Artist: Wu-Tang Clan & Mathematics (feat. Kameron Corvet)
Album: Black Samson, The Bastard Swordsman
Song Title: Trouble Man (Outro)
概要
「Trouble Man (Outro)」は、Wu-Tang Clanと公式DJであるMathematicsによるプロジェクトアルバム『Black Samson, The Bastard Swordsman』を締めくくるエピローグ的なアウトロ・トラックである。ラップのヴァースは一切なく、アトランタを拠点とするソウル・シンガー、Kameron Corvetの力強くも哀愁漂うボーカルのみで構成されている。タイトルの「Trouble Man」はマーヴィン・ゲイが手掛けた1972年の同名ブラックスプロイテーション映画のサウンドトラックを想起させ、アルバム全体の70年代ブラックシネマへのオマージュというテーマを見事に完結させている。歌詞は、過酷なストリートの試練を乗り越え、決して魂を売らず(インディペンデント精神を貫き)、自らの帝国を築き上げたWu-Tang Clanの20年以上にわたる歩みと誇りを代弁する内容となっており、ヒップホップ・レジェンドとしての威厳に満ちた美しいエンディングである。
和訳
[Verse: Kameron Corvet]
I paid a price, did it all so I could get here
俺は代償を払い、ここへ辿り着くためにあらゆることをやってきた
Made sacrifices, standing tall and having no fear
犠牲を払い、堂々と立ち、いかなる恐れも抱かずに
The world can be cold, but I would never sell my soul 'cause it's clear
世界は時に冷酷になるが、俺は絶対に自分の魂を売ったりはしない、それは明白だからだ
※音楽業界やストリートの誘惑に屈せず、インディペンデントな姿勢を貫き通したWu-Tang Clanの理念の代弁。
I can do anything I desire, walk through the fire to fulfill the dream
俺は自分が望むことは何だってできる、夢を実現するためなら火の中だって歩いて進む
Created a kingdom ahead, followed the plan, now I reign supreme
前方に王国を築き上げ、計画に従い、今や俺は最高位に君臨している
※「reign supreme」は頂点に立つこと。RZAのビジョンに従い「Wu-Tang帝国」という強大なヒップホップ・ブランドを構築した歴史を指す。
I paid a price, did it all so I could get here
俺は代償を払い、ここへ辿り着くためにあらゆることをやってきた
Not sure what you heard or what you thought
お前が何を聞いたか、何を思っていたかは知らないが
I paid the cost just to be the boss
俺はボスになるためだけに、その代償を支払ったんだ
※「Paid the cost to be the boss」は、B.B.キングのブルースの名曲や、それをサンプリングしたスヌープ・ドッグの楽曲でも知られる、ブラック・ミュージックにおける伝統的なハスラーのフレーズ。
Learned from all the battles that I fought
自分が戦ってきたすべての戦いから学んできた
I paid the cost just to be the boss
俺はボスになるためだけに、その代償を支払ったんだ
