
Is that I want you to cry for me
それは、お前に俺のために泣いてほしいってことさ
When you feel out of reach (When you feel out of reach, you can, reach)
手が届かないほど遠くへ行ってしまいそうな時
Baby, cry for me (Cry, me)
ベイビー、俺のために声を上げてくれ
Cry for me
俺のために泣き叫んでくれ
[Outro]
Cry
泣いてくれ
Cry
泣いてくれ
Oh
