Artist: Drake
Album: HABIBTI
Song Title: Rusty Intro
概要
アルバム『HABIBTI』(アラビア語で「私の愛する女性」を意味する)の幕開けを飾る「Rusty Intro」は、Drakeのシグネチャーである内省的な「Sad Boy」のペルソナと、深夜のクラブでの享楽的なライフスタイルが交錯するショートトラックだ。過去の恋人たちから自分がどう評価されているかを自問自答しつつ、「神は俺を左手で作ったから、すべてを正しく(Right)はできない」という秀逸なワードプレイで自身の不完全さを正当化する。中盤からはフロリダのDJ Frisco954のタグが鳴り響き、オレンジ色の錠剤(アデロールなどの覚醒剤を満月に例えている)でハイになりながら閉店間際のクラブを徘徊する、生々しいナイトライフの描写へと移行。元恋人からの露骨な誘惑メッセージに対し、「少し錆びついている(Rusty)」と自嘲気味に返す姿は、数々の恋愛と裏切りを経て感情が摩耗したスーパースターの孤独と哀愁を見事に表現している。
和訳
[Verse: Drake & DJ Frisco954]
To all the sweethearts and the dates I've had
俺が付き合ってきたすべての恋人やデート相手たちへ
I wonder what they say about me
彼女たちは俺のことを何て言ってるんだろうな
How would they describe me as a man?
一人の男として、俺をどう説明するんだろう?
I know I'm no angel, but I tried
自分が天使なんかじゃないことは分かってる、でも努力はしたんだ
And God made me with the left hand, I cannot do everything right
神は俺を左手で作ったから、すべてを正しくこなすことなんてできないんだ
※「right」には「正しい」と「右」のダブルミーニングがある。「左手で作られた(不完全な存在)」だから「すべてを右(正しく)はできない」という、Drake特有の巧みなワードプレイ。
Whatever names you call me, I'm that if you say so
君が俺をどんな名前で呼ぼうと、君がそう言うなら俺はそういう男さ
You want me in pain, so
君は俺に苦しんでほしいんだろ、だから
Act like you're an angel, I don't see no halo
自分が天使であるかのように振る舞いな、俺には後光なんて見えないけどな
D-D-DJ Frisco954, yo
※フロリダを拠点とするプロデューサー/DJであるDJ Frisco954のシグネチャータグ。
Tell the bartender, "Fuck it, give me everything you have"
バーテンダーに言ってやれ、「クソくらえ、あるもの全部持ってこい」ってな
I'm on a orange full moon right now, so I don't want to nap
俺は今、オレンジ色の満月の上にいる、だから眠りたくないんだ
※「orange full moon」は、アデロール(Adderall)などのオレンジ色で丸い形状をした覚醒系処方薬の隠語とヒップホップファンの間では解釈されている。ハイになっていて眠気がない状態。
This bitch about to close, I'm about to do a lap
この店ももうすぐ閉まる、俺はもう一周回ってくるぜ
※「do a lap」はクラブ内をもう一周して誰か(持ち帰る相手など)を探すこと。
I just read a message from you, I'm so takеn aback
君からのメッセージを読んだばかりだ、すごく驚いてるよ
You said, "Love me, touch me, fuck mе"
君は「愛して、触れて、抱いて」と言った
Whole time it's all I'm thinkin' 'bout, trust me
ずっとそのことばかり考えてたんだ、信じてくれ
It's been a while though, I'm a little rusty, I'm a little rusty
でも久しぶりだからな、俺は少し錆びついてる、少し錆びついてるんだ
※「rusty」は長らく真剣な恋愛や特定の関係から遠ざかっていたため、腕がなまっている(錆びついている)という意味。アルバムのイントロとして、これから再び愛と欲望のゲームに足を踏み入れる姿勢を示している。
