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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

White - Frank Ocean (feat. John Mayer) 【和訳・解説】

Artist: Frank Ocean (feat. John Mayer)

Album: channel ORANGE

Song Title: White

概要

フランク・オーシャンのデビュー・アルバム『channel ORANGE』(2012年)に収録された、約1分強の短いインストゥルメンタル・インタールードだ。本作ではフランクのボーカルは一切入っておらず、現代の三大ギタリストの一人とも称されるジョン・メイヤーが客演として参加し、言葉を発しないフランクの代わりに、感情豊かでメランコリックなギターソロを響かせている。実は本作のリリース数ヶ月前に発表されたヒップホップ・コレクティヴ「Odd Future(OFWGKTA)」のコンピレーション・アルバム『The OF Tape Vol. 2』には、フランク自身が歌唱する同名のボーカル・トラック「White」が収録されている。自身のソロ・アルバムにおいて、あえて自身の声を封印しギターの音色のみで再構築したこのトラックは、情報量と言葉数の多い本作のストーリーテリングにおいて、リスナーに深い内省と余韻を与える文字通りの「空白(White)」の空間として機能している。

和訳

[Instrumental]

※この楽曲はインストゥルメンタル(歌唱なし)である。ここで主役を務めるのは、親交の深いジョン・メイヤーによるブルージーで叙情的なギターの音色だ。
※ファンの間では、同じく彼がアウトロでギターソロを弾き倒した長編作「Pyramids」から地続きになっている精神的な風景、あるいは前曲「Lost」で世界中を飛び回り自分を見失った主人公が、ふと立ち止まって虚無感に浸っているような「言葉にならない感情」を表現していると考察されている。
※なお、Odd Future名義のアルバムに収録されたボーカル版の「White」において、フランクは「自分の心はかつて何色にも染まっていなかった(白だった)」「忘れたくないものは記憶に留めよう」と、過ぎ去った青春の純真さや喪失感について歌っている。コアなリスナーの間では、その別バージョンのリリックの背景を脳内で補完しながら聴くことで、この声なきギターソロがより一層の哀愁を帯びて聴こえてくるという、極めて高度でコンセプチュアルなギミックとして高く評価されている。