Artist: A$AP Rocky
Album: AT.LONG.LAST.A$AP
Song Title: Excuse Me
概要
本作「Excuse Me」は、2015年にリリースされたA$AP Rockyの2ndアルバム『AT.LONG.LAST.A$AP』に収録された、彼の音楽的成熟と精神的な変化を象徴するトラックである。Hector Delgado、A$AP Rocky(Lord Flacko名義)、Jim Jonsin、Finatik N Zac、Vulkan The Krusaderが共同でプロデュースを手掛け、メランコリックでありながらもバウンス感のあるビートを展開している。この楽曲でRockyは、貧困から脱却し莫大な富を手に入れた現在の「新しい自分」に対する世間の批判や嫉妬に対し、「Excuse me(失礼、どいてくれ)」と一蹴するスタンスを取っている。同時に、金を手にする前から「心は豊かだった(Wealth is in the mind)」という亡き親友A$AP Yamsからの教えを胸に刻み、ハイファッション(Rick Owensなど)とストリートのリアル(ドラッグディールや銃)が混在する自身の複雑なアイデンティティを見事にラップで表現した、アルバム屈指の名曲である。
和訳
[Intro]
For all 'em hoes that was frontin' on niggas back in the days, man
昔、俺たちのことを見下してたビッチども全員に捧げるぜ、なあ
(You know I'm sayin'? This for my broke jiggy niggas right now, you know)
(言ってること分かるか? これは今、金はねえがジギーな(イケてる)ダチどもに向けたもんだ、分かるだろ)
Excuse me, fuck out my face
ちょっと失礼、俺の目の前から失せな
They say wealth is in the mind, not the pocket (I still had that)
「豊かさってのはポケットの中じゃなく、心の中にある」って言うよな(俺は昔からそうだったぜ)
I learned that from a very wise man
それは、とても賢い男から学んだんだ
※「賢い男」とは、本作のリリース直前に急逝したA$AP Mobの創設者であり精神的支柱であったA$AP Yamsのこと。彼の遺した教えへの深い敬意が込められている。
(Gotta pocket full of stones like Pimp say, this shit)
(ピンプが言ったみたいに、ポケットには石がいっぱいだ、全くな)
※UGKのPimp Cへのオマージュ。「stones」はクラックコカインと、ダイヤモンドの両方の意味を持つ。
(Uh, yeah)
ああ
[Verse 1]
Okay excuse me, Mr. Bill Collector, I got problems
オーケー、失礼するぜ、借金取りのオッサンよ、俺も色々と事情があるんだ
My check arrive mañana, I'ma pay my debt, I promise
小切手はマニャーナ(明日)届く、借金はちゃんと返すよ、約束するぜ
※「mañana」はスペイン語で明日。かつての金がなかった時代の借金取りとのやり取りを再現している。
I spent twenty thousand dollars with my partners in Bahamas
バハマでダチと一緒に2万ドル使っちまったんだ
Another 20 thousand dollars on Rick Owens out in Barneys
それにバーニーズでリック・オウエンスにもう2万ドル使っちまったのさ
※借金があるにも関わらず、バハマでのバカンスや高級デパート(バーニーズ・ニューヨーク)でのハイブランドの爆買いに大金を浪費するという、矛盾したハスラーの金銭感覚。
I said excuse me, why the fuck you lookin'? What's your problem?
だから「失礼」って言っただろ、何をジロジロ見てやがる? 何か文句あるのか?
