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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

JD - A$AP Rocky 【和訳・解説】

Artist: A$AP Rocky

Album: AT.LONG.LAST.A$AP

Song Title: JD

概要

本作「JD」は、2015年にリリースされたA$AP Rockyの2ndアルバム『AT.LONG.LAST.A$AP』に収録された、短くも強烈なインパクトを放つダークなトラックである。プロデュースはシカゴのアンダーグラウンドを支えるPlu2o Nashが手掛け、不気味で重々しいトラップビートを提供している。タイトルの「JD」とは、映画『理由なき反抗』などで知られる1950年代の伝説的ハリウッド俳優であり、若者の反逆の象徴であるジェームズ・ディーン(James Dean)を指している。Rockyは自身のペルソナ「Lord Pretty Flacko Jodye」に、永遠のアウトローであるディーンの「スワッグ」を重ね合わせ、メインストリームに属しながらも決して型にはまらない反逆児としての美学を提示した。リリックでは、裏切りや忠誠心の欠如が蔓延するストリートや音楽業界の冷酷な現実を、映画のワンシーンのような鮮烈なバイオレンス描写と高度なワードプレイで容赦なく切り捨てている。

和訳

[Intro: A$AP Rocky]

Yo, what's your name, young blood? What they call you?
よう、名前はなんて言うんだ、若いの? なんて呼ばれてるんだ?
※「young blood」は若者を指す定番のストリートスラング。

Well I got, I got, James, Jimmy or Byron Dean
そうだな、ジェームズ、ジミー、あるいはバイロン・ディーンだ
※ジェームズ・ディーン(James Byron Dean)の本名と愛称(Jimmy)の引用。自分が伝説の俳優の生まれ変わりであるかのように振る舞っている。

Yeah, I've been feeling that really JD swag lately man
ああ、最近マジでそのJDのスワッグを感じてるんだよ、なあ
※JD(ジェームズ・ディーン)のような反骨精神とクールなアティチュードが、今の自分に乗り移っているという宣言。

[Verse: A$AP Rocky & A$AP Ferg]

Lord Pretty Flacko Jodye stepped up in this piece (Yeah)
ロード・プリティ・フラコ・ジョディがこの場所に足を踏み入れたぜ
※「Lord Pretty Flacko Jodye」はRockyの最も尊大なアルターエゴ。威圧的で絶対的な権力者としてのペルソナ。

Bust my Glock to ensure that all you niggas rest in peace (Alright)
グロックをぶっ放す、お前ら全員が確実に安らかに眠れる(死ぬ)ようにな

Uh, Schwarzenegger I, straight slaughter niggas
シュワルツェネッガーみたいに、一直線に奴らを大虐殺する
※アーノルド・シュワルツェネッガー(映画『ターミネーター』や『コマンドー』など)のような圧倒的な火力と冷酷さで敵を殲滅するというメタファー。

I'm offin' niggas, screaming off with niggas' heads
俺は奴らを始末し、「奴らの首を刎ねろ」と叫ぶのさ
※「off with their heads(首を跳ねろ)」という暴君(『不思議の国のアリス』のハートの女王など)のセリフを用い、絶対的な支配者としての狂気を演出。

They all surrender, better call for niggas (Uh)
奴らは全員降伏する、さっさと仲間を呼んだ方がいいぜ

Come at all you niggas heads, talk 'em off a ledge
お前ら全員の首を狙いに行く、飛び降りようとする奴らを説得してやるよ
※「talk someone off a ledge」は自殺志願者を説得して思いとどまらせること。精神的に追い詰めておきながら、あえて生かしてさらなる絶望を味わわせるというサイコパス的な描写と解釈されている。

I'm arguing with 'em, I'm done talking with 'em (Woo)
奴らと言い争ってるが、もう話すのは終わりだ

I order coffins for 'em, call the coroner for 'em
奴らのために棺桶を注文し、検視官を呼んでやる

Get a comforter for 'em, I did all you niggas' beds
奴らのために掛け布団を用意しろ、俺がお前ら全員のベッドを整えてやったぞ
※「ベッドを整える」とは、つまり「棺桶に入れて永遠の眠りにつかせる」という詩的かつ残酷な表現。

I want all you niggas dead (Yeah)
お前ら全員、死ねばいいと思ってるんだ

You want oil nigga money, royalness, and bread
お前らはオイルマネーみたいな莫大な富、王族のような特権、そして札束を欲しがっている
※「bread」は金のこと。アラブの石油王(Oil money)のような無限の富を渇望する強欲な人間たちへの皮肉。

Royalties instead of rollies for your boys, but loyalty is dead (Grrr, yeah)
仲間にはロレックスじゃなく印税(権利)を与えるべきだが、そもそも忠誠心なんて死に絶えてるからな
※「rollies」はロレックスの時計、「Royalties」は楽曲の印税や権利。目先の高級品ではなく、永続的な権利を分け与えるのが真のリーダーだが、裏切りが横行する現状では「Loyalty(忠誠)」すら存在しないという音楽業界の闇を突いた秀逸なライム。

[Bridge: A$AP Rocky & A$AP Ferg]

Now I'm only up again
今、俺は再び立ち上がる

Kick-kick a man while he's down
倒れている男をさらに蹴りつける
※「Kick a man while he's down」は弱り目に祟り目の意味。ストリートにおける容赦のない弱肉強食の世界。

Looks dead; can’t be safe to say it (Woo)
死んでるように見えるが、確実だとは言いきれないな

Everybody's getting punished (Arghh)
誰もが罰を受けることになる

Looking down to sell with you, how have you been? (Alright)
お前と一緒に売るために見下ろしてる、最近どうしてた?

Probably an undercover, had them undercovers with you
お前はたぶん潜入捜査官だろ、潜入捜査官たちを連れていたからな
※麻薬取引(sell)の現場で、かつての仲間が警察の潜入捜査官(undercover)や密告者に寝返っていたことへの疑心暗鬼。

People buying and selling for you
人々はお前のために買い、そして売っている

I'll only sell with you if you're blind to sell
お前が売ることに盲目(何も見ていないフリができる)なら、俺はお前と一緒に売ってやるよ
※見て見ぬふりができる(警察に密告しない)なら取引してやるという、ギリギリの信頼関係の描写。

[Chorus: A$AP Rocky & A$AP Ferg]

Lord Pretty Flacko Jodye stepped up in this piece (Booyah)
ロード・プリティ・フラコ・ジョディがこの場所に足を踏み入れたぜ

Bust my Glock to ensure that all you niggas rest in peace (Bop, bop, bop, alright)
グロックをぶっ放す、お前ら全員が確実に安らかに眠れる(死ぬ)ようにな

Rep my block, quick to draw on all you niggas if there's beef (That's right, booyah)
俺のブロックをレペゼンし、もしビーフ(抗争)があればお前ら全員に対して素早く銃を抜くぜ

Blow your spot, better pray to Lord this shit don't hit the streets
お前の居場所を吹き飛ばす、この件がストリートに知れ渡らないように神に祈るんだな

Jimmy Dean
ジミー・ディーン
※ジェームズ・ディーンの愛称。彼のような反逆の精神のままに暴れ回るという、楽曲を象徴するネームドロップ。

[Outro: A$AP Rocky & A$AP Ferg]

Dean, dean, dean, dean, dean, dean, dea— (Alright)
ディーン、ディーン、ディーン、ディーン、ディーン、ディーン、ディ—