Artist: Drake
Album: Honestly, Nevermind
Song Title: Intro
概要
「Intro」は、2022年6月に突如サプライズリリースされたDrakeの7作目のスタジオ・アルバム『Honestly, Nevermind』の幕開けを飾る、わずか36秒のインストゥルメンタル・トラックである。前作『Certified Lover Boy』の毒々しくも王道なヒップホップ/R&Bサウンドから一転、本作がシカゴ・ハウスやボルチモア・クラブ、南アフリカのアマピアノなどを大胆に取り入れた「ダンス・アルバム」であることをリスナーに予感させる、メランコリックで浮遊感のあるサックスの音色が特徴的だ。亡き盟友であるデザイナーのVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)への追悼という裏テーマを持つ本作において、この静謐なイントロは、Drakeがこれまでの商業的成功やラップゲームのしがらみ(Mob Bossとしての重圧)から解放され、純粋な音楽の鼓動と孤独な精神世界(Sad Boyとしての本質)へと深く潜っていくための、美しくも物憂げなプロローグとして機能している。
和訳
[Instrumental]
※本作は歌詞のないインストゥルメンタル楽曲である。リバーブが深くかかったメランコリックなサックスのソロ演奏は、深夜のヨーロッパのアンダーグラウンド・クラブや、孤独な高級ホテルのバルコニーから見下ろす冷たい夜景を彷彿とさせる。ファンの間では、前作『Certified Lover Boy』で描かれた過剰なまでのエゴイズムと「Toxic(有害)」な恋愛劇の数々を経て、すべてに疲弊したDrakeが、虚無感と共に新たなダンスフロアへと足を踏み入れる心象風景そのものであると解釈されている。また、DJとしてハウス・ミュージックに深く傾倒していた故Virgil Ablohへのレクイエムとしてのアルバム全体のトーンを決定づける、極めて重要な36秒間である。