I swear we gon' have drama if you touch my tailored garments
俺の仕立ての良い服に触れようもんなら、マジで一悶着起きるぜ
All you see is niggas here, so that means it's triggers there
お前の目には俺たち黒人しか見えないだろ、ってことはそこには引き金(銃)があるってことだ
What you mean? We got weed, and codeine and bricks for sale (Excuse me)
どういう意味かって? 俺たちはウィードもコデインも、ブリック(コカイン)も売ってるってことさ(ちょっと失礼)
I bet a lot of niggas plottin', so you know I got that heater, bruh (Excuse me)
俺を陥れようと企んでる奴らが山ほどいるはずだ、だから当然ヒーター(銃)は持ってるぜ、なあ(ちょっと失礼)
Drive my side of Harlem, catch me ridin' with my Nina, bruh (Excuse me)
俺の地元のハーレムをドライブしてみな、俺がニーナと一緒に乗り回してるのを見かけるはずだぜ(ちょっと失礼)
※「Nina」は女性の名前と、9ミリ口径の拳銃(9mm=Nina)のダブルミーニング。
She got an apple bottom that remind you of Bonita, bruh
彼女のアップル・ボトム(でかいケツ)を見りゃ、ボニータを思い出すはずさ
Oh, you mean like Q-Tip? Now that girl my new bitch
ああ、Q-Tipの歌みたいにってことか? 今じゃあの子は俺の新しいビッチさ
※A Tribe Called Questのクラシック「Bonita Applebum」からの鮮やかなリファレンス。Q-Tipが歌った美しい女性を、今や自分が横に連れているというフレックス。
Excuse me, no, I believe the proper term's excuse you
失礼、いや、正しい言い方は「そっちこそ失礼(どけよ)」だな
I could switch up on you niggas and start shittin' if I choose to
俺がその気になれば、いつでもお前らに態度を変えて、クソみたいに扱うことだってできるんだぜ
That's when the new you becomin' different since they knew you
奴らが知ってる昔のお前とは違う、「新しい自分」に変わっていくってのはそういうことだ
I guess the new me is just gon' take some gettin' used to (Excuse you)
この「新しい俺」に慣れるまで、もう少し時間がかかるだろうな(そっちこそ失礼)
[Chorus]
Excuse me, I tell them they're excused
失礼、俺は奴らに「退室していいぞ」と伝えてやるのさ
What's the word around town, tell me what's the latest news
街の噂はどうだ、最新のニュースを教えてくれよ
And, uh, who them niggas, I tell 'em we them dudes
あいつらは誰だ?ってな、俺は「俺たちがあの噂の男たちだ」と教えてやる
Ain't got time to make excuses, bro, we steady makin' moves
言い訳(Excuses)なんかしてる暇はねえんだよ、兄弟、俺たちは着実に前に進んでるんだ
And I, run the game even when they bend the rules
そして俺は、奴らがルールを曲げようとも、このゲームを支配し続ける
I pay very close attention after that I pay my dues
俺は細心の注意を払い、やるべき苦労はすべて果たしてきたんだ
※「pay my dues」は成功の前に積むべき下積みの苦労のこと。「pay attention(注意を払う)」と掛けている。
And, uh, excuse me, may I be excused?
それで、ええと、失礼、俺ももう退室してもいいか?
'Cause I gave this shit my all, ain't got nothin' left to lose
俺はこのゲームにすべてを捧げたからな、もう失うものは何もないのさ
[Verse 2]
Tell me why these little niggas talking like they killers, bruh
教えてくれよ、なんでこの小僧どもは自分たちが殺し屋みたいな口を利くんだ?
Nowadays these niggas always caught up in they feelings, bruh
最近の奴らは、いつも感情に振り回されてばかりだぜ
※当時のヒップホップシーンで増え始めていた、SNSで感情的に振る舞いながらギャングスタを気取るフェイクなラッパーたちへのディス。
But I stay one hundred 'cause you know I keep it triller, bruh
だが俺は常に100%(リアル)だ、俺が誰よりトリルを貫いてるのは知ってるだろ
Mobbin like 2Pacalypse or Bishop how I Hit 'Em Up
『2Pacalypse』や(映画の)ビショップみたいに暴れ回り、「Hit 'Em Up」のようにお前らをブチのめす
※2Pacのデビューアルバム『2Pacalypse Now』、彼が映画『Juice』で演じた凶悪なキャラクター「Bishop」、そして伝説のディストラック「Hit 'Em Up」という怒涛の2Pacリファレンス。
Fill 'em up with lyrics, bury all my victims, kill 'em
リリックで奴らを蜂の巣にし、犠牲者たちをすべて葬り去る、殺してやるのさ
Dig 'em up again, to say I did it
そして再び掘り起こす、「俺がやったんだ」と言いふらすためにな
※一度ラップで公開処刑した敵を、あえて掘り返して自身の力を誇示するというサイコパス的なメタファー。
Snitch, excuse me, mind your business, bruh
密告者め、ちょっと失礼、お前は自分のことだけ気にしとけよ
Swear that you could get it, girl
お前なら俺を落とせるって誓うぜ、ガール
She a fashion killer, huh? Killer girl, I'm a go-getter, she get it, girl
彼女はファッション・キラーか? キラーなガールだな、俺は手に入れる男、彼女は分かってるのさ
※1stアルバムのヒット曲「Fashion Killa」へのセルフオマージュ。
[Bridge]
Flacko, where you been? I've been thuggin' with my niggas, bruh
「フラコ、どこに行ってたんだ?」 俺はずっとダチとサグに生きてたのさ、なあ
Flacko, how you been? I'm still thuggin' with my niggas, bruh
「フラコ、元気だったか?」 俺は今でもダチとサグに生きてるぜ
Flacko, where you been? I've been thuggin' with my niggas, bruh
「フラコ、どこに行ってたんだ?」 俺はずっとダチとサグに生きてたのさ
Flacko, how you been? I've been thuggin' with my—
「フラコ、元気だったか?」 俺はずっとダチとサグに—
[Verse 3]
Buggin' with my niggas, gold sluggin'
ダチとイカれたように騒ぎ、ゴールドの金歯を光らせる
Tell me who fuckin' with my niggas
教えてくれ、一体誰が俺のダチに喧嘩を売れるっていうんだ?
Who run it? My niggas
誰が仕切ってる? 俺のダチどもさ
Fuck the fussin', they buckin' and bussin'
口論なんてクソくらえだ、あいつらはブチ切れて銃をぶっ放す
Now, niggas slump over Robitussin
今じゃ奴らは、ロビタッシンのせいでうなだれてる
※「Robitussin」は咳止めシロップのブランド(リーンの原料)。敵対する連中も、今やドラッグの依存で腑抜けになっているという冷ややかな視点。
In public, cup full of purple substance or somethin'
人前でも、紫色の物質か何かがなみなみと注がれたカップを持ってな
My niggas, the only thing that move me, 'Excuse me'
俺のダチども、それだけが俺を動かす唯一のものさ、「ちょっと失礼」
[Chorus]
Excuse me, I tell them they're excused
失礼、俺は奴らに「退室していいぞ」と伝えてやるのさ
What's the word around town, tell me what's the latest news
街の噂はどうだ、最新のニュースを教えてくれよ
And, uh, who them niggas, I tell 'em we them dudes
あいつらは誰だ?ってな、俺は「俺たちがあの噂の男たちだ」と教えてやる
Ain't got time to make excuses, bro, we steady makin' moves
言い訳なんかしてる暇はねえんだよ、兄弟、俺たちは着実に前に進んでるんだ
And I, run the game even when they bend the rules
そして俺は、奴らがルールを曲げようとも、このゲームを支配し続ける
I pay very close attention after that I pay my dues
俺は細心の注意を払い、やるべき苦労はすべて果たしてきたんだ
And, uh, excuse me, may I be excused?
それで、ええと、失礼、俺ももう退室してもいいか?
'Cause I gave this shit my all, ain't got nothin' left to lose
俺はこのゲームにすべてを捧げたからな、もう失うものは何もないのさ
[Outro]
Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko, Flacko
フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ、フラコ
